剛柔なお前の為。

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ep 168 楽しみ

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翔座 「…ハアっはぁ!まじで当たらねー…和泉みたいだぜ………ふ!!!」


大河 「右ひざ蹴り。」


翔座 「っ?!!ッ……」


翔座は右の膝を少し上げた瞬間に動きを止めてしまった。


翔磨 「…すっげww。」


翔座は自分の動きが大河に完全に読まれてしまう事をモロに実感してしまったのだ。


翔座は構えをといて、組み手をやめてしまう。

すると翔座は大河の肩をつかんで少し揺さぶる。

翔座 「……ハア、ハアっ。何で分かってんだ?」

大河 「今のは父さんの軸足と足の指の向き、重心で予測ができた。」


翔座 「…今のは??他のもずっと分かってたのか?!」


大河 「…あまりにも見た事ない動きとか、技だと全部は無理だけど、集中して見ていれば分かる………絶対。」


大河が無闇に断言する事は滅多に無い。


翔座はガバッと大河を抱きしめる。


翔座 「もぉーー!!大河!!!お前って奴わーー!wwww」


大河 「おいっ!!ちょちょ、ちょちょーー!!!」


そして、翔座は大河の両脇の下に腕を回して持ち上げ、グルグルと回した。

十回ほど翔座は大河を回し終えて解放する。


大河ふらふらとしながら座り込んだ。


大河 「少し酔った……」

翔磨 「ぁーあw 大丈夫じゃねーか?w」
翔磨 (オヤジめっちゃ嬉しそうだったなw)


翔座 「スッキリしたw シャワー浴びてくるわー!w…さすが俺の息子達ww」


翔座は道着脱ぎながら、上機嫌に道場を出て行った。


大河 (父さんは何がしたかったんだ??……)


大河はふらふらの状態で翔磨の腕を掴む。


翔磨 「大河以外に酔いやすいんだなw ……何か、かわいいw……腹減った。いこーぜw」


大河 「あんたらなー。。…………」


2人はとぼとぼと歩きだし、道場をあとにしてリビングに向かう。



大河は少しずつ酔いが覚めてきている中、朝食の準備を進めていた。




翔磨 「大河ぁー、アイスコーヒーくれー」


翔磨はTVを見ながらおねだりしている。


大河は目が半開きの状態で翔磨にアイスコーヒーを入れて持っていく。


大河 「はぃ……」

翔磨 「ぅわw 顔色悪いなw」

大河 「それ以上馬鹿にすんなら、吐く。」

翔磨 「すまんすまんっw そん時は受け取ってやるよw」


大河は深く息を吐きながらキッチンに戻っていった。


翔磨 「大河ぁ、忘れてないか?今日は何の日だ??w」


大河 「あっ!!今日だ!!ww」

翔磨 「元気になったなw 焼肉っ!焼肉ぅー!!」

大河は浩介、翔磨は焼肉で2人はテンションが上がっていく。


大河は鼻歌を歌いながら、作業を進めるのであった。


翔磨 (そんなに浩介がいいのかよw)

翔磨はしっかりと大河の心の中を察していた。



その頃、翔座はシャワー浴びて、着替えを行っていた。



翔座 (あの技、和泉ちゃんを超えてたぞー!//// ……そういえば、突きって言ってたが、今度は何やるつもりなんだ大河!w)


翔座は息子の成長が楽しみで仕方が無いようだ。



翔座がリビングつき、席に着くと同時に翔吾が二階からのっそりと起きてきた。


翔吾 「ぉはょ…。。」


3人は「おはよー。」と返す。


翔吾は椅子につくなり、頬杖をついて大河に声をかける。

翔吾 「兄ちゃーんそろそろクーラー入れようぜー、あちーんだよ。」


翔磨 「それは思った!!」

翔座 「確かに寝苦しくなってきたなー。」


大河は目玉焼や、ウインナーなどの皿を持って来ながら話す。


大河 「そーだなぁ、解禁するか!!w
…おい!翔吾。テーブルに肘をつくな!!」


翔座 「ぉー、こわっw」

翔座は新聞を読みながらコーヒーを飲む。


大河 「お父様が注意したら治るかもよw」

翔座 「俺は朝から怒りたくねーもんw」

大河はため息をつきながら食事を並べた。


翔磨も席につき、「いただきます」をして朝食がはじまる。



翔吾 「ぇえ?!大河兄ちゃんシリアルかよー。腹持つのかぁ?むぐむぐ。」
 

翔磨 「それじゃ、1日もたねーだろ。米食え米!むぐむぐ。」


翔座 「そーだぞ!パパみたいに大きくなれないぞー!むぐむぐ。」


大河 「暑いのによく食えるなー。。俺はバナナとシリアルで十分だ……それとお前達は食い過ぎ!春と比べて量増えてんぞ!!」


大河は食事を作っている身だからこそ変化に気付く。


翔座 「そいえば、今日だな浩二の家に行くのは。何時からだったけ?」

大河 「一応、19:00くらいに行くって連絡してる。」


翔座 「そうか、翔磨も酒飲むんだろ?」

翔磨 「そのつもりだ。」

翔座 「んじゃ、皆電車だな。」


大河 「あっ、俺浩介さんにそのまま向かいに来てもらう予定だから、後で合流する」


大河は自分の食器をシンクに持って行きながら話す。


翔座 「いちゃいちゃすんなよ?パパは許さんぞw あ、翔磨!差し入れ頼むな!俺も用意しとくから。」


翔磨 「うぃーす。」


翔吾 「大河兄ちゃん泊まるのか?w」

大河 「あぁ、一応泊まらさせてもらう予定だ。だめか?」


翔座 「駄目ってわけじゃねーけどw」

翔磨 「オヤジ!翔吾!野暮な事聞くなw」


3人はクスクスと笑いながら、大河を見つめる。


大河 「っ///// いいだろ!!従兄弟の家に泊まるだけだ!!さっさと皿もってこい!!」


3人 「「「はーーい」」」

大河は分かりやすい照れ隠しをしたのであった。







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