剛柔なお前の為。

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ep 139 大河の本気

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浩介 「和泉さんの土産くらい俺に買わせてくれよ。ほれっ。」


浩介は大河に花と大河の財布を渡す。


大河 「そりゃありがたいけど…」

浩介 「きーにすんな!w さっさと行くぞぉーw」

大河の頭をくしゃりと撫でて車に戻ろうとする2人。


すると大河は立ち止まる。


大河 「…浩介、先に車に戻ってくれないか…」

浩介は大河を振り返る。

浩介 「……駄目だ。………どいつだ」

大河 「……分からん。多分駅前から尾行されてる…」

浩介 「なら、逃げるが勝ちだなw さっさと車のれー。」


大河は浩介の車に花を置くと、助手席には乗らず少し遠くの路地裏を睨んでいる。


浩介 「大河…行くぞ。ここじゃ人が多すぎる……場所を変える。」


大河は無言で助手席に乗った。


浩介 「大河、後を監視してろ…」
浩介 (俺への逆恨みか?…それとも…)

浩介は少し速めの運転をして、商店街を去る。


大河 「…黒ワゴン一台。…多分あれだろうな。雰囲気的に……」

浩介 「おちょくりやがって……」

大河 「浩介の車のナンバーも俺の顔もバレてる。……早いうちに叩く。…」

浩介 「…分かった。ただし絶対俺たちからは手は出さん…いいな?」


浩介は車を防波堤の近く停車させる。

近くには松林しかない現地の人でも滅多にくる事が無い所だ。


浩介はエンジンを止めた。


大河 「…もし、向こうから手を出して来たら?」

浩介 「…容赦なく撃滅だww」


浩介はニンマリと笑い、大河に激しく興奮した時の顔を向ける。


大河はシートベルトを外すと同時に、浩介にキスをした。



大河 「っ…。」

浩介 「……。」


くちゃ。。


一度だけ、舌が絡む。



大河 「…ハァ…。……俺がやる…」



とだけ言い残すと大河は勝手に車を降りる。



浩介もすぐに車を降りる。



そして大河達の後ろには、黒ワゴン車1台が約25メートル手前で停車する。



浩介は大河の後ろに立つと、大河の肩に顎を乗せて大河の頬にキスをする。



浩介 「大河ぁ…独り占めはよくねーぜぇ?……俺にもやらせろよぉ………ちゅ。」



大河は一切、動じてはいないが幸せそうに浩介の頭を撫でた。

 
ワゴン車から、ヘルメットを被った者が2人、黒マスクを被った人間3人が降りてくる。



全員黒のジャージと手袋をして、1人は鉄パイプの様な物をもっている。


5人ゆっくりと近づいてくる。
威嚇しているのだろうか鉄パイプを引きずっている。

2人との距離は約20メートル。


大河 「……浩介、お願いがあるんだ。」

浩介 「んーー?……ちゅ。」

大河 「…本気…出していいか?」

大河はゆっくりとTシャツを脱ぐ。
ガッチリと柔軟で屈強な肉体美があらわになる。


浩介 「……いいぜぇ////」




2人との距離、約15メートル。


大河 「…俺がマスク3人やる………浩介は俺よりも弱いから残り2人な。」


浩介 「ひでーなぁ……ちゃんと守ってくれよ、俺の花婿さんw…」


2人は近づいてくる人間達を一切気に留めない。


2人との距離が5メートル程になった時、5人が止まった。


そして、浩介が口を開く。


浩介 「念と為に聞いておくぜぇ。…人違いじゃねーだろーなぁ?」


すると、鉄パイプ持ちのヘルメットを被った男が喋る。


大河よりも体格も身長も小さく、声質も幼い。


噛ませ犬だ。


    「お前が、坂鬼大河だな?」


浩介 「質問してるのは俺だ。雑魚が話しかけるな…」


ガン!!

噛ませ犬男は鉄パイプを地面に叩きつける。


「舐めてんじゃねーぞぉー!!!」


片手で鉄パイプを振り上げて、突っ込んでくる。



浩介は大河を抱きしめたまま半回転する。


大河 「おわわっ!!」

ガン!!    

浩介は男から鉄パイプをふり振り下ろされるよりも先に、ヘルメット目掛けて下から上へ蹴り上げた。

……カラっ!カララ。…


ヘルメットが地面に落ちて、幼い素顔があらわになる。

おそらく大河よりも年下であろう。

金色の短髪男子は衝撃で尻もちをつく。

「ゔぁっ!!だぁっ!っ!!」


浩介 「ぉお。思ったよりべっぴんさんじゃねーかw  いでで!!! …何だよ大河ぁ…ヤキモチかぁ?w」


大河は浩介の腹をつねった。


大河 「ちが、苦しっ。」


浩介 「お、わりーわりーw………残念ながら、俺じゃ無くてコイツが坂鬼大河君だぁw そして俺のんーっ!?んーー!!!…」


浩介が花婿さんと言うつもりが、大河が口を押さえた。


大河 「俺が坂鬼大河だ。…それが何か?」

尻もちをついた男の子は後退りしながら立ち上がった。

大河は浩介の口を解放して少し離れる。


大河よりもあきらかに体格が大きいあとの4人は、大河の狂気に身構える。


そして、ヘルメットをしたもう1人の男が大河に突っ込んで飛び蹴りを仕掛けにくる。



   「覚悟しろやぁ!!」


しかし、浩介がすぐに目の前に立ちはだかる。


浩介 「はっw! ぅおらぁ゛!!!w」


ドカァ!!ガン!!

浩介は飛び込んできた相手に、膝蹴りで溝うちを決めて、ラリアットをかまし地面に叩きつける。


ダンっ!!


「ぐぁあ゛!!……いっでぇ!!」


浩介は肩をグルグル回しながら大河に言い放つ。


浩介 「んだよ、コイツもハズレかよぉ……大河ぁ、お前分かってたなぁ?w」


鉄パイプを持った男の子は黒マスクを被った三人の後ろに下がっている。


浩介は大河を見守る。


そして大河は黒マスク3人それぞれ、1人1人ずつに指を刺した。

実戦慣れしている者たちであろう。


大河 「…強いな……こい!!!!!…」


ザッザッ!!!


3人一斉に大河に襲いかかる。






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