剛柔なお前の為。

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ep 84

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浩二 「まだ、夕方だろーがw 」


翔座 「たまにはいいだろーw 大河すまんが何か摘みと酒をくれるか?」


浩二 「お前な。…和泉じゃねーんだぞw」


翔座 「大河は大河だよなーぁ?ちょうだい大河ぁ!」


大河 「あいよ。…浩二さんも今日はゆっくりしてください。あっ、今日は車ですか?」


浩二 「いや、一応電車できたから大丈夫だ」


翔座 「お前も飲む気だったんじゃねーかよw」

浩二 「バレたかwだはっは!!」



大河は翔座が楽しそうに話しているのが微笑ましく感じたのだ。


一方、浩介は仏壇に手を合わせている。



翔吾 「浩介は母さんと会ったことあるのか?」



浩介 「あるぜー。何度か修行付けてもらった。……綺麗な目でだったぜ。そして滅茶苦茶強かったw」


翔磨 「大河だけ、母さんの目を受け継いでだなw」


浩介 「そだなー。坂鬼家より鷹虎家のほうが血が濃ゆそーだw 」



翔吾 「でも、若干浩介も、大河の目と似てるよな?」

浩介 「そーか???」


目をパチクリ開く浩介。



翔磨 「あー、言われてみれば似てるよな」

浩介 「従兄弟だからな!!」

浩介は笑いながら立ち上がる。



浩介 「あんがとっ。んじゃ案内してくれや。」


翔磨 「おう。まずは地下ジムからだな」

翔吾 「そだな。」

3人は家の中を見せて回る。




大河は料理、揚げ物と格闘していた。


エビフライ、唐揚げ、酢豚。


いそいそと、作業を進めていく大河。


ジーと大河を見つめながら酒を呑む浩二。


浩二 「こーみると和泉によく似てるよなー。大河って」

翔座 「俺もそう思う…」

翔座も呑みながら大河に目線をやる。


浩二 「大河!浩二お兄ちゃんって言ってくれよ。w」

翔座 「大河!翔座君だ!翔座くんって言って。w」



2人はほろ酔いになっている。


しかし大河は油の音と換気扇の音で聞こえてないようだ。


大河は2人が何を言っているのか分からず、ひとまず、にっこりと笑い掛ける。



浩二 「かわいぃ。。。」

翔座 「やめろ…俺の息子だぁ。」


浩二 「でもよ、浩介と付き合うなら俺の息子になるじゃねーかw」


翔座 「まだ、友達だろうが!……だが、浩介を憎めない理由が少し分かった気がするぜ。」


浩二 「だろー??俺の息子だからな!」


翔座 「それは関係ねーだろ。」

2人は笑いながら再び乾杯をして酒を交わしている。



浩介はある程度家の中を見せてもらい、最後に和泉の間にきた。



翔磨 「ここは母さんの道場だった。今は大河以外誰も使ってねー…」


浩介 「さっきここで大河と決闘したんだぜ。」


翔吾 「ぇ、珍しい。基本地下ジムか、畳の間だもんなー」



翔磨 「なぁ、浩介さん。一つ聞いてもいいか?」


真剣な話なのか呼び捨てにしない翔磨。


浩介 「ん?なんだ。」  



翔磨 「大河の”衝動”の事も真髄の事も、…‥全部知ってるんだよな?」 

浩介 「‥…知ってるぜ。」



翔磨 「嫌じゃねーのか?」

浩介 「そりゃ、いい気持ちはしねーな。他の奴に大河を取られるのは。」



翔吾 「だったらさ!」

浩介 「それはそれ、これはこれだ。俺は大河が好き。それだけで俺は十分だぜぇ?」  



翔磨 「………大河と戦ってみてどう思った」

浩介 「……ありゃ、化け物級だな。今の俺じゃ勝てねー。初めて大河に会って不意打ちを仕掛けたが見事にやられちまったぜ。」



翔吾 「不意打ちってw」

浩介 「俺がビビったのは、あいつの目だ。ゾクゾクして勃っちまった。…俺の闘争本能って奴だろうなぁ、。でも大河からは何も感じ無かった。……お前らも経験ねーかぁ?」



翔磨 「分かる……。」

翔吾 「あと、大河兄ちゃんスイッチ入ると人格変わるよなぁ?!滅茶苦茶怖いし、強い。」



浩介 「やっぱりな!アイツが強い理由の1つもそれなんじゃねーか?優しさのリミットを外す?みたいな……そんなにこえーのか?」

翔磨 翔吾 「「怖い。」」



浩介 「まじか。俺泣いちまうぞ。そんなに怖かったらw」


翔磨 「ま、まぁ。大河に指導されれば分かるんじゃねーか?」


浩介 「あとよ!大河はマゾでサドだろ?」



翔吾 「うん///」
翔磨 「なんでわかった?///」



浩介 「俺の直感だ////大河を見てると泣かせたくなるし、虐められたくなるんだよw」



翔磨 「……浩介は大河のケア役なんだろ?」


浩介 「そうだな。…一応オヤジから頼まれてはいるが。…俺じゃだめか?」



翔磨 「いや。…大河をよろしく頼む。」

翔磨は頭をさげる。続いて翔吾もさげる。


浩介は2人の肩を掴んで頭をあげさせる。



浩介 「まかせろ。お前達の大切な家族を俺は傷付けたりはしねー。……まーもし、傷付ける奴が出てくれば、死なない程度に殺すまでだ。」


2人は突然の浩介の威圧に恐怖を感じる。

しかし、嫌悪は感じる事はなかった。



翔磨 「そろそろ戻るか!」
翔吾 「腹減ってきた!」


浩介 「大河の飯食えるなんてなぁ、ワクワクすぜ!」



三人はリビングに向かう。
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