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ep 72
しおりを挟むふと、大河は目を覚ます。
時計を見ると時刻はAm3:30を回っていた。
大河は風呂場から上がった以降の記憶があんまり無い。
おぼろげに覚えているのが父の背中と、おかゆと薬の味。
大河は微睡みながらトイレに行くために起きる。
まだ、身体が重く扉が重く感じる。
トイレからでると、カップに水をそそいで、ごくごくと飲む。
階段をゆっくりと上がっていく。
すると階段の電気がついた。
翔磨 「トイレか?…大丈夫か?熱は?」
大河 「ん。大丈夫。熱はまだあるけど何とか動けるよ。…ありがと。」
翔磨 「そうか……キツくなったらすぐに言えよ。」
大河 「うん……おやすみ。」
翔磨 「おやすみ。…」
大河が無事に部屋に入るのを確認して翔磨は自分の部屋にもどった。
朝がきて、自然と目が覚める大河。
熱を測ると、36.8c°になっていた。
しかし身体はまだ重いようだ。
ゆっくりと下に降りて朝食の準備をしようとする大河だが、全員起きてそれぞれ朝食を済ませていた。
翔座 「おはよ、大河。熱は下がったか?」
大河 「おはよっ。え、朝食は?」
翔吾 「各自で済ませた。トレーニングで俺早起きしてたし。」
翔磨 「おはよ。…何か食べるか?バナナあるぞ、薬も飲め。」
大河 「あ、うん。後で食べる。学校の用意しなきゃ」
翔座 「だめだ。今日は休みなさい。拗らせたら元も子もない。連絡は俺が入れる。……今日はゆっくりと休まなさい」
大河は呆気に取られながら答える。
大河 「……ごめん。ありがと。んじゃ…もう少し寝るね…」
翔座 「大河。いつもありがとなw」
翔磨と翔吾も大河に微笑む。
大河はニッコリと笑いながら、二階に上がる。
ベッドに入ると。
何故か母の言葉を口ずさむのであった。
大河 「自分で流れに乗って造るっか。……」
再び寝るにつく大河であった。
翔磨は大河が眠って2時間くらい経ったとき、大河に薬を飲ませようと田中に声をかける。
翔磨 「田中さんちょいと、大河の所行って薬と飯食わせてくる。」
田中 「おぅ!大河くん大丈夫か?あっ!これこれお見舞いに持っていってやれ。」
田中は翔磨にスポーツ飲料を渡す。
翔磨 「ありがとう。ちょっくら行ってくるぜ」
翔磨は地下ジムの部屋からでて、二階に上がると、ちょうど大河が上半身を起こしていた。
翔磨 「おう、よく寝れたか?今飯と薬持ってきてやるから。あと、これ田中さんからのお見舞い。」
大河 「ありがとっ…あとで御礼いわなきゃ。いいよ、自分で用意するから兄貴は戻って。」
翔磨 「だめだ、今日は安静にしてろってオヤジから言われてたろ?……いい子だから。な。…待っとけすぐ持ってくる。」
大河 「う、うん…ありがとw」
翔磨は微笑みながら下に降りていった。
不意に携帯を確認すると武藤から連絡が入っていた。
《風邪か?!珍しいな!!…ノートも取ってあるから安心しろ!本当は見舞いに行きたいが山口から止められちまったwすまん。早く良くなって学校来いよな!俺楽しくねーぞw》
大河は笑いながら、返事を返す。
「熱は下がったから大丈夫だと思う!休み明けになるけど、学校にはちゃんと来れるからw心配かけたなw…」
と送る
《そうか!!よかった!!あと、休み明けからプール始まるぞ!準備しとけよって》
大河はげんなりと憂鬱になった。
「わかった。」とだけ返す。
翔磨 「よ、薬と飯持ってきたぞー!…ん?なんだそんな不安そうな顔して」
大河 「俺…学校行きたくない…」
翔磨ははじめて大河からそんな事を聞いたのでかなりうろたえてしまった。
翔磨 「なんでだ?…何か嫌なことでもあったか?……兄ちゃんに話せないことか?…言ってみな大河?」
大河はプールの事を話すと翔磨はため息をついた。
大河 「…どーせ、そんな事かぁって笑うんだろっ、いいよ、もう。…」
大河は布団に包まってしまう。
まさにその通りだった翔磨なのであった。
翔磨 「だ、大丈夫だって!…泳げなくても人生何とかなるって」
大河 「薬ありがと。ジムに戻りなよ…」
いじけて仕舞う大河になす術なく翔磨は地下ジムに戻るのであった。
この事を田中さんや、ジムの人に相談する。
田中 「へぇ、大河くんカナヅチだったんだ、意外だなぁw…でも、その言い方はまずいな翔磨w」
「それ、何のフォローにもなってないっすw」
翔磨 「あいつ、いじけちまった。……なんて言えばいいんだよ…」
田中 「とにかく、お前は出来るって励ましの声が1番だろ。後で言ってやれ」
翔磨 「んーーーーん、わかった……」
その頃大河は、自分のやっている事が幼すぎる事を反省していた。
そして、薬と食事をとり。
ゆっくりと眠った。
夢を見ることなく、ぐっすりと休んだのだ。
大河が目を覚ますと外は夕日が指している。
時計をみるとpm16:00を回っている。
大河は背伸びをして立ち上がった。
身体が軽く、熱も平熱になっている。
リビングに降りると当然だが、誰もいない。
母のところに行き、手を合わせる。
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