剛柔なお前の為。

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ep 68

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ジムの若い人間はコソコソと話している。


翔磨や田中などはジッと見つめている。


「やべーよ!こえーって!!」

「大河君、人格変わってるよ、。」

「大河の蹴り技なんておれ、初めて見た」

「翔吾君飛んだぞ!?」



大体の人間は、いつも大河が優しくにっこり笑っている姿しか見ない。


あまりの豹変ぶりに驚きと恐怖を感じるのは無理もない事であった。



大河 「…相手の動きをよく見ろ翔吾。俺の手足、重心、立ち位置、攻撃前後、攻撃中。……どんな事でいい!!見逃すな!!」



翔吾は立ち上がりながら返事をする。


翔吾 「ッはぁ゛いっ!!!!」



大河 「構えろ!!」
大河 (少し、噛み砕きながらやるか。)



翔吾に攻撃を仕掛ける前に大河は一言添えながら挑んでいく。



大河 「出足払い。」


ザシュー!!!



翔吾がよろけるが体制を整えると大河の脇腹目掛けて右蹴りをする。



大河はしゃがみ込みまた呟く。



大河 「上、中段回し蹴り。、」


バンッ!!ドガッ!!



翔吾の蹴りを相殺して、連続で翔吾の太ももと腹に蹴りを当てる。



翔吾 「ッっ、だぁ!!!」
大河 「ばか!よけろ!!!」



動きに慣れてきたのか翔吾は大河に攻撃を多く仕掛ける。

翔吾の攻撃は全てかわされて、いなされるが着実に成長している。


翔吾 「ハアハア、くそ!おら!!」



しかし、翔吾の攻撃が若干大振りなった頃を見計らい大河は翔吾の重心をずらして膝を刈る。


190以上にある巨体がふぁっと横向きに浮き上がり、そのまま沈められた。


翔吾は大河に左手と、右足を持たれて沈められたため受け身が取れなかった。



翔吾 「ぐぁ。。……いでぇー。。」



翔吾は悔しさと痛みで涙を滲ませている。


大河 「泣くな。」



大河はそれだけ呟くと、ゆっくりと立ち上がり。

翔磨にこう言った。



大河 「翔磨コーチ。次は翔吾をもっと強くしてくれ。…まだ、弱い。」


大河は上着をぬいで、汗を拭いている。



「おぉーー/////」

いつもとは違う大河の大人っぽさ感じるジムの人々であった。


そして、すぐに顔を赤くした少年らが大河にタオルを持ってくる。


翔吾は大の字になって片腕で目を覆っていた。


翔吾 「…クソ…クソ……くっ。。」


翔磨 「お疲れさん、どーだ?本気の大河兄ちゃんは? 怖かったか?w」


と茶化しながら、翔吾の顔にタオルをかけてあげる翔磨。


翔吾 「……あれでもまだ手加減なんだろ?…」



翔磨 「…そーだな。実際俺も大河の本気の本気をまだ、見た事がねー。。それにあいつすげー技使うしな!さっきは見れなかったがw」


翔吾 「……どんなのだ?…」



翔磨 「掛けられるとすげー、気持ちが悪い。確か……柳?って言ってたぜ。…まだあるみたいだが、俺は知らん。」


翔吾 「…そうか…」


翔磨 「いやー久しぶりに面白い物みれたぜ!……ん?大河?」


気付けば後ろに大河が立っている。


大河 「翔磨コーチ、ちょっと翔吾と2人だけで練習してもいいか?終わったら後をお願いしたい。」



翔磨 「…了解!……よし!おめーらジム戻るぞー!!すまなかったなー」



田中 「久しぶりにすげーもの見させてもらったぜ! あとで2人にジュースだな翔磨w」


「いやー、凄かったすーー」
「鳥肌でしたーー」


などと感想を言いながらぞろぞろと皆部屋から出て行く。



静まり返って、翔吾と大河は2人きりになった。


大河は座り込んで翔吾の頭をポンポンと撫でてあげる。

翔吾は顔をタオルで隠したままだ。



大河 「怪我はねーか?……気持ち悪くない?…血はでてねーか?…」


と心配でたまらない大河である。


若干大河の攻撃で青痣になっている所が目立つ。


翔吾は黙ったままだ。


大河 「すぐに冷やそうな。まってろ。」


と立ち上がると大河の手を掴む翔吾。


大河 「…どうした?」


翔吾 「大河兄ちゃん、…今日の力。割合で言うと何%だした?……正直に言ってくれ」


大河は少し黙り込んで答えた。


大河 「…………六割弱。」


翔吾 「…そうか。……あと半分か俺は…」


大河 「焦らなくていい、お前は確実に強くなってるよ。……多分これからもっと強くなる。」


翔吾 「…ほんとか??」



大河 「それはお前の頑張り次第w……でも、俺は本当だと思う。」



ガバッと起き上がる翔吾。
目が少し充血している。



大河 「冷やすか?」


翔吾の頬を撫でる大河。


翔吾 「いや…大丈夫だ。」


翔吾は抵抗せず気持ちよさそうに目細めている。


翔吾 「ところで、兄ちゃん。」


大河 「ん?」



翔吾 「柳ってどんな技だ?俺にもできるか?!」



大河 「兄貴の仕業だな。……んー。。。。出来ん事は無いと思うけど、翔吾はまだ無理だろうな………実際にうけてみるか?」


翔吾 「痛いのか?」


大河 「全く。…」


翔吾 「知りてー!!」



大河はため息をつくと翔吾に攻撃を仕掛けてくるよう勧める。


大河 「なるべく威力が高い奴だ。…こい」


翔吾 「?わかった……やってみる」


翔吾 「ぉらぁっ!!!」


ズドッ!!!!
重心が乗り切った飛び蹴りを大河に命中させる。


翔吾 「ぬぉおー?!!?!。」

しかし、案の定打撃は吸収されてしまい、翔吾はよろけて体制をを崩す。
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