剛柔なお前の為。

pom

文字の大きさ
上 下
69 / 171

ep 66 兄との手合わせ

しおりを挟む

大河は恥ずかしいさと情けなさで下を向いてしまっていた。


側から見れば、体格の大きな生徒が虐めをしているように見える。


すかさず友達メンバーズが大河を守るように翔吾に総攻撃する。

a 「何言ってんだ!この野蛮人!」

b「鬼だ!最低だ!!」

c 「非道だ!脳筋だ!!」


翔吾 「ぐ?!…そこまで言うかよ?!」

a 「大河さん大丈夫ですって、きっと出来ます!」

b 「そーですよ!深く考えすぎです!!」

c 「出来ます!必ず!!皆と泳げたら面白いっすよ!!」

大河 「ありがとなっ。……」

少し笑う大河。


この時三人は大河が可愛い弟のように思えてしまった。


翔吾 「…ほらっ、帰るぞ兄貴!」


大河のカバンを引っ張り引きずっていく翔吾である。


大河 「うん、分かった。…じゃな!」


3人 「お疲れ様です!!」

大河は手を振りながら教室を出て行った。


歩きながら翔吾は大河に話しかける。


翔吾 「兄貴、…さっきのは、その…ごめん」


大河 「分かってるってw……俺も頑張らなきゃな!」

2人は家路を急ぐ。


そして家に着くなり、早速お互い制服を脱ぎ着替えた。


地下ジムに行こうとする翔吾を大河が止める。


大河 「今日は地下ジムじゃなくて、畳の間でやる。先に行ってまってろ。兄貴呼んでくるから…」


翔吾 「わ、わかった。…」
翔吾 (もう、スイッチ入ったのかよ…)



と思いながら1人畳の間へ向かう翔吾であった。


大河 「こんにちはー。。」


あたりを見渡す大河だが、翔磨以外誰もいない。


翔磨 「よ、おかえり大河!」


大河 「あれ?他の人は?」


翔磨 「いるよ。畳みの間にwお前が今日ここは使わねーと思ってたからなw…あいつらも見たいそうだ。」


大河 「…なんだ。ま、別に見る分は構わないから、はやくいこー」


と大河は出ようとするが、翔磨が大河の腕を掴む。


翔磨 「まて………大河。…3分だ。手合わせをお願いする。……頼む」


翔磨が大河を見つめる目は武術者としての目つきだった。


大河 「わかった……ただし相手を追い詰めたら終了で頼む…」


翔磨 「OK!んじゃ上がれよ!」



リングに2人は上がり大河がタイマーをセットしボタンを押す。



翔磨 「…来い!」


手招きしている翔磨に大河は躊躇なく突っ込む。

大河が翔磨の腕を掴もうとした瞬間だ。



大河 「?!っ!」


咄嗟に大河は翔磨から離れた。


翔磨は大河が近づいた瞬間に顔面を狙い裏拳を振った。


翔磨 「まじか…絶妙なタイミングでカウンター打ったんだぜ……」


大河 「めちゃくちゃ速くて……危なかった。」


もし翔磨のカウンターが当れば大河のスピードそのままの威力が命中していたのだ。


翔磨 「次、いくぜ」



間髪入れずに攻撃を連打する翔磨。

蹴りが来ると思えば突きがくる。



大河 (フェイント?!はやい!!)


パシっ!!!


大河は全て避けきれないので、いなして弾く。



翔磨は突きが弾かれた終わりを狙い避けきれないタイミングで鋭く再度、突きを出す。

大河は受けるしかないのだ。



翔磨 (入った!!)
翔磨 「うぉーーっつ?!!!!!」



大河は翔磨から突き出された拳を掴んで一緒に後ろに飛び下がる。

打撃を吸収したのだ。


キュキュッ!!!
お互いが足を踏ん張る音が響く。



すると翔磨は大河の懐に入り込み、上半身を
掴み大河の足を払って、大河を投げ捨てる。



翔吾 「お前の技だ!!おら!!」



大河 「っあ!!?!」
翔吾 「ぐぉっ?!」



大河は投げ捨てられる直前に翔磨の首に足を絡めて自ら下に体重をかける。



ダン!!!!!

翔磨は無理やり下に沈められた。


翔磨 「ぁぐっ!!!!!……」


大河は翔磨の胸板の上に乗り、翔磨のお腹をポンポンと叩いた。


試合終了である。

大河はすぐに立ち上がり翔磨を起き上がらせる。


ビーーーと終了の音もなり、大河は止めるながら話す。



大河 「ハアハア…フェイント、俺の柔術。攻撃スタイルが全く読めなかった……」



翔磨 「ハアハア、だろー?結構練習したんだぜ俺。。ハッ、はぁー。。それしにしても、お前最後のプロレス技じゃねーか!?びっくりしたぜ……総合格闘技じゃねーか」



大河 「でも、おかげで新しい2つうち、1つが完成したよ…」



翔磨 「打撃吸収だろ?!!絶対そうだ!!なんだよあれ?!無茶苦茶気持ち悪かったぞ!!」



大河 「ははw!! “柳“とでもいっておこうかなw」


翔磨 「もう一個はなんだよw?…」


大河 「秘密w」


と大河は汗を拭いている。



翔磨 「もったえぶるなよ!キスしちまうぞー!…言えよ。」


大河 「んーー。強いて言うなら…先読み?」


翔磨 「んだよそれw…二次元じゃねーかw…可愛いっ」



大河 「違うって、何かこーー。。……今度やってみる!………あ、早くいこ!!翔吾ずっと待ってるって!!」


翔磨 「俺も普通に忘れてたw コーチだろ?任せろ。」


2人は小走りで畳みの間へ向かう。


翔磨は移動しながら大河にこんな提案をする


翔磨 「大河さっきの気持ちわりー技、翔吾に絶対使えよwいいな!!」


大河 「気持ちわりー技じゃなくて、柳!!いいけど、俺今日は足技解禁するから…」



翔磨 「ぇ。……」
翔磨 (翔吾、死ぬなよ……)



翔磨は立ち止まって、目をつぶって手を合わせている。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...