剛柔なお前の為。

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ep 13

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翔座 「ハァハァハァハァっ!ハァハァハァハァ!そりゃあ゛ーーーーーー!!!」


しかし、翔座は連打の猛攻を仕掛けるが一向に当たらない。


全て大河にいなされる。


不意に、翔座は大河の目を見ると何も感じなかった。


闘争心も恐怖もやる気も何も無かったのだ。

残り時間も少ない。


翔座も本気で大河を狙う。


翔座 (連弾加重蹴り)



ブォーーン!!!と大河の耳元でなる風の音が危険を物語る。


一発でもかすれば致命傷ものだ。


翔座は大河が右に動く瞬間を狙った。


翔座 (そこだぁ゛ーーー!!!!!)

確実に当たる右蹴りをおくる。


触れた確実に感触はあった。
しかし。


翔座 「あがぁぁ!ハァぁ゛????」


翔座 「ハァ!ハア!ハア!……」

翔座 (何が起こったのかわからねー?!。何で俺が倒れるんだ?!)」



大河は翔座の放った蹴りの威力をそのまま使い、投げ沈めたのだ。


大河は翔座の腕を掴み、翔座自身の背中にねじり回し動きを封じる。


翔座 「ぅあぁ゛っ!!くっ。」

床に翔座を押さえつけた。

翔座の耳元で大河は小さく口ずさむ。


大河 「鷹虎流柔術の真髄は技が全て。力は無し。」


翔座 (ンっ!!!!?!……………あー、この感じだ……懐かしい、和泉の気配だ。ゾクゾクするぜ。)




開始から五分が経ち、大河は翔座から離れて隣に背を向けて横になり寝転ぶ。


翔座はまだ息が荒く、仰向けになっている。



大河 「また。できなかった…」



父親にこんな事させた罪悪感か、拳を握り震えていた。

大河は少し背中をまるめて横になる。


翔座は息が整い、我が息子の背中をみる。


翔座 (………ちーせーなーぁ。…)

翔座 「大河。おいで。…」



翔座は優しく呼びかける。
しかし大河は来ない、ふり向こうともしない。



翔座は大河の道着を掴み、ぐるんっと
回転させ、自分の腹の上に乗せた。


翔座の胸は、汗と熱気で暖かい。


大河の頭を翔座がガシャガシャ撫でる。



翔座 「お前ほんと、母さん似だなぁ!身体は俺達よりちっこいが、強すぎるぜっ!ったく、」



大河 「!?おいっ、何で勃ってんだよ!」


翔座 「あ?バレたか?久しぶりに昂ったんでな、つい思い出しちまったぜ。」

翔座はいたずらっ子な笑顔を見せる。

翔座 「さっきのあの感じ、母さんそっくりだ!だからちんこが勃っちまったんだよ。だは!」


大河 「……ただの変態だってそれ。」


翔座 「かもな!……なー、大河。俺は母さんに、和泉に1回も勝ったことがなかった。最強だったなあれは。」

大河はただ翔座の黙って話を聞いている。

翔座 「…大河、お前寂しくねーか?不安じゃねーか?」


大河 「…皆がいてくれるから大丈夫だ。」

大河落ちついた声で答え、くしゃりと翔座の上着を掴む。

しばらくの沈黙だったが翔座は大河に話しかける。


翔座 「………なーー、大河ぁ。腹減ったー!!!」


大河 「……わかった。すぐ準備するからシャワー浴びてこいよ。」


大河はムクっと起き上がり、そそくさと道場をでた。
着替えに行くため、自分の部屋に戻るのであった。


翔座はシャワーを浴びている中、嬉しさがこみ上げてくる。


翔座 (びっくりしたぜ。……和泉ちゃん。大河はたぶん君よりも強くなるぜ。)


翔座はひとり、父親として自分の息子の成長を喜び、噛み締めていた。


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