木の実と少年

B.Branch

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第1章

やっと出会った。

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『 ----------』

「精霊様が『こんにちは』とおっしゃっています」

「あ、こんにちは」

無事チビに会えて、俺は今、精霊様と対面している。
精霊様は、目の前にある黄金の実の生る木に宿っているらしい。

チビに連れられてきた場所は、すごくきれいなところだった。
黄金の実がキラキラと輝き、花々は咲き乱れ木々は青々と繁っている。
とにかく全体にキラッキラッだ。

なんと、妖精まで飛んでいるではないか!!美少女だし!!
びっくりだよ。

『---------------------』

「『ウィルに会えて嬉しい』とのことです」

「えっと、こちらこそ嬉しいです」

チビが精霊様との会話を仲介してくれている。
精霊様は俺の言葉が分かるみたいだけど、俺に精霊様の声は聞こえない。
念話?とかいうもので、チビには話しかけているらしい。

『--------------------------』

「ああ、はい、そうですけど・・・」

『--------------------------』

「方法ですか?ん~、直接声を届けるしかありませんけど・・・」

『--------------------------』

「周波数?なんですかそれは?」

『--------------------------』

「大丈夫ですか?ウィルに危害を加えないでくださいね」

チビは心配そうにこちらを見る。

え?危害?俺、精霊様を怒らせた?
何もしてないよね?
それとも、聖域に侵入したから?
いや、でも、さっき普通に挨拶してくれてたみたいだし??

ん?うっ!?な、なんだ?急に頭の中に虫がいるみにブンブン・・・

「う、う、、、」

「大丈夫!?ウィル!!」

俺が頭を押さえていると、チビが駆け寄ってくる。

『----ウ----こえ---』

頭の中で聞こえていた雑音が徐々に意味をなしていく。
なに?話してる?

『-----ウィル、聞こえる?』

突然、頭にはっきりと声が響いた。
!!ええ!?な、なに!?

『私が尊い賢い偉い精霊様です。えへん!!なんつって、なんでやねん!!」

せ、精霊様!?
なにからツッコミを入れていいのかわかんないけど・・・
よし、取り敢えず、今、言うべきことを言おう。

「一人ツッコミ下手!!」
俺は叫んだ。
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