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実演しましょう
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厨房に着くと誰もいませんでした。
ではでは、私が♪っと前に出ようとしたところ、ベルタがすかさず「調理助手を呼んで参ります」と言って去って行った。
ちょっとくらいいいじゃんねぇ~、ケチ~、、、ハッ、なんて言葉遣いを!ヴィアベルが真似したらどうするんですか!
口には出してませんけど、こういうのは油断してると咄嗟に出てしまうものですからね!
「奥様、お待たせして申し訳ございません」
え?、、、料理長?
なぜか、目の前に料理長が立っていた。
料理長の後ろにベルタとお馴染みのクルトとダミアンもいる。
調理助手を呼びに行っただけだよね?
ベルタを見ると、申し訳なさそうな表情でこちらを伺っている。
「奥様、何やら調理の助手を必要とされているとか。不肖私めが微力ながら勤めさせていただきます!」
、、、いや、あなた料理長ですよ?
助手するんですか?おかしいですよね?
「先日、ダミアンに分けて下さいました片栗粉、あれは素晴らしいですな!小麦粉でとろみを付けるとどうしても風味や粉っぽさが残り色も白く濁ります。しかし、あの片栗粉は味も色も付けずにスープにとろみが付けられる。驚きを通り越して感動いたしました!いや~しかも、ミルクレープなるケーキも絶品だったとか!羨ましい!料理界の一端を担う者として新たな料理の歴史が生まれる瞬間に立ち会える機会を逃すわけにはまいりません!どうぞ、私を助手に!」
料理長が興奮して喋りまくる。
誰かを思い出しますね、、、チラッとベッカーの方を見ると、また新商品の匂いを嗅ぎつけたとばかりに口元に悪い笑みを浮かべていた。
「そうですか、では、お願いしますわ。今日はこの泡立て器の実演をいたします」
もう、反対するのも面倒なので料理長の好きにしてもらいましょう。
料理長は泡立て器を興味深そうに眺めて真剣な表情で聞いてくる。
「なるほど、、これをどのように使用すればよろしいのでしょうか?」
「その説明に入る前に、お菓子を作る上で一番大切なことは何か分かりますか?」
調理見習いの2人を見ると、クルトがおずおずと答えた。
「さ、砂糖をたくさん使うことだと思います!」
あ~そうですよね。私(アマーリエ)も前世を思い出すまでは、そう思っていました。
クルトの答えが特別におかしいのではなく、この世界のほとんどの人間がこう考えているのだ。
この世界の砂糖の値段はかなり高く、砂糖をたくさん入れるほど価値がある希少な贅沢品とされている。
「なるほど、では、砂糖をたくさん入れた方が美味しいとクルトは思いますか?」
「い、いえ、奥様のお作りになったケーキは無闇に甘過ぎず、寧ろ砂糖を控え目に加えることで他の材料を引き立てていました」
クルトは支えながらも真剣に自分の考えを述べた。
それを聞き、料理長がハッと顔を上げる。
「そうか、我々は今まで甘さこそお菓子の全てだと考え、安易に大量の砂糖を加えていました。ですが、それは他の材料の味を殺すことだったのですな、、、なんということだ、何十年も料理を作り続けてそんなことにも気付かなかったとは、、、私は料理人失格です」
料理長が項垂れ、がくりと膝を付いた。
え、いえ、そこまで大袈裟に取られると困るんですが、、、
料理長は頭を抱え、なおもブツブツと自分の愚かさを嘆いている。
挙句の果てに、「料理長を辞める!」とか言い始め、周りを慌てさせている。
ええ!?ダメでしょう、ちょっと待って!
「料理長、なぜそのように嘆くのですか?私にはとても良いことだと思えるのですが」
「奥様?」
俯いていた顔を上げ、料理長が訝しげにこちらを見てくる。
「新たなことを知ったことが悪いことでしょうか?これからあなたがより素晴らしい料理人になれるということではありませんか?」
「奥様、、、はい、、その通りです!!落ち込んでいる暇などなりませんな!寧ろこれからもっと学ぶことがあることに喜びと興奮を感じます!なんと有り難い!」
料理長は矢庭に立ち上がり、少年のように目をキラキラさせた。
料理長を宥めようとしていた面々もホッとしたように笑顔でこちらを見ている。
短い間でかなり周囲の人々の感情が変わってきたように思う。
周囲が常にビクビク怯えているような環境は子供にいい影響を与えない。
ヴィアベルのためにも穏やかな環境は大切だ。
「では、話を戻しますが、お菓子を作る上で大切なこと、それは下準備です。どんな料理にとっても重要ですが、お菓子作りで下準備を怠ると出来上がりに格段の差が生まれてしまいます」
「なるほど」
皆が真剣な顔で頷いている。
「下準備といっても基本的なことです。材料を用意して計る、粉類を振るう、オーブンを温める、あとは材料を常温に戻すなどです」
「常温に戻す、ですか?」
「ええ、材料と材料の温度差を無くし常温にすることは、混ぜる上でも焼く上でも大切なことなのです」
皆の間に感心したような声が漏れる。
調理に関係ない者達まで熱心に聞き入っている。
ていうか、ベッカーのギラギラした目が怖いんですけど!
一通り下準備の説明をし、今回の材料の下準備をお願いすると、料理長が即座に材料を取りに向かう。
「料理長!俺たちが用意しますから!」
「何を言う、私は調理助手だぞ。これは私の仕事だ!」
「いや、ホントにお願いしますから」
クルト達に涙目になって止められ、料理長は渋々取りに行くのを諦め、その他の準備に取り掛かる。
「小麦粉と砂糖はこのふるいで振るって、卵を卵黄と卵白に分けます」
ふるいはもちろんベッカーに頼んだものだ。
卵は分けなくても出来るが、経験からすると卵黄と卵白を別々に泡立てた方が失敗が少ないように思う。
材料と分量さえ分かれば、基本的なお菓子の作り方は知っている。
「さて、ここでこの泡立て器を使います。今、私はケーキの生地を焼こうと思っていますが、生地は空気を含ませることで膨らみます。この泡立て器はより簡単に卵に空気を含ませることが出来るのです」
料理長が力強く素早い手付きで砂糖を入れた卵を泡立てていく。
「これは凄いですな!卵がこんな状態になるとは考えたこともありませんでした、、、」
卵黄と卵白は完璧にふわふわに泡立てられている。
「お~、なんか既に美味しそう、、、」
「美しい、、、」
ダミアン、食べちゃ駄目ですよ!
それにベルタ、泣いてます?美しいって、卵だよ?
まあ、これで泡立て器の有用性は示せたでしょう。
よし、あとは小麦粉をサクッと混ぜて、鉄板に油を敷き生地を流し込んで焼き上げるだけです。
「本当に膨らみましたね、、、」
出来上がった生地を見て、クルトが驚いたように呟いた。
料理長は感動のあまり言葉もない。
「いい匂いですね~」
侍女の1人がうっとりと嬉しそうな声を上げた。
このまま放って置くと、延々と飽きることなく生地を眺めていそうな面々に次の指示を出す。
「では、生地を冷まして生クリームをのせて巻きましょう」
私の言った通りに、冷まされた生地が巻かれていく。
出来上がったロールケーキを見て、またもや皆が感嘆の声を上げる。
「なんと美しく気高き姿だ、、、この至高の輝きは神の思し召しか、、、」
料理長、意味分かりませんけど?
ロールケーキは光ってませんよ?
しばらく、ロールケーキの観賞会は終わりそうにありません。
ヴィアベル帰ってきたら食べちゃうけどね~
ではでは、私が♪っと前に出ようとしたところ、ベルタがすかさず「調理助手を呼んで参ります」と言って去って行った。
ちょっとくらいいいじゃんねぇ~、ケチ~、、、ハッ、なんて言葉遣いを!ヴィアベルが真似したらどうするんですか!
口には出してませんけど、こういうのは油断してると咄嗟に出てしまうものですからね!
「奥様、お待たせして申し訳ございません」
え?、、、料理長?
なぜか、目の前に料理長が立っていた。
料理長の後ろにベルタとお馴染みのクルトとダミアンもいる。
調理助手を呼びに行っただけだよね?
ベルタを見ると、申し訳なさそうな表情でこちらを伺っている。
「奥様、何やら調理の助手を必要とされているとか。不肖私めが微力ながら勤めさせていただきます!」
、、、いや、あなた料理長ですよ?
助手するんですか?おかしいですよね?
「先日、ダミアンに分けて下さいました片栗粉、あれは素晴らしいですな!小麦粉でとろみを付けるとどうしても風味や粉っぽさが残り色も白く濁ります。しかし、あの片栗粉は味も色も付けずにスープにとろみが付けられる。驚きを通り越して感動いたしました!いや~しかも、ミルクレープなるケーキも絶品だったとか!羨ましい!料理界の一端を担う者として新たな料理の歴史が生まれる瞬間に立ち会える機会を逃すわけにはまいりません!どうぞ、私を助手に!」
料理長が興奮して喋りまくる。
誰かを思い出しますね、、、チラッとベッカーの方を見ると、また新商品の匂いを嗅ぎつけたとばかりに口元に悪い笑みを浮かべていた。
「そうですか、では、お願いしますわ。今日はこの泡立て器の実演をいたします」
もう、反対するのも面倒なので料理長の好きにしてもらいましょう。
料理長は泡立て器を興味深そうに眺めて真剣な表情で聞いてくる。
「なるほど、、これをどのように使用すればよろしいのでしょうか?」
「その説明に入る前に、お菓子を作る上で一番大切なことは何か分かりますか?」
調理見習いの2人を見ると、クルトがおずおずと答えた。
「さ、砂糖をたくさん使うことだと思います!」
あ~そうですよね。私(アマーリエ)も前世を思い出すまでは、そう思っていました。
クルトの答えが特別におかしいのではなく、この世界のほとんどの人間がこう考えているのだ。
この世界の砂糖の値段はかなり高く、砂糖をたくさん入れるほど価値がある希少な贅沢品とされている。
「なるほど、では、砂糖をたくさん入れた方が美味しいとクルトは思いますか?」
「い、いえ、奥様のお作りになったケーキは無闇に甘過ぎず、寧ろ砂糖を控え目に加えることで他の材料を引き立てていました」
クルトは支えながらも真剣に自分の考えを述べた。
それを聞き、料理長がハッと顔を上げる。
「そうか、我々は今まで甘さこそお菓子の全てだと考え、安易に大量の砂糖を加えていました。ですが、それは他の材料の味を殺すことだったのですな、、、なんということだ、何十年も料理を作り続けてそんなことにも気付かなかったとは、、、私は料理人失格です」
料理長が項垂れ、がくりと膝を付いた。
え、いえ、そこまで大袈裟に取られると困るんですが、、、
料理長は頭を抱え、なおもブツブツと自分の愚かさを嘆いている。
挙句の果てに、「料理長を辞める!」とか言い始め、周りを慌てさせている。
ええ!?ダメでしょう、ちょっと待って!
「料理長、なぜそのように嘆くのですか?私にはとても良いことだと思えるのですが」
「奥様?」
俯いていた顔を上げ、料理長が訝しげにこちらを見てくる。
「新たなことを知ったことが悪いことでしょうか?これからあなたがより素晴らしい料理人になれるということではありませんか?」
「奥様、、、はい、、その通りです!!落ち込んでいる暇などなりませんな!寧ろこれからもっと学ぶことがあることに喜びと興奮を感じます!なんと有り難い!」
料理長は矢庭に立ち上がり、少年のように目をキラキラさせた。
料理長を宥めようとしていた面々もホッとしたように笑顔でこちらを見ている。
短い間でかなり周囲の人々の感情が変わってきたように思う。
周囲が常にビクビク怯えているような環境は子供にいい影響を与えない。
ヴィアベルのためにも穏やかな環境は大切だ。
「では、話を戻しますが、お菓子を作る上で大切なこと、それは下準備です。どんな料理にとっても重要ですが、お菓子作りで下準備を怠ると出来上がりに格段の差が生まれてしまいます」
「なるほど」
皆が真剣な顔で頷いている。
「下準備といっても基本的なことです。材料を用意して計る、粉類を振るう、オーブンを温める、あとは材料を常温に戻すなどです」
「常温に戻す、ですか?」
「ええ、材料と材料の温度差を無くし常温にすることは、混ぜる上でも焼く上でも大切なことなのです」
皆の間に感心したような声が漏れる。
調理に関係ない者達まで熱心に聞き入っている。
ていうか、ベッカーのギラギラした目が怖いんですけど!
一通り下準備の説明をし、今回の材料の下準備をお願いすると、料理長が即座に材料を取りに向かう。
「料理長!俺たちが用意しますから!」
「何を言う、私は調理助手だぞ。これは私の仕事だ!」
「いや、ホントにお願いしますから」
クルト達に涙目になって止められ、料理長は渋々取りに行くのを諦め、その他の準備に取り掛かる。
「小麦粉と砂糖はこのふるいで振るって、卵を卵黄と卵白に分けます」
ふるいはもちろんベッカーに頼んだものだ。
卵は分けなくても出来るが、経験からすると卵黄と卵白を別々に泡立てた方が失敗が少ないように思う。
材料と分量さえ分かれば、基本的なお菓子の作り方は知っている。
「さて、ここでこの泡立て器を使います。今、私はケーキの生地を焼こうと思っていますが、生地は空気を含ませることで膨らみます。この泡立て器はより簡単に卵に空気を含ませることが出来るのです」
料理長が力強く素早い手付きで砂糖を入れた卵を泡立てていく。
「これは凄いですな!卵がこんな状態になるとは考えたこともありませんでした、、、」
卵黄と卵白は完璧にふわふわに泡立てられている。
「お~、なんか既に美味しそう、、、」
「美しい、、、」
ダミアン、食べちゃ駄目ですよ!
それにベルタ、泣いてます?美しいって、卵だよ?
まあ、これで泡立て器の有用性は示せたでしょう。
よし、あとは小麦粉をサクッと混ぜて、鉄板に油を敷き生地を流し込んで焼き上げるだけです。
「本当に膨らみましたね、、、」
出来上がった生地を見て、クルトが驚いたように呟いた。
料理長は感動のあまり言葉もない。
「いい匂いですね~」
侍女の1人がうっとりと嬉しそうな声を上げた。
このまま放って置くと、延々と飽きることなく生地を眺めていそうな面々に次の指示を出す。
「では、生地を冷まして生クリームをのせて巻きましょう」
私の言った通りに、冷まされた生地が巻かれていく。
出来上がったロールケーキを見て、またもや皆が感嘆の声を上げる。
「なんと美しく気高き姿だ、、、この至高の輝きは神の思し召しか、、、」
料理長、意味分かりませんけど?
ロールケーキは光ってませんよ?
しばらく、ロールケーキの観賞会は終わりそうにありません。
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