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デート中に花崗が来た!? 1

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 お化け屋敷から出ると、火夏と咲良は机と椅子がある場所に向かう。
「はあぁ、こ、怖かったです。火夏、帰ってから話しがあります。」
 と彼女に言われたので火夏は頷いて口を開いた。
「ああ。分かった。咲良、大丈夫か?休憩するか?」
 と言った所で12時になったことを告げる音楽が流れた。
「咲良、昼にしないか?」
 と聞いてみると咲良は頷いたので
「では、買いに行こう。」
 と言うと咲良は、
「そのことなんですけど、大丈夫ですよ?ご飯なら私が持ってきてますから。」
 と言うと、背負っていたリュックから重箱を出してふたを開けた。
「ど、どうですか?」
 と彼女がぎこちなく聞いてきたので、火夏は思わず口を開いた。
「凄く美味そうだな。お前が作ったのか?」
 と聞くと咲良は嬉しそうに言った。
「はい。火夏のお口に合うか分かりませんが、一応味見してます。」
「そうか。だが、声をかけてくれたら俺も手伝ったんだが。・・・一人でこんなに作って大変だっただろう。」
 と、火夏が彼女を労ると咲良はニッコリと微笑んで言った。
「大丈夫ですよ。それにお母さんとお姉ちゃんに聞いたんです。デートでお弁当を作って来ると喜ばれるって。・・・迷惑でしたか?」
 と急に不安そうに言われたので、火夏は慌てて言った。
「いや、全く迷惑ではない。ありがとう。」
 とお礼を言うと彼女は笑顔で口を開いた。
「はい。どういたしまして。・・・でも、飲み物は買わないと無いです。なので買いに行きましょう。」
 と言われ俺は慌てて咲良に言った。
「じゃあ、俺が飲み物を買って来るから、咲良はここに居てくれ。あと、何か良いんだ?」
 と言うと、彼女はキョトンとしていたが、しばらくして手をポンっと打つと
「あ、あー、はい。分かりました。では、メロンソーダでお願いします。」
 と頼まれたので火夏は咲良に「じゃあ、行って来る。」と言って飲み物を買いに行った。



 火夏が飲み物を買いに行ってくれた後、咲良はお弁当箱にふたをして花崗君と話していた。
 実は、火夏が行ってしまったので咲良はケータイ小説を読みながら待とうと思っていた。
 なので、ケータイ小説を読んでいると、
「咲良」
 と急に声をかけられた。
 咲良は声のする方を見ると、ここに居るはずの無い花崗が居て、とても驚いていた。
「花崗君、どうしてここに居るんですか?」
 と、とりあえず聞きいたが、花崗君は咲良の質問には全く答えなかった。
 彼は咲良が作って来たお弁当を見て
「この弁当って、咲良が作ったの?」
 と聞かれたので咲良は渋々、「はい。」と答えると、さっきの質問を再度口にした。
「どうしてここに居るんですか?」
 すると、花崗は、
「暇だったから遊びに来たんだよ。それより、咲良は火夏とデート?」
 と、ニヤニヤしながら聞かれて咲良は真顔で、
「はい。火夏は飲み物を買って来てくれてますよ。・・・ところで花崗君はお昼どうするんですか?」
 と聞くと花崗君は
「ここで買おうかな」
 と答えたので咲良は良いアイデアが浮かんだので、花崗君に言った。
「もし良かったら一緒に食べませんか?実は作りすぎちゃって。」
(だって、ここの食べ物は高いですし、それなら一緒に食べた方が美味しいし、楽しいです。)
 と思っていると花崗が不安そうに聞いてきた。
「良いの?火夏に怒られたりしない?」
「火夏に頼むので大丈夫です。」
 と話していると火夏が戻って来た。
「火夏、ありがとうございます。」
 とお礼を行って無言の火夏から受け取ると彼が声を低くして聞いてきた。
「咲良、なぜ花崗がここにいる?」
 と言われて咲良は怯えながら口を開いた。
「えっと、暇だったからここに遊びに来たらしいです。」
 と言うと彼はため息をついて
「それを聞いているのではなく・・・。もしかして一緒に食べるのか?」
 と聞かれて咲良が答える前に花崗君が「うん。」と頷くと彼は私の肩を掴んで聞いてきた。
「咲良、俺が飲み物を買っている間に何があった?」
「えっと、火夏が飲み物を買いに行ってくれた後に花崗君が来たので、私はお昼ごはんをどうするかを聞くと買うと言っていたので」
 と言うと彼はその光景が目に浮かんだのだろう。
 彼は苦虫をかみつぶした顔をして「そうか」とつぶやくとため息をついて言った。
「分かった。早く食べよう。」
 そう声をかけてから彼は椅子に座りました。
 咲良も慌てて椅子に座ると取り皿を配り始めた。
「はい。どうぞ。」
「ああ。ありがとう。」
「ありがとう。咲良。」
 と言われたので咲良はお弁当箱のふたを開けた。
 そして、2人は食べたい物を取り皿に入れて食べ始めた。
 なので咲良は、二人にお弁当の感想を聞くことにした。
「火夏、どうですか?」
 と聞くと、彼は無表情で言った。
「ああ。美味いな」
 それを聞いた私は内心、"これだけですか"と思いつつも笑うと火夏に言いった。
「そうですか。良かったです。花崗君はどうですか?」
 と一応花崗君にも聞いてみると
「咲良、凄く美味しいよ。咲良って料理上手なんだ。」
 と笑って言われたので咲良も微笑んで言いった。
「ありがとうございます。ところで花崗君はこの近くに住んでいるんですか?」
「うん。2人はさ、この後どこに行くの?」
 と花崗君に聞かれたので咲良は火夏に
「火夏、この後どこに行くんですか?私はメリーゴーランドとかコーヒーカップが良いんですが・・・。」
 と言うと火夏は口を開いた。
「ああ。空いている物に乗ろう」
 と聞いた途端、咲良はふと火夏に違和感を感じた。
 なので、火夏の顔を見ると火夏は不機嫌そのものの表情をしていた。
 咲良は、怯えながら火夏に話しかけた。
「火夏、ちょっと話があるので来て下さい。」
「なんだ。ここでは出来ない話なのか?」
 と聞いて来たので、私は頷いて言った。
「はい。なので来て下さい。」
「分かった。」
 そう言うと彼は立ち上がって咲良の隣に来てくれた。
 なので私は花崗君に
「ちょっと食べてて下さい。」
 と言うと、花崗君は笑って
「うん。行ってらっしゃい。」
 と言われたので咲良は火夏の手を握って広場に向かった。
 広場に着くと火夏に、
「あのぅ、火夏、怒ってます?」
 と聞くと彼はやっぱり怒っているらしく頷かれました。
「ああ。咲良、お前はどうして花崗を誘ったんだ?」
 と聞かれたので私は必死に説明しました。
「だって、ここの食べ物って高いじゃないですか、それよりも私が作った物は無料ですし、皆で一緒に食べた方が美味しいし、楽しいと思って。」
 すると、火夏は
「確かにここの売店は高く、お前が作った物は無料だ。だが、俺はお前と二人っきりが良かったんだ。・・・初めてのデートだったから。」
 と言われて咲良は内心とても嬉しかった。
 でも、それを言ってしまうと今すぐに戻って花崗君を追い出してしまうでしょう。
 そう思って咲良は言った。
「私だって火夏と二人っきりが良かったですよ。でも、花崗君は私と火夏の大切な親友じゃないですか。」
 すると火夏はため息をつくと、
「・・・咲良、お前の友達思いで優しい所も俺は好きだが、こういう時は嫌いだ。」
 と言われて私はショックで泣きそうになりながら口を開いた。
「き、嫌い・・・。」
「ああ。俺はお前のそういう男心が全く分かってくれない所は大嫌いだ。」
 と言い切られて咲良はとてもショックだったので泣きながら
「・・・火夏、もう良いです。」
 この一言だけを絞り出すと咲良は火夏から走って逃げ出した。
(嫌いだったら、最初から優しくしないで下さいよ。)
 と思いながら走っていると石に躓いて転んでしまいました。
「痛いです。」
 思わず呟いて後ろを見ると火夏が走って追いかけて来ていた。
(は、早く逃げましょう。)
 そう思い慌てて立ち上がると咲良はまた走り出した。
 そして、そのまま家に帰ろうとした途端、右腕を掴まれました。
「咲良、すまない。話を聞いてくれないか?」
「嫌です。私、しばらく火夏の顔を見たく無いんです。」
 と言って右腕を振り回していると火夏は
「頼む。話だけでも聞いてくれないか。」
 と必死に頼んで来たので私は
「どうして聞かないといけないんですか?・・・それに、火夏は私のことが、嫌いなんですよね。」
 と聞くと、火夏は慌てて口を開きました。
「咲良、それは誤解だ。俺はお前のことが大好きだ。・・・なのに、嫌いといったのは、お前が花崗のことしか考えていないと思ったから嫉妬して、あんなことを言ってしまったんだ。本当にすまない。頼むから俺を嫌わないでくれないか?」
 と謝られて咲良はキョトンとして口を開きました。
「えっと、嫉妬であんなことを言ったんですか?・・・嫉妬でも、お願いですから嫌いとか言わないで下さい。私、本当にショックだったんですよ。」
「ああ。分かった。・・・咲良、嫉妬で酷い言葉を言ってしまって本当にすまなかった。」
 と謝られて咲良は火夏に謝ることにした。
「火夏、私もごめんなさい。変な誤解をしてしまって。」
 すると火夏は首を横に振ると
「いや、誤解をしたのは、誤解をさせてしまった俺が悪い。・・・咲良、本当にこんな俺でも良いのか?」
 と不安そうに聞かれて咲良は苦笑しながら口を開いた。
「良いも何も、私は火夏のことが大好きだから火夏が良いんです。」
 すると火夏は微笑むと口を開いた。
「咲良、・・・ありがとう。」
「は、はい。で、では、戻りましょう。」
 と言うと彼は急に捨てられてしまった子犬みたいな目になって口を開いた。
「咲良、お前に頼みたいことがあるんだが、良いか?」
 と聞かれたので咲良はキョトンとしながら彼に聞きいた。
「?頼みたいことですか?なんですか?」
 と聞くと火夏は咲良の耳元で、ぼそりと呟いた。
「観覧車でキスしたいんだが、良いか?」
 それを聞いて咲良は慌てた。
 ですが、咲良と火夏は両想いで恋人同士なのでいつかはこういうことをするんだろうなとは思ってはいたのでokすることにした。
 でも、口に出して言うのは恥ずかしかったので、咲良は頷いた。
 すると火夏は私の手を握ると歩き出しました。
 咲良はどこに行くのかが分からなかったが、お化け屋敷の横を通り過ぎてからどこに向かっているのかが、やっと分かった。
 おそらく、休憩スペースにいる花崗君の所に向かっているんだろう。
 と思っていると咲良の予想通り、花崗君の前で一度足を止めると、花崗君に
「花崗、ちょっと観覧車に乗って来る。」
 と、言うと彼は観覧車に向かって歩き出した。

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