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-1章- 終わって、始まって

9話 殺戮の天使ですか…?

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「………サ……て……きて…」

(んん…なんだか声が聞こえますけど、魔力は戻り切ってますが、まだ少しの倦怠感を感じますね…もう少しおやすみなさい…)

魔力欠乏症の後の魔力回復までは結構なだるさが残るのであった。

「…リサ…ゃん、起…て!魔…の…授…が……っちゃ…ます…ー!」
(んんん…魔…の授…?…………っは!?確か今日から魔術の授業が始まるのでした!)


「アリサちゃん!起きてください!魔法の授業始まっちゃいますよー。」

「ふわぁぁぁ…ママ、おはようございます…すぐじゅんびしまぁす…ふわぁぁぁ」
大きなあくびをしてアリサは起きるのであった。いくら目的があるとしても、眠いものは眠くて、それは生理現象であるため、気力で何とかなることは無かった。

「アリサちゃん、昨日あんなに楽しそうにしていたのに…さてはー」

(え、もしかして魔力欠乏症の事ばれちゃいました!?)

「え…ちょっとママ待ってください…言わないでくださいーーーー!」

「今日の事緊張して、昨日なかなか寝付けれなかったのね。ママもあるから分かりますよー。」
「…え?………はい、そうなのです。昨日なかなか寝付けれなくてですね…恥ずかしいので、イリヤには言わないでくださいね…?」
(ってそっちの事でしたか…安心しました。。。でも今日からは夜寝る前に魔力欠乏症になるまで打つのは控えたほうが良いですね。)

「それよりも、アリサちゃん、早く準備をしないと、授業が始まっちゃいますよ!」

「はい!すぐに準備しますーーー!」


朝から騒がしいアリサであった。
ふとイリヤのベッドを見ると既にイリヤのベッドは空になっており、外でケイニスとトレーニングしているようであった。どうやらアリサに隠れて鍛えているのが知られたからか、堂々と鍛えることにしたみたいだ。

(イリヤが少しでも強くなりたいと思ってお父さんに頼んだのでしょうかね。お父さん、とても嬉しそうに相手をしてますもんね。)

アリサが思った通り、イリヤがケイニスに頼み込んだらしく、その時のケイニスの顔と言ったらかなり緩み切っていたとお母さんが後で教えてくれた。

「やっぱり、アリサちゃんはお寝坊さんですねぇ。まるで朝から仕事をするのはハンターギルドが混んでるからお昼から行くのだ、人が多いと危ないからなと言い訳をして寝坊していたあの人そっくりですね。」

「え?パパも朝弱かったのですか!?今は毎日朝早く起きてお仕事しているのですけど…」

「そうですよ、ママがビシバシと教育しましたからね。そうですね、アリサちゃんも少しお寝坊さんの癖を治しちゃいますかね?」
(こ…こわいーーーーー!!!)

最近知った事だが、シンシアも元冒険者で魔導士兼ヒーラーだったみたいで、お父さんとは同じパーティメンバーだったみたいである。
そして、どこの家でも、お母さんが一番怖いのだと思うアリサであった。

少し急ぎ気味で準備をして、庭に出てきたアリサであったが、どんな相手が来るのかそわそわしていて、つい”サーチ”を使ってしまったが、遠方から来る人の反応が全く無く、村の人以外の反応も無い。
一瞬、イリヤに稽古をつけているお父さんを疑ったが、ケイニスがそんな事するわけないし、シンシアも魔法の授業が始まるって…………。

(あれ…?なんでお母さんは、魔術の先生が来るとは言わずに、始めると言ったのでしょう?それに、お父さんの伝手って言ってましたよね?もしかして、村の人?でもそれにしては、こっちに来るような反応は無いですし…)

珍しく、頭がキレていたアリサであった。それもキレッキレであった。

「どうしたの?アリサちゃん?おかしな顔しちゃって。可愛らしいですね。」

「もしかして…ママが…?」

ギギギと音が鳴りそうなふうに庭の門の方から、シンシアの方をアリサが向くと、そこには2本のロッドが置いてあった。
そしてアリサはすぐにお父さんに顔を向けると、ケイニスと一緒に稽古をつけて貰っていたイリヤが一緒に来て…

「ママの昔の呼び名はな…殺戮の天使シンシアって言うんだ…アリサ、頑張るんだぞ…ッヒ!?」
とアリサに伝えるのと少しの休憩の為にケイニスが、余計なことを言って、お母さんの逆鱗に触れてしまう。

「あらあらまぁまぁ、ケイニスさんったら?昔の呼び名何て持ってきてー。ねえ?どうしましょうかね?」

(((こわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい!!)))
3人の心が一つになった瞬間である。
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