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-1章- 終わって、始まって

4話 5歳の誕生日ですか…?

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そうこうしているうちに数年が経った。

下手に色々出来るようではいけないと思い、アリサは全部イリアの成長を見て合わせて成長しているようにふるまった。

イリアが初めてはいはいした日の次の日にはいはいを初めてしたり、イリアが初めて、「まぁま」ってシンシアを呼んでた次の日には、アリサが「ぱぁぱ」とケイニスを呼んだのであった。これはイリアに「まぁま」って呼ばれて喜んだ両親であるが、一向に「ぱぁぱ」とイリアが呼んでくれなかったため、少し残念がってるお父さんにアリサが気を使って言ってみたことである。

その時のケイニスの晴れた顔と言ったら、隣にいたシンシアが「あらあら、よかったですねぇ」と思わず呟いてしまって、寂しそうにしていたのがまるわかりのようであった。

因みに、イリヤが歩き始めたのは1歳になって少したってからであり、やはりというか、イリヤは初めて歩いて行ったのもシンシアの方で、またアリサがそのしりぬぐいとして、ケイニスの方に3日後に歩いて行ってあげたのは分かり切ったことであった。

(やっぱり、赤ちゃんは、お母さんの方に行きがちなのでしょうかね。全世界のお父さんが少し不憫に思えちゃいますね。)

そして今日はアリサとイリヤ5歳の誕生日である。庭には豪勢な料理が並べられており、また、その近くには、アリサたちと同い年位な町の子供達、その親御さんが来ており、子供たちは子供同士、大人は大人同士って感じで話をしていたり、並べられた料理を見てたりしている。

5歳にまでなってくると大体、身体のつくりがはっきりしておるが、双子と言うことで、似た者同士に育つことになった。

もちろん、アリサが普通の子供の食べる量が把握できてなかったため、イリアと同じように食べ物とかを摂取してるためである。

「今日は我がアカナム家の娘たち、イリヤとアリサの誕生日パーティーに出席してくれてありがとう。美味しい料理を食べたり、今日で娘たちは5歳になった娘たちだが、今日まではなかなか外に出せてあげられなかった娘たちと良かったら仲良くしてあげたりしてくれると嬉しいかな。」

そうケイニスが言った時に嫌な顔をしている町の人はだれ一人いない。恐らく、ケイニスが過保護すぎて、娘たちを5歳になるまではどうしても庭から外には出さない!ってでも言っていたのか、大人たちは温かい目でアリサとイリヤを見ていた。

そもそもケイニスは生粋の親バカって事は、村の人なら誰もが知っていたし、仕事はかなりやり手で、村の人にも優しく、昔は冒険者だったということもあいまって、村の人たちとはとても仲がとても良い。


「それでは、今日は食べて、飲んで、話して、楽しんでくれ!」

と言葉を聞いた子供たちや、大人たちであったが、子供たちは元々仲の良い子達のグループで集まり、料理を食べだした。そしてチラチラとアリサや、イリヤの方を見ている程度であった。

大人たちも、無理に子供たちに行かせることもできず、大人たちだけで話してた。

それはそうだ。いくら年が近くても、何度か顔を見たことのあるだけの、領主家の娘とは中々話を掛けづらかったのであった。


「さぁイリヤ、アリサ。今日は二人の誕生日だ。今日は二人を祝うために村から同年代の子供たちも呼んでいるから、みんなと仲良くしておいで。みんな緊張しちゃってるみたいだから、二人から声をかけてあげなさいな。」


いつも庭から見る村の子供たちは外で元気よく遊びまわったりしているのを羨ましそうにイリヤが見てるのを知っているアリサはすぐに想像できる。イリヤがどれだけ町の子供たちと遊びたいのか。

ただ、もし何かあったらと言う考えが傾きすぎた、アリサとイリヤの父親の完全なる過保護であった。いや、過保護すぎであったケイニスはがイリヤとアリサには5歳までは庭から出るのを禁止していた。

そして、今日、5歳になったことにより、外で遊んでいい、友達を作ってもいいという許可が出たのでどれだけ嬉しい事か。

今までの知り合いなんて、両親と、給仕の人と、3歳からの家庭教師先生くらいである。

(ここで友達を作って友達と冒険するんだ!)
と言うイリヤの心の声はアリサにとって丸聞こえであった。

「パパ!ママ!私ね、あそこの子達と遊びたいの!行って良いよね?ね?」
と言って、返事も待たずに行ってしまった。

(((あ、やっぱり)))

アリサ以外にもたくさんの人が思ったことであろう。
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