魔法の姫と世紀末世界のストレンジャー

ウィル・テネブリス

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魔法の姫とファンタジー世界暮らしの余所者たち

働く傍ら、良い住まいを

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 【ハウジング・システム】で試行錯誤することになった。
 今日知ることになったのはこの驚くべき――いやもうずっと驚き驚かせの人生だけども、とにかくすごい機能があることだ。

 そもそも拠点作りはG.U.E.S.Tが売りにしてる部分だったらしい。

 その証拠はまさにこのハウジングの機能の多さだ。
 水が欲しい? 水脈があれば井戸を掘り、汚れた水は意地でもろ過し、雨水を集める設備すら作れる。
 外から招いた居住者をもてなしたい? 寝床はもちろん、トイレや風呂に下水施設すら作って良い環境を揃えよう。
 気にくわないやつがきた? 防壁や罠で守りを固めてぶっ殺せ。
 夜も快適に過ごせないかって? 発電施設と照明をこしらえてしまえ。

 あのゲームは狂った世界で生き抜くだけに飽き足らず、コロニーシム拠点モノとしての一面もあったみたいだ。
 寝床から工房、要塞から墓場まで創意工夫と資源さえあればなんでもござれ。
 自分だけの秘密基地をこっそり作ろうが、ウェイストランドで一大勢力を興そうがあなたの指先次第……それが【ハウジング】だ。

 が、だからって「さあなんでもどうぞ」というわけじゃない。
 資源をアホみたいに必要とするのはもちろんだが、この機能をより生かすには自身のスキルやらも関わってくる。
 家具一つにしろ【制作】が必要だし、複雑な機構を持つ何かは【機械工作】がいる、電気が絡む設備なんて【電子工作】次第。
 時にはその作り方を誰かから教わることも、本で学ぶこともできる――極めた分だけ良い暮らしができるわけだ。

 *がらん、がらん、がらん*

 そう理解が及ぶ頃、冒険者が募り出すアサイラムに建設音が往復した。
 さっき渡された図面をなぞって建物を組み立ててる最中だ。
 紙に描かれた指示通りに組み立て、俺なりのアレンジを加えて――完成。

「できたぞ、ご注文の【冒険者の宿風建築】だ」

 今やそこにあるのは二階建ての木造建築の構えである。
 十歩下がって見直せば、L字型の住まいが中々に立派な存在感だ。
 ハウジング・システムを活かして白い外壁が張られて、形に沿った屋根も被ったちゃんとした住まいだ。
 部屋数は十を軽く超え、その他「お好きなように」できる空きも抱えてアサイラムの存在感を強めてる。

「……なあイチよ、窓ちっちゃすぎん?」

 ところがお呼びしたスパタ爺さんの顔は不審な眉の形だ。
 ……確かに建物の規模に対して部屋の窓の小ささが目立ってる気がする。

「おー、すげえな……広場もあってまさに交流の場って感じだけどよ、それにしちゃなんかどんよりしてねえか?」

 幼馴染も訝し気な視線がサングラスを貫通してそうだ。
 言われるがままに見れば然り、なんだかこの世と隔てられたような閉鎖感だ。

「ちょっと窓の形状間違えたかもしれない……」
「やっぱちっちゃすぎるのう……いや、なんであんな窓にしたんじゃお前さん」
「好きなだけ直せるし窓は後だ後。それよりさっそくお邪魔してみようぜ、どうなってんのか楽しみだ」

 部屋にいる時の安心感とプライバシーの問題を気にかけすぎたかもしれない。
 二人は建物に囲われた広場を抜けると、両開き扉を押して初めての客になった。
 どんな反応をしてくれるんだろう――すると思いのほか薄暗いロビーが見え。

『……いやなにこれどんよりしすぎじゃろ!? こっっわ!?』
『おい見た目立派なのに廃墟みてえだぞ!? しかもなにこれ扉多すぎィ!』

 ……びっくりしてた、ネガティブな意味で。
 遠目で分かるほどの狭さと暗さがフランメリアの明るさと相反してる。
 しばらくしないうちにばたんばたん扉を何枚も開ける音が響いた後。

「――窓ちっちゃすぎ! 扉多すぎ! 総じて窮屈でどんよりしとるんじゃけど!? お前さん何作ろうとしてんじゃ!? ここに幽霊でも飼うつもりか!?」
「――新築なのに事故物件みてえだぞ、こんなん作るとか逆にすげえわお前」

 ドワーフと幼馴染がお化け屋敷でも通過したように戻ってきた。
 俺もお邪魔してみると――昼間なのに簡素で不気味な薄暗さがどんよりだ。
 利用者の身の上を守ろうと思って巡らせた扉が見事な閉塞感を発揮してる。
 こんなはずじゃなかった。まさかホラースポットになるなんて。

「いや、防犯とプライバシーを両立しようと……」
「よいかイチ! 建築っつーのはな、使いやすさと安全性と美しさの三つをバランスよく育てるもんじゃからな!? ほんとはそこにいかほどの費用と時間をつぎ込めるかっつー要素もあるんじゃが、それがないだけハードルは低いもんじゃがそれにしたってひどすぎんか!?」
「逆にすげえよこれ、リミナルスペースできあがっちまってる……。どういう気持ちでこんなに扉で封鎖して窓ちっちゃくして狭苦しくしたんだお前、ここにいたら異世界に連れてかれそうな不気味さになっちゃってんぞ」
「で、でもいろいろな人が使うならちゃんと距離感作った方がいいかなって……」
「距離感遠ざけすぎたらそりゃもう監獄じゃろうが! 窓は外とのつながりそのものじゃ、太陽を取り入れて外の新鮮な空気を流れ込ませる大切な役割じゃぞ!? なのにこんな獄中にあるような申し訳程度の窓じゃ息苦しいにも限度ってもんあるわ!?」
「扉やたらと多いせいでくっそ狭く感じるんだよなあ……こいつでだいぶ部屋のスペースが台無しになってんぞ。せっかくの通路の広さが途切れ途切れになって閉鎖的になりすぎてるし、元々小さめの窓が建物の外観と比較されちまうせいでよりちっちゃく感じちまうし」
「それと階段の向きもおかしいじゃろこれ! なんで狭くて吹き抜け出来ちゃうタイプにしとるんじゃ!? こういうのは上り下りする人のこと考えてでっかいのにしとかんか!」
「あーこれ建物の中広く見せようとこういう階段にしたんじゃね……? いやこういうお洒落さはいらねえからな、利用者ここで詰まるぞこんなん」

 評価はボロクソ☆1だった、不気味な珍スポット扱いされてしまってる。
 元の世界で生活の大半を幼馴染にぶん投げた奴の建築センスなんてこんなもんなんだろう、ようやく自分に失望した。
 がこん、と入り口周辺を大胆に消して晴れやかにすると緑髪メイドもきて。

「わ~お、牢獄っすかここ?」
「今そんな感じの話してたところだ。悪い奴捕まえたらここに放り込んでくれ」
「いやあ、うちらの性質上悪い子はおくたばりになってるから無用じゃないっすかね」
「それもそうか……」

 ロアベア目線でも深刻な欠陥住宅であることが判明した。
 ついでにヤグチとアオも背丈の大小揃って伺いにきたみたいだ。
 「どう?」と無言で薄暗さを案内すると。

「な、なんだか「絶対にここを守る」って意志を感じるな……イチ君らしいと思うよ……?」
「ひ、秘密基地みたいだね……? 敵が襲ってきてもみんな守れそうだぁ……」
「こんなはずじゃなかったんだ……!」
「見事に言われまくってるっすねえ、珍物件扱いっすよイチ様ぁ」

 二人からしても笑顔を取り繕わなきゃいけないような出来栄えらしい。 
 直してやるこんなん。階段に視界を重ねて解体、扉も窓枠つきの壁も消した。

「寝床の守り固めてどうするんじゃお前さん……とりあえずもっと大きい窓探してそれ付けとけ、そうすりゃよくなるからな」
「やべえのは窓と階段だけだ、確かリストにもっとデカいのあったからそれにしとけよ。いやお前の建築センスどうなってんの……?」
「こういうの勉強するのってやっぱ大事だったんだな」

 大きな窓付きの壁があった、扉の左右にがらんとはめると明らかに陽を感じる。
 階段も幅と厚みのあるものに変えると、なんだか頼もしい内観になってきた。
 そんな調子で壁を張り替える。白い外壁をかぶせる。大きな窓をはめてフルリフォームである。

「ほれみたことか、全然違うじゃろ?」
「やっぱ窓って大事なんだな。お前のおかげで学べたぜ」
「明るさが全然違うな……なんで俺、あんなしょぼい窓にしたんだろう……」
「こーゆーのは大胆にやるもんなんじゃよ、建築するときはクラングルの景観を思い出してみるとよいぞ。つかノーリスクで直しが効くってのはすごすぎじゃろ……もしこれを一からやれっつったらわしらでも難儀するわこんなん」
「窓はこんなもんでいいんじゃねえか? やっと異空間みてえな住まいから解放されたな。資源は大丈夫か?」
「木材とガラスは持て余してるぐらいだ。この調子ならもう一件そっくりさん作れるぞ」
「ついでにカーテンでもつけてやりたいの。そういうのあるか?」
「あるはずだぜ、建築リスト探してみろ」
「あったぞ、何色がいい? 全色揃えようか?」
「中の壁も白っぽいの貼っとるし、それに近いやつにしとくとよいぞ。広く明るく見せるわけじゃよ」
「とりあえず建物にあわせときゃ問題ねえよ。設置する家具やらは後からどうとでもなるしな」
「ようやく呪いから解き放たれたように晴れ晴れしてるっすねぇ」
「あ、良くなってるよイチ君。こうしてみると窓って大切なんだなぁ……」
「おー、さっきよりだいぶイメージ変わってる。やっぱりお日様って大事だね」

 ……あれこれ言い合った末、広場まで戻って見上げればけっこういい感じだ。
 改築作業を眺めてたヤグチとアオも感心してるが、そんな二人の背後では。

「何やってると思ったらまた建築か。ちょっと見ない間にまた偉く様変わりしてやがる」
「な、なんかいろいろ建ってる……イチ先輩、これまさか作ったんですか……?」
「またイチ先輩の仕業ですか……こんにちは、依頼を受けて来ました」

 タケナカ先輩がホンダとハナコを連れて戸惑い混じりだ。
 次第に別の人気もざわざわ感じた。
 きっと30km先から来たであろう人間人外が混ざった冒険者たちが、びっくりしながら階段を上ってくる光景がある。

「ようこそ、アサイラムへ。ご覧の通り今日も色々訳ありだぞ」

 あれが依頼を受けたやつらか。ご挨拶代わりにベンチをそこらに生成した。
 がらんと現れた質素な席にもっと驚いたらしい。どうぞごゆっくり。

「どこからともなくベンチを作るんじゃねえ、びっくりさせるな」
「……いきなりベンチが出てきた……!?」
「ほんとに好き放題にやってますね……とうとう人間やめたんですか?」
「好き放題にできるのをいいことに土地の管理をぶん投げられてる感じだ。タケナカ先輩も依頼参加者か?」
「半ば強制的にな。冒険者を取り仕切るやつが欲しいってことで爺さんに呼ばれてきたんだが……」

 三人を座らせると、タケナカ先輩は同業者たちを気にしてた。
 まあすぐ理解した。報酬につられた不慣れそうなのがけっこういる。
 何よりヒロインの顔ぶれも結構なものだ――ここも一瞬で華やかだ。

「おお、来てくれたかタケナカの。もう集まっとるみたいじゃな?」
「向こうにいるやつらで全部だ。新入りが思ったより多いんだが大丈夫なのか?」
「なに、別に危なっかしいことはさせんさ。やってもらうのはこの周辺の調査やら、ついでにちょっとした力仕事じゃ。それに地下交通システムがある限りは何かあってもすぐ退けるじゃろ?」
「だったらいいんだがな、それで揃いも揃って何やってるんだ? 大体なんだあの、宿泊施設みてえなやつは」
「お前さんらが活動しやすい環境を作ってやっとるところじゃよ。どれ、さっそく依頼の説明でもしにゆくか……っておい、女子供多すぎんかありゃ」
「しょうがねえだろ、人間の野郎よりもヒロインの奴らがずっと多いんだぞ」

 あれがこの拠点で働いてくれる人手か。
 さすがのスパタ爺さんもヒロインの多さに目で難儀してるが、まあ仕方ないとそっちへ向かって。

「ちと依頼の説明してくるぞ。お前さんらはその「はうじんぐ」とやらでここの整備しとくれ」

 と、タケナカ先輩を連れて依頼主らしく振舞おうとしてるところだった。
 俺たちも説明に加わった方がいいんじゃないか? そう思ったものの。

「土地の持ち主がここにいるぞ。いいのか加わらなくて?」
「どうせ説明はこうじゃぞ? 「近く調べろ」「ここに滞在しろ」「物運ぶのも手伝え」の三つで一日4000メルタ、頑張り次第で手当て出すから頑張れぐらいじゃ」
「その間にどんどんここを良くしてって下さいってか」
「そもそもお前さんらの役目は整備じゃろ。まあわしらの説明をBGMに呑気に開拓しとれ」

 今回はあくまで『アサイラムの持ち主』として頑張れ、だそうだ。
 冒険者が立ち込める道路の上で説明が始まったらしい。
 遠目にリスティアナたちも真面目に耳を傾ける場面が見えた、俺も頑張ろう。

「……とりあえず今のうちにいろいろ試してみるか?」

 向こうで『よく来たなお前さんら』とご挨拶が始まる一方で、俺は開いたメニューをチェックした。
 土地状態を見る限りは電力が通じてるだの、土地の豊かさだのと説明がある。
 これをどう生かしてここの利便性向上に働かせるのが俺の役目だが。

「そうだな……とりあえず電気が使えるかどうか知りてえし、灯りでも作らねえか? ちょうど目の前にいい広さがあるじゃん?」

 タカアキは宿泊施設の前にある広場に「ちょうど」を向けてるようだ。
 建築リストの照明カテゴリにそれらしい街灯がある。材料は金属と電子部品だ。
 選択してみた。柱に支えられたライトが半透明の予定図で木床に重なり。

「じゃあ実験だな。こういうのはどうだ?」

 がらん。その音を合図にこの世に現れた。
 黒いポールに文明的な照明をくっつけた現代的な灯りだ。まだ光はない。
 そこらへんに作り出して「はい光をどうぞ」ってわけじゃないか。

「ちゃんと送電システムを設定しとけよ。画面にないか? そいつで電力供給とか操作できるはずなんだけど」

 こいつをどう光らせるか悩んでるとタカアキのアドバイスだ。
 言われるがまま調べれば確かにあった。電力コントロールという項目がある。
 開いた矢先に出てきたのはアサイラムの簡略な図と、ここを走る太い線だ。
 ハウジング・テーブルと、ステーションの発電・蓄電機能はまっすぐ繋がってる。

「こいつか? なになに、電力供給中、無線送電システムオン……だとさ」
「無線送電型か。なら話は早いな、そこの街灯とハウジング・システムを同期させてみ?」

 細かい話はさておき、とりあえず設定をいじってみた。
 マップに表示された街灯とテーブルを紐づけると、ちかっ、と白い光が灯った。
 真昼間の明るさに負けないほどの存在感だ。つまり見事に灯ってらっしゃる。
 いやおかしいだろ。どっから電力引っ張ってんだ?

「……どーなってんのこれ」
「送電線なしで電力を送れるとんでもねえシステムだよ。元の世界でもこういうのまだだったよな? 実際こうして見るとすげえわ」
「配線なしで動くのかよ、そりゃ便利だな」

 二人で唖然とするのも無理ない話だ。こいつは便利すぎるんだ。
 ロアベアが「なんすかなんすか」と見にくるのはさておき、画面には電力使用量もちゃんと出てる。
 ブラックプレートが生む電力の前には雀の涙ほどだ。それかこいつが死ぬほど省電力仕様かだが。

「まあ、このまま点けっぱなしなのは今月の電力代が気になっちまうよな。確かこういうのってオン・オフを切り替える手段がいろいろあったはずだ」
「どうやるんだ?」
「スイッチ作って制御したりとか、稼働する時間とか設定できた気がするぜ。やってみろ」

 今度はこいつの制御だが、接続済みの街灯を画面でいじって気づいた。
 こいつは直接的に起動、停止を管理できる仕組みだ。
 停止を押すとふっと消えた。何なら点灯と消灯のタイミングもいじれるぞ。

「こうか。すごいなこれ……グループ分けして一括で操作したり、タイマーもセットできるぞ?」
「原作通りで良かったぜ。そういうのがあるから拠点づくりってすげえ時間泥棒なんだよな……」

 分かると面白い話だ、広場に適当な間隔でがらんがらん街灯を追加した。
 四本の灯りを一括で設定、夕方から朝にかけて暗闇を照らすように仕組んだ。
 そのままの勢いでさっきの建物に天井照明もプレゼントだ。そうなると――

「で、こういう使い方もできるのか。スイッチで手動制御、と」

 段々理解が追いついてきたぞ。今度は入って間もない壁に制御用スイッチを設置。
 本体に電力を接続、四つ入りの棒状スイッチそれぞれの灯りとリンクさせると……ワーオ、白くて明るい。
 タカアキと一緒にカチカチいじってみた、指にならって建物がちかちか輝く!

「……なあイチ、おもしれーなこれ」
「ああ、なんか面白くなってきた。もっとやっちゃう?」
「やっちまうか! よっしゃ、全部屋文明的にしちまえ!」

 そうと分かれば直ちに文明の灯をご提供だ。
 部屋に押し入っていい感じの照明を置いて、制御用スイッチも同期させて、これで文明的な明るさがもたらされた。

「イチ様ぁ、ベッドとか椅子とかテーブルとか置かないんすか?」

 が、ロアベアに言われてみればそうだ。
 このままじゃ灯りがあるだけのクソ物件だ、でも資源はまだ余裕がある。
 なのでちょっとしたテーブルと椅子とベッドも設置した。ヴァルム亭以下だが腐っても寝床だ。

「……こんなもんか?」
「うちの宿の方が十倍強マシだろうがまあしょうがねえや。もっといい寝床とか作れねえの?」
「今のところ作れるのがこれくらいだ。スキル不足か?」
「家具とかは本とかメモリスティックでレシピ覚える必要あるからな、つまりお前の努力不足だ」
「勉強しないといけないって思ったのは正解か」

 改めて具合を見ると、そこそこの資源を使ったそこそこの住まいがある。
 せいぜい寝心地悪く休める程度だけど、そう考えてしまうと「やりたいことリスト」がどんどん増えていく。
 もっといい家具を置きたいだとかそんな感じだ、拠点モノのさだめである。

「こうなると水回りとかも欲しくなるっすねえ。そういうのってできるんすかお二人とも」

 開拓系のゲームの感覚を二人で思い出してると、ロアベアがニヨニヨしながらそんなことを言いだした。
 水――そうだ、もしかしてこいつで水道とか引けるんじゃ?

「……だとさ、できるかタカアキ?」

 俺より知ってるであろう人柄に尋ねてみれば、返事は「ニヤリ」な顔で。

「まさにできるぞ、ちょいと面倒だけどな。建築リストのインフラ系に【P-DIY・ライフシステム】ってのはあるか?」

 どうにかできるそうだ。なんてこった、なんでもありかこのシステムは。
 いそいそ指でたぐると見つかった、インフラ系建築物にその名前があった。
 ただし必要資源がエグい。金属、木材、建材はもちろんコンポーネント、電子部品などと先立つものに多種性を求められてる。
 なぜだか万能火薬もやたらと使うようだ、使用用途が何であれかなりのコストだ。

「あったぞ、このライフシステムってのはなんだ?」
「住民の満足度に直結する機能……つったらゲーム的な説明だけどな、そいつは居住区の水インフラを司る装置だ。そいつ一つで浄水から下水処理、温水まで大体こなせるすっごいやつだぞ」
「……なあ、G.U.E.S.Tってどこ目指してるゲームなんだ? 斜め向いてない?」
「コロニーシムモノの制作者が入社してから好きなもんぶっこんだ結果こうなったらしいぜ。おかげでゲーム終盤とか地下水組み上げたり汚水浄化しまくって水飲み放題だった」

 とりあえずこの充実ぶりは経験者の語る言葉でよーくわかった。
 ありがたいことに今の俺たちは制作サイドの情熱にあやかれてるらしい。

「フランメリアほどじゃないっすけどすごいっすよねえ……もしかしてイチ様、この機能性を駆使して向こうでの暮らしを極めれば一大勢力でも築けたんじゃないんすかね?」

 このハウジングの奥深さにロアベアもニヨニヨと関心するぐらいだ。
 魔壊しだけでお腹いっぱいだっていうのに、G.U.E.S.Tの主人公ゆえにとんでもないものをまた一つ抱えてたわけか。

「作るとしたらコミュニティの名前は【ストレンジャーズ・シティ】か?」
「シティね、でっかいお住まいを作る気満々じゃねえか。住民はもれなく全員戦闘スキルマックスで重武装だな」
「なんか生活能力アレなお方がいっぱいいそうな場所っすねえ、あひひひっ♡」
「作る時があったら街のルールは「一人一両」にしてやるよ。ああもちろん戦車を仕留めるって意味でな」

 しかしだ、そうと分かれば利用するほかない。
 どうせ作って持て余しても解体すれば元通りだしさっそくやってみよう。
 いざ建築予定図を土地の上に呼び出してみると――おいまてなんだこのデカさは。

「……そこまで便利な理由が今判明したぞ。なんだこのクソデカサイズ」

 出てきたのは誰がいったか「すっごいやつ」通りのスケールだった。
 できたばかりの施設の大部分に匹敵する面積に、たとえノルベルトがいたとしても追い越される高さ。
 それほど大掛かりな箱形機械が半透明に目の前を遮り、極太の配管が何本も姿を見せ、相応に巨大なタンクが幾つかくっついてる。
 これはもう【建築】でぽんと出していいサイズじゃないぞ。

「今お前が見上げてる感じからして大体察したわ。あのスケールそのまんまかよ」
「どうしたんすかイチ様、なんか見えちゃいけないようなものお見えになってないっすか?」
「見えちゃいけないもの見上げてる。たった今すげえのが建築不可能な色で表示されてるけど、どうすんだこれ」
「こいつが収まる穴掘ってぴったり重ねるだけだ。まあつまり、それほどの土地の広さがさねえと置けないっていうデメリットがあるんだがな」

 幼馴染アドバイス・パート……何度目かもう覚えちゃいないが、掘削して居場所を作ってやれとのことだ。
 そうなるとどこがいいんだ? 見回して物色した。
 身振りを込めて説明中のスパタ爺さんと聞き入る冒険者の向こう側がよさそうだ。手つかずの土地がけっこう広まってる。

「っていってもこんなデカいのどこに置けばいいんだ? 適当に置いて良さそうな見た目じゃないだろこれ」
「ちなみに水源がねえと機能しねえからな。このシステムなら地下水ぐらい汲み上げられるだろうが、そういや川のせせらぎが聞こえるとか言ってたよな……」

 拠点の広さに狙いを定めてるとタカアキの物言いが気になった。
 水源があるとかそういう話だったな。ということはこいつと接続できるか?
 俺はいったん建設を消して、道路の上で間もなく終わりそうな説明に近寄った。

「――ま、要するに今わしらの仲間がクラングルまでの道のりを探っとるわけじゃから、お前さんらがすることってのは周囲の調査と警戒じゃよ。ついでにここの使い心地も調べてもらおうって魂胆で……」
「いいところの横から失礼。ここらに水源とかない?」
「いいところなのになんじゃいきなり。水源っていやここらの西側に川があんぞ、どしたん?」
「西側か、お取込み中悪かったな。ただいまインフラ設営中」

 西か、それならさっき見出した立地条件は正解かもしれない。
 ざわめく皆様はガン無視して「じゃあどのへん?」と探りを入れた。

「……あのあたりか。でもけっこう離れてるぞ、建築範囲が足りない」

 拠点の西に目星をつければ確かにうっすら森があった。
 問題は建築限界を示す白い壁が終わりを告げてるっていう点だが。

「だったらハウジング・テーブルのアップグレードだぜ。資源まだあるか?」

 タカアキが解決策込みでくいくいと招いてる。
 木造の小屋に収まったあのテーブルのことだ、そこに解決策があるらしい。

「アップグレードってなんなのか今一度説明してほしい気分だ、どうすればいい?」
「資源やら使って拠点の範囲を拡張できます説明終わり。どれくらい遠いか分からねえけど、どの道今後のために広く取っとくべきだしちょうどいいんじゃないか?」

 どうも拠点を広げる機能まで備わってるそうだ。何でもありかよ。
 稼働中のテーブルに触れると青い画面が浮かぶも、当たり障りのない隅で【アップグレード】と表示があって。

【アサイラムを拡張しますか?】

 と、必要な資源を提示してきた。
 木材やら金属やらあれこれ使うが、なぜか『2000チップ』と金を要求してる。

「なるほどな、そこまでかからないみたいだ。気がかりなのはどうしてこいつがチップを使うかって話だ金取るのかよこの野郎」
「余裕があるやつ向けだって言ったじゃねーか。まあお前がそんな反応すると思って持ってきたぜ」

 まさか金が先立つなんて心外だけど流石はタカアキ、準備の良さでじゃらっと革袋を差し出してきた。
 中を覗けばチップの山だ。チップwithチップが100から5000まで価値を示してる。

「そりゃどうも。ちなみに出所は?」
「廃墟とテュマーだ、向こうだったら金持ちになれるか?」
「チップに物を言わせて毎日ママのスペシャルミールが食えそうだ」
「誰だママって」
「俺の中の三大ママで一番いい方だ」

 剣と魔法の世界じゃ価値のないチップをさっそく使って拡張を実行。
 すると景色の向こうで白い薄壁が点滅の後に遠ざかった。
 距離感からしてけっこう広がったようだ、これで建築可能範囲が増えたか。
 続けて今度は5000チップ。お次は7000チップ――おいどんだけ使わせるつもりだ。

「……けっこう広がったな。壁が見えなくなりそうなぐらい遠ざかってる」
「だったら川とやらに届くんじゃねえの? 行ってみようぜ」

 とにかく『解散、さあゆけ!』と冒険者が散らばる様子を避けて川へ進んだ。
 道中のフェンスを【解体】して、ついでに穴も埋めて通り道を作っておく。
 すぐ向こうは未開の森だ。ざらざら水の流れが遠く聞こえる。

「……ご主人、向こうに川がある」

 向こうの木々から自然を満喫してたようなニクが現れた。
 肉球つきの手が「あそこ」と深みを抜けた先を示してる。いいタイミングだ。

「ちょうどよかった、まさに今川を探してた。ところで何してたんだ?」
「警戒。何もいなかったけど」
「そりゃグッドボーイだ。こっちは今から水道を繋げるとこ」

 黒い尻尾がぱたぱた揺れながら道のりを教えてくれた。
 追いかければハウジング限界距離がだいぶ拡張されてるのがよくわかる。
 半透明の壁は木々を幾つも飲み込んで、縄張りをずいぶん広く取ってる。

「……あったなあ、川。けっこう立派じゃないの」

 ニクと水音を追えば――そこの光景にタカアキが深い関心の仕方だった。
 とても澄んだ川が緑豊かなフランメリアを大きくしたたかかに流れている。
 こんなに立派な水源が前を横切ってるわけだが、おかげで手を加えるのが申し訳なくなった。

「……なあ、そのライフシステムって下水処理がどうこうっていってたよな」
「ああ、いってたな」
「つまり排水される先にも選ばれるよな、ここ」
「一応は綺麗にしてここに流すってことだからな、大丈夫じゃねえの?」
「いや、そりゃそうだけどな……剣と魔法の世界にポストアポカリプスをこんな形で押し付けるのが後ろめたいんだよ、分かるか?」
「確かになあ、手前勝手にここまで人間様が手加えていいかって話だ。どうする?」
「すごくきれい。何か泳いでるけどなんだろう……?」
「魚もいるぞ」
「いるなあ……ちょっとこりゃ、後ろめたくなるわな」

 その綺麗さたるや、覗くニクの顔を寸分狂いなくジトっと返す清らかさだ。
 【P-DIY・ライフシステム】がなんであれ果たしてここに文明を繋げていいのか。
 どうして一歩踏み込めないでまごついてると。

「……あら、どうしたのかしらいっちゃん? 喉乾いたの? お腹減りましたの? じゃがいも食べる?」

 なんかきた。いや、森の中から現れたリム様か。
 とんがり帽子のロリは周りを見て回ってた感じで、次の興味は俺たちだ。

「みんなが働いてる傍らでここの開拓中。んで今拠点の水回りの問題について考えてたところだ」
「あら、水道を引くおつもりですの?」
「まあ、そういうことになるよなタカアキ」
「ちゃんと下水処理とかはするけどよ、放流しても大丈夫かって悩んでたんだよ」

 そもそもそこまで勝手にやっていいんだろうか? まずはスパタ爺さんに「報連相」が先か。
 二人で悩ましくしてるとリム様は鞄をごそごそして。

「……でしたら私の妹、レージェスちゃんの出番ですわね! 汚泥すら綺麗なお水に変える浄化の魔法をここで活かしてもらうのはいかがかしら? お芋食べる?」

 いい閃きが浮かんだとような笑みで何かくれた。冷えてぼっそぼその茹で芋だ。
 とりあえずかじった。ぼっそぼそで窒息しそうだ。

「レージェス……って、もしかしてリーゼル様の姉妹のあれか?」
「十三人はいるっていうご家族の一人だよな? なんか街中の水道やら噴水にめっちゃ貼り紙してなかったか」
「ええ、私たち魔女の姉妹の一人にして、あらゆるものを清らかにする【浄化の魔女レージェス】ちゃんですわ。承認欲求モンスターですけれどいい子ですわよ?」
「リム様ぐらい濃い奴だってことは分かった。何者なんだそいつ」

 芋をかじってる間に出てきたのは【浄化の魔女レージェス』という名だ。
 街のいたるところに【綺麗な水は私のおかげ】と怪文書を張りまくってるやつだ。
 曰くそいつがこの状況をどうにかできるらしい。できれば会いたくないが。

「あの子はあらゆるものをきれいな水に変換する技術をもってますの。その力は水垢どころかゴミ箱いっぱいの生ごみすら強引に水に変えるほど、昔は外国の方々に水資源問題の解決のためによくお呼ばれしてましたわ」
「……それってやばくないか? 何でも水に変えるって?」
「……そういや、汚れついた皿シンクにぶち込むだけできれいになってるよな。あれもリム様の妹さんの仕業ってことか」
「ええ、ですので心配でしたらあの子の力を借りれば即解決ですわ。良ければお呼びしますわよ? たぶんイっちゃんの名前もあればすぐに飛んできてくれるはずですの」

 汚れすらきれいな水に変えるやつがいるとかこの国マジでどうなってんだ。
 でも都合がいい話だ、ハウジング・システムとかけ合わせればクラングルと同じぐらい快適な水周りが作れるんじゃ?

「魔女レージェスか。その人の力とやらを借りたいところだけど、まずはスパタ爺さんにこのことを知らせてからだな」
「ああ、流石に無断で「川とアサイラム繋げました!」なんてやるほど俺たち押しつけがましくねえよ。しかしまあキャラの濃い妹さんがおられるようで……」
「ん、リム様にそっくりなのかな……?」
「コミュ障過ぎてこちらから呼ばないと来てくれないのが難点ですわね! オラッ! いでよレージェスちゃん!」
「そんなクソ雑な呼び方でいいのかよ。ところで塩ない?」

 いろいろ考えが浮かぶがまずは話し合いが先か。
 冷えたじゃがいもに苦しみつつ、この世の自然の豊かさを思って立ち去った。

『……ちなみにある国に呼ばれた時、見事に騙されて「敵国に利用されないように」って捕まったことがあるわ。その時は大人しくするフリして国丸ごと水に変えてやったの』

 ところが木々の向こうでそんな声がする。
 陰の力たっぷりで、湿度も高くじっとり耳にこびりつくような低い音色だ。

「ご主人、あそこに誰かいる」

 誰だお前、と足が止まるとニクが突き止めてくれた。
 見間違いじゃなきゃ、そこで木の幹の陰からとんがり帽子が突き出てた。
 青白い髪と人間らしからぬ青肌の女性が二メートル以上の背丈ではみ出てる。

『あなたが噂の第二のアバタールちゃんね、確かにあの子そっくりだけれども面構えが違うわ。でもお姉ちゃん嬉しい、なんだか逞しくなって戻ってきたみたいだもの』

 ぼそぼそと呪詛……じゃなく、親しげな言葉を垂れ流してるようだ。
 リム様とは違う窮屈そうなローブに無駄に大きな胸を突き出しつつ、寝不足なのかくまのひどい目でガン見してる。

「こ……ここの土地憑きゴースト……?」
「おっきい」
「噂したら来ちゃった系の怪異じゃねえの? なんだあのおっかないの」
「まあ、もしかして――!」

 森に現れた未知の生命体に理解が及ばないでいるとリム様が反応した。
 そうなると幽霊のごとく覗き見るあれも正体をのそのそ現した。木に隠れて(なかった)大きな身体をようやく晒し。

「レージェスちゃん! いらしてたのね!?」
「リーリムお姉さま、アバタールちゃんがまた来てくれたと聞いたのだけどその子がそうなのね? なんだかそろそろ噂をされそうな気がしてついてきたわ」
「イっちゃん! この子がそうですわ! あなたに会いたがってたみたいですの!」

 お前喪に服してんのか、と言いたくなるような黒いローブが近寄ってきた。
 リム様のとんがり帽子の上で胸がぼよんぼよん暴れてる――でっっっかい。

「こんにちは、二人目のアバタールちゃん。私は【浄化の魔女レージェス】よ、また会えて嬉しいわ――おっぱい吸う?」

 ゾンビみたいな肌色と不健康な美顔は「どゆん」と乳肉を持ち上げてきた。
 良かった、リム様みたいなイロモノだ。
 とりあえず初対面におっぱいとかいうやつは経験上ロクなやつがいない。

「ああどうも、初めまして――チェンジで」
「いきなりすげえこと言うのもあれだけど、お前もお前でなんの躊躇なくチェンジでとか言うなよ。なんだこのやり取り」
「大丈夫ですわよイっちゃん! この子あなたに愛情を送りたいだけですの!」
「なあ、残り十名こんな感じじゃないよな……?」

 この変なやつは忘れてスパタ爺さんに水の問題について相談しにいこう。
 「待ちなさい」とどしどしついてくる変な青い魔女は無視して進んだ。

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