魔法の姫と世紀末世界のストレンジャー

ウィル・テネブリス

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魔法の姫とファンタジー世界暮らしの余所者たち

ようこそ、"P-DIY"ハウジング・システム!

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 で、そこらを探って話し合った結果がこうだ。
 看板の文字に従ってここをアサイラムと呼ぶとして、じゃあこれからどうする?

 まず第一に、トンネルが壁を通り越してここまで繋がってることが分かった。
 高度な技術が埋まってていい話かもしれないが、クラングルからすれば迷惑だ。
 この30kmにも及ぶ穴はせっかくの壁の守りを台無しにするようなものである。

 第二に、ここアサイラムがどこにあるのかも想像がついた。
 あの都市から南東に長く下った先にあるどこかの森だ。
 というのもクラウディアとサイトウ、それから牛鬼の上のキリガヤの調べで検討がついたからだ。
 クラングルのそばを通る大きな川が枝分かれしたものが、ここのすぐそばを通っているのが何より証拠だ。

 第三、南側に発電施設が見つかった。
 爺さんたちが調べて判明したのは、木々と草に覆われたせいで発電できなくなった『ブラックプレート』だ。
 パン屋の下で発電機が動き出した理由も解けた。ここで電力が作られていたからだ。
 ところが草木で遮られて日の当たりが悪くなった結果、トンネルを稼働させようと「ごうごう」鳴ったそうだ。

「そして極めつけは『白き民いるかもしれない案件』ってか……? テュマーの次は白いのに気を使わなきゃいけねえなんてな、ったく次から次へと」

 更に『白き民』を匂わせる話題も繋がってタケナカ先輩は「またか」って顔だ。
 つまり制圧したからって手放しで喜べない状況だからだ。
 そもそも白い奴らは廃墟だのに住み着く特殊な性癖をお持ちだ。
 ということは、ここはやつらの住処としての条件を満たしてしまってる。

「しかし今こうして安全なのは確かじゃな。これなら冒険者どもに鞭打ってがっつり探ってもらおうかのう……?」
「じゃからわし言っとるじゃろ!? ハーピー娘どもあたりに任せちまえって!」
「いや、他に転移物あるかもしれねえだろうがよ。もしそこに対空機銃でも積んだ無人兵器だの、銃もったテュマーだのがいたらシャレにならねえだろ。あいつら空飛ぶもんには敏感なの忘れたんか?」

 けれども今現在はスパタ爺さんが拍子抜けするぐらい平和なのだ。
 他のドワーフが言うように、いっそピナあたりに「ちょっといってこい」とひとっとびしてもらうのもありかもしれない。
 が、機銃を積んだ無人兵器でも転移してたらと考えればそうもいかない。

「空どころか地べた歩いてるやつらにも遠慮がないからな。調べに行かせた奴らがミンチになるなんて俺はごめんだぞ」

 俺はこうして地道に調べて「これでよかった」と一言付けておいた。

「……うん、わたしもそう思う。もしここにそういうのがいたら、問答無用で撃ってくると思うし……」

 ミコもだった。こいつの心配通りあいつらのご挨拶は実弾と実力だ。

「イチの言う通りだ。この土地はまだ俺たちにも不透明な部分が多いんだぞ? 爺さんどもの気持ちは分かるが、今は焦らず堅実にやってくしかねえよ」
「そういうこった爺さん、むしろ今は着実な一歩を歩めたってことで喜ぶべきじゃないのか? 問題はここをどうするかってやつだよ、どうすんだこれ」

 タケナカ先輩とシナダ先輩の言葉も加わった。
 その甲斐あって「うむ……」とドワーフ顔が揃って噛みしめてる。

「次はどうする。クラングルとつながりがはっきりした以上、この廃墟を残しておくわけにはいかないだろう?」
「白き民がいるかもしれないって考えると、見事にあてはまっちゃいますからね……住み着いてもおかしくないかもしれませんよ」
「すっごいぼろぼろだけど、あいつら直して使いそうだよね……どーすんのさ、お爺ちゃん。ドカーンって吹っ飛ばしちゃう?」

 だけど何よりはミセリコルディアの心配だった。
 ここは『白き民』にとっていい物件なんだぞ? 
 シェルターの件も思い返せば住み着いてしまう可能性が十分すぎる。

「いやな、わしらも「もし白き民とか絡んでたらどうしよう」ってうっすら考えとったぞ?」
「何せ廃墟があるかもしれんぐらいは考えてたぐらいじゃ。でもなあ、あの発電施設は何としても欲しくなっちゃうじゃろ?」
「だったらブラックプレート発電ごとこのあたり一帯を開拓してやろうって大胆に考えたんだけどよ、こうも中途半端な上に森のど真ん中だ」

 爺さんたちは何考えてるんだろう、サクラメント・ステーションどころかその地上すらも手に入れるつもりだったらしい。
 しかしご覧の通りアクセス悪しな森の中で、残されてるのはせいぜい鉄のオブジェに修繕のしようもない廃墟だ。

「それは流石に欲張りすぎじゃないか? 俺たちの目的は地下交通システムの調査とパン屋の安全確保だろ? これ以上どうしろっていうんだよ爺さんがたは」
「勿体ない精神を発揮するには不適切なのは分かるんじゃが、あれほどのテクノロジーを腐らせるのはちょっとなあ、勿体ねえなあ……」
「じゃがわしらにとってはクラングルの安全が第一じゃ。それに中途半端にもの残してあのいけ好かん白い奴らを住まわせるなんて腹立たしいことよ」
「一応、市からはどこかに繋がってた場合はそこに調査と保全も任されてたけどよ。これじゃ全部片づけるしかねえよなあ……」

 ドワーフ三名の総意はこうか。
 ここアサイラムにある発電施設は欲しいけれども、このままじゃ白き民がお邪魔する理由になる。
 クラングルと繋がってしまった以上はそんなことは許されないし、ここに脅威が住み着かないようにどうにかしないといけない。
 そうなると手っ取り早いのは? ここを住まう価値なしにすることだ。

「お前たちドワーフもクラングルにこき使われてるようだな。しかし保全と言っても、この廃墟をどう手中に収まるつもりだったんだ?」

 クリューサの疑問が崩壊寸前の廃墟へ向いてしまってる。
 返事はカートから引っ張ってきたとびきりデカイ斧とハンマーがそれだ。

「ちょっとした前哨基地をここに設けるつもりだったぞ。もちろんそのための人員も後ろに控えとるんじゃがな……」
「その先がどこを向いても森の中で、しかも扱いに困る廃墟ばっかじゃとは思わんじゃろ? こりゃいったん壊すしかないのう」
「落ち着こうにも360度どこを向いても敵がいるかもしれねえ、なんて気持ち悪すぎんだろ……その気になりゃ開拓ぐらいお手のもんだが、今の人手と能力じゃ到底無理だ。とりあえず白き民が近寄れないようにどうにかするしかないぜ」

 けっきょく白い奴らのお引越し先としての価値をぶち壊すことにしたらしい。
 トンネルどころかその先まで狙ってたのは呆れるレベルだが、待ってたのは手のつけようのないこの有様か。

「――お爺ちゃん、手伝うぞ! ところで白き民というのはどういう条件で居つくんだ!?」

 そんな背中を手伝うとばかりにキリガヤがついていった。
 俺たちも気になることだ、知ってるなら是非ご教授願いたいが。

「おう、手伝ってくれるかキリガヤの。あいつらはな、人気がなくて寂れとる場所じゃったら目ざとく見つけてくるんじゃよ」
「前に聞いたがどっかの砦跡地もそうじゃったろ? 中途半端に残ってりゃ、あろうことかそいつ手直しして使うじゃから厄介よ。てことでぶっ壊すから手伝えお主ら」
「しかもこういう周りがはっきりせん森の中とかうってつけだからな。まあこのあたりをぐるっと守りで固めて適当に見張ってりゃ、よっぽど意気込んでねえかぎりたじたじさ」

 まるで親切にも周りに広めるように答えてくれた。
 ここがどれだけ白き民にとって有利なのかよく分かった。あの白アリみたいなのが居つくにはちょうどいいそうだ。
 アサイラム取り壊しを始める四人に「いくか」とみんながついていくも。

「――おい、イチ! ちょっとこい! 早くこい! すげえぞ!」
「イチ様ぁ~♡ 面白いの見つけたっす~♡」

 ……そんな空気をぶったぎるのが二名。タカアキとロアベアだった。
 幼馴染は特に興奮気味だ、さぞいいニュースを持ってきたような感じがする。

「なんだ今度は。つーかお前らどこいってたんだ?」
「あそこだよ! あそこ!」
「あそこっすよ、ほらさっきうちが調べたガレージっす!」

 言われて気づいたが「あそこ」を辿れば――ロアベアが調べてた家屋だ。
 どうもそこで何かを見つけたそうだ、一体何があったんだろう?

「俺には今から取り壊す予定のお家とガレージが見えるぞ」
「あ、あの……二人とも、どうしたの? 何か見つけたみたいだけど」
「大発見だよ! いいかイチ、ちょっとPDA開いてこっちこい!」

 気になったミコの存在感もついてくるがお構いなしに引っ張られる。
 足を合わせてたどり着くのはやっぱりあのガレージで。

【"P-DIY"ハウジングシステムを検知しました……】

 と、その光景に通知ウィンドウが重なった。
 ハウジング。ゲーム好きなら分かる単語だが、要はのことだ。
 ほら、あのことだ。ゲームの中で自分の好きな建築を思うがままに組み立てるあの遊び方である。

「タカアキ、今ハウジングがどうこうって出たぞ」
「ハッハァ! やっぱりか! こいつを見ろ、拠点システム用のワークベンチだ!」

 訳も分からず入り込めば、タカアキを満面の笑顔にさせた理由がある。
 あるもんはぎ取られてみじめな姿をさらすガレージの隅で、頑なに埃をかぶるブラックボックスだ。
 黒くて横長、人の腰ほどはある箱形に「こいつだ」と導かれ。

「そういやG.U.E.S.Tってのはな、特定の場所を自分の拠点にできるシステムなんだよな。お兄さんすっかり忘れてたぜ」

 そんなことをいいつつ謎の黒箱をすすめられた。
 もしかして本当にゲームさながらに土地をいじれるのか?

「ちょっと待て、それって家作れちゃうあれだよな? 昔お前とやったゲームみたいに」
「おう、お前の大好きな豆腐建築もできるぜ」
「豆腐の話はやめろ馬鹿野郎。いやそうじゃなくてね? そんないきなりハウジングがどうこういわれても……」

 前にタカアキと「冒険もできてお家も作れる」ゲームをやったんだからハウジングの意味ぐらいわかるさ。
 それがG.U.E.S.Tにあるなんて思わなかっただけで、まして自分の手元にその要素が回ってくるなんて想像――

 がしゃん。

 おそるおそる、ちょっとわくわくしながら箱に近づけばもう引きようがない。
 PDAが近づいたせいだろうか? 埃をかぶった黒い表面が左右に割れ始める。
 ほんの一瞬だった。滑らかにそれがご開帳して、隠れてた青いテーブルやアンテナをさらけ出し。

『P-DIY・ハウジング・システムへようこそ! 同期システムスタンバイ!』

 と、健全な電子音声がそう告げてきた。
 どうしろってんだこれ。周りを伺っても答えはない、完全に俺次第だ。

「ワーオ……なんかお誘いされてる」
「お誘いには乗っとけよ。PDAを開いてみろ、ハウジング同期の項目が案内されてるはずだぞ」

 仕方なく幼馴染のアドバイスに従った。
 情報タブを開くと【ハウジング】と項目がある。
 何ならご丁重にアイコンが強調されてるほどだ。
 そっと触れれば空っぽの拠点リストが浮かんで、追ってシステム同期を待つウィンドウが立ち上がり。

【アサイラム・タウンを占領しました。拠点化しますか?】

 なんて調子でお伺いだ。
 本当のいいのかこれ。判断材料は幼馴染の期待感のある顔だ、押してやった。
 すると実にあっけなく処理が終わった、拠点リストにこの土地の名が加わり。

【アサイラム・タウンはあなたのものです! よき"P-DIY"生活をお楽しみください!】

 だ、そうだ。それだけ知らせて後は終わりである。

「……どうよ?」

 タカアキにどう答えればいいんだろう、実感できるものが今のところない。

「……いや、どうっていわれてもな。設定完了の通知ぐらいしか――」
 
 ふよっ。
 いや、あった。黒箱に触れたると青く澄んだウィンドウが目の前で立った。
 PDAのメッセージ機能で浮かび上がる入力画面が近い、あれが湾曲するように広く広がっている。

「前言撤回大いにありだ、なんかいろいろ出てきたぞ」

 そこにあるのは目まぐるしい程の情報量だ。
 範囲の指定、建築物リスト、掘削、インフラ設定などとタブが盛りだくさん。
 そのままくるっとガレージの外まで向けば、あろうことか妙な『形』が浮かんで見えた。

【壁(木製)】

 そう名の付く半透明の大きな板が親しいサングラス顔と重なってる。
 でも輪郭は黄色い。まさかと思って少し離れれば、道路の上あたりで緑色の前向きな表現に変わる。

「壁……とか出てるぞタカアキ、これどうすればいい?」

 でもどうすればいいんだこれ。手が届く範囲に浮かんだ壁の形にそっ……と手を伸ばすと。

*がらんっ*

 妙な硬い音を立てて、目の前が茶色に染まった。
 厳密にいえば木の模様だ。自然の味を感じる木材がすぐ目の前を塞いでた。
 ――そのまんまの意味で。道路のど真ん中にいきなり壁が立ってるのだ。

「……あーうん、確かにおいでなすったな、壁とやら。ハウジング成功だぜ」
「えっ……うわっ、なんか壁出てきた……」

 どういうことだ? まさか本当に『ハウジング』が機能してるのか?
 しかしそんな姿をばっちり見てたであろうロアベアがやってきて。

「お~……とうとう無から壁を生み出したっすねイチ様」

 こんこん、とニヨニヨしながらノックした。
 間違いなく壁がある。それもゆるぎない、コンクリートと調和した物理法則ガン無視の壁が。

「えっ、えっ、ど、どうしようこれ……?」
「落ち着けイチ、とりあえず、えーと……どうしよう」
「すごいっすよこれ! なんかアスファルトと合体してるっす!」

 世にも奇妙な壁に困ってると、解体現場を眺めてたミコも気づいたらしい。
 「あんなのあったかな?」みたいな顔だ。次第にニクもついてきて。

「……あれ? なにこれ、壁……?」
「やべえ聞いてくれミコ、なんか壁出てきた……」

 この状況を知ってもらおうと手ぶりを込めた瞬間だ。
 またがらん、とあらぬ方向に壁が生まれる。
 やってしまった。突然立ちふさがった木の壁に相棒の思考がバグってる。

「待っていちクン、今何もない場所から壁が」
「おいタカアキ!? これどうすればいいんだ!?」
「……どういうことなの!?」
「落ち着け! なんかこう、削除するコマンドとか出てないか!?」

 このままじゃ得体のしれないキモい壁に世界が汚染されてしまう!
 視界に浮かぶ妙なウィンドウや形とあれこれ手をかざせば、さっきの壁に【解体しますか?】と文字が浮かんで。

「こ、こうか!? 大丈夫だよなオイ!?」

 押した――すると、壁がすっと消えていく。
 ニクも目を真ん丸に驚いてるんだから見間違えじゃないだろう。
 なんてこった、壁を出したり消したりできる能力を得ちまったのか。

「お~、今度は消えたっす。なんもないところから壁を出すに飽き足らず、壁を消し去るとは流石天才っすねイチ様ぁ」
「ちょっと見ない間にいったいどうしたの二人とも!? ただごとじゃないよね!?」
「……ご主人、今の何?」
「えっ怖っ!? いや違うんだ! なんかタカアキにすすめられたら建築できるようなウィンドウが……」

 しかし悪夢はまだ終わらない。
 説明に困って振り向けば、ガレージ隣で崩れかけのお家にウィンドウが重なる。
 そろそろ潰れるであろう一戸建てだ。でもその輪郭がぼんやりと光って。

【解体しますか?】

 ……などとお尋ねだ。
 そこで俺の悪い癖が出た。【分解】慣れした手がつい反射的にYESで返してしまう、すると――

*がらんっ*

 その質量にしては軽い音を立てつつ、ぱっとお家が消えてしまった。
 さっきまで黒い箱を守っていたガレージもろともである。
 残ってた僅かながらのゴミがからんからんと地面に落ちてきた。

「…………あとなんか、家も消せるな」
「家が消えたよ!? ねえ大丈夫なの!? タカアキ君、いちクンに何したの!?」
「すげえ、ちゃんとゲームのシステム通りに廃屋も自動解体かよ。笑うわこんなん」

 笑ってる場合か。とんでもないことになってんぞ。
 さすがにこれにはドワーフも気づいたらしい、スパタ爺さんが急いでやってくる。

「イチ、今何があった? 家消えとらん? わしの気のせい?」

 僅かなゴミだけが転がった更地について割と深刻そうに聞いてきた。
 どうしようこれ。説明しようにもウィンドウごとあたふたして。

「スパタ爺さん、聞いてくれ。なんか……この土地いじれるっぽい」

 手早い説明のために今度は道路側に向かった。
 全てはぎ取られてむなしく転がる廃車の骨組みだ。
 そこに視線を重ねるとやっぱり【解体】が浮かび。

 がこんっ。

 促した指先の向こうで消えた。
 視界端に【資源を入手:金属】などと浮かんでるが、このおかしさが分かるのはこの世で俺だけなんだろう。
 ついでに郵便ポストも消した、おかげで一世帯存在しなかったことになった。

「いやどういうこと? え? お前さん今……は???」
「なんかやばいんだ! PDAで変なの同期したらこんな風に消したり壁作れたりするんだ!」
「いちクン落ち着いて!? 分かったから! とりあえず落ち着こう!?」
「一家丸ごと消えたっす! イチ様、他に何できるんすか? お家作れたりするっすか!?」

 今度はお隣さんの平たい一軒家を重ねて解体、がこんと綺麗さっぱりである。
 こんだけやれば分かってくれたか。スパタ爺さんが己の視力を疑ってる。
 更に壁をがらんがらん立てれば「分かった落ち着け!」と理解が及んだらしく。

「おい! なんかすげえことになってるけど今度は何やらかしたんじゃイチ!?」
「家消しやがったぞ! どうしたお前変なものでも食ったか!?」

 他のドワーフもかなり心配そうに駆けつけてきた。 
 いきなり家が消えるわ、壁は出てくるわ、今まで以上にぶっとんだ有様だ。俺だって死ぬほど焦ってる。

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