魔法の姫と世紀末世界のストレンジャー

ウィル・テネブリス

文字の大きさ
上 下
417 / 581
剣と魔法の世界のストレンジャー

見習いパン屋(冒険者)からの最大限の屈辱

しおりを挟む

 ――ホワイト・チェインズ、なんかそういうクランがあるらしい。

 そいつらの出自は知ったことか。
 でもこう聞いた、転移事件の間もなくできた集まりで構成人数は五名、MGOのスキルを使いこなした日本人集団らしい。
 仕事はできるも素行は悪し、最近は名も上がって現地の方々にも大分横暴な態度を取り始めてたそうだ。
 リーダーの名前はリョータ、等級はスチール、片手剣と魔法を使うそこそこお強いやつだとか。

「おらおらぁっ! かかってきやがれ! お前がストーンだろうが容赦しねーからな、先輩の厳しさって奴を教えてやんよ新入り!」

 で、なんでそいつが向こうで盾をガンガン叩いてるんだろうか。
 周囲のざわめきを受け止めれば、そこは幾度見直したって決闘の場だ。
 冒険者ギルド支部の一角にある訓練場。普段はスキルアップの場である。
 それが一体どうしてか、床材の上に嫌な見た目の先輩どもが身構えており。

「二手に分かれて囲め! いい宣伝になるぞ、すぐ終わらせるなよ!」
「適当に長引かせて良く見せとけよ、少しずついたぶってやっからな」
「俺たちに喧嘩売るなんてツイてないなお前ら。うちのリーダーは刀剣スキル80だ、斬ってきた数が違うんだよ、数が、実戦だったら即死だかんな?」

 声高々に仲間も配置につき始めた。
 リーチのある槍に大きな剣、そして両手の籠手を構える奴もいる――もちろん訓練用の。
 敵は四名、女性の仲間はいない、どうも「はじめ」の声を待ち遠しくしてる。

「……どうしてこうなった?」

 後ろに尋ねたところで、そんな声もざわめく周囲にかき消された。
 観客席なんて上等なものがないせいで壁沿いはギャラリーでびっしりだ。
 人かヒロインか、冒険者かギルド職員か、そんな顔ぶれがどんな心境かさておき俺たちを見守ってる。
 ありていな表現でいうなら「決闘」で説明は済む。

 何があったかは単純だ。
 騒ぎを聞きつけたギルマスにタカアキは何を吹き込んだのやら、そこに「一つ目がキモい」だの「ヒロインがどうこう」だのという五人組の物言いも挟まった。
 結果、クソ面倒くさそうなミノタウロス顔は職員を集めて話し合った。
 ほどなくしないうちに帰ってくると、なんとも嫌そうにこう告げたのだ。

『だったら冒険者らしく決めてもらおうか。どっちが正しいか訓練場で戦って勝ち取れ』

 このフレーズを感情のこもってない調子で、更に誰かに脅されたように淡々と告げればどう思うだろうか。
 そんなものだ、ただそれだけで「冒険者同士でやれ」という体になり。

「同業者同士で決闘なんて馬鹿みたいにベタだが、まさか本当にやらされるとは思わなかったぞ。冒険者になるべきじゃなかったと今後悔してる」

 近くで緊張が半分、片方が呆れのタケナカ先輩が言葉通りに後悔してた。

「冒険者で決闘とか好きだろお前ら、良かったな世の中のニーズにこたえたぞ」

 タカアキなんて横でへらへらしてる。お前何しやがったって話だが。

「ん、やっつけていいの?」

 エプロンと頭巾姿のわん娘はもうやる気だ、槍代わりの棒を強く握ってる。
 つまりそういうことだ。四対四の決闘でどっちが正しいか決めさせてやるらしい。
 おかげでパン屋の仕事を間近に訓練場は大盛況だった。
 向こうも気分が上がってやる気満々だ、観客の期待に大げさなアピールをしてる。

「……これがただの決闘かって言われたらそうでもない気がするけどな」

 だからこそ、俺には違和感がすぐ掴めた。

 このままなら「どうぞ争え」だけど、別にそうでもないだろう。
 戦いを期待する雑多なギャラリーどもの中に、明らかに違うものが混じってた。
 例えば入り口近く、赤い竜の兄ちゃんが見たことある仲間を連れて、お菓子片手にニヤニヤしてた。
 そこから少し壁を伝えば、我らがギルマスが眼鏡エルフと共に様子を見てる。
 明らかに場違いなメイド服の数人だっている、なるほど――

「どういうことだ、イチ。これが決闘じゃないって?」

 その様子になんとなく察するとタケナカ先輩が気にかけてきた。
 さすがに人間相手の戦いなんて慣れちゃいないんだろう、少し震えてる。

「俺たちお膳立てされてるんだろうな。なあタカアキ」

 こいつはただの「悪い冒険者との決闘」じゃない。
 観客周りを見ながら幼馴染にしっかり物申すと。

「よしみんな聞いてくれ。こいつはギルマスからのオーダーだ、問題児を降格処分する大義名分のためにあいつらに死ぬほど屈辱与えろってさ」

 俺たちだけに聞こえるようにそう伝えてきたのだ。
 ニクはともかく先輩殿は「はぁ!?」だ、まったくその通りである。

「ギルマスっていうかその周りからだろうな」

 もう一度ギルマスのミノタウロス姿を確かめた。
 何かしら吹き込んでそうな眼鏡エルフの明らかな笑みが「どうぞごゆっくり」と続きを促してる。

「ちょ、ちょっと待てお前……! ギルマスからの頼みだって!? まさかんなアホみたいなことに巻き込まれてるのか、俺たち!?」
「冒険者である以上しょーがねーだろそういう職業なんだし、ちなみにこなしたら報酬も貰えるぞ。みんなで山分けな」
「冒険者ってそういう仕事もしなくちゃいけないんだな。いくらだ」
「二万メルタだとさ、眼鏡の兄ちゃんのポケットマネー」
「アキのやつめ、仕組みやがって。一人5000な」
「おいおいおい……俺はごめんだ! そんな趣味悪い仕事はしたくねえし、それに向こうはアイアン級が四名、スキル値だって上だしアーツも持ってんだぞ!」

 タケナカ先輩は流石にごめんという感じだが、もはやお互いに逃げ場なしだ。
 肉の壁になった観客様はこのアホな行事を止めることもないし、何なら馬鹿みたいな先輩どもがやられるのを期待してそうだ。

「スタートはまだか! 行くぞホワイト・チェインズ!」
「あいつにしっかり撮影するように言ったよな、映えるようにしとけよ!」
「まずはタケナカ先輩からやっちまわね? 雑魚はほっといて足奪っとこうぜ」
「足折っちまっていいぞ、先輩は最後のお楽しみだ」

 その間にも向こうのテンションが高まったみたいだ、ガンガン威嚇して構えてる。

「なんであいつらあんなやる気なんだ」
「そりゃあ、向こうからすれば自分の実力をひけらかすのにいい機会だと思わないか?」
「俺たちにとってもな。アキのやつマジ許さん」
「ん、誰からやる?」
「待ってくれお前ら! 本気でやるのか!? あいつらに容赦ってもんはねえぞ、普段の素行から遠慮なんて期待するなよ!?」
「どうせこうなった以上やるしかないぞ先輩、少し落ち着け」

 慌てふためく先輩を小突いて、俺はわん娘と共に向こうを見た。
 確かに構えはいい。武器のリーチも把握していて、剣やら拳やらの間合いはこっちを挟み込むように動き出しそうだ。
 その後に両手剣と槍がじわじわ、あるいはその逆か。

「で、ご注文は?」
「降格しまくるために死ぬほど辱めてやれってさ」
「こういう質問はしたくないけどするぞ、殺すなって話だよな」
「当り前だ馬鹿野郎。ここでそれやったら犯罪者だぞ」
「まあそうだよな。タカアキ、何かプランあるのか?」
「お前まだストーンだよな?」
「ああ、新米パン屋だ」
「パン屋じゃねーだろ。まあいい、一人でやれるか?」

 タカアキにうっすら尋ねたが、どうもリクエストに答える作戦があるらしい。
 その名も『一人でやれ』だ。そう言われてみてみれば――楽勝だな。
 こいつらは人間相手の命を奪うような戦いには慣れちゃいない、人食いカルトの方がよっぽどやる気と実績に満ちてる。

「死ぬほど楽勝」
「よし、じゃああいつらのズボンを脱がして露出してこい」
「今なんつった」
「全員ノックアウトしてズボン脱がしてこい。まあ大目に見てくれるだろ」
「別にやってもいいけどマジでいいのか?」
「どうせ見世物にされてるんだ、思いっきりふざけてやろうぜ」
「乗った」
「よおし、それでこそお前だ」

 決まった、俺一人で片付けよう――ズボンも脱がして。
 向こうが本気ならこっちは適当だ、武器も持たずに距離を詰めることにした。

「お、おい新入り! 馬鹿かお前!? 一人で勝てると思ってんのか!?」

 が、タケナカ先輩に腕を掴まれた。
 そういう遠慮はけっこうだ、本気の心配をぐるっと腕を翻して抜けた。

「心配どうも。でもパン屋の仕事が待ってるからな、早く終わらせる」
「いうことは立派だが正気じゃねえぞお前!?」
「元からぶっ壊れてる。それに」
「それに、なんだ!?」
「世話になった先輩を馬鹿にされてけっこう腹立たしい。だからそこで胸張って待っててくれ、責任は全部こっち持ちだ」

 それから一度だけ先輩の顔を見た。
 世話になった人だ、そんなやつを馬鹿にされて少し苛立たしい。
 ニクに「何かあったらよろしく」と一度視線を送って進んだ。

「あ、それとパンはうちの商品買ってください」
「この期に及んでパンの宣伝するな頼むから!」
「早く終わらせないとパン屋の先輩と奥さんが心配するんだ」
「分かったから行ってくれもう……」

 オーケーが出たよし行くぞ!
 先輩のため、そして職場のために近づくと、ぎりっと足踏みが向かってきた。

「……はっ、何お前、まさかカッコつけてんの? え、なに? 一人で俺たちに勝てるとか信じちゃってる系?」

 身構える四人組との距離が縮まると、リーダー格が構えを解いた。
 周りはそのままだ、何かあればすぐに詰めてくるだろう。

「どうも先輩、個人的に気に食わないところを二つ上げてやる。タケナカ先輩は俺の恩人だ。そしてお前らは奥さんのくれたエプロンを侮辱した、ってことは冒険者稼業を捨てる覚悟できてんだよな?」

 一歩迫った。すぐに動いたのは籠手だけの男だ。
 革製のそれをぎゅっとボクシングらしく構えて、拳の間合いを近づけてくる。

「おい調子のんな、イキってっと死ぬぞ? 俺はな、この世界に来る前はボクシングやってたんだ、そこらの陰キャとは違うんだぞ? 素手スキルも50ある、かかってこいやオラ! どうしたぁ!」
「聞いて驚くな、こっちは料理スキルが3だ」
「――はぁ?」

 口上が止まったところで踏み込む、相手は咄嗟に拳を目線ほどに構えた。
 そこで俺はぴょんと跳ねた――よく喋る口へめがけて右足を突き出す。

「ちょっぐえ゛え゛え゛え゛っ!?」

 靴底にぐしゃっと冒険者の顔を感じた、それと潰れた悲鳴も。
 そういえばエミリオの彼女が作った補強積みのブーツだったな、なんて気の毒だ。

「うぅぉぉぉ……っ!?」

 最後の一言がそれだった。いいところに入って大の字にダウン。
 ところが向こうはいきなりの出来事に固まってる、威張っておいてこんなもんか。

「なっ――なんだこいつやっ、やっちまえェ!」
「て、てめっ……卑怯だぞぉッ!」

 次だ、更に進むと槍持ちが突っ込んできた。
 その後ろでリーダーが大きく退く、代わる代わるの大剣持ちも詰めてくる。

「てめえよくもっ! ぶち殺してやる!」

 丸い尖りを持った練習用の得物が突き出されたが、身をよじって避けた。
 ところが向こうは一歩後退、すると両手で握ったそれを横向きに構えて。

「アーツ使っちゃいけねえルールはねえよなぁ!? はぁぁぁぁぁぁぁっ……!」

 踏み込むとぐるっと回転、想像以上のスピードをもって穂先を振り回してきた。
 なんかのアーツだろう。地面を蹴って離れる、これじゃリーチ的に不利だ。

「そうかルール無用か、じゃあこれ使ってもいいよな?」

 回るような一撃が止まってびゅっと突きが牽制してくる――ならこうだ。
 さっき倒れた一人の足を両手で掴んだ。
 びくっと目を覚ましたようだけど知るか、敵にめがけて思い切り引っ張り。

「はっ、えあっ、なにっ……あああああああああああああああっ!?」

 こちらも負けじと片足を軸にぐるりと一回転、鈍器と化した先輩を振り回す。
 じたばたする身体を力づくでぶん回せば、流石の向こうも狼狽したらしい。

「お――おいおいなにやってうわっあああああああああああっ!?」

 握りの緩んだ穂先に先輩のどこかが当たった、得物が派手にすっぽ抜けた。
 更に回転。観客たちの様子をぐるっと確かめつつしならせると。

「オラッ! 受け取れッ! パスだ先輩ッ!」
「ふっふざけんじゃねえどこに人間ふりまわ――くるなうわああああああっ!?」

 槍を失った無職の先輩に鈍器先輩(仮)をぶん投げた!
 向こうは判断に迷ったらしく、反射的に受け止めようとして「うがっ!?」と濃厚なキスをしたらしい。お幸せに。

「くっっそ……! リーダー、一旦下がれ! 回り込め……!」

 次の獲物は自分から来てくれた、その名も大剣先輩だ。
 大ぶりの一撃が薙いでくる、横を踏んで避けるも木製の刀身がぐんっと軌道を変え。

「俺の連打をッ! 受け止めてみろォォォォォッ!」

 えらく気合の入った声を込めて、ぶぉんと得物を振り落としてきた。
 咄嗟に両腕で遮った。相手の動きを防げば、筋肉いっぱいに痺れる痛みが走るが。

「おらっ! オラオラオラオラオラオラオラオラァッ! 滅多打ちだァァ!」

 更に連打に繋がった。上半身の捻りと足さばきを小躍りさせて、右左と打ち込まれる。
 ところが笑える話だ。相手の動きに合わせて前腕で塞げば大した威力はない。
 だから受け止めた。ばしばしと叩き込む刀身を流す――十発か。

「く、そ、がっ、なんだこいつ……」

 もう一発というところで両腕で抑えた、いかつい顔が息切れしながら驚いてる。

「よお先輩、俺も滅多打ちしていいよな?」
「――ひえっ」

 その一瞬、大剣が離れた。
 逃すものか。掴んで引き寄せて、驚く顔にごしゃっと拳を捻じり込む。
 続けざまに胸上に一撃。一発、二発、四発、八発、十二発――おまけも込めて殴った。
 革製の防具に遠慮はいらないだろう。鎖骨を中心にぶん殴りまくると、ふらっと苦しそうに一歩引き。

「おらあああああああああああああああああああっ!」

 追うように跳ねて、そこから顔面に拳を叩き落とす。
 表情を幾分損ねるような感触が伝わった。途端に焦点があわなくなった先輩はよろめき半回転、床に倒れた。
 結論として大したことはない、アルテリーの勢いの方がよっぽど深刻だ。
 するとぴゅうっ、とからかうような口笛がきた。フェルナーの奴がどつかれてた。

「【アイシクル・ジャベリン】!」
『おい、あいつ魔法使いやがったぞ!』
『反則じゃないのか!? おい避けろォォォッ!』

 と、今度は詠唱の言葉とマナが使われる独特の音がした。
 振り向くと青白い輝きが冷たくすっとんできた、まさに氷の槍だ。
 まあ『魔壊し』には効かない。避けるか、防ぐか、考えるに十分な時間がある。
 いろいろな考えが浮かんだが、流れ弾のことやタカアキの要望を考えるに。

「パン屋なめんじゃねえ! 来いやあああああぁぁぁッ!」

 パン屋の名誉を借りて大の字で受け止めることにした。
 我が身にばしっと指先で突く程度の衝撃がくるのと、遠くでホワイト・チェインズのリーダーが「やったか!」な顔をするのは同じだ。
 ところが体質上魔法お断りだ、パン屋で学んだ笑顔をお返しした。

「う…………嘘だ、ま、魔法、効いてな……どうなってんだ……!?」

 ありがとう魔壊し、おかげで相手はバケモンでも見たようによろよろしてる。
 よし、今のうちに仕事に入るぞ。
 まごつく先輩をよそに足元を見た。やられた先輩がだいぶ無防備に苦しんでた。
 は最後にするとしてここから始めよう、ズボンに手をかけた。

「……あっ……? なっ、はな、うわああああああああ!?」
「脱げオラァッ!」

 さっきの自称ボクサーの皮ズボンを思いっきり引っ張った。
 じたばたするが蹴りぶちこんで引きずりぬいた。

「なにかんがえてんだてめうああああああやっやめろあああああああああッ!?」

 ずぼっと体温の残る一枚がとれた、マンドラゴラの産声のごとく野郎の野太い声が上がった。
 外野の悲鳴と知り合いの『やりやがったなイっちゃん!』という声もセットだ、これみよがしに大きな戦果パンツを掲げた。

「待てやぁぁっ! オラッパンツ脱げッ!!」
「やっ、やめっ、来るな来るな来るないやだあああああああああああああッ!」

 さっきの槍持ちが四つん這いで逃げ始めた! 逃がすか、パンツよこせ!
 足を踏んづけて足止めした。ぐでっと倒れたそいつの新品のズボンを引き抜く。
 地面をひっかいて逃げようとしたが腰回りがきつい、仕方ない――

 ――びぎぎぎぎっ。

 なのでウエストごと引きちぎった、ワンサイズ広がってすんなり抜けた。
 二枚目ゲットだ、股間を隠して悶える先輩はともかく次を探す。

「うわっああっわあああああああああああッ! たす、助けてリーダアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」

 【ブレイズ・ボール!】などと火の玉が飛んできたがガン無視して次へ
 ドライヤーで炙られたような感触もろとも次を探した。
 いた、さっきの大剣持ちが背中でずりずり退いてる。
 視線が合うと「ひっ!」と息が引きつった、お前のパンツもよこせ。

「ヒャッハァァァッ! 新鮮なパンツだぁぁぁぁッ!」

 野郎の召し物めがけて襲い掛かった――

「……すみません、勘弁してください」

 ところが向こうはいそいそ差し出してきた、ジーンズ調の動きやすそうなやつだ。
 仕方ないので見逃すことにした。ズボンだけで許してやろう。
 そこ座ってろと指で銘じて次へ。

「ひ、ひっ! どけっ! どけええええっ!」

 もはやここは笑えばいいのか恐れればいいのか呆れればいいのかの盛況ぶりだ。
 ところがさっきのリーダー格が多様性のある観客をかき分けて逃げてる。
 だがストレンジャーの律儀さはお前を逃さない、はぎとったズボンを抱えて追う。

「オラァッ! 逃げるんじゃねえ!」
「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!?」

 ドン引きする冒険者の中を走れば、向こうから金切り声みたいな悲鳴が上がった。
 必死な姿を目と足で追う、このまま逃せばパンツがとれなくなっちまう!

『おーい待てイチ、オーケーもういいぞ。もう十分だからな、ステイ』
『……なんなんだあいつ、バケモンなのか……!?』
『ご主人、手伝う?』
「手を出すなお前ら! あいつは俺の獲物だ!」

 三人分の制止から抜け出すと、通路の壁にゴールして転げまわるあいつがいた。
 このままじゃズボンが逃げる。期待に応えるために腕を振って尻を追いかける――!

「ど、どいてくれっ! 来るなっ! くるなっ! たすけ……!」
「ズボンをよこせェ! ぶち殺すぞォ!」

 一直線の逃避行があった、長い通路に走り沿う黒髪薄髭野郎を追い求める。
 障害物もなし、邪魔者もなし、だが向こうは人でひしめくホールへ一直線で。

「ズボンをよこせオラァァァァァッ!!」

 ようやく縮まった、その背中に勢いつけてタックルをお見舞いした。
 無防備な背筋に悪質さをぶつかると派手に転げ崩れた、もう逃げられないぞ!
 ただし行き着く先は依頼ボードあたりだったようだ、誰もがなんだこいつと距離を置くが。

「オラッ! 脱げッ! てめえも仲良く脱ぐんだよッ!」
「やだやだやだやだっ! やだっ! 誰か助けてあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」

 はぎとった犠牲者三枚分を捨てて仕事にとりかかった。
 機能性のあるポケット多めのズボンだ、ベルトが邪魔でぎちぎち遮られる。
 なにやってんだあれという視線を受けつつ、俺は腰に手をかけて。

「脱げっつってんだろォォォォッ! クソがアアアアアアアアアッ!」
「あああっああああああああああああああああああああああ!」

 び゛り゛っ。
 ベルトの革の弾力ごと、ズボンをびりっと破りはいだ。
 甲高い悲鳴が暴れ回るがこれで四着分だ、元気な男のズボンだ。
 ついでに尻を派手に叩いた――ばちんと。

「へっ……? あ、え……? なに、これ……?」

 折よくというか、ちょうど目の前にはお仲間の女性が腰を抜かしてたが。

「女には用はないぞ! 地底に帰れボケがぶっ殺すぞテメエ!」
「えひっ、いやああああああああああああ……!?」

 ばちん。尻を叩いて威嚇して追い払った。
 効果は抜群だ、人間のお姉ちゃんは尻もちを挟んでから逃げていった。
 これで四着、ギルマスもこれで満面の笑みを浮かべて褒めてくれるはずだ。

「ええ…………」

 下半身露出の罪状が付与されたそれを陣取ってると、さっきのメカクレな女の子が目の前で引いていた。
 慰めていたであろう可愛い女の子たちももはや異物を見るような目だ、また尻でもぶっ叩こうと思ったが。

『クラングル衛兵支援組織【イーリアス】ですっ! 道を開けてくださいっ!』

 そこにきりっとした女の子の声がした。
 ギルドの玄関が騒がしくなったかと思えば、小奇麗な武具を着飾った女の子たちがずかずかやってくる。
 その中でも背筋も顔立ちも態度もきりっとした銀髪娘が俺に目をつけると。

「こちらに下半身露出をしている者たちがいると通報がありました!」

 こう凛々しく言うのだ、犯罪者がいると。
 背中には真っ白な羽がばさっとしており、戦乙女さながらの姿はいかにもヒロインだ。
 ふと気づけば通路からタカアキが腹抱えて笑ってた、お前の仕業か。

「たぶんこいつだ! まだ脱ぎたて新鮮なうちに捕まえろ! 訓練場で三名同罪がいるぞ!」
「なっ――なんという破廉恥な!? こうも明るいうちに堂々とそのような行いをするとは、許されざる行為です!」
「そうだ、露出犯は全員ぶちのめしたから社会の正しさを教えてやれ!」

 だが乗ってやろう。目下のリーダー格の尻を叩いて合図にした。
 するとクソ真面目そうな顔は一切態度を崩さず、それはもう職務的に逮捕に踏み切ったようだ。
 ただし付き添うやつらは「なんだこれ」と引いてるが。

「あなたが逮捕してくれたのですね! ご協力ありがとうございます!」
「ち、ちがっ、ちがう! こいつが」
「事情はあちらで聞きます、大人しくお縄につきなさい! あなたを【冒険者公然わいせつ罪】で逮捕しますッ!」
「ハッハァァッ! これでてめえの冒険もおしまいだクソが! さぞ居心地のいい場所まで案内してやれ!」
『……どういう状況なのですかこれ』
『いや、まあ冒険者ギルドのマスターも認めてるんだしそういう罪なんだろう……イングリッド隊長、悪者捕まえていい顔してるな』
「はっ離せちくしょおおおおおお! そいつだ! その馬鹿が俺をっ」

 彼女はびしっと敬礼してから、仲間を伴って犯罪者の逮捕に向かった。
 下半身露出の罪を負った男は数人がかりで(仕方なさそうに)抑え込まれて、ついでに猿ぐつわもさせられ連れてかれた。

「……一つ言わせてくれ、お前の先輩になったことを軽く後悔してる」

 善行を積んでると、人混みからタケナカ先輩たちが追いかけてきた。
 これ見よがしに戦利品を見せた。みんなに顔をそらされた。

「お望み通り屈辱を与えてきたぞ先輩ども」
「この件で分かったことがある、お前は化け物だ」
「ストーンに追い回されるアイアンとスチールって言うのはなかなかないと思うぞ」
「つーかどうなってんだお前、素手でズボン破くとかバケモンか」
「良かったよ、お前がまとも……いや、俺たちに従ってくれるいい後輩で、うん」

 みんな褒めてくれてる、得意げにズボンを掲げたが「やめろ」と注意された。

「マジで逮捕されてやんの、笑うわこんなん」
「ん、みんな倒した?」

 タカアキとニクもきた、クソみたいな通報をしてくれた方はいい笑顔だ。

「お前のプランってのはこのことか?」
「衛兵を手伝うクランがあるんだけどよ、けっこうガバガバな仕事するから利用させてもらっただけだ。ちゃんとギルマスからは許可貰ってるから大丈夫」
「まあ罪深いのは確かだ。このパンツどうする?」
「ギルドの納品所にでも突っ込んどけ」

 戦利品の処遇に悩んでると、通路の奥で見慣れた顔がこっちを見てた。
 ギルマスがこの世の終わりみたいに頭を抱えて、その隣で眼鏡エルフのアキが爆笑してる――気の毒に。

「あっ……あの……あのっ……」

 新たな冒険に向かう四人組がそろそろ遠ざかると、こしょっと声がした。
 視線を落とせばさっきの一つ目ッ娘がそばにいた。
 もじもじしながら隠れた目でこっちを見上げていて。

「ありがとう、ございます……助けてくれて……」

 お礼を言われてしまった。
 少し離れたところでそんな彼女のお友達が見張ってるが、大丈夫だとパンツを見せつけた。

「礼ならタケナカ先輩とこっちの幼馴染に言ってくれ。これいる?」
「い、いらないです……!?」
「ガキにんなきたねえもん見せるな馬鹿野郎!?」
「笑顔ではぎとったパンツ突きつけんなよ、変態かよお前」

 でも礼を言うべきは事を起こした先輩と、割り込んだタカアキだ。
 女の子は挙動不審なまま、薄青色のショートヘアをふるふるさせて「ありがとうございます」と小声でまた感謝してる。

「まあなんだお嬢ちゃん、お前に何があったか知らんけど、問題児に一つ目娘が絡まれてるってなれば助けるだけだぜ」
「そういうわけだ。こいつ一つ目好きでな、良かったなタカアキ好物で」
「いやあ、もうちょっと背が高くてケツちっちゃめがいいわ俺」

 が、タカアキのいい笑顔は割とひどいことを口走ってた。
 確かにこの子はちっちゃいけど、なんというかゆったりした服にけっこうなお尻の大きさが浮かんでるというか。

「えっ……あっ……お尻っ……!?」

 そんな言葉が刺さったのか、メカクレッ娘はくすくす泣き出してしまった。
 馬鹿な幼馴染を横からどついた、ぐほっと怯んだがまだ許さん。

「衛兵、来てくれー!」

 ゆえに衛兵支援クランを召喚した。
 「何事ですか!」とさっきの戦乙女系女子が室内滑空してきた。

「はいっこちらイーリアスです! どうかいたしましたか!?」
「一つ目ッ娘泣かしやがったぞこのサングラスの変態! 捕まえろ!」
「なんですと!? それは度し難い! あなたを【一つ目ッ娘侮辱罪】で逮捕しますっ!」

 お前も捕まれ馬鹿野郎、やれと指で示すと彼女はとっ捕まえにいった。

「うおおおおおおおおお捕まえれるもんなら捕まえてみやがれえええッ!」

 タカアキは全力でどっかへ逃げた。さようなら幼馴染。
 さて仕上げだ。気にすんなと頭を撫でてから受付の端っこにある窓口に向かって。

「×××野郎のパンツ四つ着払いで、納品先はムショの心地いい場所だ」

 破れたパンツを押し付けて先輩たちの元へ帰ることにした。
 なんですかこれ、と綺麗なお姉さんにさげすまれたが全力で無視だ。

「片づけてきたぞ、先輩ども」
「ご主人、鞄もってきた」
「ああどうも、広告はこの辺でいいか」

 その足でホールのたまり場に戻ると、より固まった面々は総じて微妙な顔だ。
 なにやってんだ、なんだこいつ、正気か、様々な考えが浮かんでる。
 まあいいか、ニクが持ってきてくれた荷物から広告を掴んだ。
 【テリヤキサンド200メルタ】だ、そこらの壁に貼って任務完了だ。

「じゃあ俺、パン屋の仕事あるから……午後の仕込みと配達してくるね……」
「いや待てこの流れでパン屋!? こいつ正気か!?」
「さっきの由々しき事態はともかくなんで半分パン屋に片足突っ込んでるんだこの新入り!?」
「ついでに俺たちのそばに照り焼きサンドの広告貼るな!」
「試食したけど美味しかったよ、冒険者向けに濃い味にしてるってさ」
「誰が味の感想求めた!? おい戻って来いここ冒険者ギルドだからな!?」
「ひょっとしてパン屋絡みの依頼が増えてるのお前のせいか!? そうだよな!?」
「うちらのギルマス頭抱えてんだぞお前のことで!?」
「じゃあ仕込みと配達いってきます」

 俺は頭巾を締め直して、エプロンをきゅっと整えて職場へ舞い戻った――。



「ってことがあって仕込みに遅れました、誠にごめんなさい」
「遅れちゃってごめんなさい」

 そして夕方間近、俺はパン屋の厨房で頭を下げていた。
 屈辱だ、なにせ初めての遅刻だ。ニクも耳をぺたっと平謝りしてる。

「いいのよ、むしろよくやったわ。困ってた子を助けたなら遅刻ぐらい大目に見ちゃうわよ」
「冒険者って大変なんやなあ、うち料理ギルドやっててよかったわあ」
「本当にごめんなさい、次からマジで気を付ける」
「それにちゃんとチラシも貼ってくれたんでしょ? 貼るのに手間取ったってことにしましょう?」
「ありがとう奥さん、クビにならないか不安だったよ」
「するわけないでしょ! さ、今日はいっぱい作らないといけないから忙しいわよ。小麦粉運んでくれたら配達お願いね?」
「あれから予約いっぱきとるんよなあ、繁盛してるでえ」

 ところが奥さんもスライム先輩もお許しの笑顔だ、通勤途中にしたクビの心配は杞憂だったみたいだ。
 やっと胸をなでおろすことができた、そう言えばタカアキは――まあいいか。
 とりあえず掃除から始めようか、空の陳列棚を確かめてから箒に手をかけると。

「イっちゃんと奥さん元気ー?」

 がちゃっ。
 扉が開いた。覚えのあるイケメンドラゴンボーイが笑顔でいた。

「すみません奥さますぐ帰らせますので!」

 がたん。
 速攻で甲冑姿が回収してった、今日もクルースニク・ベーカリーは平和だ。

「あら、フェルナーちゃんじゃない。ずいぶん久しぶりに見たわ」
「なんで名前知ってるんだ……?」
「昔はここじゃちょっと有名なパーティだったのよ。相変わらず仲が良いのね、レイナスちゃんと」
「奥さん顔広いんやなあ、パン屋って奥深いわあ」
「知り合いだったんか奥さん……」

しおりを挟む
感想 456

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

処理中です...