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Journey's End(たびのおわり)
ファクトリー(5)
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戦前、ここは本当にリサイクル工場だったんだろうか?
ひとつながりになった大きな倉庫が『1』から『8』まで番号を振られていて、それぞれに役割が持たされていた。
白い塗装がところどころにはげ落ちたその中では、止め時を知らない機械の稼働音がずっと続いてる。
回収した廃材の加工場、部品を製造する作業場、弾薬を作る製造ライン、まさに『ファクトリー』の名だけはある光景だ。
「これがファクトリーか……名前通りで恐れ入ったな」
『すごいよね……こんなに規模の大きな工場だなんて思わなかったよ』
「圧巻、この一言に尽きますなあ。フランメリアにも歯車仕掛けの都市がありますが、ここには及ばないでしょうな……」
横にも大きなマダムの背を追う合間合間にそんな様子を見てると、しれっとアキがついてくる。
なんでお前いるんだ、と顔で伺うと「これですぞ」とノートとペンが出てきた。熱心に記録してるらしい。
ついでに後ろを確かめれば――みんな好きにやってるみたいだった。
ノルベルトは防壁の修繕を手伝ってるし、お医者様は負傷者の治療に駆り出されてるし、女王様は紅茶だ。
「ここは古くから武器防具の製造で栄えてるのさ。最近は情勢が変わったもんだから特需だよ、特需、ぶっ倒れる暇もないぐらい繁盛してるように見えないかい?」
マダムは赤い毛相応に温かみのある笑顔で振り向いてきた。
その後ろで誰かにぶち壊された車両が『加工エリア』に運ばれてた。材料費が浮いてご機嫌がよさそうだ。
「そんなところにちょうどよく材料が調達できたみたいだな、タダで」
「ああ、厄介者の連中が感謝祭にやってきた七面鳥に早変わりさ。これでうちらは儲けたわけだよ、タダで!」
『今まで見てきた武器とか、ここで作られてたんですね……』
「そうだよ嬢ちゃん、あんたらの旅で見かけたいい武器は大体ここで作ったもんさ。ここに来るまで何度かお目にかからなかったかい?」
「世話になったし命も救われてきたところだ。ホームガードの槍とかハイド短機関銃とかな」
「うちの商品を使いこなしてくれたみたいだね? こんな噂を聞いたよ、槍ぶん投げて戦車仕留めたとか」
「その噂の発信源はどっかの軍曹殿か?」
「いかにも、自慢の息子の部下からだよ。変な冗談かと思ったんだが証拠も送られてきたもんでびっくりさ」
やがて奥まった場所にある倉庫の入り口にたどり着く頃、マダムはポケットから一枚取り出した。
肉に押されて少し歪んだ写真だ。それには見覚えのある光景が映ってて。
「これに覚えはあるかい? 今頃スティングじゃ記念として残されてるみたいなんだけど」
手渡された。写真の内容は『ライヒランドの戦車の槍添え』だ。
身なりの良くなった自警団とホームガードの軍曹、オークたちも映ってた。
どうもスティングの駅前に飾られてるようだ――なんか記念物扱いされてる。
「良かったなマダム、犯人があんたの目の前にいるぞ」
『どう見てもあの時の戦車だよね、これ……まだ残ってたんだ』
「スティングの戦いで見たライヒランドの戦車ですなあ。そういえばイチ殿、乱戦の最中に槍で仕留めておりましたな」
「だっていきなりホームガードの軍曹が「これで仕留めろ」って渡してきたんだぞ? 今思うとひどい無茶ぶりしやがったと思うよ」
「迷わず応じるイチ殿もイチ殿ですぞ。この珍妙な展示物は後世に末永く伝えられることでしょうな」
「たぶん自警団連中が面白がって飾ったんだろうな、畜生」
「あっはっはっは! その無茶ぶりした本人も「まさか本当にやるとは」って言ってたらしいよ。こいつ見てうちの工房の連中も職人冥利に尽きてるところさ」
スティングに観光スポットが増えてるようで何より。写真を返すとマダムが「やるじゃないか」と叩いてきた。
ふくよかな人柄は『7』と書かれた倉庫まで俺たちを案内すると。
「ここがファクトリーの工房だよ。武器の組み立てや調整をする場所さね」
両開きの扉に守られた入り口を「ここだ」と示してきた。
脇で気だるく見張ってた男たちがマダムを一目見て、それからこっちを確かめるとすぐに開いてくれた。
――中に見えたのは数えきれないほどの工作機械が並んだ場所だ。
そこで立ち並ぶワークスペースに向かい合う人々が黙々と仕事をこなし、潤滑油の濃い匂いが漂ってた。
銃、刃物、アーマー、世紀末世界に必要な道具がそこで整えられている。
「……油くさい」
後ろでとことこついてきていたニクがしかめっ面になるぐらいだ。
マダムは「すぐクセになるさ」と豪華に飛ばすが、そんな中を進むと。
「こんにちはマダム、そちらの方は?」
「心配しないでくださいマダム、迫撃砲が来ようがちゃんと働いてますよ」
「さっき外から派手な音が聞こえましたけど、もう終わったんですかね? なんだったんです?」
「馬鹿、さっき俺たち襲われてたんだよ。まあ大したことない連中だったみたいだがな」
仕事の片手間に男女問わずな様子でこっちに興味が飛んできた。
太くたくましいボスの姿に敬意込みであれこれ言葉が向けられるものの。
「あんたらいったん作業をやめな。こいつはうちの上客さんだよ、誰か分かるかい?」
そう言われて周りはその通りにした。無言でなんだなんだと集まってくる。
次第に人様の装甲服にまで視線が及ぶと、誰かが納得したように頷いて。
「ストレンジャーだ! 本物か?」
「そいつ擲弾兵じゃないですか。そんな奴呼ばれるほど悪いやつがうちにいましたかね?」
「うちの製品でぶち殺しまくったやつじゃないですか、そりゃ上客だ」
「お前あの『戦車壊し』か!? なんてこった、とんでもないのがきやがったぞ!」
「なあ、ホームガードスピアで戦車ぶち壊したってマジか? 良かったら実演してみてくれないか? 興味があるんだ」
「あー、どうもファクトリーの皆さん。あんたらの作った武器には世話になってるよ」
マダムに向けた親しみが一斉にストレンジャーに転換してきた。
感激というよりは珍妙な生き物、それも未確認生物とかを見るそれに近い。
握手を求めたり、作りかけの『ホームガードスピア』を掲げてきたりと様々だ。
「この坊やはうちらにちょっかいかけてきた馬鹿どもをぶち殺してくれた上客だよ。丁重かつ気さくに扱いな」
そうやって挨拶が終われば、マダムの一声のもとにそいつらはまた動く。
何事もなかったかのように仕事に戻るやつもいれば、しつこく残るやつもいた。
「了解、マダム。ところでそんな大物を連れて来た理由はなんですか?」
「見た感じご挨拶にきたってわけじゃないっすよね。うちらに御入用で?」
「武器を見てほしいんだとさ、誰か見てやってくれないかい?」
「武器ですかい? あいつの持ってるR19突撃銃? それともホルスターのリージョン?」
そこから本題に移ってくれたみたいだ、一人の男が食いついてくる。
すかさず背中から三連散弾銃を抜いて。
「こいつだ。三連散弾銃の状態をちょっと見てほしい」
銃身を折って弾がないことを見せた。
相手はまじまじと確かめにきた。手渡すとその具合はもっと強くなり。
「ふーむ? ずいぶんと古いな……戦前、いやそれ以上前……200年か?」
調べ出した結果、今度は静かに驚き始めた。
一体何があったんだろう。しかしそれでも男は銃口から何まで覗いて。
「……おい、これどこで手に入れた?」
驚きを隠せないままに尋ねてきた。
「びっくりしてるらしいな」
「ああ、こりゃ骨董品だ。それも二世紀ほど経ってるやつだぞ」
「……二世紀?」
『二世紀……!?』
「そうだ。こいつは第二次世界大戦の頃、ドイツ空軍が使ってた散弾銃……を真似したやつだな。市場に出回ってないプロトタイプだ」
その口から告げられたのはとんでもない長生きなされてたってことだ。
二世紀も前から現役だったのか、こいつは。
「いやすごいよこれは。かなり昔のものだが状態が良すぎるんだ、よほどいい鉄を使ってるのか知らんがとにかく頑丈だ……マジでどこで手に入れたんだ?」
「そいつは恩人からもらったんだ」
「だとしたらそいつはよっぽど大切に手入れをしてたんだろうな。200年以上たってなおウェイストランドの環境に通用してやがるぞ。どんな奴なんだ?」
「散弾銃が大好きな神父だ。いい人だったよ」
散弾銃を見た。カーペンター伍長にだいぶいじられたが、敵をぶん殴り素早くぶち抜くためのつくりがあった。
しかし声に出てしまったんだろうか。恩人の死を悟ったような顔をされた。
「あーそうか、もしかしてこいつは……いや、大事なものなんだな?」
「ああ。でもさっき不発起こしてな」
「不発? どんな具合だ」
「弾が発射されなかった。弾薬のせいかと思ったけどそうでもないらしい」
そんな大事なものが起こしたさっきのトラブルを説明した。銃身から抜いた弾と共に。
ファクトリーの男は弾の底を見たり、かと思えば銃身の根元やトリガを確かめて。
「発火してないな。問題があったのは銃本体か……?」
「トリガは作動してたぞ。引いた瞬間に空打ちの音が聞こえた」
「撃針に不良があるのかもな、ちょっと調べるぞ」
軽い問診をかわすと、そいつは「こいよ」と仕事場まで誘導してきた。
マダムも仕事ぶりを黙って見張ってるが、男は堂々とした仕事ぶりだ。
台の上に乗せるなりさっそく工具でパーツを取り始めて。
「……うん、撃針は正常だな。銃の機関部だって上等なもんだ、異常を見つけるのが難しいぐらいだ」
俺に良く見えるように広げてくれた。
三連散弾銃の中身は意外と単純な仕組みでできてるみたいだ。
知能ステータス5では分からない構造だらけだが、どれも綺麗なのがわかる。
「大したもんだね、この銃は。あんたの手に渡った後もちゃんと整えられてるみたいじゃないか」
そんな様子を一緒にしていたマダムも関心してる。
今まで面倒を見てきたのは確かだ。自信たっぷりにそう言える。
それにドワーフの爺さんたちにメンテナンスしてもらったのもある。そうそう不良を起こすようなものじゃないと思うが。
「恩人の残した品だからな、ずっと大切にしてきたよ」
「そのあんたの大切な形見なんだが、ぱっと見ても異常はないぞ」
「どこにもか?」
「ああ、トリガ周りはおかしくないし、撃鉄だって綺麗に整えられてるな。それにこんな古い銃なのに実戦的に改造も施されてる」
「そこはシド・レンジャーズのやつに使いやすくしてもらったんだ」
「あいつらの仕業か。銃床やトリガ・パーツがスポーツ用のやつと置き換わってるな……まあだからっておかしな部分はないんだが、むしろいい状態じゃないか」
「じゃあなんだ、けっきょく原因不明ってことか?」
「あんまりこういうことはプライド上言いたくないんだが、そうとしか言えないんだよな……」
しかしそんな本職の方に見てもらっても『謎』である。
マダムが訝し気に見てもいつもの三連散弾銃がそこにあるし、アキが興味深そうに触れても何も起きず、ニクがすんすん鼻を効かせても異常は見当たるわけでもない。
「……じゃあ、あの不発はなんだったんだ?」
『……いきなりだったもんね、今まであんなことなかったのに』
この際ファクトリーの連中が言うことはストレンジャーより説得力があると仮定して、じゃあどうしてそうなったか?
今まで堅牢に働いてくれたそれが唐突に見せた不調なのだ。見過ごせるわけない。
「このまま使い続けても問題がないというのが俺の所見だが、だからって不安が一つこもったものを実戦に持っていくのはどうかって話だな。それであんたはこいつをどうしたい?」
妙なもやもやを感じてると、男は手早く組み立て直したようだ。
仕上げにかちんと金属音がした。元の人をぶち殺す造形に戻ったが、不発の心配事がまとわりついてる。
「なら今まで通りだ。そいつと一緒に旅をする」
それでも俺には大事なものなんだ。恩人と共に旅をする約束がある。
「よっぽど思い入れがあるようだが、銃ってのは人の命を前にも後ろにも預るもんだからな。こんなこと言ったら失礼かもしれないが俺ならたとえ不発が「神サンの気まぐれ」だったとしても、確実に動く得物と取り換えるだろうな」
そうして散弾銃が帰ってきた。不安と共に。
いつも通りの手触りと重さのどこに不発の原因があるんだろうか?
「心配してくれるのは嬉しいけど、こいつと一緒にいてくれって頼まれたからな」
「色々な事情が籠ってるみたいだな。すまないな、力になれなくて」
「いや、いいんだ。見てくれてありがとう」
申し訳なさそうにする男から受け取ったその時である。
倉庫の奥から誰かが走ってきたー―作業服を着たファクトリーの住人だ。
「……マダム、オヤカタが呼んでます」
そんな勤務態度の良さそうなやつは、けっこうな驚きと一緒だった。
言葉を伝えられたマダムの顔もそれ相応だ。信じられなさそうな様子を見せて。
「あのオヤカタが? どうしたんだい?」
「アバタールを連れて来いって言ってるんです、どういう意味なんですか?」
「アバタール? 誰だいそりゃ?」
こっちにとっても信じがたい話が浮かんできたぞ。
アバタール。そんな呼び方をするやつとそう呼ばれる人間は極めて限られてる。
「おい、今なんていった? アバタールだって?」
「坊や、知ってるのかい?」
「まあそのご本人だ。どうなってんだ?」
『アバタール……ってことは、もしかしてフランメリアの人がいるのかな?』
「アバタールという言葉をつかえる人種は限られておりますからな、おそらくは……」
話が読めないぞ。ファクトリーに『アバタール』が分かる誰かがいる?
二人の話題の中にいる誰かがはっきりしないが、マダムはこっちを見ると。
「……悪いけど坊や、ちょっとついてきてくれないかい?」
工房の奥に向かって歩き始めた。
ついてこいという背中を追いかけることにした。行き先はまだ謎だ。
「なあ、どうなってんだ? 奥に誰かいるのか?」
後ろから尋ねるも、マダムは落ち着いた様子で歩いてる。
工作機械の間を抜け、倉庫の形の奥まったところまでつくと妙な場所があった。
壁で仕切られた部屋がある。それも中からは――
かん。かん。かん。
機械とは明らかに違う金属の音がずっと響いている。
それにふんわりと温かい空気が漏れてた。
一定のリズムに混じって革がぎゅっと擦れる音も感じたころ。
「実はね、ここにはだいぶ前から鍛冶の神様が住み着いてるのさ」
あの豪快な性格からぶっとんだ言葉が届いた。
「神様?」
「そうさ。最近ファクトリーの製品の質が上がったのは、何を隠そうその方のおかげでね。私たちにより良い鉄の扱い方を丁寧に教えてくれたのさ」
「……そいつ、フランメリアとか言う単語を口走ってなかったか?」
「異世界ってフレーズのやつかい? 残念だけど耳にしちゃいないよ、なんたって自分からぺらぺら喋るような人柄じゃないからね。でも――」
そしてずんぐりした身体はそんな部屋の前で立ち止まる。
この名を知ってる時点でフランメリアにゆかりがあることは間違いないだろう。
そんな『誰かさん』のいる場所が薄暗く垣間見えたが。
「間違いなくこの世の者じゃないだろうね。きっと最近耳にするフランメリアから来た人だと思うんだけど、私たちとずっと仲良くしてくれるいい隣人さ」
さっきの工場の様子なんて薄く見えるほどの光景がそこにあった。
コンクリートの上、一人の誰かが槌を振るっていた。
その手元の金床で剣の造形が火花を散らしていて、武器が作られている途中だ。
鍛冶場だった。周囲には完成した得物が冷たく飾られ、そばに置かれた樽や炉がいかにもな作業場を演出していて。
「オヤカタ、あんたが人を呼ぶなんて珍しいじゃないかい」
特別な仕事場にいる誰かにマダムの人のいい声が飛んだようだ。
しかし相手は見向きもしない。
というか、でかい。ノルベルトを更に追い越し、筋肉の形が良く走る上半身を裸のままにひたすら打ち込んでる。
返事はかんかんという槌のリズムと、古めかしい革エプロンがこすれる音だけで。
「ちょっとした知り合いがいたものでな」
かんっ――と一振りが決まった直後、それはこっちを見てきた。
焼けた灰みたいな色をした髪を伸ばす大男だ。
熱で焼けた肌をいっぱいに見せびらかし、傾けていた背を戻せば。
「……一つ目?」
『一つ目だ……フランメリアの人、だよね?』
眉間に巨大な目があった。大きな一つ目だ。
険しく作られた表情の上、黒い単眼がこっちを見ていた。
鍛冶の手を止めて人間じゃない顔を主張すると、そいつは俺の方を確かめて。
「……そうか、お前だったか」
そういってまた作業に没頭し始めた。
出来上がった得物をどかすと、壁にかけられた道具の方へと向かっていく。
「イチ殿、これは大層な御方とお会いしてしまったようで」
こんな姿に触れるものがあったらしい。アキが驚いてる。
「そりゃフランメリアのやつだろうな、知り合いの魔王だったりしない?」
「あのお方はテセウスで名高い伝説の鍛冶師ですぞ。何人とたりともその姿を見せず、ひっそりと鉄を打つ一つ目の国宝とも言い伝えられておられましてな……」
「国の重要人物拉致罪がまた増えたってのか」
「こうして生き生きと槌を振るっておられるのですから、横暴にこの世界へ連れてきたというようには見えませんな。いやしかし、生ける伝説をこうして目の当たりにできるとは……」
しかもその物言いからして本当に大層立派な方だったらしい。
タカアキが一方的に仲良くなれそうなその偉人は、ひそひそ話す俺たちに目もくれず。
「マダム。すまないが少し席を外してほしい」
「分かったよ、ごゆっくり。あんたにもちゃんと知り合いがいたんだね」
「付き合う人間を厳選しているだけだ」
マダムの姿にそれだけ伝えて人払いをさせた。
ついてきた職人の男もどこかに行こうとしたものの。
「そこの男、お前はいい」
「おっ……俺っすか? いいんですかオヤカタ?」
そいつに「残れ」と何も見ずに促してきた。男は嬉しそうだ。
しかし話は進まない。向こうは無言でそのあたりの道具を片付けると。
「アバタール、まずはそれを見せろ」
しわがれた声を並べて、あの一つ目でじっとこっちを見てきた。
その視線の先にはちょうど三連散弾銃があるはずだ。
ひとつながりになった大きな倉庫が『1』から『8』まで番号を振られていて、それぞれに役割が持たされていた。
白い塗装がところどころにはげ落ちたその中では、止め時を知らない機械の稼働音がずっと続いてる。
回収した廃材の加工場、部品を製造する作業場、弾薬を作る製造ライン、まさに『ファクトリー』の名だけはある光景だ。
「これがファクトリーか……名前通りで恐れ入ったな」
『すごいよね……こんなに規模の大きな工場だなんて思わなかったよ』
「圧巻、この一言に尽きますなあ。フランメリアにも歯車仕掛けの都市がありますが、ここには及ばないでしょうな……」
横にも大きなマダムの背を追う合間合間にそんな様子を見てると、しれっとアキがついてくる。
なんでお前いるんだ、と顔で伺うと「これですぞ」とノートとペンが出てきた。熱心に記録してるらしい。
ついでに後ろを確かめれば――みんな好きにやってるみたいだった。
ノルベルトは防壁の修繕を手伝ってるし、お医者様は負傷者の治療に駆り出されてるし、女王様は紅茶だ。
「ここは古くから武器防具の製造で栄えてるのさ。最近は情勢が変わったもんだから特需だよ、特需、ぶっ倒れる暇もないぐらい繁盛してるように見えないかい?」
マダムは赤い毛相応に温かみのある笑顔で振り向いてきた。
その後ろで誰かにぶち壊された車両が『加工エリア』に運ばれてた。材料費が浮いてご機嫌がよさそうだ。
「そんなところにちょうどよく材料が調達できたみたいだな、タダで」
「ああ、厄介者の連中が感謝祭にやってきた七面鳥に早変わりさ。これでうちらは儲けたわけだよ、タダで!」
『今まで見てきた武器とか、ここで作られてたんですね……』
「そうだよ嬢ちゃん、あんたらの旅で見かけたいい武器は大体ここで作ったもんさ。ここに来るまで何度かお目にかからなかったかい?」
「世話になったし命も救われてきたところだ。ホームガードの槍とかハイド短機関銃とかな」
「うちの商品を使いこなしてくれたみたいだね? こんな噂を聞いたよ、槍ぶん投げて戦車仕留めたとか」
「その噂の発信源はどっかの軍曹殿か?」
「いかにも、自慢の息子の部下からだよ。変な冗談かと思ったんだが証拠も送られてきたもんでびっくりさ」
やがて奥まった場所にある倉庫の入り口にたどり着く頃、マダムはポケットから一枚取り出した。
肉に押されて少し歪んだ写真だ。それには見覚えのある光景が映ってて。
「これに覚えはあるかい? 今頃スティングじゃ記念として残されてるみたいなんだけど」
手渡された。写真の内容は『ライヒランドの戦車の槍添え』だ。
身なりの良くなった自警団とホームガードの軍曹、オークたちも映ってた。
どうもスティングの駅前に飾られてるようだ――なんか記念物扱いされてる。
「良かったなマダム、犯人があんたの目の前にいるぞ」
『どう見てもあの時の戦車だよね、これ……まだ残ってたんだ』
「スティングの戦いで見たライヒランドの戦車ですなあ。そういえばイチ殿、乱戦の最中に槍で仕留めておりましたな」
「だっていきなりホームガードの軍曹が「これで仕留めろ」って渡してきたんだぞ? 今思うとひどい無茶ぶりしやがったと思うよ」
「迷わず応じるイチ殿もイチ殿ですぞ。この珍妙な展示物は後世に末永く伝えられることでしょうな」
「たぶん自警団連中が面白がって飾ったんだろうな、畜生」
「あっはっはっは! その無茶ぶりした本人も「まさか本当にやるとは」って言ってたらしいよ。こいつ見てうちの工房の連中も職人冥利に尽きてるところさ」
スティングに観光スポットが増えてるようで何より。写真を返すとマダムが「やるじゃないか」と叩いてきた。
ふくよかな人柄は『7』と書かれた倉庫まで俺たちを案内すると。
「ここがファクトリーの工房だよ。武器の組み立てや調整をする場所さね」
両開きの扉に守られた入り口を「ここだ」と示してきた。
脇で気だるく見張ってた男たちがマダムを一目見て、それからこっちを確かめるとすぐに開いてくれた。
――中に見えたのは数えきれないほどの工作機械が並んだ場所だ。
そこで立ち並ぶワークスペースに向かい合う人々が黙々と仕事をこなし、潤滑油の濃い匂いが漂ってた。
銃、刃物、アーマー、世紀末世界に必要な道具がそこで整えられている。
「……油くさい」
後ろでとことこついてきていたニクがしかめっ面になるぐらいだ。
マダムは「すぐクセになるさ」と豪華に飛ばすが、そんな中を進むと。
「こんにちはマダム、そちらの方は?」
「心配しないでくださいマダム、迫撃砲が来ようがちゃんと働いてますよ」
「さっき外から派手な音が聞こえましたけど、もう終わったんですかね? なんだったんです?」
「馬鹿、さっき俺たち襲われてたんだよ。まあ大したことない連中だったみたいだがな」
仕事の片手間に男女問わずな様子でこっちに興味が飛んできた。
太くたくましいボスの姿に敬意込みであれこれ言葉が向けられるものの。
「あんたらいったん作業をやめな。こいつはうちの上客さんだよ、誰か分かるかい?」
そう言われて周りはその通りにした。無言でなんだなんだと集まってくる。
次第に人様の装甲服にまで視線が及ぶと、誰かが納得したように頷いて。
「ストレンジャーだ! 本物か?」
「そいつ擲弾兵じゃないですか。そんな奴呼ばれるほど悪いやつがうちにいましたかね?」
「うちの製品でぶち殺しまくったやつじゃないですか、そりゃ上客だ」
「お前あの『戦車壊し』か!? なんてこった、とんでもないのがきやがったぞ!」
「なあ、ホームガードスピアで戦車ぶち壊したってマジか? 良かったら実演してみてくれないか? 興味があるんだ」
「あー、どうもファクトリーの皆さん。あんたらの作った武器には世話になってるよ」
マダムに向けた親しみが一斉にストレンジャーに転換してきた。
感激というよりは珍妙な生き物、それも未確認生物とかを見るそれに近い。
握手を求めたり、作りかけの『ホームガードスピア』を掲げてきたりと様々だ。
「この坊やはうちらにちょっかいかけてきた馬鹿どもをぶち殺してくれた上客だよ。丁重かつ気さくに扱いな」
そうやって挨拶が終われば、マダムの一声のもとにそいつらはまた動く。
何事もなかったかのように仕事に戻るやつもいれば、しつこく残るやつもいた。
「了解、マダム。ところでそんな大物を連れて来た理由はなんですか?」
「見た感じご挨拶にきたってわけじゃないっすよね。うちらに御入用で?」
「武器を見てほしいんだとさ、誰か見てやってくれないかい?」
「武器ですかい? あいつの持ってるR19突撃銃? それともホルスターのリージョン?」
そこから本題に移ってくれたみたいだ、一人の男が食いついてくる。
すかさず背中から三連散弾銃を抜いて。
「こいつだ。三連散弾銃の状態をちょっと見てほしい」
銃身を折って弾がないことを見せた。
相手はまじまじと確かめにきた。手渡すとその具合はもっと強くなり。
「ふーむ? ずいぶんと古いな……戦前、いやそれ以上前……200年か?」
調べ出した結果、今度は静かに驚き始めた。
一体何があったんだろう。しかしそれでも男は銃口から何まで覗いて。
「……おい、これどこで手に入れた?」
驚きを隠せないままに尋ねてきた。
「びっくりしてるらしいな」
「ああ、こりゃ骨董品だ。それも二世紀ほど経ってるやつだぞ」
「……二世紀?」
『二世紀……!?』
「そうだ。こいつは第二次世界大戦の頃、ドイツ空軍が使ってた散弾銃……を真似したやつだな。市場に出回ってないプロトタイプだ」
その口から告げられたのはとんでもない長生きなされてたってことだ。
二世紀も前から現役だったのか、こいつは。
「いやすごいよこれは。かなり昔のものだが状態が良すぎるんだ、よほどいい鉄を使ってるのか知らんがとにかく頑丈だ……マジでどこで手に入れたんだ?」
「そいつは恩人からもらったんだ」
「だとしたらそいつはよっぽど大切に手入れをしてたんだろうな。200年以上たってなおウェイストランドの環境に通用してやがるぞ。どんな奴なんだ?」
「散弾銃が大好きな神父だ。いい人だったよ」
散弾銃を見た。カーペンター伍長にだいぶいじられたが、敵をぶん殴り素早くぶち抜くためのつくりがあった。
しかし声に出てしまったんだろうか。恩人の死を悟ったような顔をされた。
「あーそうか、もしかしてこいつは……いや、大事なものなんだな?」
「ああ。でもさっき不発起こしてな」
「不発? どんな具合だ」
「弾が発射されなかった。弾薬のせいかと思ったけどそうでもないらしい」
そんな大事なものが起こしたさっきのトラブルを説明した。銃身から抜いた弾と共に。
ファクトリーの男は弾の底を見たり、かと思えば銃身の根元やトリガを確かめて。
「発火してないな。問題があったのは銃本体か……?」
「トリガは作動してたぞ。引いた瞬間に空打ちの音が聞こえた」
「撃針に不良があるのかもな、ちょっと調べるぞ」
軽い問診をかわすと、そいつは「こいよ」と仕事場まで誘導してきた。
マダムも仕事ぶりを黙って見張ってるが、男は堂々とした仕事ぶりだ。
台の上に乗せるなりさっそく工具でパーツを取り始めて。
「……うん、撃針は正常だな。銃の機関部だって上等なもんだ、異常を見つけるのが難しいぐらいだ」
俺に良く見えるように広げてくれた。
三連散弾銃の中身は意外と単純な仕組みでできてるみたいだ。
知能ステータス5では分からない構造だらけだが、どれも綺麗なのがわかる。
「大したもんだね、この銃は。あんたの手に渡った後もちゃんと整えられてるみたいじゃないか」
そんな様子を一緒にしていたマダムも関心してる。
今まで面倒を見てきたのは確かだ。自信たっぷりにそう言える。
それにドワーフの爺さんたちにメンテナンスしてもらったのもある。そうそう不良を起こすようなものじゃないと思うが。
「恩人の残した品だからな、ずっと大切にしてきたよ」
「そのあんたの大切な形見なんだが、ぱっと見ても異常はないぞ」
「どこにもか?」
「ああ、トリガ周りはおかしくないし、撃鉄だって綺麗に整えられてるな。それにこんな古い銃なのに実戦的に改造も施されてる」
「そこはシド・レンジャーズのやつに使いやすくしてもらったんだ」
「あいつらの仕業か。銃床やトリガ・パーツがスポーツ用のやつと置き換わってるな……まあだからっておかしな部分はないんだが、むしろいい状態じゃないか」
「じゃあなんだ、けっきょく原因不明ってことか?」
「あんまりこういうことはプライド上言いたくないんだが、そうとしか言えないんだよな……」
しかしそんな本職の方に見てもらっても『謎』である。
マダムが訝し気に見てもいつもの三連散弾銃がそこにあるし、アキが興味深そうに触れても何も起きず、ニクがすんすん鼻を効かせても異常は見当たるわけでもない。
「……じゃあ、あの不発はなんだったんだ?」
『……いきなりだったもんね、今まであんなことなかったのに』
この際ファクトリーの連中が言うことはストレンジャーより説得力があると仮定して、じゃあどうしてそうなったか?
今まで堅牢に働いてくれたそれが唐突に見せた不調なのだ。見過ごせるわけない。
「このまま使い続けても問題がないというのが俺の所見だが、だからって不安が一つこもったものを実戦に持っていくのはどうかって話だな。それであんたはこいつをどうしたい?」
妙なもやもやを感じてると、男は手早く組み立て直したようだ。
仕上げにかちんと金属音がした。元の人をぶち殺す造形に戻ったが、不発の心配事がまとわりついてる。
「なら今まで通りだ。そいつと一緒に旅をする」
それでも俺には大事なものなんだ。恩人と共に旅をする約束がある。
「よっぽど思い入れがあるようだが、銃ってのは人の命を前にも後ろにも預るもんだからな。こんなこと言ったら失礼かもしれないが俺ならたとえ不発が「神サンの気まぐれ」だったとしても、確実に動く得物と取り換えるだろうな」
そうして散弾銃が帰ってきた。不安と共に。
いつも通りの手触りと重さのどこに不発の原因があるんだろうか?
「心配してくれるのは嬉しいけど、こいつと一緒にいてくれって頼まれたからな」
「色々な事情が籠ってるみたいだな。すまないな、力になれなくて」
「いや、いいんだ。見てくれてありがとう」
申し訳なさそうにする男から受け取ったその時である。
倉庫の奥から誰かが走ってきたー―作業服を着たファクトリーの住人だ。
「……マダム、オヤカタが呼んでます」
そんな勤務態度の良さそうなやつは、けっこうな驚きと一緒だった。
言葉を伝えられたマダムの顔もそれ相応だ。信じられなさそうな様子を見せて。
「あのオヤカタが? どうしたんだい?」
「アバタールを連れて来いって言ってるんです、どういう意味なんですか?」
「アバタール? 誰だいそりゃ?」
こっちにとっても信じがたい話が浮かんできたぞ。
アバタール。そんな呼び方をするやつとそう呼ばれる人間は極めて限られてる。
「おい、今なんていった? アバタールだって?」
「坊や、知ってるのかい?」
「まあそのご本人だ。どうなってんだ?」
『アバタール……ってことは、もしかしてフランメリアの人がいるのかな?』
「アバタールという言葉をつかえる人種は限られておりますからな、おそらくは……」
話が読めないぞ。ファクトリーに『アバタール』が分かる誰かがいる?
二人の話題の中にいる誰かがはっきりしないが、マダムはこっちを見ると。
「……悪いけど坊や、ちょっとついてきてくれないかい?」
工房の奥に向かって歩き始めた。
ついてこいという背中を追いかけることにした。行き先はまだ謎だ。
「なあ、どうなってんだ? 奥に誰かいるのか?」
後ろから尋ねるも、マダムは落ち着いた様子で歩いてる。
工作機械の間を抜け、倉庫の形の奥まったところまでつくと妙な場所があった。
壁で仕切られた部屋がある。それも中からは――
かん。かん。かん。
機械とは明らかに違う金属の音がずっと響いている。
それにふんわりと温かい空気が漏れてた。
一定のリズムに混じって革がぎゅっと擦れる音も感じたころ。
「実はね、ここにはだいぶ前から鍛冶の神様が住み着いてるのさ」
あの豪快な性格からぶっとんだ言葉が届いた。
「神様?」
「そうさ。最近ファクトリーの製品の質が上がったのは、何を隠そうその方のおかげでね。私たちにより良い鉄の扱い方を丁寧に教えてくれたのさ」
「……そいつ、フランメリアとか言う単語を口走ってなかったか?」
「異世界ってフレーズのやつかい? 残念だけど耳にしちゃいないよ、なんたって自分からぺらぺら喋るような人柄じゃないからね。でも――」
そしてずんぐりした身体はそんな部屋の前で立ち止まる。
この名を知ってる時点でフランメリアにゆかりがあることは間違いないだろう。
そんな『誰かさん』のいる場所が薄暗く垣間見えたが。
「間違いなくこの世の者じゃないだろうね。きっと最近耳にするフランメリアから来た人だと思うんだけど、私たちとずっと仲良くしてくれるいい隣人さ」
さっきの工場の様子なんて薄く見えるほどの光景がそこにあった。
コンクリートの上、一人の誰かが槌を振るっていた。
その手元の金床で剣の造形が火花を散らしていて、武器が作られている途中だ。
鍛冶場だった。周囲には完成した得物が冷たく飾られ、そばに置かれた樽や炉がいかにもな作業場を演出していて。
「オヤカタ、あんたが人を呼ぶなんて珍しいじゃないかい」
特別な仕事場にいる誰かにマダムの人のいい声が飛んだようだ。
しかし相手は見向きもしない。
というか、でかい。ノルベルトを更に追い越し、筋肉の形が良く走る上半身を裸のままにひたすら打ち込んでる。
返事はかんかんという槌のリズムと、古めかしい革エプロンがこすれる音だけで。
「ちょっとした知り合いがいたものでな」
かんっ――と一振りが決まった直後、それはこっちを見てきた。
焼けた灰みたいな色をした髪を伸ばす大男だ。
熱で焼けた肌をいっぱいに見せびらかし、傾けていた背を戻せば。
「……一つ目?」
『一つ目だ……フランメリアの人、だよね?』
眉間に巨大な目があった。大きな一つ目だ。
険しく作られた表情の上、黒い単眼がこっちを見ていた。
鍛冶の手を止めて人間じゃない顔を主張すると、そいつは俺の方を確かめて。
「……そうか、お前だったか」
そういってまた作業に没頭し始めた。
出来上がった得物をどかすと、壁にかけられた道具の方へと向かっていく。
「イチ殿、これは大層な御方とお会いしてしまったようで」
こんな姿に触れるものがあったらしい。アキが驚いてる。
「そりゃフランメリアのやつだろうな、知り合いの魔王だったりしない?」
「あのお方はテセウスで名高い伝説の鍛冶師ですぞ。何人とたりともその姿を見せず、ひっそりと鉄を打つ一つ目の国宝とも言い伝えられておられましてな……」
「国の重要人物拉致罪がまた増えたってのか」
「こうして生き生きと槌を振るっておられるのですから、横暴にこの世界へ連れてきたというようには見えませんな。いやしかし、生ける伝説をこうして目の当たりにできるとは……」
しかもその物言いからして本当に大層立派な方だったらしい。
タカアキが一方的に仲良くなれそうなその偉人は、ひそひそ話す俺たちに目もくれず。
「マダム。すまないが少し席を外してほしい」
「分かったよ、ごゆっくり。あんたにもちゃんと知り合いがいたんだね」
「付き合う人間を厳選しているだけだ」
マダムの姿にそれだけ伝えて人払いをさせた。
ついてきた職人の男もどこかに行こうとしたものの。
「そこの男、お前はいい」
「おっ……俺っすか? いいんですかオヤカタ?」
そいつに「残れ」と何も見ずに促してきた。男は嬉しそうだ。
しかし話は進まない。向こうは無言でそのあたりの道具を片付けると。
「アバタール、まずはそれを見せろ」
しわがれた声を並べて、あの一つ目でじっとこっちを見てきた。
その視線の先にはちょうど三連散弾銃があるはずだ。
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