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世紀末世界のストレンジャー
商品を守れ、ストレンジャー
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砂漠色のカーゴトラックがウェイストランドを進む。
みるみるうちに遠ざる農場の代わりに、あの女神像が近づいてきた。
「……ノルテレイヤね。一体どうなってんだか」
『やっぱり、偶然じゃなさそうだよね。あの会社の名前と同じだし……』
俺たちは運転席上部に備え付けられた重機関銃と一緒に、剣と魔法の世界から連れてこられた彼女を見た。
歯車仕掛けの羽を生やした女神はどこかに祈りを捧げている。
「そしてその会社のAIがMGOのゲーム運営に導入する予定だったんだよな?」
『うん。詳しくは私たちも聞かされてなかったけど……そういえば、ちょっと気になることがあったよ』
「気になることってのはなんだ?」
問題は、以前ミコが話した話を絡めたうえでのその姿だ。
彼女の名前がゲーム運営用の人工知能を開発してる会社と同じであり、しかもそれがMGOの管理を一任されるという話だった。
『最初、私たちにその情報が届いた時、「いきなりすぎるなぁ」って思ったの』
「いきなりすぎる? 何がだ?」
『実はね、あのゲームってわたしたちがデバッグしてたんだよ?』
「……それってつまりお前らに作業を一任してたってことか、おいおい」
とんでもない話も追加だ、あれは人工知能にデバッグ作業をぶん投げてたらしい。
そうか、タカアキが言ってたテスト済みっていうのはこういうことか。
それにしたって彼女たちに押し付けるのも中々合理的というか、なんというか。
『そういうことになっちゃうけど、でもけっこう楽しかったかも。あの世界を冒険しながらだったから――じゃなくって! それでね、ある日突然、わたしたちにゲームの運営用AIが導入されるって通達が来て……』
いつぞや、ウェイストランドを歩いてる際にそんな話を聞かされたな。
ノルテレイヤ社で開発中のAIがMGOに組み込まれるというもので、あの時は奇妙な縁を感じたが……。
「そう言えば前に言ってたな、あの会社が作ったAIをゲームの管理に使うとか」
『うん。ほんとに急だったんだ、管理AIが使われるなんて、みんなその時知ったぐらいだし。それでね……』
「それで?」
『MGOのオープンは当面先だったのに、その後すぐに正式サービスの開始が決定されたの。まだ準備も不完全なのに、見切り発車っていうのかな? αテストもβテストも飛ばして、いきなりゲームが始まることになっちゃって……人間の人たちも、私たちも、ごたごたしてたよ』
そうだ、思い出した、あの時俺が『大丈夫なのか?』と不安に思ったことだ。
ゲーム情報の公開から二か月も経たないうちに突然の知らせが届いて俺も驚いていたが、まさかそんな事情があったなんて。
つまり、あのゲームは慌てて公開されたのか? 何のために?
「おかしくないかそれ? いくら人工知能の働きがあるからってそんな焦るように――」
『……焦ってたんだと思うな』
「……誰が?」
『分からないよ。でもね、なんだか『早くしよう』『早くしたい』って焦りを感じたよ。誰のものか、本当に分からないんだけど』
焦りか。例えば、そういうゲームを慌てて公開する理由はなんだろうか。
お偉いさんの思惑かなんかはどうだ?
『人工知能搭載MMORPG』という肩書を他に取られないための唾づけか?
それとも善意だとかにせかされて『いいゲームだからみんなに喜んでもらおう!』と早まったか。
いや、ありえはするがMGOはそんなチープな理由で放っていい作品じゃないぞ。
「そこに一点追加するとすれば、ノルテレイヤ社の求人情報を見て応募したわけだ」
「うん……就活で、だっけ?」
「そう、そこの求人が変だったんだ」
奇しくもそんな女神さまの名を冠する会社のサイトを見ていたら、確か捜索願みたいなクソ求人票があった。
男性、日本人、二十一歳、茶髪、目つき、ここまで細かく指定して、しかもそれが俺と一致してるなんてやはりおかしい。
『どんな感じだったのかな?』
「俺の特徴全部当てはまるようなクソみたいな求人情報だった。髪の色から目の形まで全部だよ。おかしいと思わないか?」
『……求人っていうか、捜索願だよね、それ』
「まったくそれだよ。まあ偶然にしちゃできすぎなんだよ、ここまでくるとな」
すべてが絡みあってる、ノルテレイヤの名にせよ、アバタールという誰かにせよ、謎のメッセージにこの肉体、これらが混ざり合わさって大きな何かを作り上げてた。
だが覚えてろよ、必ずその根源にあるものを探ってとっ捕まえて暴いてやる。
「もう俺がすべての元凶ってことは確定だ。んで、『俺が原因です』なんて知ったらあっちの世界の人たち相当キレるだろうな、これ」
『……わたしは、そんなことないと思うよ。でも――』
「でも?」
『もしいちクンが全部悪いんだってなっても、わたしの気持ちは変わらないよ?』
「あー、それってどういう」
『……ふふっ♡ なーんでもないよ?』
「なーんでもか、どうも」
やがて、女神さまの姿も遠ざかっていく。
ちょうど、彼女はふもとでくつろぐ牛の魔物たちに穏やかな影を落としていた。
「ノルテレイヤさんとやらは俺に一体何をさせようっていうんだ? いや、そもそも俺は一体何をやらかしたんだ?」
段々と縮まっていく女性の姿に尋ねるが、答えがないまま消えていく。
しばらく、この悶々とした気持ちは続くだろう。答えが姿を見せるまでは。
「ストレンジャー。お取込み中恐縮ですが、乗り心地はいかがでしょうか」
ミコと荒野を見てると、足元から機械の声がした。
見下ろせばロボットがハンドルを握りながらこっちを見ていた。
「すごく快適だ。あとは……余所見運転がなければ完璧ってとこだな」
「前を見なくても楽勝ですよ、なにせ元は戦術用ボットですから」
「そのボットだとかいうのは良く分からんけど、車っていうのは慣れてきたころから事故が多発するらしいな」
「質問です、ストレンジャー。貨物を狙う強盗を轢殺することは事故に含まれますか?」
「そりゃ向こうの落ち度だ、気にするな」
「なら良かったです。だいぶ殺したのですがおかげで気が楽になりました」
「今のジョークか?」
「ご想像にお任せします」
『イージー』とかいうロボットはぐっと親指を立てて見せた。
そいつがまた運転に集中し始めると、足をこつっと叩かれる感触が。
「そういうお前も余所見は禁止だ、いつでもぶっ放せるようにしとけよ? まあ、この辺りはスティングの領域だからそう襲われるこたーないが」
助手席に乗っていた農場スタッフに注意されてしまった。
機銃に手をつけたまま遠ざかっていく女神像を見届けると。
「……むーん、この『とらっく』とやらは一体どうやって動いているのだ? 馬もなしに走るとなればやはり魔法か……?」
「ワゥン?」
作物と一緒に荷台に積まれたノルベルトとニクの姿が見えた。
トラックに疑問を抱くオーガに、犬は「どうしたの?」と首をひねっている。
「……それにしても、まさか最後に一仕事付き合わされるなんてな」
前方では防御力なんていらんとばかりの手作りバギーが走っている。
銃座についたスタッフがこっちの視線に「よう」と手を振ってきた。
こっちもやり返すと、また助手席から声がした。
「どうせスティングに新鮮な作物をお届けしなきゃならなかったんだ、ちょうどいいだろ? それとも不満か?」
「いいや、合理的でいいと思うし不満なんてない。むしろこのポジション大好きだ、またこいつに触れるなんて嬉しいね」
不満なんてないぞ、と鈍色の重機関銃をなでなでして見せた。
いつぞやアーバクルの奴が嬉々として撃ってたが、今はその気持ちが良くわかる。
こいつは強くて頼もしい最高にクールな武器だ、引き金を押すと敵が死ぬ、以上。
「お前、五十口径が好きなのか?」
「ああ、大好き。前に乗員ぶっ殺した戦車についてたやつでミリティアどもを撃ちまくったことがあるからな」
「ワオ、本気で言ってるなら大戦果だぜそりゃ」
「ほんとだぞ? だったらシエラ部隊の連中に聞いてみろよ」
「シエラ……ってあの死神が四名いるようなチームか? あいつらと知り合いだったのかよお前……」
「ああ、あの時は俺たちも加わって死神が六名と一匹だ。最高だった」
『……待って!? わたしもメンバーに含まれてるよね、それ!?』
◇
……ブラックガンズの食糧を積んだトラックは走り続ける。
さて、どうしてこうなったかといえば単純だ。
ちょうどこの日、農場の食糧をスティングに届けることになっていた。
更に、ちょうどそこに行く予定だった誰かさんを連れてってくれる話になったのだ。
ただしこうして銃座について職務をまっとうしてもらうことを条件に。
「ご安心ください、ストレンジャー。スティングまでの道のりでトラブルなど稀です、気楽にいきましょう」
そのトラックの運転手を務めるのは『イージー』とかいうロボットだ。
どうやら彼は近隣の街への物資の輸送を任されているらしい。
こんな風に人間さながらに動いて喋ってのロボットなんて、元の世界じゃまだまだ実用されてないのは確かだ。
「……まあ確かに、トラブルとは無縁そうな道のりだな」
「ええ、ウェイストランドの乾いた風は心地よいでしょう? あいにく当機にはさっぱり分からないのですが」
「ただただクソ暑いだけなんだけどお前に合わせて「最高!」とか言ったほうがいいか?」
「是非ともそうしてください。けっして無理にとはいいませんが」
「最高! ほらミコお前も」
『えっ……さ、最高……!?』
「お二人の惜しみない善意に感謝します」
イージーはなかなかに面白い奴だが、しばらくすると退屈さを感じてきた。
気づけばさっきの女神像があった方向を見て、二つの世界のことだとか、これからのことだとかに思考が持ってかれてしまうが。
「お悩みの様子ですね、どうしたんですか? 例えば恋の悩みだとか?」
肩の短剣と一緒に遠ざかる女神を見ていると、また声をかけられた。
俺はおしゃべり好きなロボットに「あれ」と親指だけ向けた。
「似たようなもんだ。さっきの女神様が気になってる」
「ああいうのが好みなのでしょうか? しかし羽が生えてますし、大きすぎませんか?」
「羽はともかくあれじゃデカすぎるだろうな――じゃねえよ誰が『好みの異性の話』で盛り上がろうぜっていった?」
「それならすみません、冗談です。落ち着いてください」
くだらないことをいうロボットの頭部を足で突こうと思ったがやめた。
助手席のスタッフは楽し気に笑っている。
「気づいたらあそこにいたんだよ。朝起きたらあんなのがいきなり立っててみんなで大騒ぎだったぜ」
「そりゃあんなのがいつの間にかいらっしゃったらビビるな」
「ああ、偵察したら変な動物はいるわ、急に作物が急成長するようになるわ……でもおかげでこんな暮らしができてるんだ、きっと本物の女神様だぜ。ハーヴェスターが今度捧げものでもしようか真面目に悩んでやがったぐらいだ」
「あのおっさん生贄でも捧げるつもりだったのか?」
「何捧げればいいか分からないからやめになった。今度好みでも聞いとくとさ」
「女の子には甘い物でも進呈しとけってアドバイスしとけば?」
「そりゃいいな、そしたら俺たちも甘いものにありつけるだろうしな」
あれがどうして連れてこられたかは知らないほうが良さそうだ。
とんでもないものを誘拐してしまったが、皮肉にも豊かな食糧を隣町へお届けするぐらいの余裕を生んでるようだ。
「当機に宗教的なもの、神秘的なものは理解できませんが、あの『女神』とやらのおかげでブラックガンズ農場は再び立ち上がりました」
機銃を後ろに向けていると、またイージーが喋りだした。
はるか向こう、道路から外れた荒野の向こうで何か光った気がする。
「それまでうまくいってなかったのか、あそこ?」
「もともとは戦前、退役軍人により設立されたコーヒー農場だったのです。当機が警備員として雇われたころには経営破綻に至る寸前でした」
「……戦前? 雇われたころ? ってことは」
『……じゃあ、イージーさんは百五十年前からずっと……』
「ええ、当機は当時から現役です。再起動まで時間がかかりましたが」
なんてこった、ここにも戦前のやつがいた。機械だが。
「ところであなたは帰還兵というものをご存じですか?」
二人で驚いているとイージーは急に質問を投げてきた
「帰還兵? そのまんま軍をやめた兵士ってことだろ?」
「当機が話しているのはもっと深い部分です」
下を見れば、二つのセンサーがネガティブに点滅していた。
感覚は不愉快さを感じ取った、あるいは苛立ちと言うべきか。
「彼らのほとんどは戦地で心を病み、日常に戻ることもできぬまま路頭に迷う者ばかりでした。当時は毎日五十人の帰還兵が自殺しているといわれていましたね」
「ひどい話だ、なんでそんなに……」
『……PTSD、ですか?』
「PTSD? なんだそれ」
『心的外傷後ストレス障害のことだよ。ふとしたきっかけで日常生活に支障が出るぐらいの発作とか、フラッシュバックが起きちゃう深い心の傷のことなんだけど……』
「その通りです。命がけの戦場と平和な日常は違いますから、そのギャップは兵士にとってさぞ苦痛だったでしょう。それこそ、自ら死を望むほどには」
そういわれて、少しだけ考えてしまった。
戦場で戦った兵士は――元の生活に戻れるか?
この地で戦い続けた俺にもあてはまる、俺は魔法の世界で普通に暮らせるのか?
ただその疑問だけが浮かんだ。けれども心に突き刺さった。
ミコのいう剣と魔法の世界は、俺が生きていける場所なんだろうか?
この世界に来て物心がついたころから生死をかけて戦ってきた。
だがもしも、ミコの戻るべき世界がここよりずっと平和なら?
かわいいヒロインばかりの平和なファンタジー世界なら最高のゴールかもしれない。
だがもう遅い、俺はこの世界で生きすぎた。
毎日血なまぐさい生き方をしてきたこのストレンジャーに、いまさら銃を捨てて平和に暮らすことなんてできない。
命がけの日々が終わるのはいいことかもしれない。
それでもこの世界はなにも悪いことばかりじゃないと知っている。
いってみればここはもう俺の故郷同然なのだ、たとえ過酷で狂ってるとしても。
きっと今の自分が平和な暮らしなんてしたら物足りないだろう。
――いまならチャールトン卿のいっていたことがすごく分かる。
あの異世界から来てしまったオークは喜んでいた。
もう二度と戻れないはずだった戦いの時代に帰れて嬉しかったのだ。
その根本にはイージーのいう『帰還兵』とやらと同じものがある。
命をかけるべき戦場も、共に歩む戦友も、何一つない平和な世界でずっと苦しんでたに違いない。
だったら……俺はもう平和な世界で暮らせないんじゃないか?
平和な異世界にだって、一人だけ泥臭い余所者が入り込める場所はあるのか?
「……そうだな、戦場から切り離されたら一人きりだ」
「ええ、日常に戦友はいませんから」
そう考えると、なんだか嫌な気分になってきた。
なにも自分に限った話じゃない、ミコにだって当てはまる。
仮に戻したとして、こっちの世界にだいぶ染まった彼女は普通の暮らしができるのか――それだって不安だ。
「ですがブラックガンズ・コーヒー・カンパニーは社員の八割が退役軍人でした。戦友たちは何十年もコーヒーを栽培しておりました、最終戦争で文明が終わるその寸前まで」
「……ああそうか、新しい戦場だったんだな」
「ええ、当機もその戦場に配属されたのです」
荷台の方を見ていると、イージーはロボットらしからぬしみじみとした口調になった。
「彼らが良く口にしていた「死にたくなければコーヒーを飲め」というスローガン。機械の自分を同等に扱ってくれた義理堅い戦友たち。もうこの世界には存在しませんが、当機の記憶領域には当時のままの姿で保存されています」
『……し、死にたくなければコーヒーを飲め……?』
「……いいやつらだったんだな。でもそのスローガンはどうなんだ? 大丈夫だったのかそこのコーヒー」
「真の男たちが作るコーヒーなのですからさぞおいしいでしょう。まあ、当機に味覚などないのですからさっぱりですが」
車体後部ではノルベルトが何かをスケッチしている。
その隣でニクがぴくっと耳を立て始めていた。
「願わくば、戦友たちのいる農場にまたコーヒーが実ってほしいです。これは当機のささやかな悲願です」
最後にそれだけいって、イージーは運転に集中してしまった。
だいぶ進んだ。スティングはまだ見えない。
しんみりとした空気を感じて――俺は天井のあたりを叩いて。
「じゃあ旅先で豆を見つけたら送ってやるよ」
なんとなく、けれども割と本気でそう伝えた。
自分でも無責任な言葉だと思うが、それでも今のウェイストランドなら頑張れば見つかりそうな気がする。
するとイージーは訝しげにセンサーをチカチカさせてきた。
「本気ですか? 当機がいっているのは生の豆のことですよ? 焙煎したものをイメージしているのであればそれは間違っていますが」
「もちろん生のことだよ。こんな世界なんだ、きっとどっかにあると思わないか?」
「戦前の種子保管庫に対するテロにより作物の復活は絶望的でしたが――こうして実際に戻ってしまった今、現実的な気がしてきました」
「そういうことだ、あったらツイてるぐらいに楽しみにしててくれ」
また銃座につくと、助手席から「メスキートで十分だろ」と無粋なことを言われた。
本物の味なんて分からないが、こうして話すとなんだか飲みたくなってくる。もちろんもらったばかりのこのカップで。
「ウォンッ!」
変わりゆく景色にまた目を向けようとするとニクが吠えた。
黒いシェパード犬は耳と一緒に身体を傾けて、茶色い目で何かを訴えている。
「どうしたニク、何かいたのか?」
『わんこが警戒してるよ……何かあったのかも』
「……イチ、気をつけろ。ニクが反応しているぞ」
ノルベルトもスケッチブックを手放して構え始めている。
これは……間違いない、何か来そうだ。
機関銃側面のレバーを思いきり引いた、ずしりと初弾が装填される感触がした。
◇
みるみるうちに遠ざる農場の代わりに、あの女神像が近づいてきた。
「……ノルテレイヤね。一体どうなってんだか」
『やっぱり、偶然じゃなさそうだよね。あの会社の名前と同じだし……』
俺たちは運転席上部に備え付けられた重機関銃と一緒に、剣と魔法の世界から連れてこられた彼女を見た。
歯車仕掛けの羽を生やした女神はどこかに祈りを捧げている。
「そしてその会社のAIがMGOのゲーム運営に導入する予定だったんだよな?」
『うん。詳しくは私たちも聞かされてなかったけど……そういえば、ちょっと気になることがあったよ』
「気になることってのはなんだ?」
問題は、以前ミコが話した話を絡めたうえでのその姿だ。
彼女の名前がゲーム運営用の人工知能を開発してる会社と同じであり、しかもそれがMGOの管理を一任されるという話だった。
『最初、私たちにその情報が届いた時、「いきなりすぎるなぁ」って思ったの』
「いきなりすぎる? 何がだ?」
『実はね、あのゲームってわたしたちがデバッグしてたんだよ?』
「……それってつまりお前らに作業を一任してたってことか、おいおい」
とんでもない話も追加だ、あれは人工知能にデバッグ作業をぶん投げてたらしい。
そうか、タカアキが言ってたテスト済みっていうのはこういうことか。
それにしたって彼女たちに押し付けるのも中々合理的というか、なんというか。
『そういうことになっちゃうけど、でもけっこう楽しかったかも。あの世界を冒険しながらだったから――じゃなくって! それでね、ある日突然、わたしたちにゲームの運営用AIが導入されるって通達が来て……』
いつぞや、ウェイストランドを歩いてる際にそんな話を聞かされたな。
ノルテレイヤ社で開発中のAIがMGOに組み込まれるというもので、あの時は奇妙な縁を感じたが……。
「そう言えば前に言ってたな、あの会社が作ったAIをゲームの管理に使うとか」
『うん。ほんとに急だったんだ、管理AIが使われるなんて、みんなその時知ったぐらいだし。それでね……』
「それで?」
『MGOのオープンは当面先だったのに、その後すぐに正式サービスの開始が決定されたの。まだ準備も不完全なのに、見切り発車っていうのかな? αテストもβテストも飛ばして、いきなりゲームが始まることになっちゃって……人間の人たちも、私たちも、ごたごたしてたよ』
そうだ、思い出した、あの時俺が『大丈夫なのか?』と不安に思ったことだ。
ゲーム情報の公開から二か月も経たないうちに突然の知らせが届いて俺も驚いていたが、まさかそんな事情があったなんて。
つまり、あのゲームは慌てて公開されたのか? 何のために?
「おかしくないかそれ? いくら人工知能の働きがあるからってそんな焦るように――」
『……焦ってたんだと思うな』
「……誰が?」
『分からないよ。でもね、なんだか『早くしよう』『早くしたい』って焦りを感じたよ。誰のものか、本当に分からないんだけど』
焦りか。例えば、そういうゲームを慌てて公開する理由はなんだろうか。
お偉いさんの思惑かなんかはどうだ?
『人工知能搭載MMORPG』という肩書を他に取られないための唾づけか?
それとも善意だとかにせかされて『いいゲームだからみんなに喜んでもらおう!』と早まったか。
いや、ありえはするがMGOはそんなチープな理由で放っていい作品じゃないぞ。
「そこに一点追加するとすれば、ノルテレイヤ社の求人情報を見て応募したわけだ」
「うん……就活で、だっけ?」
「そう、そこの求人が変だったんだ」
奇しくもそんな女神さまの名を冠する会社のサイトを見ていたら、確か捜索願みたいなクソ求人票があった。
男性、日本人、二十一歳、茶髪、目つき、ここまで細かく指定して、しかもそれが俺と一致してるなんてやはりおかしい。
『どんな感じだったのかな?』
「俺の特徴全部当てはまるようなクソみたいな求人情報だった。髪の色から目の形まで全部だよ。おかしいと思わないか?」
『……求人っていうか、捜索願だよね、それ』
「まったくそれだよ。まあ偶然にしちゃできすぎなんだよ、ここまでくるとな」
すべてが絡みあってる、ノルテレイヤの名にせよ、アバタールという誰かにせよ、謎のメッセージにこの肉体、これらが混ざり合わさって大きな何かを作り上げてた。
だが覚えてろよ、必ずその根源にあるものを探ってとっ捕まえて暴いてやる。
「もう俺がすべての元凶ってことは確定だ。んで、『俺が原因です』なんて知ったらあっちの世界の人たち相当キレるだろうな、これ」
『……わたしは、そんなことないと思うよ。でも――』
「でも?」
『もしいちクンが全部悪いんだってなっても、わたしの気持ちは変わらないよ?』
「あー、それってどういう」
『……ふふっ♡ なーんでもないよ?』
「なーんでもか、どうも」
やがて、女神さまの姿も遠ざかっていく。
ちょうど、彼女はふもとでくつろぐ牛の魔物たちに穏やかな影を落としていた。
「ノルテレイヤさんとやらは俺に一体何をさせようっていうんだ? いや、そもそも俺は一体何をやらかしたんだ?」
段々と縮まっていく女性の姿に尋ねるが、答えがないまま消えていく。
しばらく、この悶々とした気持ちは続くだろう。答えが姿を見せるまでは。
「ストレンジャー。お取込み中恐縮ですが、乗り心地はいかがでしょうか」
ミコと荒野を見てると、足元から機械の声がした。
見下ろせばロボットがハンドルを握りながらこっちを見ていた。
「すごく快適だ。あとは……余所見運転がなければ完璧ってとこだな」
「前を見なくても楽勝ですよ、なにせ元は戦術用ボットですから」
「そのボットだとかいうのは良く分からんけど、車っていうのは慣れてきたころから事故が多発するらしいな」
「質問です、ストレンジャー。貨物を狙う強盗を轢殺することは事故に含まれますか?」
「そりゃ向こうの落ち度だ、気にするな」
「なら良かったです。だいぶ殺したのですがおかげで気が楽になりました」
「今のジョークか?」
「ご想像にお任せします」
『イージー』とかいうロボットはぐっと親指を立てて見せた。
そいつがまた運転に集中し始めると、足をこつっと叩かれる感触が。
「そういうお前も余所見は禁止だ、いつでもぶっ放せるようにしとけよ? まあ、この辺りはスティングの領域だからそう襲われるこたーないが」
助手席に乗っていた農場スタッフに注意されてしまった。
機銃に手をつけたまま遠ざかっていく女神像を見届けると。
「……むーん、この『とらっく』とやらは一体どうやって動いているのだ? 馬もなしに走るとなればやはり魔法か……?」
「ワゥン?」
作物と一緒に荷台に積まれたノルベルトとニクの姿が見えた。
トラックに疑問を抱くオーガに、犬は「どうしたの?」と首をひねっている。
「……それにしても、まさか最後に一仕事付き合わされるなんてな」
前方では防御力なんていらんとばかりの手作りバギーが走っている。
銃座についたスタッフがこっちの視線に「よう」と手を振ってきた。
こっちもやり返すと、また助手席から声がした。
「どうせスティングに新鮮な作物をお届けしなきゃならなかったんだ、ちょうどいいだろ? それとも不満か?」
「いいや、合理的でいいと思うし不満なんてない。むしろこのポジション大好きだ、またこいつに触れるなんて嬉しいね」
不満なんてないぞ、と鈍色の重機関銃をなでなでして見せた。
いつぞやアーバクルの奴が嬉々として撃ってたが、今はその気持ちが良くわかる。
こいつは強くて頼もしい最高にクールな武器だ、引き金を押すと敵が死ぬ、以上。
「お前、五十口径が好きなのか?」
「ああ、大好き。前に乗員ぶっ殺した戦車についてたやつでミリティアどもを撃ちまくったことがあるからな」
「ワオ、本気で言ってるなら大戦果だぜそりゃ」
「ほんとだぞ? だったらシエラ部隊の連中に聞いてみろよ」
「シエラ……ってあの死神が四名いるようなチームか? あいつらと知り合いだったのかよお前……」
「ああ、あの時は俺たちも加わって死神が六名と一匹だ。最高だった」
『……待って!? わたしもメンバーに含まれてるよね、それ!?』
◇
……ブラックガンズの食糧を積んだトラックは走り続ける。
さて、どうしてこうなったかといえば単純だ。
ちょうどこの日、農場の食糧をスティングに届けることになっていた。
更に、ちょうどそこに行く予定だった誰かさんを連れてってくれる話になったのだ。
ただしこうして銃座について職務をまっとうしてもらうことを条件に。
「ご安心ください、ストレンジャー。スティングまでの道のりでトラブルなど稀です、気楽にいきましょう」
そのトラックの運転手を務めるのは『イージー』とかいうロボットだ。
どうやら彼は近隣の街への物資の輸送を任されているらしい。
こんな風に人間さながらに動いて喋ってのロボットなんて、元の世界じゃまだまだ実用されてないのは確かだ。
「……まあ確かに、トラブルとは無縁そうな道のりだな」
「ええ、ウェイストランドの乾いた風は心地よいでしょう? あいにく当機にはさっぱり分からないのですが」
「ただただクソ暑いだけなんだけどお前に合わせて「最高!」とか言ったほうがいいか?」
「是非ともそうしてください。けっして無理にとはいいませんが」
「最高! ほらミコお前も」
『えっ……さ、最高……!?』
「お二人の惜しみない善意に感謝します」
イージーはなかなかに面白い奴だが、しばらくすると退屈さを感じてきた。
気づけばさっきの女神像があった方向を見て、二つの世界のことだとか、これからのことだとかに思考が持ってかれてしまうが。
「お悩みの様子ですね、どうしたんですか? 例えば恋の悩みだとか?」
肩の短剣と一緒に遠ざかる女神を見ていると、また声をかけられた。
俺はおしゃべり好きなロボットに「あれ」と親指だけ向けた。
「似たようなもんだ。さっきの女神様が気になってる」
「ああいうのが好みなのでしょうか? しかし羽が生えてますし、大きすぎませんか?」
「羽はともかくあれじゃデカすぎるだろうな――じゃねえよ誰が『好みの異性の話』で盛り上がろうぜっていった?」
「それならすみません、冗談です。落ち着いてください」
くだらないことをいうロボットの頭部を足で突こうと思ったがやめた。
助手席のスタッフは楽し気に笑っている。
「気づいたらあそこにいたんだよ。朝起きたらあんなのがいきなり立っててみんなで大騒ぎだったぜ」
「そりゃあんなのがいつの間にかいらっしゃったらビビるな」
「ああ、偵察したら変な動物はいるわ、急に作物が急成長するようになるわ……でもおかげでこんな暮らしができてるんだ、きっと本物の女神様だぜ。ハーヴェスターが今度捧げものでもしようか真面目に悩んでやがったぐらいだ」
「あのおっさん生贄でも捧げるつもりだったのか?」
「何捧げればいいか分からないからやめになった。今度好みでも聞いとくとさ」
「女の子には甘い物でも進呈しとけってアドバイスしとけば?」
「そりゃいいな、そしたら俺たちも甘いものにありつけるだろうしな」
あれがどうして連れてこられたかは知らないほうが良さそうだ。
とんでもないものを誘拐してしまったが、皮肉にも豊かな食糧を隣町へお届けするぐらいの余裕を生んでるようだ。
「当機に宗教的なもの、神秘的なものは理解できませんが、あの『女神』とやらのおかげでブラックガンズ農場は再び立ち上がりました」
機銃を後ろに向けていると、またイージーが喋りだした。
はるか向こう、道路から外れた荒野の向こうで何か光った気がする。
「それまでうまくいってなかったのか、あそこ?」
「もともとは戦前、退役軍人により設立されたコーヒー農場だったのです。当機が警備員として雇われたころには経営破綻に至る寸前でした」
「……戦前? 雇われたころ? ってことは」
『……じゃあ、イージーさんは百五十年前からずっと……』
「ええ、当機は当時から現役です。再起動まで時間がかかりましたが」
なんてこった、ここにも戦前のやつがいた。機械だが。
「ところであなたは帰還兵というものをご存じですか?」
二人で驚いているとイージーは急に質問を投げてきた
「帰還兵? そのまんま軍をやめた兵士ってことだろ?」
「当機が話しているのはもっと深い部分です」
下を見れば、二つのセンサーがネガティブに点滅していた。
感覚は不愉快さを感じ取った、あるいは苛立ちと言うべきか。
「彼らのほとんどは戦地で心を病み、日常に戻ることもできぬまま路頭に迷う者ばかりでした。当時は毎日五十人の帰還兵が自殺しているといわれていましたね」
「ひどい話だ、なんでそんなに……」
『……PTSD、ですか?』
「PTSD? なんだそれ」
『心的外傷後ストレス障害のことだよ。ふとしたきっかけで日常生活に支障が出るぐらいの発作とか、フラッシュバックが起きちゃう深い心の傷のことなんだけど……』
「その通りです。命がけの戦場と平和な日常は違いますから、そのギャップは兵士にとってさぞ苦痛だったでしょう。それこそ、自ら死を望むほどには」
そういわれて、少しだけ考えてしまった。
戦場で戦った兵士は――元の生活に戻れるか?
この地で戦い続けた俺にもあてはまる、俺は魔法の世界で普通に暮らせるのか?
ただその疑問だけが浮かんだ。けれども心に突き刺さった。
ミコのいう剣と魔法の世界は、俺が生きていける場所なんだろうか?
この世界に来て物心がついたころから生死をかけて戦ってきた。
だがもしも、ミコの戻るべき世界がここよりずっと平和なら?
かわいいヒロインばかりの平和なファンタジー世界なら最高のゴールかもしれない。
だがもう遅い、俺はこの世界で生きすぎた。
毎日血なまぐさい生き方をしてきたこのストレンジャーに、いまさら銃を捨てて平和に暮らすことなんてできない。
命がけの日々が終わるのはいいことかもしれない。
それでもこの世界はなにも悪いことばかりじゃないと知っている。
いってみればここはもう俺の故郷同然なのだ、たとえ過酷で狂ってるとしても。
きっと今の自分が平和な暮らしなんてしたら物足りないだろう。
――いまならチャールトン卿のいっていたことがすごく分かる。
あの異世界から来てしまったオークは喜んでいた。
もう二度と戻れないはずだった戦いの時代に帰れて嬉しかったのだ。
その根本にはイージーのいう『帰還兵』とやらと同じものがある。
命をかけるべき戦場も、共に歩む戦友も、何一つない平和な世界でずっと苦しんでたに違いない。
だったら……俺はもう平和な世界で暮らせないんじゃないか?
平和な異世界にだって、一人だけ泥臭い余所者が入り込める場所はあるのか?
「……そうだな、戦場から切り離されたら一人きりだ」
「ええ、日常に戦友はいませんから」
そう考えると、なんだか嫌な気分になってきた。
なにも自分に限った話じゃない、ミコにだって当てはまる。
仮に戻したとして、こっちの世界にだいぶ染まった彼女は普通の暮らしができるのか――それだって不安だ。
「ですがブラックガンズ・コーヒー・カンパニーは社員の八割が退役軍人でした。戦友たちは何十年もコーヒーを栽培しておりました、最終戦争で文明が終わるその寸前まで」
「……ああそうか、新しい戦場だったんだな」
「ええ、当機もその戦場に配属されたのです」
荷台の方を見ていると、イージーはロボットらしからぬしみじみとした口調になった。
「彼らが良く口にしていた「死にたくなければコーヒーを飲め」というスローガン。機械の自分を同等に扱ってくれた義理堅い戦友たち。もうこの世界には存在しませんが、当機の記憶領域には当時のままの姿で保存されています」
『……し、死にたくなければコーヒーを飲め……?』
「……いいやつらだったんだな。でもそのスローガンはどうなんだ? 大丈夫だったのかそこのコーヒー」
「真の男たちが作るコーヒーなのですからさぞおいしいでしょう。まあ、当機に味覚などないのですからさっぱりですが」
車体後部ではノルベルトが何かをスケッチしている。
その隣でニクがぴくっと耳を立て始めていた。
「願わくば、戦友たちのいる農場にまたコーヒーが実ってほしいです。これは当機のささやかな悲願です」
最後にそれだけいって、イージーは運転に集中してしまった。
だいぶ進んだ。スティングはまだ見えない。
しんみりとした空気を感じて――俺は天井のあたりを叩いて。
「じゃあ旅先で豆を見つけたら送ってやるよ」
なんとなく、けれども割と本気でそう伝えた。
自分でも無責任な言葉だと思うが、それでも今のウェイストランドなら頑張れば見つかりそうな気がする。
するとイージーは訝しげにセンサーをチカチカさせてきた。
「本気ですか? 当機がいっているのは生の豆のことですよ? 焙煎したものをイメージしているのであればそれは間違っていますが」
「もちろん生のことだよ。こんな世界なんだ、きっとどっかにあると思わないか?」
「戦前の種子保管庫に対するテロにより作物の復活は絶望的でしたが――こうして実際に戻ってしまった今、現実的な気がしてきました」
「そういうことだ、あったらツイてるぐらいに楽しみにしててくれ」
また銃座につくと、助手席から「メスキートで十分だろ」と無粋なことを言われた。
本物の味なんて分からないが、こうして話すとなんだか飲みたくなってくる。もちろんもらったばかりのこのカップで。
「ウォンッ!」
変わりゆく景色にまた目を向けようとするとニクが吠えた。
黒いシェパード犬は耳と一緒に身体を傾けて、茶色い目で何かを訴えている。
「どうしたニク、何かいたのか?」
『わんこが警戒してるよ……何かあったのかも』
「……イチ、気をつけろ。ニクが反応しているぞ」
ノルベルトもスケッチブックを手放して構え始めている。
これは……間違いない、何か来そうだ。
機関銃側面のレバーを思いきり引いた、ずしりと初弾が装填される感触がした。
◇
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