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世紀末世界のストレンジャー
脱走した熟成家畜、皆殺し味
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エレベーターで登った先には――白い扉があった。
向こうから新鮮な空気と明るい景色がようやく飛び込んでくるが、
『貴様らァァァァッ! 許さんぞォォォッ!』
どこからか一緒に叫び声も聞こえてきた。怒り狂ったオーガの声が。
壁を物理的にぶち壊す破壊音や銃声も聞こえる、派手にやってやがる。
「待って……今の声はなんなの!?」
「俺の友人だ。キレてるみたいだけどな」
『いちクン、ノルベルト君すごく怒ってるよ!? 何があったの!?』
怯える親子を後ろに外の様子を見ようとすると右側から足音がした。
慌てて走る感じのものが複数、たぶんここの人間のものだ。
俺は手で「待て」とそれっぽく後ろに向けて即席ナイフを抜いた。
「奥様はどこへいった!?」
「分からん! とにかく早くここから逃げるぞ!」
「一体なんなんだあのミュータントは!? 俺たちと同じ人食いじゃなかったのか!?」
やっぱりきた。声からしてここの使用人たちか。
ニクを撫でて合図、床の振動を感じるぐらいまで近づいてきたところで、
「よお使用人さん、俺も奥様を探してるんだ。一緒に探さないか?」
ナイフを逆手に握ったまま開けっ放しのエレベーターから飛び出た。
絶妙なタイミングだったようだ、ちょうど目の前に銃を持った三人が急停止、驚きの表情を向けてくる。
「……か、家畜がどうしてこんなとこに――」
「脱走した。お前らをぶっ殺しにな」
たじろぐ白黒姿の連中に割り込んで、手近な奴の顔面に裏拳を叩きこんだ。
すかさず隣にいた短機関銃持ちに接近、向けられる銃身を押しのけながら脇腹に刃先を突き立てた。
「あああああああああああぁぁぁーーーーっ!?」
「ひっ……や、やめろ! く、くるなぁぁぁッ!?」
刺されて絶叫中の男を放置して拳銃持ちの使用人へ向かうと。
「ヴァウッ!」
「放せっ! 邪魔するなクソ犬!」
すでにニクが元気に噛みついていた。
手首がごりっと噛み潰される音のあと、錆びだらけのリボルバーが転がる。
足元の拳銃を後ろに蹴飛ばして接近、半身をねじって首に肘を叩きこむ。
「ぐべっ……!」
喉仏を潰した。だが肘いっぱいに肉の繊維がつぶれる感触がした直後。
「うっ、うわああああああああああああああああぁっ!?」
さっきのサプライズを食らった男が短機関銃を拾って向けてきた。
が、ホームガード御用達の鉄パイプみたいなそれが弾をばらまく前に、
「――私もいるわよ、このひとでなし!」
*Papapapapapam!*
俺の知っている銃声がした。リボルバーならではのファニングだ。
全弾叩き込まれた男が倒れる、見れば金髪の奥さんは落とした銃を手にしていて。
「これで借りは返せたかしら?」
彼女は撃ち尽くした拾い物を投げ捨てながら問いかけてくる。
「どうもお母さん、いい腕をしておられる」
パーフェクトな奥さんだ、ステン銃を蹴り拾って手渡した。
「これでも夫婦そろって猟師よ」
先へ進もうとすると勇敢なお母さんがぱぱぱっと足元にめがけて三連射。
さっき誰かさんに喉をやられた男にトドメを刺したようだ。
それからナイフを抜いて俺に手渡してくると、怯えている子を撫でて。
「ニコ、もう少しで家に帰れるわ。ママの後ろについてくるのよ」
「う、うん……」
銃を構えたまま堂々と進み始めた。顔つきはこの世の誰よりもマジだ。
使用人たちがやってきた方向には扉がある、手をかけようすると向こうから、
「ミュータントがこっちに来るぞ! ここから逃げろ!」
「もう奥様のことなんかほっとけ! このままじゃ俺たち殺されちまう!」
何人分もの悲鳴が聞こえてきた。
確実にあいつらがいる、それも固まった状態で。
さてどうしてやろうかと少し考えを巡らせるが、
「……やるわよ」
このパワフルな奥さんは迷わず扉を開こうとしていた、銃を片手に。
そうだな、さっさと元気な奥さんを送り届けて親父さんを驚かせてやろうか。
「もっといるぞ。いいのか?」
「ええ、そうでもないと腹の虫がおさまらないもの。あなたは?」
「俺もだ、皆殺しにしないとおさまりがつかない。じゃあ――」
俺たちの意見は重なった。
ドアの前に立って「オーケー」と二人でうなずいたあと、
「――オラァッ!」
全力でドアを蹴飛ばした。
PERKで強化された足腰は木製の扉なんて軽々とこじ開けてしまうようだ。
「ひぃああああああぁぁっ!?」
扉の向こう側にあるのはあのロビーだった。
だが最初に目にしたのはこっちに背を向けていた使用人が驚く姿だ。
そいつのレバーアクション式小銃がこちらに向けて持ち上がるが、構わず突き進んだ。
懐に潜り込むように詰めて、腕で銃身を払った――バァンッ!と天井に空撃ちさせてやった。
「ルヌスはどこだ!? 慰謝料払えやコラァ!」
とどめに顎下に即席ナイフを斜めに叩きつけた。
ごりっと感触が伝わる、そのまま力任せにねじると相手は白目を剥いて活動停止した。
「こ、こっちからもなんか来たぞ!?」
「一体どうなってんだァァァ!?」
「良くもやってくれたわね! 人食いども!」
そのすぐ横でステン銃の連射音が響く、レミンの奥さんだ。
階段前や反対側の扉の前にいたやつらにありったけの弾を浴びせている。
俺だってやれるぞ、目の前の死体から小銃をひったくる。
「くそぉぉぉっ! あの犬生きてやがるぞ! くたばったはずなのに!」
階段上でクロスボウを構える男を発見、お前か。
レバーを操作、人差し指を向ける感覚でそいつの胸めがけてトリガを引く。
*Bam!*
命中、ぶち抜かれたそいつはわずかに仰け反ってから階段をごろごろ降りてきた。
ソファーの裏からもう一人、散弾銃両手に飛び出してきたが反射的に撃った。首元をぶち抜いて血で溺れさせてやった。
「見たかニク、お前の仇はうったぞ」
「ウォンッ」
『いちクン待って、わんこ死んでないからね!?』
これでロビーは永遠に静かになった。大量の死体と共に。
弾の切れた小銃をぶん投げて外へ出ようとしたが。
「あああああああああああぁぁぁぁぁっ!?」
反対側にあった扉から誰かが絶叫と共に突き破ってきた。頭から。
さっきレモンをもぎ取っていた庭師だ、ボールみたいに転がって死んだ。
何事かと思って身構えていると。
『俺様が人食い鬼だとォォォッ! よくも侮辱してくれたなァァァッ!』
怒りに満ちた本物の鬼が、頭を粉砕された使用人と共に飛び出てくる。
すさまじい形相だ、ストレスフルな生活したあとタブーに触れられた金剛力士像みたいな顔をしている。
「みゅ、ミュータントがいるわよ!? どういうことなの!?」
「そのミュータントが俺の友人だ、落ち着け」
俺は思わずステン銃を向けるお母さんをなだめて、
「ノルベルト! 俺だ! お前も無事だったか!」
怒り狂うノルベルトに手を振った。
するとご本人は血まみれの形相を向けてくるが、表情はすぐ解けて。
「イチ! ミコ! 皆無事だったのか!」
死体を窓から外にぶん投げながらこっちに抱き着いてきた。
よく見ると俺の荷物を背負ってる、取り戻してくれたのかこいつは。
「拷問されて穴増えて頭イカれた! 手短にそっちの状況説明しろ!」
「やつらめ、オーガの俺様に焼いた人間なぞ差し出して『人食い鬼』だといったのだ! これほどの屈辱があろうものか!」
「分かったキレてんだな! じゃあもっとキレていいぞ!」
要するにカニバリズムフレンズと勘違いされたのが気に食わなかったらしい。
合流したところで外に出ようとするとバックパックを渡された、
「受け取れ、お前の荷物だ! ちゃんと中身は無事だぞ!」
「どうも、さーてぶっ殺すぞ」
ベルトとホルスターを装着、弓もバックパックも背中に戻して復活だ。
「ルヌスはどこだァ! 出て来いやァ! てめえも肥料にしてやらァ!」
客を陥れて人様の親子にろくでもないことしたクソ野郎を探そうとしたが。
「……見て! あっち!」
金髪の女の子が枯れた声でどこかを指した。
死体でぶち破られた窓の向こうだ、その先で――いた、ルヌスが。
『ひっ、ひっ、い、いやああああああああああああぁっ!』
一体今までどこにいたんだろうか、裸足で逃げる後ろ姿があった。
まずい、けっこう距離が空いている。このままじゃあいつは町の中だ。
「追うぞ! 野郎ぶっ殺してやる!」
「イチ、一応聞くがやつは何者なのだ!?」
「一言で表現するなら最低のクソ野郎だ! 確実に始末するぞ!」
ノルベルトはすぐ理解してくれたようだ。
俺たちより早く先行して両開きのドアをぶち破った。
追いかけて、三連散弾銃をその背中に向けるが――
「……これは一体何事ですか!? お二人の屋敷が滅茶苦茶だ……!」
その姿がとても最悪なものと重なった、グスタボさんだ。
しかもその後ろには騒ぎを聞きつけた野次馬やガードたちが集まっている。
この状況で一番最悪なのは、
「グスタボさん! 助けて、人殺しよ! あいつが私たちの家族を……!」
と、ルヌスが太っちょの身体にしがみついてたことだ。
ご本人は綺麗な女性に抱き着かれてさぞうれしそうだが、困ったことにその言葉を真に受けてしまったようで。
「ど、どういうことですかなこれは!? 説明していただけますか、ストレンジャーさん!?」
周りからの銃口と共にそう尋ねられてしまった。
抱き着いたルヌスの顔は嫌でも分かる、「してやったぞ」と笑みだ。
すかさずジャンプスーツの中にたくし込んだあの本を手に取るが、
「おいデブこらぁ! そいつは人食いだぞ!? 屋敷の中に」
「よく聞け、者ども! こやつは人を喰う者たちだ!」
それより早く、ノルベルトが決定的な一言をデカい声で告げた。
流石オーガの声量だ、あたりにびりびりとその旨が響くと、そこにいた全てが一瞬でざわめくのを感じた。
「ひ、人食いですと……? 何を言い出すのですか!? ルヌスさんたちは長い間クリンを繁栄させてきたのですよ!?」
「あいつのいうことなんて耳にしちゃだめよ! グスタボさん!」
それでも狂った人食いはグスタボさんに悪魔のささやきをするが、こっちにだって手札はまだある。
「こいつを見ろデブ! この二人だ! 分かるな!?」
俺は後ろにいる親子を手で示した。
まさにこのデブが探し求めていた行方不明者だ、これで分からなかったら今すぐ人食い女をぶち抜いてやる。
「あなたは……レミンさんにニコ!? 行方不明になっていたのでは!?」
懐の深そうな老人の顔が驚きと一緒に、ルヌスに対する不信感のあるものへ変わっていくのが見える。
「聞いて、グスタボさん! 私たちはそいつに監禁されたの!」
「おじいちゃん、お願い! その人を信じちゃダメ!」
被害者からの直訴はさぞ効果があったようだ、周りが完全に狼狽えている。
ルヌスはさぞ悔しそうにこっちを見ている。
周りの銃口が少し緩むのを感じた――すると今度は。
「レミン! ニコ!?」
宿の親父さんが人ごみの中から現れた。手には散弾銃がある。
そんな姿が見えると親子は俺を見てきた、二人にうなずいて返すと。
「パパ!」
「チェスター! 心配かけてごめんなさい!」
行方不明者たちがようやく宿屋の親父さんのもとへと戻っていく。
それから向こうで三人が抱き合うのが見えた。まだだ、俺のターンだ。
「だったらこういうのはどうだ? カニバリズム文化の歴史本だ!」
周りに良く見えるように掲げてから投げた、誰かの顔が地面とキスをする。
グスタボさんが表紙を見て「ひえっ」とバランスを崩しそうになるが、
「……くそがああああああああああああああああぁっ!」
そこでルヌスがついにブチギレた。
あのきれいな表情を悪鬼のように崩して、太った老人の身体をたぐると。
「よくもわたしたちをぶち壊してくれたなこのド腐れが! てめえのせいで何もかも台無しだァァッ!」
初めて会ったときの印象から到底考えられない口汚い声を上げた。
ドレス調の衣装をまさぐって――小さなリボルバーを抜いて突き付ける。
銃口は間違いなく町長の脳みそに向けられている。いわゆる人質だ。
「ひっ、ひぃいぃぃぃ……! ルヌスさん、あなた一体――」
「黙れデブ! てめえは人質だ、何もしゃべるんじゃねえ!」
ベタだが、だからこそ厄介な状況だ。
ルヌスは信じられない力で老人を引きずると、人ごみの中へ後ずさって。
「……動くな! 変な動きをしたらこいつをぶっ殺してやる! いいな!?」
周りにそう伝えながら離れていく。
さすがにこの状況になるとガードたちの矛先も彼女に向かうが、状況が状況で銃を降ろさざるを得ないようだ。
さてどうする――と思いつつベルトのクナイに手を伸ばすが、
「動くなっていってんだろ! 少しでも動いてみろ、マジで殺してやる!」
ダメだ、目ざとく目をつけられている。
ミコにも手を伸ばそうとしたがだめだ、俺の動きに釘付けだ。
『シャドウスティング』はだめだ、隙が無い。『ニンジャバニッシュ』もだめだ、あの音で余計に刺激することになる。『ピアシングスロウ』で町長に犠牲になってもらうのは論外。
(ミコ、魔法はやめろ。隙がない、俺にべったりだ)
小声でミコに伝えた。
すると……人ごみの中から誰かが出てくるのが見えた。
(じゃ、じゃあどうするの!?)
(……いや、むしろこれでいいらしい。後ろを見てみろ)
宿のおっさんだ。遠くで銃のフォアエンドを前後させて弾を抜いている。
目を凝らす。二十メートルほどのところで、散弾銃に青い薬莢を装填するのが見えた。
ノルベルトに「任せろ」と視線を配らせて、
「おい、ルヌス。話したいことがあるんだ」
俺は宿の親父さんを信用することにした。
両手を広げて「さあうってみろ」とばかりの姿で堂々と声をかけた。
「お前の……兄だったっけ、あいつの名前忘れたんだけど」
「サトゥルだ! 間違えるなこの家畜が!」
「サトルくんだっけ? あいつならチェーンソーで心臓ずたずたにしてぶっ殺したぞ。あいつ死に際になんていってたと思う?」
心臓手術失敗で死んだ男のことをわざと名前を間違えたうえで伝えると、殺意が完全に向かうのを感じた。
今にも銃口がこっちに向けられそうだ、だからこそいい。
ルヌスの背後で散弾銃が構えられるのを見て、笑った。
「わたしには家族がいるのにだってさ。たいそう立派なことしてたくせに最後のセリフがそれかよ、お前も死んだら同じセリフでもいうのか? ああ、私にも家族がいるのに……ってか?」
いうことはそれだけだった。
だがよほど効いたらしい。そいつは今まで積み上げた偽りの姿をぶち壊して、
「よ、く、もおおおおおおおおおおおおおおおぉっ!」
こっちに頼りないリボルバーを向けてくるが。
*Baaaam!*
ルヌスの背後で爆ぜるような銃声が聞こえた。
目の前で細い肩が突然ぶしゃっとはじけ飛ぶのがはっきり見える。
衝撃で解れた腕から太った老人の姿が解放されて――
『ショート・コーリング!』
ミコの魔法が発動、グスタボさんがやってきて地面に転がった。
いまだ、やるしかない!
「ぎっ、ぎゃあああああぁぁぁぁぁっ! 腕が! 私の腕がァ!」
「うぅぅぅぉおおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!」
俺は武器を失ったそいつへとダッシュ、後ろへと回り込んだ。
同時に停止、反転する勢いを使って丸まった背中へ蹴りをぶち込む。
「ノルベルト、派手にやれ!」
「おう!」
「ぎゃうっ!」と押し出されたルヌスへとオーガが迫る。
「ぬがああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
ひょっとしたらニルソンにまで届くんじゃないかというぐらいの叫び。
地面が砕けると思うほどの踏み込みと同時に、ノルベルトがぶん殴る。
結果からいうと、オーガの拳はルヌスの腹を簡単にぶち抜いた。反対側まで。
「ごっっっ…………!?」
腕に突き刺さった人食いはもはや声すら上げられない様子だ。
そして振り落とされた、大穴の開いたルヌスが本の上に重なった。
美食の町の食欲を減退させるには効果的だったんだろう、あまりのエグさに周囲から悲鳴すら聞こえた。
「なあ、人食いにしちゃ楽な死に方だと思わないか?」
終わったも同然だ、銃剣を手に近寄る。
そのままトドメをさそうとしたが、
「――よくも、お前を、呪って、やる……」
ルヌスは血と涙を流しながらこっちを見上げていた。呪いの言葉を添えて。
だが大したことない、なにせ俺には魔法が効かない呪いのようなものがあるから。
「悪いな、先客がいるんだ。呪いたいなら他を当たりな」
やろうと思ったがやめだ、手にしていた冷たい武器をしまった。
なぜなら散弾銃を手にした宿屋のおっさんが近づいてきたからだ。
「ああそうだ、お前にウェイストランド流のお礼がしたいそうだ。じゃあな、先に地獄で待っててくれ」
彼はこのストレンジャーになんか目もくれず、ただ近づいていく。
何もいわずじゃきっとフォアエンドを前後させる音がした、空薬莢が飛んだ。
「……やだ、まって! こんなところで死にたく」
「この腐れ女。俺の家族に手をだしたことを、あの世で後悔し続けろ」
そう告げたあと、銃声が周りに広がった。
しばらくの深い静寂が消えたころに【levelup!】と表示された。
◇
向こうから新鮮な空気と明るい景色がようやく飛び込んでくるが、
『貴様らァァァァッ! 許さんぞォォォッ!』
どこからか一緒に叫び声も聞こえてきた。怒り狂ったオーガの声が。
壁を物理的にぶち壊す破壊音や銃声も聞こえる、派手にやってやがる。
「待って……今の声はなんなの!?」
「俺の友人だ。キレてるみたいだけどな」
『いちクン、ノルベルト君すごく怒ってるよ!? 何があったの!?』
怯える親子を後ろに外の様子を見ようとすると右側から足音がした。
慌てて走る感じのものが複数、たぶんここの人間のものだ。
俺は手で「待て」とそれっぽく後ろに向けて即席ナイフを抜いた。
「奥様はどこへいった!?」
「分からん! とにかく早くここから逃げるぞ!」
「一体なんなんだあのミュータントは!? 俺たちと同じ人食いじゃなかったのか!?」
やっぱりきた。声からしてここの使用人たちか。
ニクを撫でて合図、床の振動を感じるぐらいまで近づいてきたところで、
「よお使用人さん、俺も奥様を探してるんだ。一緒に探さないか?」
ナイフを逆手に握ったまま開けっ放しのエレベーターから飛び出た。
絶妙なタイミングだったようだ、ちょうど目の前に銃を持った三人が急停止、驚きの表情を向けてくる。
「……か、家畜がどうしてこんなとこに――」
「脱走した。お前らをぶっ殺しにな」
たじろぐ白黒姿の連中に割り込んで、手近な奴の顔面に裏拳を叩きこんだ。
すかさず隣にいた短機関銃持ちに接近、向けられる銃身を押しのけながら脇腹に刃先を突き立てた。
「あああああああああああぁぁぁーーーーっ!?」
「ひっ……や、やめろ! く、くるなぁぁぁッ!?」
刺されて絶叫中の男を放置して拳銃持ちの使用人へ向かうと。
「ヴァウッ!」
「放せっ! 邪魔するなクソ犬!」
すでにニクが元気に噛みついていた。
手首がごりっと噛み潰される音のあと、錆びだらけのリボルバーが転がる。
足元の拳銃を後ろに蹴飛ばして接近、半身をねじって首に肘を叩きこむ。
「ぐべっ……!」
喉仏を潰した。だが肘いっぱいに肉の繊維がつぶれる感触がした直後。
「うっ、うわああああああああああああああああぁっ!?」
さっきのサプライズを食らった男が短機関銃を拾って向けてきた。
が、ホームガード御用達の鉄パイプみたいなそれが弾をばらまく前に、
「――私もいるわよ、このひとでなし!」
*Papapapapapam!*
俺の知っている銃声がした。リボルバーならではのファニングだ。
全弾叩き込まれた男が倒れる、見れば金髪の奥さんは落とした銃を手にしていて。
「これで借りは返せたかしら?」
彼女は撃ち尽くした拾い物を投げ捨てながら問いかけてくる。
「どうもお母さん、いい腕をしておられる」
パーフェクトな奥さんだ、ステン銃を蹴り拾って手渡した。
「これでも夫婦そろって猟師よ」
先へ進もうとすると勇敢なお母さんがぱぱぱっと足元にめがけて三連射。
さっき誰かさんに喉をやられた男にトドメを刺したようだ。
それからナイフを抜いて俺に手渡してくると、怯えている子を撫でて。
「ニコ、もう少しで家に帰れるわ。ママの後ろについてくるのよ」
「う、うん……」
銃を構えたまま堂々と進み始めた。顔つきはこの世の誰よりもマジだ。
使用人たちがやってきた方向には扉がある、手をかけようすると向こうから、
「ミュータントがこっちに来るぞ! ここから逃げろ!」
「もう奥様のことなんかほっとけ! このままじゃ俺たち殺されちまう!」
何人分もの悲鳴が聞こえてきた。
確実にあいつらがいる、それも固まった状態で。
さてどうしてやろうかと少し考えを巡らせるが、
「……やるわよ」
このパワフルな奥さんは迷わず扉を開こうとしていた、銃を片手に。
そうだな、さっさと元気な奥さんを送り届けて親父さんを驚かせてやろうか。
「もっといるぞ。いいのか?」
「ええ、そうでもないと腹の虫がおさまらないもの。あなたは?」
「俺もだ、皆殺しにしないとおさまりがつかない。じゃあ――」
俺たちの意見は重なった。
ドアの前に立って「オーケー」と二人でうなずいたあと、
「――オラァッ!」
全力でドアを蹴飛ばした。
PERKで強化された足腰は木製の扉なんて軽々とこじ開けてしまうようだ。
「ひぃああああああぁぁっ!?」
扉の向こう側にあるのはあのロビーだった。
だが最初に目にしたのはこっちに背を向けていた使用人が驚く姿だ。
そいつのレバーアクション式小銃がこちらに向けて持ち上がるが、構わず突き進んだ。
懐に潜り込むように詰めて、腕で銃身を払った――バァンッ!と天井に空撃ちさせてやった。
「ルヌスはどこだ!? 慰謝料払えやコラァ!」
とどめに顎下に即席ナイフを斜めに叩きつけた。
ごりっと感触が伝わる、そのまま力任せにねじると相手は白目を剥いて活動停止した。
「こ、こっちからもなんか来たぞ!?」
「一体どうなってんだァァァ!?」
「良くもやってくれたわね! 人食いども!」
そのすぐ横でステン銃の連射音が響く、レミンの奥さんだ。
階段前や反対側の扉の前にいたやつらにありったけの弾を浴びせている。
俺だってやれるぞ、目の前の死体から小銃をひったくる。
「くそぉぉぉっ! あの犬生きてやがるぞ! くたばったはずなのに!」
階段上でクロスボウを構える男を発見、お前か。
レバーを操作、人差し指を向ける感覚でそいつの胸めがけてトリガを引く。
*Bam!*
命中、ぶち抜かれたそいつはわずかに仰け反ってから階段をごろごろ降りてきた。
ソファーの裏からもう一人、散弾銃両手に飛び出してきたが反射的に撃った。首元をぶち抜いて血で溺れさせてやった。
「見たかニク、お前の仇はうったぞ」
「ウォンッ」
『いちクン待って、わんこ死んでないからね!?』
これでロビーは永遠に静かになった。大量の死体と共に。
弾の切れた小銃をぶん投げて外へ出ようとしたが。
「あああああああああああぁぁぁぁぁっ!?」
反対側にあった扉から誰かが絶叫と共に突き破ってきた。頭から。
さっきレモンをもぎ取っていた庭師だ、ボールみたいに転がって死んだ。
何事かと思って身構えていると。
『俺様が人食い鬼だとォォォッ! よくも侮辱してくれたなァァァッ!』
怒りに満ちた本物の鬼が、頭を粉砕された使用人と共に飛び出てくる。
すさまじい形相だ、ストレスフルな生活したあとタブーに触れられた金剛力士像みたいな顔をしている。
「みゅ、ミュータントがいるわよ!? どういうことなの!?」
「そのミュータントが俺の友人だ、落ち着け」
俺は思わずステン銃を向けるお母さんをなだめて、
「ノルベルト! 俺だ! お前も無事だったか!」
怒り狂うノルベルトに手を振った。
するとご本人は血まみれの形相を向けてくるが、表情はすぐ解けて。
「イチ! ミコ! 皆無事だったのか!」
死体を窓から外にぶん投げながらこっちに抱き着いてきた。
よく見ると俺の荷物を背負ってる、取り戻してくれたのかこいつは。
「拷問されて穴増えて頭イカれた! 手短にそっちの状況説明しろ!」
「やつらめ、オーガの俺様に焼いた人間なぞ差し出して『人食い鬼』だといったのだ! これほどの屈辱があろうものか!」
「分かったキレてんだな! じゃあもっとキレていいぞ!」
要するにカニバリズムフレンズと勘違いされたのが気に食わなかったらしい。
合流したところで外に出ようとするとバックパックを渡された、
「受け取れ、お前の荷物だ! ちゃんと中身は無事だぞ!」
「どうも、さーてぶっ殺すぞ」
ベルトとホルスターを装着、弓もバックパックも背中に戻して復活だ。
「ルヌスはどこだァ! 出て来いやァ! てめえも肥料にしてやらァ!」
客を陥れて人様の親子にろくでもないことしたクソ野郎を探そうとしたが。
「……見て! あっち!」
金髪の女の子が枯れた声でどこかを指した。
死体でぶち破られた窓の向こうだ、その先で――いた、ルヌスが。
『ひっ、ひっ、い、いやああああああああああああぁっ!』
一体今までどこにいたんだろうか、裸足で逃げる後ろ姿があった。
まずい、けっこう距離が空いている。このままじゃあいつは町の中だ。
「追うぞ! 野郎ぶっ殺してやる!」
「イチ、一応聞くがやつは何者なのだ!?」
「一言で表現するなら最低のクソ野郎だ! 確実に始末するぞ!」
ノルベルトはすぐ理解してくれたようだ。
俺たちより早く先行して両開きのドアをぶち破った。
追いかけて、三連散弾銃をその背中に向けるが――
「……これは一体何事ですか!? お二人の屋敷が滅茶苦茶だ……!」
その姿がとても最悪なものと重なった、グスタボさんだ。
しかもその後ろには騒ぎを聞きつけた野次馬やガードたちが集まっている。
この状況で一番最悪なのは、
「グスタボさん! 助けて、人殺しよ! あいつが私たちの家族を……!」
と、ルヌスが太っちょの身体にしがみついてたことだ。
ご本人は綺麗な女性に抱き着かれてさぞうれしそうだが、困ったことにその言葉を真に受けてしまったようで。
「ど、どういうことですかなこれは!? 説明していただけますか、ストレンジャーさん!?」
周りからの銃口と共にそう尋ねられてしまった。
抱き着いたルヌスの顔は嫌でも分かる、「してやったぞ」と笑みだ。
すかさずジャンプスーツの中にたくし込んだあの本を手に取るが、
「おいデブこらぁ! そいつは人食いだぞ!? 屋敷の中に」
「よく聞け、者ども! こやつは人を喰う者たちだ!」
それより早く、ノルベルトが決定的な一言をデカい声で告げた。
流石オーガの声量だ、あたりにびりびりとその旨が響くと、そこにいた全てが一瞬でざわめくのを感じた。
「ひ、人食いですと……? 何を言い出すのですか!? ルヌスさんたちは長い間クリンを繁栄させてきたのですよ!?」
「あいつのいうことなんて耳にしちゃだめよ! グスタボさん!」
それでも狂った人食いはグスタボさんに悪魔のささやきをするが、こっちにだって手札はまだある。
「こいつを見ろデブ! この二人だ! 分かるな!?」
俺は後ろにいる親子を手で示した。
まさにこのデブが探し求めていた行方不明者だ、これで分からなかったら今すぐ人食い女をぶち抜いてやる。
「あなたは……レミンさんにニコ!? 行方不明になっていたのでは!?」
懐の深そうな老人の顔が驚きと一緒に、ルヌスに対する不信感のあるものへ変わっていくのが見える。
「聞いて、グスタボさん! 私たちはそいつに監禁されたの!」
「おじいちゃん、お願い! その人を信じちゃダメ!」
被害者からの直訴はさぞ効果があったようだ、周りが完全に狼狽えている。
ルヌスはさぞ悔しそうにこっちを見ている。
周りの銃口が少し緩むのを感じた――すると今度は。
「レミン! ニコ!?」
宿の親父さんが人ごみの中から現れた。手には散弾銃がある。
そんな姿が見えると親子は俺を見てきた、二人にうなずいて返すと。
「パパ!」
「チェスター! 心配かけてごめんなさい!」
行方不明者たちがようやく宿屋の親父さんのもとへと戻っていく。
それから向こうで三人が抱き合うのが見えた。まだだ、俺のターンだ。
「だったらこういうのはどうだ? カニバリズム文化の歴史本だ!」
周りに良く見えるように掲げてから投げた、誰かの顔が地面とキスをする。
グスタボさんが表紙を見て「ひえっ」とバランスを崩しそうになるが、
「……くそがああああああああああああああああぁっ!」
そこでルヌスがついにブチギレた。
あのきれいな表情を悪鬼のように崩して、太った老人の身体をたぐると。
「よくもわたしたちをぶち壊してくれたなこのド腐れが! てめえのせいで何もかも台無しだァァッ!」
初めて会ったときの印象から到底考えられない口汚い声を上げた。
ドレス調の衣装をまさぐって――小さなリボルバーを抜いて突き付ける。
銃口は間違いなく町長の脳みそに向けられている。いわゆる人質だ。
「ひっ、ひぃいぃぃぃ……! ルヌスさん、あなた一体――」
「黙れデブ! てめえは人質だ、何もしゃべるんじゃねえ!」
ベタだが、だからこそ厄介な状況だ。
ルヌスは信じられない力で老人を引きずると、人ごみの中へ後ずさって。
「……動くな! 変な動きをしたらこいつをぶっ殺してやる! いいな!?」
周りにそう伝えながら離れていく。
さすがにこの状況になるとガードたちの矛先も彼女に向かうが、状況が状況で銃を降ろさざるを得ないようだ。
さてどうする――と思いつつベルトのクナイに手を伸ばすが、
「動くなっていってんだろ! 少しでも動いてみろ、マジで殺してやる!」
ダメだ、目ざとく目をつけられている。
ミコにも手を伸ばそうとしたがだめだ、俺の動きに釘付けだ。
『シャドウスティング』はだめだ、隙が無い。『ニンジャバニッシュ』もだめだ、あの音で余計に刺激することになる。『ピアシングスロウ』で町長に犠牲になってもらうのは論外。
(ミコ、魔法はやめろ。隙がない、俺にべったりだ)
小声でミコに伝えた。
すると……人ごみの中から誰かが出てくるのが見えた。
(じゃ、じゃあどうするの!?)
(……いや、むしろこれでいいらしい。後ろを見てみろ)
宿のおっさんだ。遠くで銃のフォアエンドを前後させて弾を抜いている。
目を凝らす。二十メートルほどのところで、散弾銃に青い薬莢を装填するのが見えた。
ノルベルトに「任せろ」と視線を配らせて、
「おい、ルヌス。話したいことがあるんだ」
俺は宿の親父さんを信用することにした。
両手を広げて「さあうってみろ」とばかりの姿で堂々と声をかけた。
「お前の……兄だったっけ、あいつの名前忘れたんだけど」
「サトゥルだ! 間違えるなこの家畜が!」
「サトルくんだっけ? あいつならチェーンソーで心臓ずたずたにしてぶっ殺したぞ。あいつ死に際になんていってたと思う?」
心臓手術失敗で死んだ男のことをわざと名前を間違えたうえで伝えると、殺意が完全に向かうのを感じた。
今にも銃口がこっちに向けられそうだ、だからこそいい。
ルヌスの背後で散弾銃が構えられるのを見て、笑った。
「わたしには家族がいるのにだってさ。たいそう立派なことしてたくせに最後のセリフがそれかよ、お前も死んだら同じセリフでもいうのか? ああ、私にも家族がいるのに……ってか?」
いうことはそれだけだった。
だがよほど効いたらしい。そいつは今まで積み上げた偽りの姿をぶち壊して、
「よ、く、もおおおおおおおおおおおおおおおぉっ!」
こっちに頼りないリボルバーを向けてくるが。
*Baaaam!*
ルヌスの背後で爆ぜるような銃声が聞こえた。
目の前で細い肩が突然ぶしゃっとはじけ飛ぶのがはっきり見える。
衝撃で解れた腕から太った老人の姿が解放されて――
『ショート・コーリング!』
ミコの魔法が発動、グスタボさんがやってきて地面に転がった。
いまだ、やるしかない!
「ぎっ、ぎゃあああああぁぁぁぁぁっ! 腕が! 私の腕がァ!」
「うぅぅぅぉおおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!」
俺は武器を失ったそいつへとダッシュ、後ろへと回り込んだ。
同時に停止、反転する勢いを使って丸まった背中へ蹴りをぶち込む。
「ノルベルト、派手にやれ!」
「おう!」
「ぎゃうっ!」と押し出されたルヌスへとオーガが迫る。
「ぬがああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
ひょっとしたらニルソンにまで届くんじゃないかというぐらいの叫び。
地面が砕けると思うほどの踏み込みと同時に、ノルベルトがぶん殴る。
結果からいうと、オーガの拳はルヌスの腹を簡単にぶち抜いた。反対側まで。
「ごっっっ…………!?」
腕に突き刺さった人食いはもはや声すら上げられない様子だ。
そして振り落とされた、大穴の開いたルヌスが本の上に重なった。
美食の町の食欲を減退させるには効果的だったんだろう、あまりのエグさに周囲から悲鳴すら聞こえた。
「なあ、人食いにしちゃ楽な死に方だと思わないか?」
終わったも同然だ、銃剣を手に近寄る。
そのままトドメをさそうとしたが、
「――よくも、お前を、呪って、やる……」
ルヌスは血と涙を流しながらこっちを見上げていた。呪いの言葉を添えて。
だが大したことない、なにせ俺には魔法が効かない呪いのようなものがあるから。
「悪いな、先客がいるんだ。呪いたいなら他を当たりな」
やろうと思ったがやめだ、手にしていた冷たい武器をしまった。
なぜなら散弾銃を手にした宿屋のおっさんが近づいてきたからだ。
「ああそうだ、お前にウェイストランド流のお礼がしたいそうだ。じゃあな、先に地獄で待っててくれ」
彼はこのストレンジャーになんか目もくれず、ただ近づいていく。
何もいわずじゃきっとフォアエンドを前後させる音がした、空薬莢が飛んだ。
「……やだ、まって! こんなところで死にたく」
「この腐れ女。俺の家族に手をだしたことを、あの世で後悔し続けろ」
そう告げたあと、銃声が周りに広がった。
しばらくの深い静寂が消えたころに【levelup!】と表示された。
◇
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