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G.U.E.S.T-Survival Simulator
シェルターにいるのは誰だ
しおりを挟む『ガチャ!』
「鈴音さん!」
俺は思わず大きな声で言ってしまう。
鈴音さんは、少し微笑みながら声を掛けて来る。
「比叡さん…。こんばんは」
「はい! こんばんは!!」
「あっ、汚い所ですが、どうぞ!!」
「では…お邪魔します」
俺が招き入れると、鈴音さんは素直に、中に入ってくる。
凄く嬉しいが、大丈夫なのか?
「あっ、お茶用意しますね!」
俺は押し入れから座布団を引っ張り出して、俺の対面に成る場所に座布団を置く。
「あっ、お構いなく!」
鈴音さんはそう言うが、折角来てくれたんだ。
紅茶のティーバッグを戸棚から取り出して、紅茶を入れる準備をする。
数分後……。鈴音さんの手元と俺の座る場所に紅茶を置く。
「ミルクは粉末タイプですか…、砂糖も白砂糖しか無いので……」
俺はそう言いながら、テーブルに粉ミルクと砂糖を置く。
鈴音さんは、ミルクと砂糖を入れてミルクティーにする。俺も折角だから同じようにする。
「では、いただきます」
鈴音さんは食事前の挨拶をして、ミルクティーを飲む。
「ふぅ」
鈴音さんは軽いため息をつくと……
「比叡さん…。今回は残念でしたね…」
少し寂しそうな表情で鈴音さんは言う。
「今まで、順調だった罰が当たったのですよ…」
俺はそう言いながら、ミルクティーを飲む。
「でも、大丈夫ですか…?」
「こんな時間に、1人で俺の所に来て…」
「大丈夫ですよ!」
「この地区は防犯もしっかりしていますし!」
鈴音さんは一瞬笑顔に成るが、直ぐに暗い表情に成る。
「比叡さん……今後は、どうするおつもりですか?」
「やはり……引っ越しされるのですか?」
鈴音さんは更に、暗く寂しそうな表情で言う。
俺だって、鈴音さんの近くには居たいが……
「そうするしか無いのが現状です」
「この町は山本さんの影響力が大きいから、俺が抵抗しても潰されるのは目に見えてます」
「!!」
鈴音さんは少し驚いている。
「そうですか…」
鈴音さんは、諦めた顔つきに成ってしまった。
「鈴音さんに一応報告して置きます…」
「?」
「何をですか…?」
「稀子に…、縁を切られました!」
「えっ!?」
「稀子の奴!」
「保育士養成学校が不合格に成ったのを知った途端、俺を捨てて山本さんに乗り換える気満々です!!」
「鈴音さんも気を付けて下さい!」
俺はそう言うが、鈴音さんは冷静にミルクティーを飲んでいる……
「稀子さん…。そう来ましたか!」
鈴音さんの表情が変わる。
「えっ…!?」
「稀子さんは自分に非が無いように、比叡さんを捨ててまで、孝明さんと一緒に成りたいのですね!」
「ですなら、私も良いですね…?」
「……何が良いのですか?」
すると、鈴音さんはいきなり、微笑みながら言ってくる。
「比叡さん!」
「私達、付き合いましょう♪」
「えっ…えぇ~~~!!」
「なっ、何を言って居るのですか?!」
「鈴音さんは、山本さんと関係が有るでしょ!!」
「えぇ…関係は有りますが、婚姻関係までは発展していません!」
「恋人関係でも、冷め切ってしまった恋人関係では、恋人とは言えません!」
「鈴音さんが良くても、山本さんが……」
「今回の稀子さんは、全然ボロを出しません!」
「稀子さんも賢くなりました!!」
「つい最近までは、1週間でボロを出していたのに…」
稀子は色々と、山本さんが稀子に振り向く事をしていたらしい。
そんな事をしていれば、山本さんは当然、稀子を“子ども扱い”するよな。
「それに今回……比叡さんを完全に追い詰めた、山本さんを私は許せません!」
「私が山本さんの立場なら、比叡さんを絶対に助けます!」
「食費を免除したり、この町の児童福祉施設を回って、比叡さんの機会を探すのが普通です!!」
鈴音さんはそう言うが、普通の人は絶対に其処まではしない。
しても、相手の愚痴を聞いて終わりで有る。
それが出来るのは、相手の事が本当に好きで無いと出来ない……んっ、それは俺の事を鈴音さんが好き!?
「そう言ってくれると、すごく嬉しいです」
「でも……」
「大丈夫です!」
「私に任せて下さい!」
「山本さんのお母様も協力してくれますし、もちろん、孝明さんには内緒です!!」
「気持ちは凄く嬉しいけど……どうして、そこまでしてくれるの?」
「困っている人を助けるのは、当たり前じゃ無いですか!!」
まぶしい笑顔で鈴音さんは言う。この人は本当の女神様だ!!
どん底で、鈴音女神様の奇跡の手が、差し伸べられた瞬間だった……
「ですから、私にお任せ下さい!!」
「本当に良いの……鈴音さん」
「比叡さん!」
「さん付けで無くて、呼び捨てで良いですよ!」
「私は比叡さんが人間的に好きだから、助けるのです!」
「助けて貰えるのは凄く嬉しい……ありがとう鈴音さん」
「ですから、鈴音で良いですよ♪」
「俺より、遙かな大人の人を呼び捨てには出来ません……」
「却って俺の方を呼び捨てで呼んで下さい。『おぃ、比叡!』で十分です。
「年上の人にそんな事は言えませんわ!」
「じゃあ、今からその部分を話し合いましょう!!」
鈴音さんの手に依って、俺はどん底から這い上がれそうだ!
「鈴音さん!」
俺は思わず大きな声で言ってしまう。
鈴音さんは、少し微笑みながら声を掛けて来る。
「比叡さん…。こんばんは」
「はい! こんばんは!!」
「あっ、汚い所ですが、どうぞ!!」
「では…お邪魔します」
俺が招き入れると、鈴音さんは素直に、中に入ってくる。
凄く嬉しいが、大丈夫なのか?
「あっ、お茶用意しますね!」
俺は押し入れから座布団を引っ張り出して、俺の対面に成る場所に座布団を置く。
「あっ、お構いなく!」
鈴音さんはそう言うが、折角来てくれたんだ。
紅茶のティーバッグを戸棚から取り出して、紅茶を入れる準備をする。
数分後……。鈴音さんの手元と俺の座る場所に紅茶を置く。
「ミルクは粉末タイプですか…、砂糖も白砂糖しか無いので……」
俺はそう言いながら、テーブルに粉ミルクと砂糖を置く。
鈴音さんは、ミルクと砂糖を入れてミルクティーにする。俺も折角だから同じようにする。
「では、いただきます」
鈴音さんは食事前の挨拶をして、ミルクティーを飲む。
「ふぅ」
鈴音さんは軽いため息をつくと……
「比叡さん…。今回は残念でしたね…」
少し寂しそうな表情で鈴音さんは言う。
「今まで、順調だった罰が当たったのですよ…」
俺はそう言いながら、ミルクティーを飲む。
「でも、大丈夫ですか…?」
「こんな時間に、1人で俺の所に来て…」
「大丈夫ですよ!」
「この地区は防犯もしっかりしていますし!」
鈴音さんは一瞬笑顔に成るが、直ぐに暗い表情に成る。
「比叡さん……今後は、どうするおつもりですか?」
「やはり……引っ越しされるのですか?」
鈴音さんは更に、暗く寂しそうな表情で言う。
俺だって、鈴音さんの近くには居たいが……
「そうするしか無いのが現状です」
「この町は山本さんの影響力が大きいから、俺が抵抗しても潰されるのは目に見えてます」
「!!」
鈴音さんは少し驚いている。
「そうですか…」
鈴音さんは、諦めた顔つきに成ってしまった。
「鈴音さんに一応報告して置きます…」
「?」
「何をですか…?」
「稀子に…、縁を切られました!」
「えっ!?」
「稀子の奴!」
「保育士養成学校が不合格に成ったのを知った途端、俺を捨てて山本さんに乗り換える気満々です!!」
「鈴音さんも気を付けて下さい!」
俺はそう言うが、鈴音さんは冷静にミルクティーを飲んでいる……
「稀子さん…。そう来ましたか!」
鈴音さんの表情が変わる。
「えっ…!?」
「稀子さんは自分に非が無いように、比叡さんを捨ててまで、孝明さんと一緒に成りたいのですね!」
「ですなら、私も良いですね…?」
「……何が良いのですか?」
すると、鈴音さんはいきなり、微笑みながら言ってくる。
「比叡さん!」
「私達、付き合いましょう♪」
「えっ…えぇ~~~!!」
「なっ、何を言って居るのですか?!」
「鈴音さんは、山本さんと関係が有るでしょ!!」
「えぇ…関係は有りますが、婚姻関係までは発展していません!」
「恋人関係でも、冷め切ってしまった恋人関係では、恋人とは言えません!」
「鈴音さんが良くても、山本さんが……」
「今回の稀子さんは、全然ボロを出しません!」
「稀子さんも賢くなりました!!」
「つい最近までは、1週間でボロを出していたのに…」
稀子は色々と、山本さんが稀子に振り向く事をしていたらしい。
そんな事をしていれば、山本さんは当然、稀子を“子ども扱い”するよな。
「それに今回……比叡さんを完全に追い詰めた、山本さんを私は許せません!」
「私が山本さんの立場なら、比叡さんを絶対に助けます!」
「食費を免除したり、この町の児童福祉施設を回って、比叡さんの機会を探すのが普通です!!」
鈴音さんはそう言うが、普通の人は絶対に其処まではしない。
しても、相手の愚痴を聞いて終わりで有る。
それが出来るのは、相手の事が本当に好きで無いと出来ない……んっ、それは俺の事を鈴音さんが好き!?
「そう言ってくれると、すごく嬉しいです」
「でも……」
「大丈夫です!」
「私に任せて下さい!」
「山本さんのお母様も協力してくれますし、もちろん、孝明さんには内緒です!!」
「気持ちは凄く嬉しいけど……どうして、そこまでしてくれるの?」
「困っている人を助けるのは、当たり前じゃ無いですか!!」
まぶしい笑顔で鈴音さんは言う。この人は本当の女神様だ!!
どん底で、鈴音女神様の奇跡の手が、差し伸べられた瞬間だった……
「ですから、私にお任せ下さい!!」
「本当に良いの……鈴音さん」
「比叡さん!」
「さん付けで無くて、呼び捨てで良いですよ!」
「私は比叡さんが人間的に好きだから、助けるのです!」
「助けて貰えるのは凄く嬉しい……ありがとう鈴音さん」
「ですから、鈴音で良いですよ♪」
「俺より、遙かな大人の人を呼び捨てには出来ません……」
「却って俺の方を呼び捨てで呼んで下さい。『おぃ、比叡!』で十分です。
「年上の人にそんな事は言えませんわ!」
「じゃあ、今からその部分を話し合いましょう!!」
鈴音さんの手に依って、俺はどん底から這い上がれそうだ!
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