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本編
甘やかな夢を①★
しおりを挟む王太子宮、客室にて。
ギシッとベッドの軋む音。
マリアンヌは品の良いレースのついたネグリジェ姿で、上着を脱ぎ捨てたフェリクスに抱き締められながら優しく口付けられていた。
マリアンヌが望んだ願いを、フェリクスが了承し、受け入れたからだ。
「……ん、ぅ……♡」
最初は軽く。触れるだけのキスから始まり、次第にちゅっちゅっと啄まれて、やがてフェリクスの熱い舌が、ほんの少し躊躇いながらもマリアンヌの口腔内へと侵入していく。
(……気持ち、いい……?)
頭がぼうっとして、身体の芯が痺れてしまう。初めての感覚にマリアンヌが戸惑っていると、フェリクスが舌先でゆっくりと優しくマリアンヌの上顎をなぞった。その瞬間、ゾクリとした甘い刺激がマリアンヌの身体を走り抜け、肌が粟立ち、甘い声が溢れてしまう。
「あっ……♡……ふ、ぁっ……♡」
ちゅく、くちゅっと卑猥な音が耳に響く。
フェリクスはとろんとしたマリアンヌを熱っぽい瞳で見つめてから、再びその青い瞳を閉じて、僅かに角度を変え、歯列を丁寧になぞった後、奥で縮こまっていたマリアンヌの舌をヌルリと絡め取った。
(だ、め……♡……キスがこんなに、気持ちいいなんて……)
―――相手がフェリクス様だから?
それとも、フェリクス様が上手なのだろうか?
蕩けてしまいそうなキスに、身体の力が抜けていく。長く濃密なキスが終わって唇が離れた瞬間、私は名残惜しいとさえ思ってしまっていた。
(……もっと、欲しい)
「……困ったな。そんな蕩けた顔をされたら、優しく出来なくなりそうだ……」
「優しくしなくても、いいです」
「……あまり煽らないでくれ、マリアンヌ。出来る限り、優しく抱きたい。嫌だと思ったり、気分が悪くなったら、すぐに言うんだよ?」
「はい。……あの、フェリクス様」
「うん?」
「……もっと、キス、して下さい」
「!」
私がそう言うと、フェリクス様がペロリと舌舐りした。
その瞳には先程と違って、獰猛な色が混じっている。
「いけない子だね、マリアンヌ。それとも、私を試しているのかな。……いいよ。沢山、キスしてあげる。君の感じるところを、全て探り当ててみせよう」
「フェリクス、さま……っ……んん♡」
宣言通りに、何度も何度も深くて溶けてしまいそうなキスを繰り返されて。
愛おしさと快楽で、胸が苦しい。
(まるで、食べられてるみたい……)
………………
マリアンヌがゾクゾクと心地好いキスに溺れていると、フェリクスの手がマリアンヌの身体の線をゆっくりと撫でていく。
まるで宝物にでも触れるかのような触り方で、マリアンヌは身体をビクリと震わせた。
フェリクスに触れられるところ、全部気持ち良くて。
フェリクスがちゅっと音を立てながら唇を離すと、窓から差し込む月明かりに反射して、銀の糸がキラリと光った。
大きくて、少しゴツゴツした掌が、マリアンヌの太腿の裏を撫で、そのままスルスルと下着越しにマリアンヌの秘処へと軽く触れる。
「ひあっ?!」
「……少し、湿っているね。嬉しいな。私に感じてくれているんだね。可愛いマリアンヌ」
「あっ……そこ、は……ぁ、ん♡フェリクス、さま……♡」
「大丈夫だよ、マリアンヌ。痛くないように、いっぱい濡らしてあげるから。トロトロに解れたら、ゆっくりと奥まで馴染ませて、慣らしていこう」
「~~っ♡♡」
マリアンヌの秘処を、フェリクスの長い指が上へ下へと滑っていく。下着の上からなのに、明らかにソコはヌルヌルしていて、くちゅくちゅ聞こえてくる水音に、マリアンヌは羞恥でカァッと顔を赤くした。
「やっ……この音、なんで……?」
「マリアンヌが感じているからだよ。感じて、気持ちいいから、こんなに蜜が溢れてくるんだ」
「わ、たし……感じて……?あ、あぁっ♡♡」
フェリクスが、プックリと膨らんで下着越しでもハッキリと分かる程に己の存在を主張してしまっている花芽を優しく擦ると、マリアンヌがビクリと背中を仰け反らせた。
ヌルヌル擦られる度に、身体がビクンと震えて、お腹の奥がキュンと甘く疼き出す。
「気持ちいい?マリアンヌ。ここが好きみたいだね。……なら、もっともっと可愛がってあげないといけないな」
「?!」
そう言って、フェリクスは身体の位置をずらし、既に蕩け始めているマリアンヌの秘められた花園へ顔を埋めた。
* * *
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