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旧ver(※書籍化本編の続きではありません)
幸せの形⑫★
しおりを挟む気持ち良すぎて、快楽の海の底から浮上する事が出来ない。
熱くて硬くて大きいフィルのソレが、私の中に出たり入ったりを何度も何度も繰り返して。
それが堪らなく気持ちイイ。
擦れるところ全部全部、気持ち良すぎてゾクゾクと肌が粟立つ。
もっともっととおねだりして、四つん這いになってお尻を高く上げれば、フィルは深紅の瞳を蕩けさせて、『おねだりが上手ですね』って褒めてくれる。
そうして、上から私に覆い被さり、熱棒を再び挿入してぐちょぐちょと淫靡な音を立てながら優しく出し入れし、私の胸の先端を指で挟んで捏ね繰り回して、花芽をシコシコと扱いたり、カリカリしたりしてくれる。
(また、イク♡♡♡イッちゃう♡♡♡フィル、だいすき♡♡♡)
優しい抽挿がもどかしい。
もっと激しく奥を突いて欲しいのに、フィルはそうしてくれない。
分かっているくせに、とことん私を焦らして追い詰めるのが、彼のいつもの愛し方。
(すき……ふぃる……♡♡♡)
フィルが言うように、彼は本当に私の全てを熟知してしまっているのだろう。
自分がこんな変態だったなんて知らなかった。認めたくないけれど、いくら口で嫌だと言っても身体は悦んでしまう。
フィルが好き。そして、フィルにされる意地悪が好き。
「おねが……っ……もっと激しく、して♡♡」
「どこに、ナニをですか?ほら、きちんと言葉にして。……ヴィクトリア」
耳に流れ込むフィルの甘やかな優しい声音が、私の理性も腰も砕けさせてしまう。
「私のえっちな……お、お○んこを……フィルのお○んちんで激しく、突いてぇ……♡♡」
顔を真っ赤にし、声を震わせて必死にそうねだれば、フィルが『合格です』と囁いて、激しい抽挿を始めた。
「ひゃあああんっ♡♡♡」
最奥を激しく穿たれて、あまりの気持ち良さに我を忘れて嬌声を上げてしまう。
けれど、一度だけ達した後、フィルはすぐにまた動きを緩やかに戻してしまった。
「あ……なん、で……?」
「あまり激しいと、壊れてしまうかもしれませんから」
そんなの嘘だ。
「こ、壊れたりしないわ。だから、もっと……」
「我慢です、ヴィクトリア。……ちゃんと我慢出来たら、またえっちなおねだりをする事を許してあげますから」
「っっ♡♡」
フィルに名前を呼び捨てされる度に、私の感度は更に高まり、全身で感じてしまう。
二人きりの時、ごく稀に呼んでくれるのだ。
それが嬉しくて嬉しくて堪らない。
普段からそう呼んで欲しいとお願いした事もあったのだけど、フィルは頑なにそれを拒んだ。
自分にとって、“特別な名前だから”と。
閨では、皆が私の名を呼び捨てたり愛称で呼ぶのに、フィルだけは違う。
だからなのだろうか?
フィルに呼び捨てされると、酷く胸が締め付けられる。
「我慢、するから……」
「偉いですね。……では、私の前でお尻を高く上げて、蜜を滴らせながら、達しないように花芽を弄って下さい」
「っ?!」
「出来ますよね?前に何度もして下さいましたし。……毎回達してしまっていましたが」
くすりと、フィルが意地悪く笑みを零す。
確かに毎回失敗してしまっているけれど、それは私のせいじゃない。
いくら私が必死に頑張っても、フィルが毎回邪魔をしてくるのだ。
『もっとちゃんと弄らないと駄目でしょう?』と言って。
私は思わず眉を顰めて、フィルに抗議の眼差しを向けた。
「ま、毎回失敗になるのはフィルのせいでしょう?ちゃんと我慢するから、手を出さないで……!」
「おや?心外ですね。私はいつも善意でお手伝いしていたのですが」
「手を出さないで。……分かった?」
「ふふ、分かりました。今回、私は手を出しません」
フィルの言葉に安心した私は、自分が心底恥ずかしい格好をしているにも関わらず、それを忘れて、ふにゃりと緩みきった笑みを浮かべてしまう。
すると、フィルの深紅の瞳が大きく見開いて、その目元を朱色に染めた。
「フィル……?」
四つん這いの状態だった私の両手がフィルに掴まれ、後ろに引っ張られて、何故だか私の身動きが封じられてしまう。
これでは自分で弄る事は出来ない。
「申し訳ありません。――――気が変わりました」
「ッッッ?!♡♡♡♡」
フィルがそう言った瞬間。
鋭い強烈な快感が私の奥深くを激しく穿った。
背中が反って、豊かに育ってしまった胸がぶるんと揺れる。
バチュンバチュンとフィルの剛直に容赦なく最奥を打ち付けられて、私のお腹の奥が悦びに歓喜して咽び泣いた。
「ふぃ……っ?!♡♡♡~~~~ッッッ♡♡♡♡」
気持ち良すぎて、声にならない悲鳴を上げてしまう。
「――――貴女が悪いのですよ」
肉と肉のぶつかり合う音と、艶めかしい卑猥な水音で聞き取り難いが、微かにフィルの声が耳に届いた。
その声音は非常に切羽詰まっていて、彼らしい余裕は感じられない。
あまりにも強烈な色気がダダ漏れで、私の心臓が早鐘のように高鳴る。
「貴女が、あまりにも……――――っ!……愛らし過ぎて、私を煽るから……!」
煽っているつもりなんてない。
一体何がフィルの琴線に触れたのか、私には分からない。
だけど、そんなことはもうどうでもよくて。
「らめぇ♡♡♡イクイクッ♡♡♡イッちゃ……ッッッ♡♡♡♡」
目の前がずっとチカチカしていて、絶頂が止まらない。
激しく突かれる度に、ビクビクと震えて何度も何度も達してしまう。耐えられない程の深く激しい快楽。
穿たれると同時に、フィルの尻尾が私の花芽を包み込み、絶妙な力加減でシコシコと扱いたり擦り上げてくる。
もう何も考えられない。
「ア"ーーーーーーーーーーーッッッ♡♡♡♡」
「くっ……♡ほら、出しますよ?中の一番深いところに、私の子種を出しますからね?」
「だ、して♡♡♡いっぱい出し……、アアアアアアッッッ♡♡♡♡」
ビュルルルルルッ♡♡♡♡
「ひぃぃん♡♡♡あっ♡♡あっ♡♡あひっ♡♡♡」
「ああ、イイですね♡……すぐにまた硬くなってしまいました♡まだまだイケますね?」
「イク……ッ♡♡♡またイッちゃうぅぅ♡♡♡♡」
「連続絶頂の記録更新を目指しましょう♡ちゃんと回復しながらしますから♡」
「~~~~~ッッッッッ♡♡♡♡♡」
フィルに身体を回復させられながら、延々と続く絶頂に、頭の中は真っ白だ。
中の深く激しい絶頂と、時折くる花芽のみの絶頂。そして、中と外、両方からの強烈過ぎる絶頂が繰り返される。
おかしくなる。気持ち良すぎて、頭が馬鹿になる。
フィルに熱い子種を注がれる度に、悦ぶ淫魔の身体は、更に貪欲に欲しがって。
私もフィルも、互いの精液でぐしょぐしょだ。
フィルのベッドなんて、ビックリするくらいにびしょ濡れで。
精液だけじゃない、別の恥ずかしい液体も混じってる。
「愛してます、ヴィクトリア。私の唯一。……もっともっと、気持ちヨクなってくれ……っ!」
互いに唇を貪り合えば、唾液による互いの催淫効果で、気が狂いそうな程の快楽を味わい、更なる深い絶頂へと堕ちる。
ずっとずっと気持ちイイ。
ドロドロに蕩けきってしまって、本当に彼とひとつになってしまったかのように錯覚する。
どちらかが動けば、それだけで堕ちる程に気持ちがイイからだ。
「……す、き……♡……もっと……欲し……っ」
「愛してる。愛しています、ヴィクトリア。……私を、全部あげますから……だから、どうか私に……っ」
――――“ ”。
小さく小さく囁かれた言葉。
私には聞き取る事が出来なかった。
甘やかな痛みが胸に広がり、全身を快楽が包み込む。
まるで、温かな湯に浸かっているみたい。
そう、湯に――――……
……………………
…………
「……あ、れ……?」
気が付くと、本当に私は湯に浸かっていた。
* * *
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