悪役令嬢は双子の淫魔と攻略対象者に溺愛される

はる乃

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旧ver(※書籍化本編の続きではありません)

ヴィクトリアの決断③

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――――寵愛を受けろ?

それが一体、どうして有意義な願いの使い方に繋がるのか。
ヴィクトリアには理解出来無い。

『無理です。……貴方を受け入れたら、私の身体も魂も、悪魔である貴方のものになってしまう』

ヴィクトリアの答えを聞いて、アスモデウスは嘆息し、抱き締める腕に力を込めた。

『何故分からない?私からの寵愛も、願いの一つ・・・・・なのだと。……今なら、お前は代償を支払う事なく・・・・・・・・・、私の“寵愛”を得る事が出来ると言うのに』
『――――え?』

“寵愛”も願い事の一つ。

アスモデウスは、自身の部下であったディペがヴィクトリアへ掛けた迷惑の詫びに、そのディペの魂を対価として願いを一つ叶えてくれると言っていた。

“人間に戻る”。
“時間を巻き戻す”。

ヴィクトリアは、そういった人知を超えた事象を起こすような願いばかりに囚われていて、寵愛に関しては願いではなく、悪魔との契約が必要なのだと思い込んでいた。

アスモデウスは“色欲の悪魔”。

そんな彼の寵愛を、まさか願いの一つとして考えるなど、露ほども思っていなかった。
ましてや、相手の感情を無視した願いなんて、ヴィクトリアには思い付く筈もない。

『……以前、私の事を気に入ったと言っていましたけど。それは、寵愛を与えたいと思う程なのですか?もしや、この身体のせいで?』
『確かにお前の身体は魅力的だ。お前の精気を味見する度に、身体中がゾクゾクするくらいにはな』

それならば、“寵愛”と言いつつ、やはり本当は――――

そう思いかけたヴィクトリアの額に、柔らかな感触が掠めた。
それは、アスモデウスのキス。

『だが、精気よりも私はお前自身が気に入っている。気付いているか知らないが、お前はあまりに無欲だ。相手に何も求めず、何も欲しがらない。そのくせ、相手の事ばかりを考えている。……その身はもうサキュバスだと言うのに、中身は清らかなままだ』

――――清らか?

ヴィクトリアが、アスモデウスの胸に顔を埋め、小さく首を振る。

『違うわ。私は自分の事ばかり考えているし、欲しがる事もある。……というか、貴方はどうして私の事を全て知っているかのように話すの?』
『私はこれでも悪魔の中では最上位の存在なのだぞ?お前の事を探るくらい簡単な事だ。それに、お前が欲しがるものは……』
『ひゃあっ?!♡♡』

アスモデウスの凶悪な情欲の肉棒が、ヴィクトリアの秘処をゆるゆると擦り始め、突然の快感に身体が震えてしまう。

『欲しがるものは快楽くらいのものだろう?だから皆、お前に与えるのだ。無欲なお前が唯一、泣いて欲しがるものだからな』
『ど、どうして、普通に話してられないの?会話の合間に、何度も何度も……っ♡♡』
『必死に睨んでくる瞳も可愛らしい。……どうして、だと?ずっと濡らしているくせによく言う。お前が物欲しそうな顔をしているのが悪い』
『ひゃあああん♡♡だ、め………そんなにしちゃ、だめ、だったらぁ♡♡』

アスモデウスの肉棒が花芽を擦り、止まっていた触手達が蜜穴の中で蠢き始める。

お腹の奥の熱が甦り、熱くて堪らない。
会話している時は、確かに鎮まっていた筈なのに。


『私からの寵愛が得られれば、お前はもっと快楽を得られる。それに、寵愛するお前の我儘なら、多少は聞いてやるぞ?特典のようなものだ。喜ぶがいい』
『私は別に、貴方に言いたい我儘なんて……』

言い掛けて、ヴィクトリアはハッと息を呑み、言葉を失う。


『今は思いつかなくとも、これから色々出てくると思うがな。最上位悪魔の寵愛だ。得ていて損は無いと思うぞ?――――なぁ、ヴィクトリア』


老若男女、誰もが魅了されてしまうだろうアスモデウスの妖艶な微笑。
 
ヴィクトリアは暫し瞬きを忘れ、魅入られてしまったかのようにアスモデウスを見つめ続けた。
そうして再開した溺れるような快楽地獄へ身を堕とす。

アスモデウスとの夢世界は、時間の流れが違うのだろうか?
気が遠くなるような責め苦を長く長く味わわされ、遂にヴィクトリアはアスモデウスに陥落してしまったのだった。


* * *

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