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旧ver(※書籍化本編の続きではありません)

僕以外、何も感じなくていい③★

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触手の魔物の残滓に吸い尽くされてしまったヴィクトリアの精気。
そのせいで極度の飢餓状態に陥っていたヴィクトリアは、発狂寸前の状態だった。

けれど、今は酷い飢餓感が収まり、お腹が満たされている。

「……リア」

心地良い声に名前を呼ばれて、ヴィクトリアは睫毛を震わせながら、ゆっくりと瞼を持ち上げた。

「……エリック様……?」

すぐ目の前には、蕩けるような瞳でヴィクトリアを見つめるエリックが居て、その男性らしい逞しい腕でぎゅうっと抱き締められていた。

そして、僅かに身動ぎした途端、身体を駆け巡る甘やかな悦楽。

「あんっ♡♡……っ……うそ……?」

思わず自分の口から零れてしまった喘ぎ声と、今の状態に驚いて、ヴィクトリアはギョッとした。
ヴィクトリアの中には、未だエリックの熱杭が入ったままだったのだ。
しかも、少しでも動けば、すぐにでも達してしまいそうな程に、身体は敏感になってしまっている。

(お、起きたばっかりなのに、どうして……?)

困惑するヴィクトリアを余所に、エリックは愉しそうに笑みを浮かべた。

「ふふ。そんなに顔を真っ赤にして、リアは本当に可愛いね?……サキュバスなのに、人間の時と変わらない」
「エリック様……?あの、私……どうして……」

何故、こんなにも身体がゾクゾクしているの?

その答えは、すぐに分かった。

「ひゃんっ♡♡」
「だけど、やっぱりリアはサキュバスだ。……尻尾、そんなに気持ち良い?」
「~~~~っ♡♡」

エリックは、眠ってしまったヴィクトリアの尻尾を、ずっと弄り続けていたらしい。
サキュバスにとって、尻尾は第二の性感帯。まるで陰核を弄る時と同じ様な快感が湧き上がる、最も敏感な場所。
根元は特に気持ちが良い。

「あっ♡やぁあん♡♡」
「寝ている間も、尻尾を弄る度に、リアのここは何度も何度も僕のモノを締め付けていたよ?凄く可愛くて堪らなかった。だけど、疲れているリアを起こしてしまうのは可哀想だからね。ずっと我慢していたんだ」
「が、まん……?」
「そうだよ。本当はもっと激しく最奥を穿って、リアの下のお口に僕の子種をゴクゴク飲み干して欲しかったのだけど、リアが寝ている間はずっと大人しくしていたんだ。だから……」
「ひゃあああっ♡♡」

尻尾を弄られながら、最奥をグリリッ!と抉られて、ヴィクトリアから悲鳴のような嬌声が漏れる。
精気はもう満たされている。
なのに、ヴィクトリアの身体はエリックから与えられる快楽に歓喜し、貪欲に貪り続けてしまう。

「……ご褒美に、リアを全部食べさせて?」
「ひぅっ?!♡♡」

密着した身体をゆるゆる動かし、互いの秘部を擦り合わせるようにグリグリされる。すると、蜜壺の中は奥までみっちりとエリックの滾る熱杭が支配し、陰核まで擦れて、あまりに気持ちが良い。
しかも、エリックは未だ尻尾を弄り続けており、クイクイと引っ張られる度に陰核をクニクニと転がされているような快感を感じてしまい、ヴィクトリアの視界がチカチカと明滅し始める。

最奥も、陰核も、尻尾も気持ち良すぎて、何も考えられない。
そんなヴィクトリアの状態を把握しているのか、エリックは更に追い打ちをかける。

「起きたばかりで、こんなに気持ち良くなってしまうなんて。ほら、リアのここ、凄くトロトロだよ?……ねぇ、イキたい?」

エリックの問いに、ヴィクトリアは涙を滲ませながら、コクリと頷く。
どうしようもなく気持ちが良くて、早く早くイキたくて堪らない。

「いいよ。僕がイカせてあげる。……眠っちゃう前、あんなにイッたのにね?リアは本当にエッチな女の子だ。」
「……っ」
「ふっ……ああ、またキュッて締まった。リアは恥ずかしいと感じちゃうもんね?恥ずかしいって思えば思うほど、いっぱい感じちゃう、いやらしい身体なんだよね?」
「やっ……そ、んな……っ♡♡」

恥ずかしい。
恥ずかしくて恥ずかしくて、エリックの言葉通り、ヴィクトリアは増々感じてしまい、瞳に涙を滲ませる。

「僕はそんなリアが大好きだよ。愛してる。……イッていいよ、リア♡」
「ひゃあああん♡♡♡」

――――ズチュンッ♡♡♡

勢い良く、ズチュズチュと淫靡な水音を奏でながら、エリックがヴィクトリアの最も感じる場所を穿ち始めた。
ヴィクトリアはあまりの強烈な快感により、すぐに達してしまったが、エリックは腰を動かし、執拗に攻め立て続ける。
止まらない嬌声を聞いて、エリックは「凄く甘そう」と言いながら口端を上げて、深く唇を重ねた。
濃厚に舌を絡められ、上手く呼吸が出来ない。だけど、苦しい筈なのに、うっとりする程気持ちが良くて。

「ふ……♡♡ん、ぁ♡♡~~~~っっ♡♡♡」

ヴィクトリアがビクンッと身体を跳ねさせ、再び絶頂を迎えるも、エリックは止まらない。

「んん~~~~っ?!♡♡♡」

感度が増し、より敏感になっていると分かっていながら、エリックはヴィクトリアを更なる快楽の水底へと溺れさせていく。

「愛してるよ、リア。回復の為に、もっともっと僕から子種を搾り取っていいんだよ?」
「あっ、あぁっ♡♡えりっ…………ひぃん♡♡♡」
「ほら、もっと僕を食べて。僕は君のものなのだから。その代わり……」
「やぁあん♡♡らめ……っ、また、イッちゃ……!」



――――“リアはもっと鳴いて、僕だけを、もっと感じて”。



耳に流し込まれる、低く、甘やかな声音。
そうして耳を食まれ、首筋に赤い花弁が散らされていく。
いつの間にか、尻尾を自分で持つよう握らされ、自らキュッと強く引っ張るように誘導されてしまっていた。
最中に、自ら尻尾を弄るだなんて、恥ずかしいのに、止める事が出来ない。

「だめ……気持ちい♡♡気持ち良いの♡♡また、イッちゃ……♡やらぁあ♡♡」
「嘘つき。嫌じゃないよね?……ほら、繋がってる場所から、ぐじゅぐじゅ泡立つくらい、いやらしい音が聞こえてくる。リアの身体がいっぱい感じて、恥ずかしい程にイキたいって、僕に訴えてる音だ。……僕と気持ち良い事するの、好きなんだよね?」

話しながらも、エリックの腰遣いは止まらず、皮を剥かれ、花芽までヌルヌルと弄られて、ヴィクトリアは壮絶な快感に支配されてしまう。

「リア、教えて?……僕とするの、好き?」
「やぁああん♡♡♡止まっ……止まってぇえ♡♡壊れちゃ……あぁあああっ♡♡♡」
「リア。……答えて?」
「ひっ?!♡♡♡」

一番深い所を抉られて、ヴィクトリアはビクンッと身体を仰け反らせながらプシャップシャッと潮を吹いてしまった。
しかし、尚もエリックから与えられる快楽には終わりが無く、ヴィクトリアは絶頂し続け、頭の中が白く弾けた。

「好きっ……好きぃ♡♡エリックとするの、大しゅきぃぃ♡♡♡」
「嗚呼、リア!僕も好きだよ♡大好きだよ♡僕のリア♡♡………さぁ、出すよ?僕の子種を出すよ?全部、受け止めて……!」
「ひゃあああん♡♡♡イクの、止まらな……アアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーッ♡♡♡♡♡」



互いの精液にまみれ、ドロドロになりながら、二人は意識を失うまで絶頂を繰り返した。
ヴィクトリアはエリックにしがみつきながら、自身も腰を振り、熱く昂る身体に身を委ねる。

エリックの熱が心地良い。

二人は抱きしめ合い、互いの熱を感じながら絶頂し、意識を失った。


………………………
…………


その後。
ヴィクトリアと抱き合ったまま泥のように眠っていたエリックは、今すぐに殺してやろうかと言わんばかりの形相をしたフィルとナハトによってヴィクトリアから無理矢理引っ剥がされ、適当に服を着せられた後、アルディエンヌ公爵邸の前で停まっていた王族専用の馬車へと乱暴に押し込まれ、強制送還させられた。

実は、数日間もアルディエンヌ公爵邸に泊まり続けていたエリックには、王宮から「早く帰って来て下さい!」と、毎日使者が来ていたのだ。

アルディエンヌ公爵家へ婿入りするつもりでいるとはいえ、エリックは未だ王太子。
今回の件は、真面目で勤勉なエリックの、初めてのサボり・・・として、王宮では大騒ぎになっていた。

そうして、エリックは王宮に着くなり父である国王から叱責を受け、仕事で登城していたヴィクトリアの父、アルディエンヌ公からも叱責を受けた。

『結婚するまでは、娘とは節度ある付き合いをお願いしたい』

実際には、その娘であるヴィクトリアの命を救う為に、エリックが限界まで精気を与え続けていたわけだが、娘がサキュバスとなってしまった事を知らぬアルディエンヌ公に、それを伝える事は出来る筈もなく。
エリックは其々の叱責を素直に受け止め、半日身体を休めた後、数日ぶりに自らの執務室へと足を運んだ。
その際、執務机に堆く積まれた書類を見て、エリックが暫し言葉を失い、絶望に近い感情に支配されてしまった事は言うまでもないだろう。しかし、この書類を片付けなければヴィクトリアとイチャイチャ出来ないのだと気力を振り絞り、数日間の遅れを取り戻すべく、エリックは鬼のようなスピードで執務に取り掛かったのだった。


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