悪役令嬢は双子の淫魔と攻略対象者に溺愛される

はる乃

文字の大きさ
上 下
56 / 113
旧ver(※書籍化本編の続きではありません)

僕以外、何も感じなくていい②★

しおりを挟む


「やぁあん♡♡……えりっく、さま……♡……もぅ、ゆるし……ひぅうっ♡♡」

ちゅぷちゅぷと卑猥な音を響かせながら、ヴィクトリアのぷっくりと膨らんだ花芽や、グズグズに蕩けきっている花弁を幾度となくなぞって擦り上げていく、凶悪なエリックの張り詰めた欲望。

もうどれ位このままの状態を維持されているのか、ヴィクトリアには時間の感覚すら分からなくなってしまっていた。

お腹の奥が、あまりにも切なくて苦しい。ヴィクトリアの身体は彼の剛直を迎え入れようと、とっくに準備は万端なのに、ずっとずっとお預けばかりで、いっそ溶けてしまいそうだ。

深紅の瞳は潤み、ポロポロと涙を流しても、エリックは優しく目尻にキスを落とすばかりで、決して中には挿れてくれない。花芽や花弁を擦り、時に意地悪に蜜口へくぷくぷと押し付けるだけ。
ヴィクトリアはエリックの首に両腕を回し、縋るように抱き着きながら、必死に自ら腰を揺らしてしまう。

「あっ、ああっ♡♡えりっくさま……♡♡」
「こら。そんな風に艶めかしく腰を振って、リアは本当にいけない子だね?……油断すると中に入ってしまいそうだ」
「挿れて……おねがい……挿れて、欲しいの。エリック様の……ああんっ♡♡中に、欲しいのぉ♡♡」
「……リアはどうしてそんなに可愛いの?可愛いリアに、そこまでお願いされちゃうと、僕も揺らいでしまうよ。……どうしても僕が・・欲しい?」

どこまでも甘い声音で囁かれ、ヴィクトリアはゾクリと身を震わせながら、必死にぎゅうっと抱き着いて頷く。

「欲しいの。エリック様が……エリックが欲しいの……!」
「いいね。リア、もう一度言って?」
「……っ」

羞恥心なんて、とっくに忘れてしまっていたのに、今になって、何故だか酷く恥ずかしくて、心臓がバクバク煩い。
悪役令嬢ヴィクトリアから引き継いだ恋心が、更に大きく膨らんで、胸がキュンとすると同時に、子宮がどうしようもなく彼を求める。

「……え、エリックが、欲しいの」
「もう一度」
「エリックが……欲しい、の」
「ふふ。いい子だね、リア……!」
「~~~~っ?!♡♡♡」

ズチュンッ!!と勢いよく蜜壺の中を貫かれ、ヴィクトリアは身体をビクリと仰け反らせながら、挿入されただけで、はしたなく達してしまった。
一気に押し寄せてきた痺れるような甘い快感。ずっとずっと欲しかった熱杭に貫かれ、ヴィクトリアの身体が歓喜する。はぁはぁと息も絶え絶えに、あまりの快感に身体の奥から溶けてしまいそうだ。

「……っ……リアの中、気持ち良いよ。まるで吸い付いてくるみたいに、絡み付いてくる」
「あっ、んん♡♡」

蜜壺の中いっぱいの心地良い圧迫感。
子宮がキュンキュン疼いて堪らない。早く動いて欲しくて腰を揺らそうとしたけれど、エリックにしっかり腰を抱かれてしまい、揺らす事が出来ない。

「リア。……僕を、愛してる?」
「……っ」
「答えて、リア。僕の愛しい人。リアは僕の全てだ。……今はまだ、一番でなくとも構わない。少しでも僕を、本当の意味で、愛しているかい?」

ヴィクトリアは、エリックの質問に思わず目を見張った。

そして、迷わずにこう思った。


――――“愛してる”。


切なく揺れる、エリックの空色の瞳。
ヴィクトリアはずっと、サキュバスになってしまった事を、後悔していなかった。けれど、もっと根本的な事。
もしも、自分がヴィクトリアの身体に転生していなければ、ヴィクトリアはエリックだけを想い続ける事が出来ただろう。結果として、結ばれたかどうかは分からないが、悪役令嬢ヴィクトリアは、思っていたより可愛い人だった。
もしかしたら、エリックがその事に気付ければ、何か変わった未来があったかもしれない。

今のヴィクトリアは、エリックを愛している。
けれど、エリックだけを唯一無二の存在として愛しているわけではない。

「わたし、は……」

どうしても選ぶ事は出来ない。
フィルもナハトもエリックも、ヴィクトリアの中では特別で、何よりも大事な存在だからだ。

「私は、エリック様を……」

愛してる。
だけど、あまりにも自分勝手過ぎる。
不誠実で、ズルい。

身体だけじゃなく、心も魔物になってしまえば、楽になるのだろうか?

「リア。……言って?でないと、ずっとこのまま、動いてあげないよ?」
「ひぅっ♡♡ん……♡♡」

額をコツンと合わせてきたエリックを、涙の滲む瞳で見つめれば、エリックの熱を帯びた甘やかな視線に囚われる。

そうして、囚われた瞬間。ヴィクトリアは自然とエリックの言葉に答えていた。

「すき、です。私……エリック様の事を……」


――――“ずっと前から、お慕いしておりました”。


胸の中にじんわりと広がる想いは、悪役令嬢ヴィクトリアの想い。
全ては今のヴィクトリアの中に溶けて、積もり積もっていく。

「……あいして……」

言い掛けて、エリックが堪えきれないとばかりに、己の張り詰めた熱杭を限界まで引き抜いた。
そして――――。

「あぁっ♡♡」
「リア、リア!愛してる!君だけを、ずっとずっと……!」
「ひゃああんっ♡♡♡」

最奥まで一気に穿たれて、ヴィクトリアの目の前がチカチカと明滅する。
子宮をグリグリと擦られ、再び絶頂へと導かれながら、必死にその想いを紡ぐ。

「わた、しも………あんっ♡♡あい、して……あいして、います……っ♡♡♡」
「リア……!もっと、もっと言っておくれ……!」
「あいしてる……っ♡♡えりっ……やぁあああん♡♡♡」

出したり挿れたり、ジュボジュボと互いの蜜が合わさって、肉と肉がぶつかり合う卑猥な音がサロンに響き渡る。

アベルもレオンハルトもジルベールも、ずっとここに留まっている事は出来ない。各々やるべき事があるからだ。しかも、ヴィクトリアに自らの精気をたっぷりと与えたが故に、彼等も休息が必要だった。

だから、この場にはエリックとヴィクトリアのほぼ二人きり。
フィルとナハトはサロンの外で控えている。

「溶け、ちゃう♡♡気持ち良過ぎて……私……っ♡♡」
「可愛いね、リア。……リアの尻尾も、揺れてるよ。……ジルベールに抱かれていた時は、隠れていたよね?」

まだ自分の意思で出し入れ出来ない尻尾だが、ジルベールの時は無意識に本能が危険を察したのだろう。
確かに、あれだけの快楽地獄で、敏感で感じ過ぎてしまう尻尾まで責め立てられていたら、もっと酷く壊れてしまっていたかもしれない。

ぴこぴこと揺れる尻尾に優しく触れたエリックは、ゆるゆると腰を動かしつつ、尻尾をキュッと掴んでツンツンと軽く引っ張り始めた。

「ひゃあああん♡♡♡」

その瞬間、身体中にビリビリとした快感が駆け抜け、ヴィクトリアは何度目か分からない絶頂を迎えてしまった。
キュウキュウ締め付ける感覚に、エリックが眉根を寄せながらも口端を上げ、ヴィクトリアの片足を自らの肩へ乗せた。

「ひぃん♡♡深っ……あぁん、深いぃ♡♡そこ、だめ……♡♡やぁああん♡♡♡」
「凄い、締め付けだ。……くっ……もっともっと、イカせてあげるよ。何も分からなくなるくらい、ひとつになろう?」

ぐじゅ♡♡ジュボッ♡♡
ズプッ♡♡ぐちゅっ♡♡

エリックに耳元で囁かれ、甘い睦言を直接流し込まれる。
その間も、エリックの熱杭はヴィクトリアの蜜壺の奥深くを犯し続けており、尻尾をクイクイと強弱をつけて引っ張られたり擦られたりを繰り返し、ヴィクトリアは快楽の波に呑まれていく。

深く深く溺れるような感覚だが、嫌じゃない。
それどころか、幸福感に包まれて、身体は更に深淵へと堕ちていく。

悪役令嬢ヴィクトリアは、エリックだけを一途に想い続けていた。
そんな彼女の身体に転生し、今では全てが融合してしまった。恋心さえも。
フィルとナハトを想う恋心と、エリックを想う恋心は、反発し合うどころか、溶けて見事に混ざり合い、その想いを膨らませ、消える事なく等しく胸に抱いている。

「リア」

そうして、ヴィクトリアは思い出した。
今では乙女ゲームの事以外、ろくに思い出せない前世の記憶。

エリックが愛おしげに愛称で呼んでくれる度に、高鳴る鼓動。


――――“莉杏りあ”。


(そうだ。……私の、名前……)


ヴィクトリアとの、唯一の共通点かもしれない。
偶然なのか、必然なのか。


「愛してるよ、リア」


エリックと深く深く繋がりながら、ヴィクトリアは己が温かな何かで身も心も満たされていくのを、確かに感じていた。

深く、深く。
快楽と共に。


* * *
しおりを挟む
感想 102

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

女性の少ない異世界に生まれ変わったら

Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。 目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!? なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!! ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!! そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!? これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

目が覚めたら男女比がおかしくなっていた

いつき
恋愛
主人公である宮坂葵は、ある日階段から落ちて暫く昏睡状態になってしまう。 一週間後、葵が目を覚ますとそこは男女比が約50:1の世界に!?自分の父も何故かイケメンになっていて、不安の中高校へ進学するも、わがままな女性だらけのこの世界では葵のような優しい女性は珍しく、沢山のイケメン達から迫られる事に!? 「私はただ普通の高校生活を送りたいんです!!」 ##### r15は保険です。 2024年12月12日 私生活に余裕が出たため、投稿再開します。 それにあたって一部を再編集します。 設定や話の流れに変更はありません。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。