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旧ver(※書籍化本編の続きではありません)
僕以外、何も感じなくていい②★
しおりを挟む「やぁあん♡♡……えりっく、さま……♡……もぅ、ゆるし……ひぅうっ♡♡」
ちゅぷちゅぷと卑猥な音を響かせながら、ヴィクトリアのぷっくりと膨らんだ花芽や、グズグズに蕩けきっている花弁を幾度となくなぞって擦り上げていく、凶悪なエリックの張り詰めた欲望。
もうどれ位このままの状態を維持されているのか、ヴィクトリアには時間の感覚すら分からなくなってしまっていた。
お腹の奥が、あまりにも切なくて苦しい。ヴィクトリアの身体は彼の剛直を迎え入れようと、とっくに準備は万端なのに、ずっとずっとお預けばかりで、いっそ溶けてしまいそうだ。
深紅の瞳は潤み、ポロポロと涙を流しても、エリックは優しく目尻にキスを落とすばかりで、決して中には挿れてくれない。花芽や花弁を擦り、時に意地悪に蜜口へくぷくぷと押し付けるだけ。
ヴィクトリアはエリックの首に両腕を回し、縋るように抱き着きながら、必死に自ら腰を揺らしてしまう。
「あっ、ああっ♡♡えりっくさま……♡♡」
「こら。そんな風に艶めかしく腰を振って、リアは本当にいけない子だね?……油断すると中に入ってしまいそうだ」
「挿れて……おねがい……挿れて、欲しいの。エリック様の……ああんっ♡♡中に、欲しいのぉ♡♡」
「……リアはどうしてそんなに可愛いの?可愛いリアに、そこまでお願いされちゃうと、僕も揺らいでしまうよ。……どうしても僕が欲しい?」
どこまでも甘い声音で囁かれ、ヴィクトリアはゾクリと身を震わせながら、必死にぎゅうっと抱き着いて頷く。
「欲しいの。エリック様が……エリックが欲しいの……!」
「いいね。リア、もう一度言って?」
「……っ」
羞恥心なんて、とっくに忘れてしまっていたのに、今になって、何故だか酷く恥ずかしくて、心臓がバクバク煩い。
悪役令嬢ヴィクトリアから引き継いだ恋心が、更に大きく膨らんで、胸がキュンとすると同時に、子宮がどうしようもなく彼を求める。
「……え、エリックが、欲しいの」
「もう一度」
「エリックが……欲しい、の」
「ふふ。いい子だね、リア……!」
「~~~~っ?!♡♡♡」
ズチュンッ!!と勢いよく蜜壺の中を貫かれ、ヴィクトリアは身体をビクリと仰け反らせながら、挿入されただけで、はしたなく達してしまった。
一気に押し寄せてきた痺れるような甘い快感。ずっとずっと欲しかった熱杭に貫かれ、ヴィクトリアの身体が歓喜する。はぁはぁと息も絶え絶えに、あまりの快感に身体の奥から溶けてしまいそうだ。
「……っ……リアの中、気持ち良いよ。まるで吸い付いてくるみたいに、絡み付いてくる」
「あっ、んん♡♡」
蜜壺の中いっぱいの心地良い圧迫感。
子宮がキュンキュン疼いて堪らない。早く動いて欲しくて腰を揺らそうとしたけれど、エリックにしっかり腰を抱かれてしまい、揺らす事が出来ない。
「リア。……僕を、愛してる?」
「……っ」
「答えて、リア。僕の愛しい人。リアは僕の全てだ。……今はまだ、一番でなくとも構わない。少しでも僕を、本当の意味で、愛しているかい?」
ヴィクトリアは、エリックの質問に思わず目を見張った。
そして、迷わずにこう思った。
――――“愛してる”。
切なく揺れる、エリックの空色の瞳。
ヴィクトリアはずっと、サキュバスになってしまった事を、後悔していなかった。けれど、もっと根本的な事。
もしも、自分がヴィクトリアの身体に転生していなければ、ヴィクトリアはエリックだけを想い続ける事が出来ただろう。結果として、結ばれたかどうかは分からないが、悪役令嬢ヴィクトリアは、思っていたより可愛い人だった。
もしかしたら、エリックがその事に気付ければ、何か変わった未来があったかもしれない。
今のヴィクトリアは、エリックを愛している。
けれど、エリックだけを唯一無二の存在として愛しているわけではない。
「わたし、は……」
どうしても選ぶ事は出来ない。
フィルもナハトもエリックも、ヴィクトリアの中では特別で、何よりも大事な存在だからだ。
「私は、エリック様を……」
愛してる。
だけど、あまりにも自分勝手過ぎる。
不誠実で、ズルい。
身体だけじゃなく、心も魔物になってしまえば、楽になるのだろうか?
「リア。……言って?でないと、ずっとこのまま、動いてあげないよ?」
「ひぅっ♡♡ん……♡♡」
額をコツンと合わせてきたエリックを、涙の滲む瞳で見つめれば、エリックの熱を帯びた甘やかな視線に囚われる。
そうして、囚われた瞬間。ヴィクトリアは自然とエリックの言葉に答えていた。
「すき、です。私……エリック様の事を……」
――――“ずっと前から、お慕いしておりました”。
胸の中にじんわりと広がる想いは、悪役令嬢ヴィクトリアの想い。
全ては今のヴィクトリアの中に溶けて、積もり積もっていく。
「……あいして……」
言い掛けて、エリックが堪えきれないとばかりに、己の張り詰めた熱杭を限界まで引き抜いた。
そして――――。
「あぁっ♡♡」
「リア、リア!愛してる!君だけを、ずっとずっと……!」
「ひゃああんっ♡♡♡」
最奥まで一気に穿たれて、ヴィクトリアの目の前がチカチカと明滅する。
子宮をグリグリと擦られ、再び絶頂へと導かれながら、必死にその想いを紡ぐ。
「わた、しも………あんっ♡♡あい、して……あいして、います……っ♡♡♡」
「リア……!もっと、もっと言っておくれ……!」
「あいしてる……っ♡♡えりっ……やぁあああん♡♡♡」
出したり挿れたり、ジュボジュボと互いの蜜が合わさって、肉と肉がぶつかり合う卑猥な音がサロンに響き渡る。
アベルもレオンハルトもジルベールも、ずっとここに留まっている事は出来ない。各々やるべき事があるからだ。しかも、ヴィクトリアに自らの精気をたっぷりと与えたが故に、彼等も休息が必要だった。
だから、この場にはエリックとヴィクトリアのほぼ二人きり。
フィルとナハトはサロンの外で控えている。
「溶け、ちゃう♡♡気持ち良過ぎて……私……っ♡♡」
「可愛いね、リア。……リアの尻尾も、揺れてるよ。……ジルベールに抱かれていた時は、隠れていたよね?」
まだ自分の意思で出し入れ出来ない尻尾だが、ジルベールの時は無意識に本能が危険を察したのだろう。
確かに、あれだけの快楽地獄で、敏感で感じ過ぎてしまう尻尾まで責め立てられていたら、もっと酷く壊れてしまっていたかもしれない。
ぴこぴこと揺れる尻尾に優しく触れたエリックは、ゆるゆると腰を動かしつつ、尻尾をキュッと掴んでツンツンと軽く引っ張り始めた。
「ひゃあああん♡♡♡」
その瞬間、身体中にビリビリとした快感が駆け抜け、ヴィクトリアは何度目か分からない絶頂を迎えてしまった。
キュウキュウ締め付ける感覚に、エリックが眉根を寄せながらも口端を上げ、ヴィクトリアの片足を自らの肩へ乗せた。
「ひぃん♡♡深っ……あぁん、深いぃ♡♡そこ、だめ……♡♡やぁああん♡♡♡」
「凄い、締め付けだ。……くっ……もっともっと、イカせてあげるよ。何も分からなくなるくらい、ひとつになろう?」
ぐじゅ♡♡ジュボッ♡♡
ズプッ♡♡ぐちゅっ♡♡
エリックに耳元で囁かれ、甘い睦言を直接流し込まれる。
その間も、エリックの熱杭はヴィクトリアの蜜壺の奥深くを犯し続けており、尻尾をクイクイと強弱をつけて引っ張られたり擦られたりを繰り返し、ヴィクトリアは快楽の波に呑まれていく。
深く深く溺れるような感覚だが、嫌じゃない。
それどころか、幸福感に包まれて、身体は更に深淵へと堕ちていく。
悪役令嬢ヴィクトリアは、エリックだけを一途に想い続けていた。
そんな彼女の身体に転生し、今では全てが融合してしまった。恋心さえも。
フィルとナハトを想う恋心と、エリックを想う恋心は、反発し合うどころか、溶けて見事に混ざり合い、その想いを膨らませ、消える事なく等しく胸に抱いている。
「リア」
そうして、ヴィクトリアは思い出した。
今では乙女ゲームの事以外、ろくに思い出せない前世の記憶。
エリックが愛おしげに愛称で呼んでくれる度に、高鳴る鼓動。
――――“莉杏”。
(そうだ。……私の、名前……)
ヴィクトリアとの、唯一の共通点かもしれない。
偶然なのか、必然なのか。
「愛してるよ、リア」
エリックと深く深く繋がりながら、ヴィクトリアは己が温かな何かで身も心も満たされていくのを、確かに感じていた。
深く、深く。
快楽と共に。
* * *
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