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旧ver(※書籍化本編の続きではありません)
アベルと温泉で①★
しおりを挟む『……あれ?ここは……』
穏やかなお昼を過ごした日から数日後。
ヴィクトリアは夜、いつものように眠りについたのだけれど、また無意識に誰かの夢世界へ夢渡りしてしまったようだ。
(一週間の内、2回から3回くらいは夢渡りしてしまうみたい……)
普段は現実世界でフィルやナハト、ルカやシュティと交わり、精気を貰っているわけだが、一人一人に与える量はそれ程多くなくとも、ヴィクトリアは四人それぞれに自分の精気を与えてしまっている。互いに喰らい合っていれば、当然満腹にはならない為、ヴィクトリアは純粋な人間の精気も喰らわなければならない。身体が足りないと感じれば、自然と夜寝ている間に無意識で夢渡りを行い、夢世界にて交わり、精気を摂取している。
現実世界でエリックの精気を喰べた時は、無意識の夢渡りは週に1回程度でも足りるのだが、エリックも多忙故になかなか時間が取れない事も多い。
なので、現実世界で人間であるエリックから精気が貰えなかった週は、夜に夢渡りしてしまうのだ。未熟なヴィクトリアは未だ行き先を指定出来ないが、既に味を知っている相手の所にしか行かない為、突然見知らぬ相手と、という事にはならないのが唯一の救いかもしれない。
ヴィクトリアは空腹になってしまっているお腹をさすりつつ、キョロキョロと周囲を見渡した。
『……ここは誰の夢世界かしら?』
足元には一面雪のような真っ白な雲が敷き詰められており、見上げると無数の星が瞬く夜空が広がっている。
歩く度に、雪のような真っ白な雲がポヨンと揺れた。
『トランポリンみたい……』
ジャンプしたらビヨ~ンと高く跳ねるだろうか?
そんな事を考えていると、少し先にホカホカと湯気の立つ場所を見つけた。雲の上に温泉があるようだ。夢世界とは何度足を踏み入れても不思議なところである。
そうして、その広々とした温泉に浸かっていたのは、アベルだった。
アベルは既にヴィクトリアの存在に気付いていたようで、にこにこと人懐っこい笑みを浮かべて此方を見ていた。
『嬉しいな。リアがまた俺の夢の中に出てきてくれた』
『……アベル先輩……』
『ベッドってふかふかで暖かくて気持ちいいから、お風呂に似てるな~、なんて思ってさ。そのせいか、温泉の夢になっちゃったみたい』
『アベル先輩は温泉に入った事があるのですか?』
アベルの浸かっている温泉は、立派な岩風呂だった。
『うん。以前、親父に無理矢理ついて行って騎士団の遠征に参加した事があるんだ。場所は北部だったのだけど、周りは雪でいっぱいなのに、温かい温泉が湧き出てる所があって。不思議な所だったよ』
アベルの話を聞いて、ヴィクトリアは成程と納得した。足元の真っ白な雲は、アベルの記憶が元になっているのだろう。
『夜に星を眺めながら入ったのですか?』
『まさか。夜に野外で装備を外すなんて自殺行為だよ。温泉は山の奥にあったからね。だから、見つけた温泉はこんなに綺麗じゃなかった。昼間に交代でササッと入っただけだったよ。だけど、その僅かな時間でもやたら気持ち良く感じてさ。それに、夜に星でも眺めながら入れたら最高だろうなって思っていたから、夢の中であってもこうして堪能出来て嬉しいよ』
アベルの、本当に嬉しそうな笑顔を見て、ヴィクトリアもついつい顔を綻ばせてしまう。
『ふふ。それは良かったですね』
『うん。だから、早くリアも一緒に浸かろ?』
『……っ』
ヴィクトリアの肩が僅かに揺れる。
『君と一緒に入れたらいいなって思ってたんだ。だから、一緒に入ろ?いいよね?』
そう言いながら、ザバッとアベルが立ち上がって温泉から出てきた。鍛錬で鍛えられた見事な身体は、まるで芸術品のように美しい。厚い胸板、割れた腹筋。肩や腕の筋肉も靭やかで、それでいてマッチョ過ぎないのが非常に良い。
アベルはやや後退り気味のヴィクトリアを見て苦笑しつつ、『怖がらないで』と告げた。
『ネグリジェを脱がしてあげる。下着も、全部。……いつもみたいに、気持ち良くなろう?俺が君を気持ち良くしてあげる』
アベルは、ヴィクトリアがサキュバスになってしまった事を知らない。
だから、自身の夢の中に出てくるヴィクトリアが、まさかヴィクトリア本人だとは露ほども思っていないのだ。
騎士団や魔物研究会にて、サキュバスの能力は既に知っている筈なのに。
『脱がすよ、リア。……俺のお姫様』
耳元で甘く低く囁かれて、ヴィクトリアは顔を真っ赤にしてしまう。
現実世界では、アベルと初めて会った時以来、こういった事を全くしていない為、戸惑ってしまうのだ。普段のアベルはきちんと自分と距離を取っているし、魔物研究会でも、ルカが一緒だからか、必要以上の接触は無い。とても紳士的なのだ。
なのに。
アベルの夢世界へ夢渡りしてしまった事は何度かあるが、未だ慣れる事はなく緊張してしまう。
シュルリとリボンを解いて、ゆっくりネグリジェを脱がしていくアベルの瞳は、ギラギラとした熱が籠もっている。
パサリと足元にネグリジェが落ちると、アベルの熱い吐息が耳元にかかって、ヴィクトリアはビクリと身体を震わせつつ顔を逸らしてしまった。
『……いつ見ても綺麗な身体だね』
今のアベルは、まるで獰猛な肉食獣のようだ。
少しずつ少しずつ、獲物を追い詰め、全てを喰らい尽くす獣。
柔らかな双丘を支えながら隠していた下着を外した後、その身を屈めてヴィクトリアの秘処を隠すショーツを、ゆっくりゆっくり下ろしていく。
そうして次の瞬間、生温かいヌメリを帯びたものが、ヴィクトリアの秘処に触れた。
ぺろっ♡
『ひあっ♡』
ショーツをゆっくり下ろしながら、アベルが露になった秘処をペロペロと舐めていく。まるで動物のように。犬が愛情表現の為に飼い主を舐めるが如く、太腿の付け根やお臍の舌、割れ目の上部。つまりは花芽のあたりを、熱い吐息を吐きながら、ペロペロヌルヌルと舌を這わせて舐め上げていく。
『やっ……あっ、あっ……♡♡』
『可愛い声。もっともっと聞かせて?』
『あ、アベル、せんぱい……温泉、は?』
『勿論、入るよ。だから、ほら。下着を脱がせてるでしょ?』
『じゃ、じゃあ、どうして……あんっ♡♡』
『どうしてって……美味しそうだから、かな?そうだ。温泉に浸かる時、俺の上に座るといいよ。リアの中を俺でいっぱいにしながら温泉に浸かれば、最高だと思うんだ』
『やっ……やぁあああん♡♡』
立っていられずに、ヴィクトリアがその場に崩れてぺたりと雲にお尻をつけて座り込んでしまうと、アベルは両足の間に自身の身体を割り込ませ、逃さないようにヴィクトリアの腰を掴んで固定した。
『いっぱい濡らしておかないと、女の人は痛いんだよね?例え夢の中でも、リアに痛い思いはさせたくないんだ。だから、いっぱい舐めてあげる。ただ、俺って鈍いからさ。気持ち良い時は気持ち良いって言ってくれないと分かんないから。……言うまで、続けるからね?』
『待っ……アベルせんぱ……っ?!……ひゃああああん♡♡』
じゅるるるるっ♡♡
アベルの舐め方はいつも激しい。
激しいのに、決して痛くはならない。
まるで食べられてしまうかのように、かぷっと大きく開いた口で秘処に吸い付き、あちこち舌で舐め回して、ぢゅうっと吸われていく。
『あっ♡あっ♡ああっ♡♡』
やがて舌先で蜜口をくちくちと刺激され、堪らずにヴィクトリアが身体をくねらせる。
迫り上がってくる快感にゾクゾクしながら、逃げられないヴィクトリアは、秘処をアベルの舌で蹂躪されていく。
『ん……?リアの可愛い豆が大きくなってきたね』
『ひっ?!違っ……大きくなってなんか……』
『いつもみたいに、いっぱいコリコリしてあげるよ』
『駄目っ……コリコリするの、は……ああああああっ♡♡』
絶妙な力加減で、花芽に歯を立てられる。皮を剥かれ、剥き出しの肥大した花芽を甘く甘く噛まれ、コリコリコリコリされると、あまりの刺激の強さにヴィクトリアの身体がビクンと仰け反り、爪先が、ピンと伸びてしまう。
『……気持ち良い?リア』
『止めっ……歯、立てちゃ……♡♡』
『デリケートな部分だから傷つきそうで怖い?』
本当は気持ち良すぎるからだが、ヴィクトリアはコクコクと必死に頷いた。
痛い事や怖い事はしないと、分かっているからだ。
『そっか。ごめん、リア。リアの表情を見る限り、気持ち良さそうだなって思ったんだけど、俺ってやっぱり鈍いみたいだ。次は舌でするから、安心して?』
『やっ♡やっ、あっ♡♡ひぃん♡♡』
今度はヌルヌルと舌で散々嬲られて、いつの間にかヴィクトリアの秘処は、ヴィクトリアから溢れた蜜とアベルの涎でぐしょぐしょになってしまっていた。
(だ、め……♡イク……っ……イッちゃう♡♡)
気持ち良すぎて、そろそろヴィクトリアが限界へと追い詰められてきた頃、寸前のところでアベルが舐めるのを止めてしまった。
『……な、んで……?』
『うーん。おかしいなぁ。リアがまだ気持ち良いって言ってくれない。だけど……』
ズチュ♡♡
『やぁんっ♡♡』
『ここはこんなに濡れてるのに。……濡れてるって事は、感じている筈だよね?ねぇ、リア?』
ぐちゅ♡♡ズチュ♡♡ぐぽっ♡♡
『あっあっ♡♡あはぁぁああっ♡♡』
アベルの男らしい太く長い中指が、淫靡な音を立てながら、ヴィクトリアの蜜壺の中へ少し乱暴に出し入れされる。
奥まで突き入れられて、ヴィクトリアがアベルの指をキュウキュウ締め付けると、アベルは困ったように片眉を上げて、口端を上げた。
『おかしいな。……気持ち良い時は、そう言ってって言ったのに。どうして言ってくれないのかな?』
『あんっ♡♡あっあべる……っ♡♡指、やぁっ♡♡』
『素直になってよ、リア。恥ずかしいくらい、こんなに締め付けて。……気持ち良いんだよね?』
ぐぽっ♡♡ぐぽっ♡♡ぐちゅっ♡♡
ズプッ♡♡ぐぷっ♡♡ズチュッ♡♡
『あっああああんっ♡♡気持ちいっ……気持ちいい、からぁ♡♡あんっ♡♡もう、イッちゃうぅ♡♡』
『あはっ』
逃げないように腰を抱かれたまま、アベルに蜜壺の中を指で激しくぐぽぐぽされ、花芽を軽く甘噛みされながらヴィクトリアは絶頂してしまった。
『やぁあああんっ♡♡♡』
ビクビクと身体を震わせて、快楽の絶頂に打ち震えていると、アベルがにこりと人懐っこい笑みを浮かべる。
『良かった。それじゃあ……
――――そろそろ、一緒に温泉に入ろうか♪』
* * *
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