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旧ver(※書籍化本編の続きではありません)

僕で頭の中をいっぱいにして③★

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「ああっ♡♡まっ、待って……声、我慢出来な……っ♡♡」

エリックに逃げられないよう腰を掴まれ、濡れた蜜口に熱い肉棒の先っちょを何度も何度も挿入されて、ヴィクトリアは甘い快楽に蕩けていた。
けれど、まだまだ足りない。
もっと深く、もっと一番深い最奥まで、その太くて硬い熱杭を穿って欲しい。

「……ふ、……凄く熱いね。トロトロで、もっと欲しいって僕の肉棒に吸い付いてくる。上を向いて、リア。よく鳴くその唇を、僕が塞いであげるから」
「はっ……は、あ♡えりっく……っ、んん♡♡」

エリックに唇を塞がれ、抑えきれなかった鳴き声が止んだ。
ヴィクトリアはエリックからの甘く濃厚な口付けにうっとりと酔いしれる。

(キス、気持ちい♡ふわふわ、する……♡)


……トロンとした瞳のヴィクトリアを見て、エリックの胸の内が満たされていく。
今この瞬間、ヴィクトリアはエリックのことしか見えていない。エリックの事しか感じていない。
その事実があまりに嬉しく、幸福で。

(……遠い国には、一妻多夫制のところもあると聞くし)

普段の時間も大切だけれど、二人だけの時間をより一層特別に、大事にすればいい。

ヴィクトリアが自分だけを見つめてくれなくても。

(僕の想いは変わらない。だから………っ?)

不意に感じる違和感。
身体が、何故だかどんどん熱くなってくる。

ヴィクトリアの蜜口辺りを浅く出し入れしていた肉棒が、張り裂けそうな程に質量と硬さを増していく。働いていた理性が今にも崩れていきそうなくらいに、ヴィクトリアが欲しくて堪らなくなる。

(これは…………)

エリックが動きを止めた。
ヴィクトリアはトロンとした瞳のまま、エリックをじっと見つめる。

前々から少しずつ効果は出ていたのかもしれない。
けれど、ここまでハッキリと身体に影響が出たのは、エリックには今日が初めてのことだった。

(……フィルやナハトと同じ、催淫効果か)

淫魔の唾液には媚薬のような催淫効果がある。個体によって多少効き目の強さに差があるけれど、自分にその効果をもたらした相手が、他でもないヴィクトリアであれば、それだけで効果は抜群だった。

「えりっくさま……?」
「……っ……リア……」

エリックの額から珠のような汗が滲み、漂う色香はあまりに濃く、狂いそうな程。

「ひあっ?」

片脚をグイッと引かれて肩に掛けられ、ヴィクトリアが驚いた声を上げると、エリックが掠れるような声音でこう告げた。

――――“予定変更だよ”、と。


「アアアアアーーーーーーーーーーーーッ♡♡♡」


ズンッ!!!

勢い良く、深い深い最奥まで一気に熱杭を穿たれて、ヴィクトリアは全身をビクビク震わせながら大きく仰け反って悲鳴を上げた。

こんな悲鳴を上げたら、誰かに気付かれてしまうのは時間の問題だ。
だが、欲しかった最奥への刺激があまりに気持ち良すぎて、強過ぎる強烈な快感に抗えない。

「きょ、今日は、先っちょだけって………アアアッ♡♡♡」
「……くっ!……リアが、いけないんだよ?」

ズンッ!!!

「ひゃうぅぅっ♡♡♡」
「少しずつ形を覚えてもらおうと……思ったのに……っ」

形を覚えて貰いたくても、ヴィクトリアの相手はエリックだけではない。だから、いつも奥深くまで深く長く、激しく刻んでも、すぐに分からなくなってしまっている気がして。
だから、今回は少しずつ形を覚えていってもらおうと趣向を変える事にした。たっぷり焦らしてからの方が、ヴィクトリアの身体も一層悦ぶ。
それに、焦らしている間はずっと自分だけを見ていてくれる。だからこそ、と思って実行したのだが。

「あんっ♡♡ひあっ、あっ、やぁあああんっ♡♡♡」
「……もっとキスしよう、リア。キス、しながら……」

エリックの腰の動きが激しさを増し、止まらない――――。





「キスしながら、イッてイッて、イキまくって。」

「んぅっ?!……ん、ふっ♡♡~~~~っっ♡♡♡」





何度も何度も角度を変え、深く激しく口付けを繰り返しながら、バチュン!バチュン!と激しく腰を打ち付ける。
最奥を熱杭で穿たれる度に、絶頂が止まらない。一番イイところが甘く甘く擦れて、気持ち良すぎて、身体中が痙攣してしまう。
プシャアアアッと潮を吹いても、イヤイヤと必死に頭を振っても、逃げられない。逃してくれない。

正しく、今のエリックは獰猛な獣そのものだった。



暫くして、保健室には妙な悲鳴を聞いたとの知らせを受け、留守にしていた保健医が戻ってきた。

しかし、エリックは保健医が戻ってきた事を知ってもヴィクトリアとの行為を止めなかった。
カーテンは引かれていたが、ギシギシとベッドが軋む音と、バチュンバチュンという肉と粘着質な蜜のぶつかり合う淫靡な音は隠せない。

驚き、蒼白になる保健医の背後から、柔らかな薄茶色の髪にオレンジ色の瞳をした、背の高い白衣を着た男が音も無く歩み寄って来る。

そして、その保健医の頭に軽く触れると、保健医の瞳はみるみる虚ろとなり、無表情になってしまう。

幻惑の魔法だ。



「……全く、無茶しますね」



白衣の男――――ルカ・ロマーニがそう静かに、しかし地を這うような低い声音で呟いた。


* * *
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