今度は後悔させません

出会い

1. 煌々とした光を求めて

　社会人になって5年目。とうとう後輩が発掘したアイドルグループがチャート1位を取るまでに成長した。

　で、私、東屋橙子あずまやとうこはというと、男性アイドルグループの発掘を仕事にしているのだが、スカウトに勤しむものの誰一人軌道に乗せてやる事も出来ず、社内では男性アイドル殺しのプロとまで呼ばれ始めている。

　このままでは、また一人二人後輩に抜かれて肩身の狭い思いをする事になる。結婚する予定どころか、彼氏すらいない私に取って仕事を奪われる事は闇に葬られるのと同じくらいの事だ。

　こうしてはいられない、絶対に一発逆転して敏腕マネージャーとして名を売ってやるんだから。

　私はデスクを離れると、早速、名刺を片手に繁華街へと駆け出して行った。