顔隠したい系糸使いのVRMMORPG

我利怨

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第2章 恐怖の始まり

7話 ふっふーんボスッボスー

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「いえ、さっき余分にもらったので情報料はいりませんよ。原初の草むらでは北にある門から出てそのまま2キロほど北に行ったところにあります。原初の湿原では西にある門から出てそのまま西北西に2.5キロほど進んだところにあります。原初の森では南にある門から出て南に1キロ進んで、そっから南東に1キロ進んだところにあります。原初の鉱山では東にある門から出てそのまま2キロほど東に行ったところにありますよ。もしボスを倒したら僕に全部売っていただけるといいですね!あっこれを情報の対価にしますね。教えたので売ってくださいね?」
情報話終わった後に対価いうとか・・・まあもともと売る気だったのでいいですけど。
『教えてくれてありがとう。ちゃんと売るので心配しないでください』
「そうですか。ならよかったです。ボス討伐頑張ってくださいね」
その言葉を背にクマスチャンのお店ーーもといベアーショップを出ます。
ボス戦に向けてポーションなどの準備をーーってPKした時に落ちたので余るほどありましたね。そのまま原初の草むらのボスから倒していきましょうか。



ということで北門まで歩いてきましたが、確か出てそのまま2キロ北に進めばいいですよね?
途中、人の目があるところまでは普通に歩いていき人の目がないような奥の方に来たらステータスに任せて、爆走しました。
かかった時間は10分もないですね。歩いてる時はモンスターと戦いましたが、走ったらいちいち戦わなくて済むんですよね~。

さてそうこうしているうちに、クマスチャンが言っていたところにらへんに来たのですが・・・お!この紫色の結界みたいなのがボスエリアですかね?まあ、そうでないと私が困るんですけど。

ここで、私が独自入手したボスの情報について話しましょうか。ボスの名前は【トゥルクウルフ】です。トゥルクとはフィンランドにて22人の子供を殺した二、三匹の狼の呼び名です。二、三匹とあるようにボスは3匹のウルフです。外見は所々黒、白、茶色の毛が生えており、生半可な攻撃は防ぎます。全長2メートルから3メートルぐらいです。風魔法を三匹全員が使い、威力は15レベルの知力極振り魔法使いの二倍です。また、HPの2割を必ず減らす特殊攻撃があるみたいです。また、火属性の攻撃が弱点らしいですよ。なので、今回はピンチにならなければ魔法オンリーで行こうと思います。外道魔法になった闇魔法以外ろくに育ててませんからね。弱点の火魔法と他の魔法をバランスよく使っていきたいですね。


さて、そうと決まれば早速ボス戦に突入です!
あっ!こんな時くらい他の人なんていませんし、仮面は外して戦ってみますか!
なんとなく、これまで以上に風や周りの空気を感じれてる気がします。
思わず「ふっふーん」と鼻歌が出てしまうくらい、かつてないほど興奮してます!
そのままのノリでスキップしながら紫色の結界の中にーーレッツゴー!

ふわっ
ん?なんか特に周りの景色は変わっていないのにどこかに飛ぶ時に転移するときみたいな感覚がしますね?
おや?私の目の先にいる3匹の狼がボスですかね?
「「「グォォォオオオオオッ!!!」」」
そう思い狼に目を向けた瞬間狼と目が合いーー思いっきり吠えられました。
いえ、これは雄叫びですかね?
まあ、どうでもいいです。
私がやることは今、こちらに向かって三匹一緒に走ってきて油断のない瞳でこちらを警戒しているボスの相手をすることだけですっ!
さあ、かかってきなさい!

50メートル離れてどちらも動かずに、膠着状態こうちゃくじょうたいになりただ吹きつける風の音しかしなくなり、いっそう強い風が吹いたその時、カナリが動きました。

まずは小手調べにーー【ファイヤーボール】!
小手調べなのに火属性の攻撃かよっ!という感想は受け付けておりませんのでご了承ください。許して。てへっ

カナリの目の前にいきなり現れたボールの形をした炎はそのまま真っ直ぐに三匹の狼の真ん中の狼めがけて飛んで行きましたがーー軽々とジャンプをしてかわされます。
そして今度はこちらの番だとばかりに狼たちが動き始めました。

50メートルもあった距離をわずか4歩で走り抜け、一匹目がカナリの首めがけて飛んでいきました。
しかしカナリが横に3歩ずれ、かわされます。

あれ?結構狼って弱い?いやいやそんなはずはッ・・・と連携してきましたね。どう魔法で攻略していきますか・・・。

狼側はそれに驚くこともなく、既に横にずれたカナリに向けて一匹は左右にフェイントを入れながら前足の鋭い爪で攻撃、もう一匹は後ろで風魔法【エアカッター】を放ちました。
しかし、それすらもカナリは余裕の表情でかわしきり、お返しとばかりに土魔法の【ストーンブレッド】を二発同時にーー狼一匹に一発づつーー放ちます。

かなりの速さで打ちましたがそれすらも狼たちは鼻で笑い(そんな気がした)やすやすとかわしてきましたね。ですが、この私ーーカナリが二度もやすやすとかわされると思いにならないでいただきたいですね。ニヤリ ホーミング、ってね。

カナリが不敵な笑みを浮かべた時、すでに狼たちにかわされて地面に当たったはずの【ストーンブレット】が狼の後ろから狼たちに迫ってきていたのです。
狼たちはカナリが不利なはずなのに笑みを浮かべたことに疑問が浮かびますが、気のせいだと思っていた二匹に攻撃が当たりました。

よし!ざまあみろ!なめてかかるからそうなるんだ!私は強いんだッーーくそっ、もう一匹いたのを忘れてた、これはボス戦なんだなめてるのは私じゃないかッ。まさか肩を食いちぎるように食らうなんて。この防具とレベルがなかったら左肩から下とおさらばになってましたね。


狼二匹はHPが8%ほど削れ、カナリは特殊攻撃を食らったことで20%削られていました。
カナリに特殊攻撃を当てた狼はそれにおごることもなく、油断なくカナリを警戒しています。


あーあ。これ以上は遊んでられないな。もう本気で、いくよ?


その時、カナリの纏っていた雰囲気が鋭く冷たい殺気のようなものに変わりました。
狼たちの尻尾は後ろ足の間に挟まれプルプルと小刻みに震えています。よほど怖かったのですね。
特に真正面で受けてしまったーーカナリに特殊攻撃を当てたーー狼はカナリがその雰囲気に変わって5秒も経たないうちにこてんとお腹を上に向けて仰向けあおむけになり涙目のまま『クゥン』と泣いています。
それを見て耐えきれなくなったのか、残った二匹も素早く降参の姿勢とり同じように泣いています。
それを見たカナリは気勢をそがれたようで顔がポカンといった表現が似合うようなーー目を見開き、口を半空けにしているーー顔で「え?」といます。

お前ら、徹底的に叩き潰してやろう!・・・「え?」
え?なにコレ?これって犬の降参の姿勢だよね?まいりましたとかそういう。
〔個体名:トゥルクウルフをテイムしますか? yes/no〕
「んあっ?」驚いて変な声だしちゃったじゃないですか!いきなり脳に響いてこないで!
え?声を出した?出せた?
・・・あれ?でも今は出せなくなってる。驚いた時とか意識しないときにしか出ないのかな?
でも、でもでも、ようやく!よ、う、や、く!声がこの世界でも少し出せれるようになったんですね?!
お兄ちゃん、ありがとう。今まで生きてたときのトップ3に入るくらい感謝してます。
とりあえずテイムは願っても無いことですのでもちろんyesですね。
〔個体名:トゥルクウルフのテイムに成功しました〕
ピロリン
おお!職業もスキルもようやくレベルが上がりました。
でも・・・初めてのテイムモンスターがボスキャラですか・・・目立ちたくないですし、これ倒してないのでまだ街にはいけないですかね?
〔例外その3としてプレイヤーネームカナリのセカンの街への通行を許可されました〕
あれ?倒してないけど、いいの?


すません、遅くなりました。
テストは今日終わったのにもう一つのテストが2週間後に迫ってきました!ピンチ!
毎日数百文字ぐらいしか書けないので遅くなります。(場合によってはもっとできないかも)
今回遅れたのは全てボス戦のこの表現に手こずったせいですが。
初めてこんな表現の仕方しましたがどうでしょうか?
誤字脱字、あれなんかおかしくね?と思った方は早めの報告お願いします。
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