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らんらんな気分で帰宅した私は、すぐに自分の部屋に入ってギターを弾き始めた。
お店の人が合わせてくれてると思うけど、チューニングして音を確認する。六弦五弦四弦……一通り合わせたら何もコードを押さえずにストロークする。
ジャーン……
あぐらをかいた膝の上に乗っている、ギターのボディの振動が心地いい。
「……いい音」
そのまま自分が覚えてる曲を弾いてみる。
まずはバラードから。
モノクロの世界で一人の私
鮮やかな風景に憧れているの
あなたのことが
思い出せないの
狂ったように叫んでは
感傷に浸ってるの
ねえ、もう一度手を
繋ごう
忘れないように
この手から溢れないように
「ふぅ……手は問題なく動くな」
パチパチパチパチ
「へっ?」
聞こえた拍手に驚き振り向くと……
「春、ギター上手いわね!歌も良かったわよ!」
「春は天才だな。お父さん嬉しいよ」
うちの美人夫婦がいた。
**********
「しかし春、何処でそんな技術を身につけたんだ?」
「え、えぇと……」
うーん、いっちゃっていいのかな。
正直、バラした方が動きやすくなるけど……。
お父さんとお母さんの顔を見つめる。
どうした(の)春?
うん、こんな俺にはもったいないくらいいい人達だ。
なら喋るのが礼儀だろう。
「二人とも聞いてくれますか。実は……」
もし、俺が拒絶されても俺は二人を憎んではいけない。
もし、二人が受け入れてくれたら……精一杯生きていこう。
お店の人が合わせてくれてると思うけど、チューニングして音を確認する。六弦五弦四弦……一通り合わせたら何もコードを押さえずにストロークする。
ジャーン……
あぐらをかいた膝の上に乗っている、ギターのボディの振動が心地いい。
「……いい音」
そのまま自分が覚えてる曲を弾いてみる。
まずはバラードから。
モノクロの世界で一人の私
鮮やかな風景に憧れているの
あなたのことが
思い出せないの
狂ったように叫んでは
感傷に浸ってるの
ねえ、もう一度手を
繋ごう
忘れないように
この手から溢れないように
「ふぅ……手は問題なく動くな」
パチパチパチパチ
「へっ?」
聞こえた拍手に驚き振り向くと……
「春、ギター上手いわね!歌も良かったわよ!」
「春は天才だな。お父さん嬉しいよ」
うちの美人夫婦がいた。
**********
「しかし春、何処でそんな技術を身につけたんだ?」
「え、えぇと……」
うーん、いっちゃっていいのかな。
正直、バラした方が動きやすくなるけど……。
お父さんとお母さんの顔を見つめる。
どうした(の)春?
うん、こんな俺にはもったいないくらいいい人達だ。
なら喋るのが礼儀だろう。
「二人とも聞いてくれますか。実は……」
もし、俺が拒絶されても俺は二人を憎んではいけない。
もし、二人が受け入れてくれたら……精一杯生きていこう。
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