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聖域の日常(おまけのお話)
第6話 今回のパーティーは少数精鋭です
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「ただいま。あのさ、明日の予定なんだけど」
家に帰ってすぐにミノルとリーファン、エリカの三人に旅に出ることになったとあっさり伝えた。
「えええっ、明日? そりゃまた急だねえ」
「俺は今度は一緒についていけないぞ。今はミミが大変な時だから」
「ミミさんか。もうすぐ赤ちゃんが生まれるんだよね。それまでには戻ってこなくっちゃ」
ミミは薬師で、ミノルの奥さんだ。今は妊娠中で大事な時なので、もちろんミノルについて来てもらうわけにはいかない。リーファンだってミズキが生まれたばかりだから、それもあって今回は一人旅のつもりだったんだよ。
「いや、俺はついていくよー」
「え、でもエリカが大変じゃない?」
「んー、何となく一緒に行ったほうがいい気もするし。それにどうせエリカとサツキとミズキは、しばらくの間ミノルの家に居候させてもらうつもりだったんだよ。そうすりゃミミの相談にも乗ってあげられるじゃん」
ミノルの家とは隣同士だし、どうせ毎日のように会ってご飯食べたりしてる。デルフの木のツリーハウスは大きくて客間は十分にあるから、いつの間にかそういう約束になっていたらしい。
リーファンはA級の冒険者で、一緒に行ってくれるなら心強い。ちょっと軽くてお気楽な性格だけど、だからこそコイルとは気が合った。
話がまとまったところで、コイルの後ろに立っていたマイとカガリビが頭を下げた。
「今回はわらわたちも一緒に旅に同行するつもりじゃ。よしなにな」
「よろしく頼むぜ、リーファン」
「マイはともかく、カガリビさんが一緒とは珍しいねえ。こりゃあ安全な旅になりそうだし、俺は気楽でいいな。あはは」
そう言って気楽に笑うリーファンを、エリカが部屋に引っ張って行った。荷造りをしながら、いろいろと言い聞かせられるんだと思う。どう見てもリーファンは尻に敷かれてるから……。
それはさておき、僕も荷物を準備した。こう見えても旅には慣れてるんだ。着替えはそんなにたくさんはいらない。荷物の半分はポックルの背に載せられるので、マイやカガリビの分も考えて、食料を多めに持って行くことにした。
「あ、着火チャンの魔石が切れてる」
「それは何じゃ?」
物珍しそうにカガリビが僕の荷物を覗き込む。
「火をつけられる魔道具だよ」
「ふむ。火ならわらわもマイもつけられるゆえ、持って行かずとも問題あるまい」
「いや、僕だって少しくらいは魔法使えるんだよ。ダンジョンマスターになった時に練習したし! でも旅に出るときはこれ持って行くのがお約束だったからなあ。冒険者になった時に初めて自分で買った魔道具なんだ」
「うむ。ならばその魔石をわらわに貸すがよい」
色が薄くなってしまった魔石をカガリビに手渡すと、白く美しい手がその石を握りしめ、次にそっと手を開いたときには綺麗な深紅の石になっていた。
「これくらいの魔石ならばこの聖域内であれば簡単に魔素を貯められよう。マスターもできるはずじゃ。近いうちに覚えたほうがよかろうな」
「すごいね!! こんなことができるんだ? ありがとう。僕も帰ってから練習してみるよ」
きっともう持って行かなくても大丈夫だけど、せっかくカガリビが魔石を充填してくれたし。それに荷物は半分ポックルが持ってくれるんだから。
そう言いながら、コイルは嬉しそうに荷物の中に使い慣れた着火チャンとウォーターボトルを詰めた。
家に帰ってすぐにミノルとリーファン、エリカの三人に旅に出ることになったとあっさり伝えた。
「えええっ、明日? そりゃまた急だねえ」
「俺は今度は一緒についていけないぞ。今はミミが大変な時だから」
「ミミさんか。もうすぐ赤ちゃんが生まれるんだよね。それまでには戻ってこなくっちゃ」
ミミは薬師で、ミノルの奥さんだ。今は妊娠中で大事な時なので、もちろんミノルについて来てもらうわけにはいかない。リーファンだってミズキが生まれたばかりだから、それもあって今回は一人旅のつもりだったんだよ。
「いや、俺はついていくよー」
「え、でもエリカが大変じゃない?」
「んー、何となく一緒に行ったほうがいい気もするし。それにどうせエリカとサツキとミズキは、しばらくの間ミノルの家に居候させてもらうつもりだったんだよ。そうすりゃミミの相談にも乗ってあげられるじゃん」
ミノルの家とは隣同士だし、どうせ毎日のように会ってご飯食べたりしてる。デルフの木のツリーハウスは大きくて客間は十分にあるから、いつの間にかそういう約束になっていたらしい。
リーファンはA級の冒険者で、一緒に行ってくれるなら心強い。ちょっと軽くてお気楽な性格だけど、だからこそコイルとは気が合った。
話がまとまったところで、コイルの後ろに立っていたマイとカガリビが頭を下げた。
「今回はわらわたちも一緒に旅に同行するつもりじゃ。よしなにな」
「よろしく頼むぜ、リーファン」
「マイはともかく、カガリビさんが一緒とは珍しいねえ。こりゃあ安全な旅になりそうだし、俺は気楽でいいな。あはは」
そう言って気楽に笑うリーファンを、エリカが部屋に引っ張って行った。荷造りをしながら、いろいろと言い聞かせられるんだと思う。どう見てもリーファンは尻に敷かれてるから……。
それはさておき、僕も荷物を準備した。こう見えても旅には慣れてるんだ。着替えはそんなにたくさんはいらない。荷物の半分はポックルの背に載せられるので、マイやカガリビの分も考えて、食料を多めに持って行くことにした。
「あ、着火チャンの魔石が切れてる」
「それは何じゃ?」
物珍しそうにカガリビが僕の荷物を覗き込む。
「火をつけられる魔道具だよ」
「ふむ。火ならわらわもマイもつけられるゆえ、持って行かずとも問題あるまい」
「いや、僕だって少しくらいは魔法使えるんだよ。ダンジョンマスターになった時に練習したし! でも旅に出るときはこれ持って行くのがお約束だったからなあ。冒険者になった時に初めて自分で買った魔道具なんだ」
「うむ。ならばその魔石をわらわに貸すがよい」
色が薄くなってしまった魔石をカガリビに手渡すと、白く美しい手がその石を握りしめ、次にそっと手を開いたときには綺麗な深紅の石になっていた。
「これくらいの魔石ならばこの聖域内であれば簡単に魔素を貯められよう。マスターもできるはずじゃ。近いうちに覚えたほうがよかろうな」
「すごいね!! こんなことができるんだ? ありがとう。僕も帰ってから練習してみるよ」
きっともう持って行かなくても大丈夫だけど、せっかくカガリビが魔石を充填してくれたし。それに荷物は半分ポックルが持ってくれるんだから。
そう言いながら、コイルは嬉しそうに荷物の中に使い慣れた着火チャンとウォーターボトルを詰めた。
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