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第六章 過去に触れる
第95話 魔法剣とリリアナの魔法
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「もしかしてこれ、チャンスじゃねえの?」
「危険だ、アル! 逃げろ!」
ヒューの作る足場は、立ち止まることができない。アルを落とさないために、下から様子を見ながら次々に氷の板を生み出していた。かなりの魔力を使っているはずだが、リリアナの魔石のブレスレットがそれを補っている。
アルは動きをとめたドラゴンにここぞとばかりに近寄って、次々と楔《くさび》を打ち込んでいる。ドラゴンの炎が来たらどうする気だ。
仕方がない。
「ヒュー、奴の頭に向かって道を作れ!」
「若造め、人使い荒れぇんだよ。まったく。グラセバーセ、グラセバーセ……」
ぶつぶつ言いながらも、ヒューは足場を俺の前に増産してくれる。
足に魔力を集中して、俺も空へと跳んだ。
アルは胴体と羽に次々と楔を打ち込んでいってる。石のドラゴン戦でも使った、魔石付きの楔だ。発動させるには魔法使いたちの力が必要になるので、今は当たっていても大したダメージは与えられない。俺がどうにかして、口から吐かれる炎をとめなくては。
空に向かって駆け上がりながら、手に持った大剣を一瞥する。
耐えてくれよ。
俺たち森の民は、体内に持っている大量の魔力を外に出すのが苦手だ。他の種族たちが楽々使う生活魔法ですら難しく、かなりの集中力を使ってようやく種火程度の火を熾《おこ》せる程度。
それを補ってくれるのが、遺跡で手に入れたアイテムだ。クリスタは魔力を放出して通信に使う。アルは放出をあきらめて逆に身体能力を超強化することを選んだ。
そして俺が手に入れた指輪は、それが接する武器へと魔力を流し込む効果がある。
剣を握る手に、力を入れた。
「万象よ凍れ! グエロウェントゥスっ」
キーン。
空気を震わせて剣が鳴く。
鋭く高い音で。
剣の周りに渦巻く魔力が、大気を凍らせる。白い軌跡を描きながら駆け上がった先にあるのは、大きく開いたドラゴンの下顎だった。
口の中に溜まっているのはまだ魔力のままで、炎にはなっていない。魔法が発動する前ならば、止められるはず。
一時たりとも立ち止まることのできない不安定な足場を次々に踏み割りながら、剣を振りかぶって力任せに切りつける。ドラゴンの下顎の皮膚は黒くて細かい鱗に覆われているが、剣は易々とそれを切り裂く。その切り口を剣に纏った魔力が瞬時に凍らせた。
二太刀めを浴びせようと、足場を飛び移りながらもう一度体勢を整えようとしたが、その前にドラゴンは口を閉じた。
「リク、アル! やべえ、いったん下がれ」
下からヒューの声が飛んでくる。
炎を諦めたドラゴンが、憎々しげにこちらを睨み、今まさに爪をかけようと大きく羽ばたいた。
◆◆◆
ドラゴンの標的は、闘技場の中にいる魔獣や街の人々から、完全に俺たちに移った。下あごの痛みからか、憎しみのこもった目が俺たちの姿を追う。
空中で振るわれた爪はかろうじて避けて、俺もアルもそのまま落ちるように闘技場の庇《ひさし》の上に降りた。
そこからは追いかけっこの始まりだ。奴の下顎に浴びせた一撃は切り口から周囲を凍らせて、首の周辺まで色が変わっている。口を開く様子がないので、少なくともしばらくの間、炎は封じたと思ってもいいだろう。
遠距離攻撃の手段を失った奴は、上空から舞い降りては足の爪で俺たちを狙う。ドラゴンの視線から逃れるように柱や壁の影に隠れながら、機を見て楔や矢を打ち込んでいった。
ドラゴンの飛ぶ速度自体はそんなに早くはないが、奴は上空から落下するように襲い掛かってくる。その速度は結構なものだ。レンカとヒューは俺やアルほど足が速くはないので、直に狙われると危険が大きい。だから俺とアルのどちらかが常に見えるところにいて、おとりになるのがいい。
とにかく速さだけに魔力を回し、攻撃を当てるよりも逃げることに集中した。
俺たちを捕まえられないドラゴンはそのうち、腹立ちまぎれに尾を壁に叩きつけて闘技場を壊そうとしてきた。その攻撃に巻き込まれて、逃げ遅れた魔獣が吹き飛ばされ、あるいは壁と尾に挟まれて押し潰される。
数度の攻撃で闘技場の中で動くのは俺たちの他にもう数頭の魔物しかいなくなった。
動くものの数が減れば、当然残っているものが目立つのは仕方がない。ドラゴンは矢や楔の攻撃を避けるため上空高くに舞い上がり、そこから一気に急降下して動くものを狙う。そんな動きを繰り返した。ただただ逃げるだけの俺たちは、足元をあちこち破壊されて、ますます動くことが困難になる。
そしてついに、物陰から矢を射ていたレンカが狙われた。
「きゃああああ」
「レンカ!」
勢いよく振られた尾が、レンカの隠れていた柱を破壊した。とっさにしゃがんで避けたが、柱が壊れた衝撃でそのまま足元の床が崩れ落ちる。バランスを崩したレンカがそのまま壊れた床と一緒に落ちかけて、必死に残った床の端にしがみついた。近くにいたヒューが駆け寄ってレンカの腕を掴み、引き上げようとする。
ドラゴンはもう一度上空から、今度こそ確実にレンカに狙いをつけた。
ちょうどそんなタイミングだった。
痛いほどの冷気が足元から忍び寄る。上空にはどこからともなく鉛色の雲が湧き、闘技場の上をすっぽりと覆った。
落ちかけているレンカとヒューを今度こそ叩き潰そうと迫っていたドラゴンだったが、急に動きをとめて上を向く。
『リリアナさんの魔法が発動しました』
クリスタの声がした。
鉛色の雲からチラチラと雪が舞い降りる。この雲の下だけ、秋から一気に真冬になったようだ。ドラゴンは追いかけていた俺たちのことも忘れて、この場から逃げ出そうと羽を羽ばたかせる。しかしその動きはこれまでと異なり緩慢で、やがてゆっくりと、高度を下げていった。
そんなドラゴンの体に、雪がまるで生きた虫のようにまとわりついた。
「危険だ、アル! 逃げろ!」
ヒューの作る足場は、立ち止まることができない。アルを落とさないために、下から様子を見ながら次々に氷の板を生み出していた。かなりの魔力を使っているはずだが、リリアナの魔石のブレスレットがそれを補っている。
アルは動きをとめたドラゴンにここぞとばかりに近寄って、次々と楔《くさび》を打ち込んでいる。ドラゴンの炎が来たらどうする気だ。
仕方がない。
「ヒュー、奴の頭に向かって道を作れ!」
「若造め、人使い荒れぇんだよ。まったく。グラセバーセ、グラセバーセ……」
ぶつぶつ言いながらも、ヒューは足場を俺の前に増産してくれる。
足に魔力を集中して、俺も空へと跳んだ。
アルは胴体と羽に次々と楔を打ち込んでいってる。石のドラゴン戦でも使った、魔石付きの楔だ。発動させるには魔法使いたちの力が必要になるので、今は当たっていても大したダメージは与えられない。俺がどうにかして、口から吐かれる炎をとめなくては。
空に向かって駆け上がりながら、手に持った大剣を一瞥する。
耐えてくれよ。
俺たち森の民は、体内に持っている大量の魔力を外に出すのが苦手だ。他の種族たちが楽々使う生活魔法ですら難しく、かなりの集中力を使ってようやく種火程度の火を熾《おこ》せる程度。
それを補ってくれるのが、遺跡で手に入れたアイテムだ。クリスタは魔力を放出して通信に使う。アルは放出をあきらめて逆に身体能力を超強化することを選んだ。
そして俺が手に入れた指輪は、それが接する武器へと魔力を流し込む効果がある。
剣を握る手に、力を入れた。
「万象よ凍れ! グエロウェントゥスっ」
キーン。
空気を震わせて剣が鳴く。
鋭く高い音で。
剣の周りに渦巻く魔力が、大気を凍らせる。白い軌跡を描きながら駆け上がった先にあるのは、大きく開いたドラゴンの下顎だった。
口の中に溜まっているのはまだ魔力のままで、炎にはなっていない。魔法が発動する前ならば、止められるはず。
一時たりとも立ち止まることのできない不安定な足場を次々に踏み割りながら、剣を振りかぶって力任せに切りつける。ドラゴンの下顎の皮膚は黒くて細かい鱗に覆われているが、剣は易々とそれを切り裂く。その切り口を剣に纏った魔力が瞬時に凍らせた。
二太刀めを浴びせようと、足場を飛び移りながらもう一度体勢を整えようとしたが、その前にドラゴンは口を閉じた。
「リク、アル! やべえ、いったん下がれ」
下からヒューの声が飛んでくる。
炎を諦めたドラゴンが、憎々しげにこちらを睨み、今まさに爪をかけようと大きく羽ばたいた。
◆◆◆
ドラゴンの標的は、闘技場の中にいる魔獣や街の人々から、完全に俺たちに移った。下あごの痛みからか、憎しみのこもった目が俺たちの姿を追う。
空中で振るわれた爪はかろうじて避けて、俺もアルもそのまま落ちるように闘技場の庇《ひさし》の上に降りた。
そこからは追いかけっこの始まりだ。奴の下顎に浴びせた一撃は切り口から周囲を凍らせて、首の周辺まで色が変わっている。口を開く様子がないので、少なくともしばらくの間、炎は封じたと思ってもいいだろう。
遠距離攻撃の手段を失った奴は、上空から舞い降りては足の爪で俺たちを狙う。ドラゴンの視線から逃れるように柱や壁の影に隠れながら、機を見て楔や矢を打ち込んでいった。
ドラゴンの飛ぶ速度自体はそんなに早くはないが、奴は上空から落下するように襲い掛かってくる。その速度は結構なものだ。レンカとヒューは俺やアルほど足が速くはないので、直に狙われると危険が大きい。だから俺とアルのどちらかが常に見えるところにいて、おとりになるのがいい。
とにかく速さだけに魔力を回し、攻撃を当てるよりも逃げることに集中した。
俺たちを捕まえられないドラゴンはそのうち、腹立ちまぎれに尾を壁に叩きつけて闘技場を壊そうとしてきた。その攻撃に巻き込まれて、逃げ遅れた魔獣が吹き飛ばされ、あるいは壁と尾に挟まれて押し潰される。
数度の攻撃で闘技場の中で動くのは俺たちの他にもう数頭の魔物しかいなくなった。
動くものの数が減れば、当然残っているものが目立つのは仕方がない。ドラゴンは矢や楔の攻撃を避けるため上空高くに舞い上がり、そこから一気に急降下して動くものを狙う。そんな動きを繰り返した。ただただ逃げるだけの俺たちは、足元をあちこち破壊されて、ますます動くことが困難になる。
そしてついに、物陰から矢を射ていたレンカが狙われた。
「きゃああああ」
「レンカ!」
勢いよく振られた尾が、レンカの隠れていた柱を破壊した。とっさにしゃがんで避けたが、柱が壊れた衝撃でそのまま足元の床が崩れ落ちる。バランスを崩したレンカがそのまま壊れた床と一緒に落ちかけて、必死に残った床の端にしがみついた。近くにいたヒューが駆け寄ってレンカの腕を掴み、引き上げようとする。
ドラゴンはもう一度上空から、今度こそ確実にレンカに狙いをつけた。
ちょうどそんなタイミングだった。
痛いほどの冷気が足元から忍び寄る。上空にはどこからともなく鉛色の雲が湧き、闘技場の上をすっぽりと覆った。
落ちかけているレンカとヒューを今度こそ叩き潰そうと迫っていたドラゴンだったが、急に動きをとめて上を向く。
『リリアナさんの魔法が発動しました』
クリスタの声がした。
鉛色の雲からチラチラと雪が舞い降りる。この雲の下だけ、秋から一気に真冬になったようだ。ドラゴンは追いかけていた俺たちのことも忘れて、この場から逃げ出そうと羽を羽ばたかせる。しかしその動きはこれまでと異なり緩慢で、やがてゆっくりと、高度を下げていった。
そんなドラゴンの体に、雪がまるで生きた虫のようにまとわりついた。
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