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第三章 旅の始まり
第43話 後日談
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俺達の大掃除の日から数日間、ブラルの町の騒ぎは大変なものだった。
すでに問題は俺たちの手を離れ、イデオンの国家的な騒動に発展した。当然かもしれないが、俺たちはすぐに新居に住むことは出来ず、持ってきた荷物をそのまま持って、まだ宿屋へ逆戻りだ。
引っ越しの大掃除を手伝ってもらった「西の鳶」のメンバーには、あらかじめ約束していた依頼料をギルドを通して支払っている。そして、その後の経過報告を兼ねて、今日、晩飯を奢ることになった。
「それにしても、もう。私がいない間に面白い事やってるんだから!」
「ゾラさんはあいつらのアジトを見つけたんだから、カッコいいじゃないですか!」
「あら、そう?ぼうや、なかなか良いこと言うわね」
さらさらの金髪を耳の下で短く切って腰に短剣を二本も下げた、いかにも気の強そうな美人のゾラだが、実は治癒魔法師だ。彼女は俺にぶつかってきた奴を追って、一軒の家に入ったのを確認してから戻ってきたのだが、その時にはもう、俺たちの家は大騒ぎになっていた。
そしてゾラが見つけた家にも捜査の手が入り、黒マントが二人と大量の書類が押収された。
「その家、私が先に見つけていたのに。リリアナ様のお手柄にできずに無念」
カリンがテーブルの隅で一人、愚痴を言いながら酒を飲んでいる。結局カリンは誰かを襲ったと言う訳でもないので、一応町の守備隊に調べられた後、そのまま解放された。
そしてその後、俺たちと同じ宿をとり、さも当然そうに俺たちの宴会にこうして参加している。
あの後カリンとは、何度か話しあった。こちらの事情もだいたい知られていそうなので、かなり赤裸々に語ってみたりもした。リリアナが今は、ガルガラアドから逃げた身であることも、元々捕らわれの身であったことも。
そこまで話せば愛国心のあるカリンの事だから、呆れて離れていくのではないか。そう思ったのだが、彼女はしばらく考えた後、静かに答えた。
「それでも、幻獣さまは我が国をお守りくださった大切な方。国を出てたった一人になられた今、今度は私がお守りするのは当然のこと」
俺とシモンのことは眼中にないらしいが、それは構わない。
全く。
どうしてもリリアナのそばを離れようとしない彼女については、もう放っておくことになった。出かけるとき、後ろの方からコソコソとついて歩いていたが、外聞も悪いし精神的につかれるので、声を掛けて並んで歩くようにした。
さすがに部屋の中まで入ったり盗み聞きしないよう、きつく言い聞かせてもいる。
そんな訳で、今日もカリンは一緒に宴会に参加しているのだ。
それはさておき、ゾラの通報で見つかった家は、俺とエリアスが屋根裏で見た紙にも書かれていた。
追跡から戻ってきたゾラが、その時まだ家に居た守備隊に伝えたのが昼頃。そこを皮切りに、俺達の家以外の黒マントたちの拠点への捜査が始まった。
ゾラが見つけた家では、二人の黒マントの男女が取り押さえられた。そこも地下室が掘られていて、やはり鎖につながれた魔物が発見された。そのほかにも、何頭かの魔物が殺されたまま打ち捨てられていて、異様な雰囲気が捜査に向かった者たちを騒然とさせた。
地下室は濃くてまがまがしい魔力に満ちていて、今にもダンジョンが出来るんじゃないかという雰囲気だったらしい。
その様子を見て、町の守備隊から国の軍隊に指揮が移った。
黒マントらの拠点で見つかった書類に書かれてあった建物は、すべてイデオンの国軍が踏み込んで住人も調べられた。それ以外にも町の中で怪しい場所がないかと、各所で大騒ぎになっていたようだ。
大々的な捜査の結果、地図に書かれた十二の拠点のうち、実際に彼らが押さえていたのは七か所で、地下を掘っていたのはそのうちの六か所。さいわい計画は、まだ半分しか進んでいなかった。
「逃げた奴らもいるんだろ?」
「ああ。なにしろ大騒ぎになったからな。拠点の半分は空っぽで、書類も何も残されていなかったらしい」
「そうそう。でも荒っぽい連中はほとんどあの家に集まってたらしいよ」
拠点になっていた家は俺達の家以外は全部、黒マントたちが借りている家だ。俺たちの家はたまたまいい位置にあって、ずっと空き家だった。それでこれは好都合と、勝手に入り込んで拠点にしていたらしい。今までと同様脅せば家に近寄らないだろうと思っていたのに、俺たちがなかなか諦めないので、あの引っ越しの夜に襲って追い出そうとしていた。そのため、黒マントの中でも荒事の実行メンバーが、あの家の地下に集まっていたという。
「ゾラさん、うちから逃げた男は捕まったのか?」
「いいえ、まだですって。黒髪の男なんだよね?黒マントの一味も奴隷として買っただけなのでその男については詳しく知らないみたい」
西の鳶は今回の逮捕劇に、冒険者ギルドからの手伝いとして参加したのだ。
ちなみに俺たちはギルドのランクが低かったことと、あまりにも当事者すぎて参加できなかった。なにしろ最初は本気で黒マントの仲間じゃないかと取り調べられていたくらいなので。
西の鳶が口利きしてくれて、助かった。
「それで、黒マントたちは何者だったのですか?」
「んー、それがまだよく分からないのよね。ハルン教の狂信者ってことまでは間違いないようだけど」
「ハルン教って、アルハラで信じられてる宗教ですよね、確か唯一の神ハルンが認めたのは人族だけだとか言う……」
そうだ。
アルハラ国では人族にしか人権がない。そして俺たちの一族は人ではなく亜人の奴隷として扱われていた。つまり逃げたあの男も、アルハラ国で誰かに捕まっていたのだろうか。
「だけど黒マントたちだけの資金力じゃあ、とてもじゃないけどこんな大掛かりなテロは計画できないって言うんで、黒幕を調べてるみたい。これ以上の情報は私たちには回ってこないわね。ざんねーん!」
「いや、それだけ分かれば十分だ。ありがとう、ゾラさん」
「それでお前らの家はどうなったんだ?」
「買ってすぐにあんな事件なんて、ついてないよなー」
エリアスとヒューがニヤニヤしながら言う。
だが、問題ない。
あの家は調査が済んで地下の儀式の部屋を完全に浄化して埋めてしまったのち、俺たちに返される。
あの男が開けた壁の穴は直してはくれんらしいがな。
すでに問題は俺たちの手を離れ、イデオンの国家的な騒動に発展した。当然かもしれないが、俺たちはすぐに新居に住むことは出来ず、持ってきた荷物をそのまま持って、まだ宿屋へ逆戻りだ。
引っ越しの大掃除を手伝ってもらった「西の鳶」のメンバーには、あらかじめ約束していた依頼料をギルドを通して支払っている。そして、その後の経過報告を兼ねて、今日、晩飯を奢ることになった。
「それにしても、もう。私がいない間に面白い事やってるんだから!」
「ゾラさんはあいつらのアジトを見つけたんだから、カッコいいじゃないですか!」
「あら、そう?ぼうや、なかなか良いこと言うわね」
さらさらの金髪を耳の下で短く切って腰に短剣を二本も下げた、いかにも気の強そうな美人のゾラだが、実は治癒魔法師だ。彼女は俺にぶつかってきた奴を追って、一軒の家に入ったのを確認してから戻ってきたのだが、その時にはもう、俺たちの家は大騒ぎになっていた。
そしてゾラが見つけた家にも捜査の手が入り、黒マントが二人と大量の書類が押収された。
「その家、私が先に見つけていたのに。リリアナ様のお手柄にできずに無念」
カリンがテーブルの隅で一人、愚痴を言いながら酒を飲んでいる。結局カリンは誰かを襲ったと言う訳でもないので、一応町の守備隊に調べられた後、そのまま解放された。
そしてその後、俺たちと同じ宿をとり、さも当然そうに俺たちの宴会にこうして参加している。
あの後カリンとは、何度か話しあった。こちらの事情もだいたい知られていそうなので、かなり赤裸々に語ってみたりもした。リリアナが今は、ガルガラアドから逃げた身であることも、元々捕らわれの身であったことも。
そこまで話せば愛国心のあるカリンの事だから、呆れて離れていくのではないか。そう思ったのだが、彼女はしばらく考えた後、静かに答えた。
「それでも、幻獣さまは我が国をお守りくださった大切な方。国を出てたった一人になられた今、今度は私がお守りするのは当然のこと」
俺とシモンのことは眼中にないらしいが、それは構わない。
全く。
どうしてもリリアナのそばを離れようとしない彼女については、もう放っておくことになった。出かけるとき、後ろの方からコソコソとついて歩いていたが、外聞も悪いし精神的につかれるので、声を掛けて並んで歩くようにした。
さすがに部屋の中まで入ったり盗み聞きしないよう、きつく言い聞かせてもいる。
そんな訳で、今日もカリンは一緒に宴会に参加しているのだ。
それはさておき、ゾラの通報で見つかった家は、俺とエリアスが屋根裏で見た紙にも書かれていた。
追跡から戻ってきたゾラが、その時まだ家に居た守備隊に伝えたのが昼頃。そこを皮切りに、俺達の家以外の黒マントたちの拠点への捜査が始まった。
ゾラが見つけた家では、二人の黒マントの男女が取り押さえられた。そこも地下室が掘られていて、やはり鎖につながれた魔物が発見された。そのほかにも、何頭かの魔物が殺されたまま打ち捨てられていて、異様な雰囲気が捜査に向かった者たちを騒然とさせた。
地下室は濃くてまがまがしい魔力に満ちていて、今にもダンジョンが出来るんじゃないかという雰囲気だったらしい。
その様子を見て、町の守備隊から国の軍隊に指揮が移った。
黒マントらの拠点で見つかった書類に書かれてあった建物は、すべてイデオンの国軍が踏み込んで住人も調べられた。それ以外にも町の中で怪しい場所がないかと、各所で大騒ぎになっていたようだ。
大々的な捜査の結果、地図に書かれた十二の拠点のうち、実際に彼らが押さえていたのは七か所で、地下を掘っていたのはそのうちの六か所。さいわい計画は、まだ半分しか進んでいなかった。
「逃げた奴らもいるんだろ?」
「ああ。なにしろ大騒ぎになったからな。拠点の半分は空っぽで、書類も何も残されていなかったらしい」
「そうそう。でも荒っぽい連中はほとんどあの家に集まってたらしいよ」
拠点になっていた家は俺達の家以外は全部、黒マントたちが借りている家だ。俺たちの家はたまたまいい位置にあって、ずっと空き家だった。それでこれは好都合と、勝手に入り込んで拠点にしていたらしい。今までと同様脅せば家に近寄らないだろうと思っていたのに、俺たちがなかなか諦めないので、あの引っ越しの夜に襲って追い出そうとしていた。そのため、黒マントの中でも荒事の実行メンバーが、あの家の地下に集まっていたという。
「ゾラさん、うちから逃げた男は捕まったのか?」
「いいえ、まだですって。黒髪の男なんだよね?黒マントの一味も奴隷として買っただけなのでその男については詳しく知らないみたい」
西の鳶は今回の逮捕劇に、冒険者ギルドからの手伝いとして参加したのだ。
ちなみに俺たちはギルドのランクが低かったことと、あまりにも当事者すぎて参加できなかった。なにしろ最初は本気で黒マントの仲間じゃないかと取り調べられていたくらいなので。
西の鳶が口利きしてくれて、助かった。
「それで、黒マントたちは何者だったのですか?」
「んー、それがまだよく分からないのよね。ハルン教の狂信者ってことまでは間違いないようだけど」
「ハルン教って、アルハラで信じられてる宗教ですよね、確か唯一の神ハルンが認めたのは人族だけだとか言う……」
そうだ。
アルハラ国では人族にしか人権がない。そして俺たちの一族は人ではなく亜人の奴隷として扱われていた。つまり逃げたあの男も、アルハラ国で誰かに捕まっていたのだろうか。
「だけど黒マントたちだけの資金力じゃあ、とてもじゃないけどこんな大掛かりなテロは計画できないって言うんで、黒幕を調べてるみたい。これ以上の情報は私たちには回ってこないわね。ざんねーん!」
「いや、それだけ分かれば十分だ。ありがとう、ゾラさん」
「それでお前らの家はどうなったんだ?」
「買ってすぐにあんな事件なんて、ついてないよなー」
エリアスとヒューがニヤニヤしながら言う。
だが、問題ない。
あの家は調査が済んで地下の儀式の部屋を完全に浄化して埋めてしまったのち、俺たちに返される。
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