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第二章 巨人の街
第19話 アンデの町
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アンデでの生活は穏やかで、友達と呼べる人達も今ではずいぶん多い。
シモンはポチ、ポチとあまりにもうるさいので、リリアナが時々ポチの姿で町に来て、遊んでやっている。毎日働かずに三日働いたら一日休むようにしたので、そんな余裕もあるからだ。
「ポチは何でもよく食べるんですね。今度来た時は、甘いものを用意しておこうかなあ」
「いつもすまないな、シモン」
「いいんですよ、リクさん。ポチにテイム証明を発行したのは僕ですから、責任を持って見守らないと!」
「……」
「ねー、ポチくん。さあ、ブラッシングしてあげるからこっちにおいでー」
「くええっ」
「……」
ハンナの働いている宿には一度、泊まりにいった。彼女は俺が元気に働いているのをとても喜んでくれた。そしてリリアナを連れていることに驚き、俺たちの喋っている様子を見て、おおいに笑った。宿は快適で、出された食事は質素だったが量は多くて温かい。
別れ際にそっと、俺の頬に手を添えて、優しい魔力を流してくれた。
「治癒魔法はあまり得意じゃないのよ。最初に会った時よりは良くなってるみたい。でもお金に余裕ができたら、病院に行きなさいよね」
「ああ。ありがとう」
鏡に映る俺の顔は、左の目の周りが赤く、火傷の後が残っている。それはぱっと見た時の俺の印象を怖くしているが、この町のみんなはたいして気にもせずに普通に話しかけてくる。それが逆に嬉しいので、高い金を払って治しに行くこともないかと思う。
依頼を受けて、南の門から外に出時は、ヨリックとゲルトだけでなく、門番のみんなと挨拶する仲になった。人通りの多い北の門と違い、森に面している南の門は常連の冒険者が通るくらいで、俺たちもすぐに顔と名前を覚えられた。
「よう、リク。それとリリアナも。今日の依頼はなんだ?」
「ああ、ヨリック。今日は川の東側の巡回だ。最近魔物が多いみたいだから」
「そうか。気を付けろよ。お前らなら大丈夫だとは思うけどよ。がははは」
「気を付けるよ、ありがとさん」
巡回は森の中を歩き回って、人を積極的に襲う魔物を撃退する仕事だ。倒した魔物の数や種類によって報酬が変わってくる。
リリアナは攻撃魔法も得意だが、人型で魔法を使うと、どうしても大技になってしまう。なので今、手に持っているのは重そうな鉄棍だ。
それに魔法よりも体を動かしているほうが性に合っているとのこと。
俺の大剣も研ぎなおして、今はピカピカに磨かれている。
身体の調子もよく、食べ物はうまい。実際勇者をしていた頃よりも今の方が強いかもしれない。
だがリリアナは俺の比じゃない。何というか……戦っているときの体のキレが違う。自分の意志で戦うってのは、こういうことなんだな。今戦ったらはたしてどれだけ俺の技が通用するのか。
「リク、魔物が来たぞ」
「ああ、任せとけ、リリアナ」
俺だって、負けてはいられねえ。
◆◆◆
二人で合わせて十体あまりの魔物を狩って、素材になるものはそのまま持ち帰り、素材にならないものは確認部位だけ切り取って持って帰る。
日が暮れるまで粘ったら家に帰るのが難しくなるので、引き上げるのはいつもまだ日の高いうちだ。森の中では何組かの冒険者がいるが、皆、危なげなく戦っているので、声をかけて森を離れる。
そうして町の入り口の南門へと向かった。
ふと、いつもと違う雰囲気に気付いた。リリアナも同時に気付いたらしく、眉を寄せる。
「何かあったかの」
「おう。急ぐか」
足に魔力を注ぎ、速足で門まで急ぐ。朝には全開だった門は今、半分閉じられ残る一つもいつでも閉じられるように準備している。
「どうしたんだ?」
「ああ、リクか。北の農園の方がやばいらしいんだ」
「リク、リリアナ、冒険者ギルドが全冒険者を緊急招集している。すぐにギルドの方に向かえ」
「分かった。一体何が?」
「農園にダンジョンができたらしい」
いつも賑やかなアンデの町のメインストリートだが、今は道を歩く人は少ない。歩いている人達は皆、速足でどこかへ向かっていて、両手にいっぱいの食料を持って走っていく人も何人も見かけた。商店の多くは店じまいし、戸口辺りでバタバタと何やら慌ただしく出入りをしている。窓に板を打ち付けている人もいる。
いつもよりは歩きやすい道を飛ぶように駆けて、ギルドに辿り着いた俺とリリアナ。中に入ろうにも、ギルドの中も周囲も、大勢の冒険者であふれかえっていて、とてもじゃないが受付まで辿り着けない。そんななか、その騒ぎに負けじと、職員が声を張り上げていた。
「おーい、その場でいいから聞いてくれ。特殊依頼の説明をするぞ。
昼前に農園が一部陥没して、地中から魔物が湧いてきた。現在、農園の警備に当たっていた守備隊と冒険者が、抑え込んでいるところだ。陥没に巻き込まれた住人もいるが、安否は不明。地中はダンジョン化しているようだ。魔物は虫系が中心で、種類も数も多い。
魔物が町に押し寄せてくる可能性があり、領主から特別警戒命令が出た。冒険者ギルドも防衛に参加することになる。
Cランク以上の冒険者は全員、強制依頼だ。順番に受付してくれ。ギルドから配置場所を指示する。
D、Eランクのものは強制ではないが、参加できるものは受付に来てくれ」
ランク別に受付ができていて、D、Eランクの受付にも人が並んでいる。リリアナと顔を見合わせて、俺たちも列に並ぶ。
受付にいたのは、何度か話したことのあるサイル人の女の子だった。
「ああ、リクさんとリリアナさん。ご協力ありがとうございます。Dランクは主に街中の警備とかギルドの手伝いにまわってもらってるんですが、お二人は実力十分なので、農園の方に向かってもらっても構いませんか?」
「ああ、わかった」
「かまわぬよ」
「良かった。あの……もし、シモンを見かけたら、早く帰って来いと声をかけてやってください」
そういった女の子の顔は、遅刻している職員に怒っているふうじゃなかった。心配と不安と、少しの後ろめたさが入り混じった複雑な表情。
「シモンは農園にいたのか?」
「はい。今日は仕事であちらに……ちょうど崩落があった辺りで作業していましたので……」
「わかった」
「目を配っておくゆえ」
「……ありがとうございます。お二人も、くれぐれも気を付けて」
シモンを助けてくれと頼めるような状況じゃない。それでも心配で、こうして伝えずにはいられなかったんだろう。
受付を済ませて依頼書を受け取った俺は、リリアナと二人で農園へと向かった。他の多くの冒険者たちと一緒に。
シモンはポチ、ポチとあまりにもうるさいので、リリアナが時々ポチの姿で町に来て、遊んでやっている。毎日働かずに三日働いたら一日休むようにしたので、そんな余裕もあるからだ。
「ポチは何でもよく食べるんですね。今度来た時は、甘いものを用意しておこうかなあ」
「いつもすまないな、シモン」
「いいんですよ、リクさん。ポチにテイム証明を発行したのは僕ですから、責任を持って見守らないと!」
「……」
「ねー、ポチくん。さあ、ブラッシングしてあげるからこっちにおいでー」
「くええっ」
「……」
ハンナの働いている宿には一度、泊まりにいった。彼女は俺が元気に働いているのをとても喜んでくれた。そしてリリアナを連れていることに驚き、俺たちの喋っている様子を見て、おおいに笑った。宿は快適で、出された食事は質素だったが量は多くて温かい。
別れ際にそっと、俺の頬に手を添えて、優しい魔力を流してくれた。
「治癒魔法はあまり得意じゃないのよ。最初に会った時よりは良くなってるみたい。でもお金に余裕ができたら、病院に行きなさいよね」
「ああ。ありがとう」
鏡に映る俺の顔は、左の目の周りが赤く、火傷の後が残っている。それはぱっと見た時の俺の印象を怖くしているが、この町のみんなはたいして気にもせずに普通に話しかけてくる。それが逆に嬉しいので、高い金を払って治しに行くこともないかと思う。
依頼を受けて、南の門から外に出時は、ヨリックとゲルトだけでなく、門番のみんなと挨拶する仲になった。人通りの多い北の門と違い、森に面している南の門は常連の冒険者が通るくらいで、俺たちもすぐに顔と名前を覚えられた。
「よう、リク。それとリリアナも。今日の依頼はなんだ?」
「ああ、ヨリック。今日は川の東側の巡回だ。最近魔物が多いみたいだから」
「そうか。気を付けろよ。お前らなら大丈夫だとは思うけどよ。がははは」
「気を付けるよ、ありがとさん」
巡回は森の中を歩き回って、人を積極的に襲う魔物を撃退する仕事だ。倒した魔物の数や種類によって報酬が変わってくる。
リリアナは攻撃魔法も得意だが、人型で魔法を使うと、どうしても大技になってしまう。なので今、手に持っているのは重そうな鉄棍だ。
それに魔法よりも体を動かしているほうが性に合っているとのこと。
俺の大剣も研ぎなおして、今はピカピカに磨かれている。
身体の調子もよく、食べ物はうまい。実際勇者をしていた頃よりも今の方が強いかもしれない。
だがリリアナは俺の比じゃない。何というか……戦っているときの体のキレが違う。自分の意志で戦うってのは、こういうことなんだな。今戦ったらはたしてどれだけ俺の技が通用するのか。
「リク、魔物が来たぞ」
「ああ、任せとけ、リリアナ」
俺だって、負けてはいられねえ。
◆◆◆
二人で合わせて十体あまりの魔物を狩って、素材になるものはそのまま持ち帰り、素材にならないものは確認部位だけ切り取って持って帰る。
日が暮れるまで粘ったら家に帰るのが難しくなるので、引き上げるのはいつもまだ日の高いうちだ。森の中では何組かの冒険者がいるが、皆、危なげなく戦っているので、声をかけて森を離れる。
そうして町の入り口の南門へと向かった。
ふと、いつもと違う雰囲気に気付いた。リリアナも同時に気付いたらしく、眉を寄せる。
「何かあったかの」
「おう。急ぐか」
足に魔力を注ぎ、速足で門まで急ぐ。朝には全開だった門は今、半分閉じられ残る一つもいつでも閉じられるように準備している。
「どうしたんだ?」
「ああ、リクか。北の農園の方がやばいらしいんだ」
「リク、リリアナ、冒険者ギルドが全冒険者を緊急招集している。すぐにギルドの方に向かえ」
「分かった。一体何が?」
「農園にダンジョンができたらしい」
いつも賑やかなアンデの町のメインストリートだが、今は道を歩く人は少ない。歩いている人達は皆、速足でどこかへ向かっていて、両手にいっぱいの食料を持って走っていく人も何人も見かけた。商店の多くは店じまいし、戸口辺りでバタバタと何やら慌ただしく出入りをしている。窓に板を打ち付けている人もいる。
いつもよりは歩きやすい道を飛ぶように駆けて、ギルドに辿り着いた俺とリリアナ。中に入ろうにも、ギルドの中も周囲も、大勢の冒険者であふれかえっていて、とてもじゃないが受付まで辿り着けない。そんななか、その騒ぎに負けじと、職員が声を張り上げていた。
「おーい、その場でいいから聞いてくれ。特殊依頼の説明をするぞ。
昼前に農園が一部陥没して、地中から魔物が湧いてきた。現在、農園の警備に当たっていた守備隊と冒険者が、抑え込んでいるところだ。陥没に巻き込まれた住人もいるが、安否は不明。地中はダンジョン化しているようだ。魔物は虫系が中心で、種類も数も多い。
魔物が町に押し寄せてくる可能性があり、領主から特別警戒命令が出た。冒険者ギルドも防衛に参加することになる。
Cランク以上の冒険者は全員、強制依頼だ。順番に受付してくれ。ギルドから配置場所を指示する。
D、Eランクのものは強制ではないが、参加できるものは受付に来てくれ」
ランク別に受付ができていて、D、Eランクの受付にも人が並んでいる。リリアナと顔を見合わせて、俺たちも列に並ぶ。
受付にいたのは、何度か話したことのあるサイル人の女の子だった。
「ああ、リクさんとリリアナさん。ご協力ありがとうございます。Dランクは主に街中の警備とかギルドの手伝いにまわってもらってるんですが、お二人は実力十分なので、農園の方に向かってもらっても構いませんか?」
「ああ、わかった」
「かまわぬよ」
「良かった。あの……もし、シモンを見かけたら、早く帰って来いと声をかけてやってください」
そういった女の子の顔は、遅刻している職員に怒っているふうじゃなかった。心配と不安と、少しの後ろめたさが入り混じった複雑な表情。
「シモンは農園にいたのか?」
「はい。今日は仕事であちらに……ちょうど崩落があった辺りで作業していましたので……」
「わかった」
「目を配っておくゆえ」
「……ありがとうございます。お二人も、くれぐれも気を付けて」
シモンを助けてくれと頼めるような状況じゃない。それでも心配で、こうして伝えずにはいられなかったんだろう。
受付を済ませて依頼書を受け取った俺は、リリアナと二人で農園へと向かった。他の多くの冒険者たちと一緒に。
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