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番外編2・The Very Merry X'mas

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12月24日。

 今日は言わずと知れたクリスマスイブ。
 しかも、今年はなんと金曜日!
 部長の粋な計らいで、我が部はノー残業デーとなった。

「その代わり、月曜日から仕事納めまできっちり働けよ。あと、予定のないものは俺が面倒見るから30分後にエントランスに集合」

「えっ、部長のおごりですか?」
「ああ、一次会は俺が持ってやる」
「やったー」

 体育会出身の部長は、体質的にちょっと古いところもあるけど、面倒見がとってもいい。

 わたしはもちろん、予定あるほうの組。

 元上司で恋人のジュリオさんと過ごす、はじめてのイブ。

 あー、顔がにやけてくる。

 2ヶ月前、ジュリオさんは本社勤務に戻ったので、毎日会社で顔を合わせることはできなくなった。

 その代わりというか、週末はたっぷり彼と過ごしている。

 だから、たまに出張なんかで、土日とも会えないときはとっても寂しくて物足りない。

 とはいえ、とってもまめな人だから、仕事の合間を見てラインや電話は欠かさずしてくれる。
 それなのに会えなくて寂しいなんて言ったら、ワガママすぎるかな。


 付き合いはじめたのがわたしの誕生日の前日、6月15日。
 だから、今、ちょうど半年が過ぎたところだ。

 あのときの企画は、結局、そのままの形では通らなかった。

 でもジュリオさんが粘って、上層部と掛けあってくれたおかげで、福祉作業所のお菓子特設売り場を、期間限定ながら設置できることになった。

「そこで実績をあげれば、常設も夢じゃないよ」と彼。

 


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