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第3章 ちょっと切ない歓迎会
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「宮沢さんって、モデルのお仕事されていませんでした?」
彼を取り巻いていたひとりが問いかけた。
宮沢さんは少し困った顔をして
「目ざといですね。ええ、やってましたよ。今となっては黒歴史ですが」
すごーいっ、と女子社員が口を揃える。
「やっぱり。初日に挨拶されてるときから、もしかしたらと思ってて。雑誌によく似た方が載っていたのを見たことがあって」
「17のときにスカウトされて、5年続けたんですけど、虚飾だらけの業界に嫌気がさして。それで大学に入りなおしたんですよ」
はあー。モデル並みじゃなくて、本物のモデルだったのか。道理で着こなしが完璧なはず。
周りの女性陣の目の輝きがさらに増していく。
そっか。宮沢さんと亜矢美さんのこと、みんなまだ知らないんだ。
でも、宮沢さんの魅力は決して外見だけではない。
同じオフィスで働きはじめて今日で5日。
知れば知るほど、彼の人間性の素晴らしさを痛感していた。
イタリア人の血が半分流れているからか、宮沢さんはとにかくフェミニストで優しい。
強権的なところがまるでない。
アシスタントのわたしたちに雑用仕事を頼むときはとても低姿勢で、このオフィスの男性社員の誰よりも感じがいい。
それに重たいファイルを抱えていたりすると、さっと席を立って手伝ってくれたり。
もちろん、優しいだけでなく、仕事も、誰よりもできる。
弁が立ち、上司を遣りこめることもしばしば。
そして、真剣な議論をしているときに見せる横顔はきりっと引き締まっていて、思わず見とれてしまうほど凛々しくて……。
彼を取り巻いていたひとりが問いかけた。
宮沢さんは少し困った顔をして
「目ざといですね。ええ、やってましたよ。今となっては黒歴史ですが」
すごーいっ、と女子社員が口を揃える。
「やっぱり。初日に挨拶されてるときから、もしかしたらと思ってて。雑誌によく似た方が載っていたのを見たことがあって」
「17のときにスカウトされて、5年続けたんですけど、虚飾だらけの業界に嫌気がさして。それで大学に入りなおしたんですよ」
はあー。モデル並みじゃなくて、本物のモデルだったのか。道理で着こなしが完璧なはず。
周りの女性陣の目の輝きがさらに増していく。
そっか。宮沢さんと亜矢美さんのこと、みんなまだ知らないんだ。
でも、宮沢さんの魅力は決して外見だけではない。
同じオフィスで働きはじめて今日で5日。
知れば知るほど、彼の人間性の素晴らしさを痛感していた。
イタリア人の血が半分流れているからか、宮沢さんはとにかくフェミニストで優しい。
強権的なところがまるでない。
アシスタントのわたしたちに雑用仕事を頼むときはとても低姿勢で、このオフィスの男性社員の誰よりも感じがいい。
それに重たいファイルを抱えていたりすると、さっと席を立って手伝ってくれたり。
もちろん、優しいだけでなく、仕事も、誰よりもできる。
弁が立ち、上司を遣りこめることもしばしば。
そして、真剣な議論をしているときに見せる横顔はきりっと引き締まっていて、思わず見とれてしまうほど凛々しくて……。
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