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第6章 甘い計略
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彼の指がわたしの顎をとらえた。
その手に導かれて上を向くと、彼の、今にも発火しそうに熱をはらんだ眼差しにぶつかった。
彼のすべてを受け入れたい。
一刻も早く……
わたしはゆっくり目を閉じた。
縺れるように口づけを繰り返しながら、宗太さんのベッドルームに向かった。
ブラインドからわずかに漏れでた光が、今はまだ朝だということを告げている。
でも、そんなことは少しも気にならなかった。
息がつまるほど、強く抱きしめられ、口づけを繰り返されるたび、彼への狂おしいほどの想いが募って、外からも内からも火で炙られているように熱くなった。
ベッドに押し倒されて、唇が首筋を這い、手が太腿を逆撫でたとき、ふと我にかえった。
「シ、シャワー浴びないと……」
「いいよ。このままで」
「だ、だめです」
なんとか、その手をすり抜け、彼の部屋の脇にあるシャワールームに飛びこんだ。
お湯の勢いを強くして、頭から浴びる。
少しだけ、興奮を冷ましたかった。
出ないと、脳がオーバーヒートして焼き切れてしまいそうだった。
その迸るシャワーの音が大きくて、彼が入ってきたことに気づかなかった。
「宗太さん……」
彼はわたしを背後から抱きしめてきた。
「ごめん……、もう待てない……よ」
そう言って、ボディシャンプーを手に取ると、わたしの身体に泡を纏わせ、性急に身体を弄った。
彼のしなやかな指先がわたしの一番敏感なところに到達した。
急激に与えられる快楽をこらえきれなくなり、わたしは振り返ると、自分から唇を合わせた。
髪が濡れたままなのも構わず、ベッドに横たえられる。
それからは……
互いに、今まで抑えていた気持ちが溢れ出し、ブレーキが効かなくなった車のように、何度も何度も求めあった。
砂地に水を撒くように、この乾きは永遠に癒えないのではないかと思った。
疲れ果てて少し眠っては、また求め合い……ようやく、ふたりのなかの嵐が過ぎ去ったのは、もう、日が沈みかけるころだった。
その手に導かれて上を向くと、彼の、今にも発火しそうに熱をはらんだ眼差しにぶつかった。
彼のすべてを受け入れたい。
一刻も早く……
わたしはゆっくり目を閉じた。
縺れるように口づけを繰り返しながら、宗太さんのベッドルームに向かった。
ブラインドからわずかに漏れでた光が、今はまだ朝だということを告げている。
でも、そんなことは少しも気にならなかった。
息がつまるほど、強く抱きしめられ、口づけを繰り返されるたび、彼への狂おしいほどの想いが募って、外からも内からも火で炙られているように熱くなった。
ベッドに押し倒されて、唇が首筋を這い、手が太腿を逆撫でたとき、ふと我にかえった。
「シ、シャワー浴びないと……」
「いいよ。このままで」
「だ、だめです」
なんとか、その手をすり抜け、彼の部屋の脇にあるシャワールームに飛びこんだ。
お湯の勢いを強くして、頭から浴びる。
少しだけ、興奮を冷ましたかった。
出ないと、脳がオーバーヒートして焼き切れてしまいそうだった。
その迸るシャワーの音が大きくて、彼が入ってきたことに気づかなかった。
「宗太さん……」
彼はわたしを背後から抱きしめてきた。
「ごめん……、もう待てない……よ」
そう言って、ボディシャンプーを手に取ると、わたしの身体に泡を纏わせ、性急に身体を弄った。
彼のしなやかな指先がわたしの一番敏感なところに到達した。
急激に与えられる快楽をこらえきれなくなり、わたしは振り返ると、自分から唇を合わせた。
髪が濡れたままなのも構わず、ベッドに横たえられる。
それからは……
互いに、今まで抑えていた気持ちが溢れ出し、ブレーキが効かなくなった車のように、何度も何度も求めあった。
砂地に水を撒くように、この乾きは永遠に癒えないのではないかと思った。
疲れ果てて少し眠っては、また求め合い……ようやく、ふたりのなかの嵐が過ぎ去ったのは、もう、日が沈みかけるころだった。
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