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第3章 とまどい? ときめき? ルームシェア

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 でも、心配はまったくの杞憂に終わった。

 5階に着き、エレベーターの扉が開いたとき、最初に目に飛び込んできたのは、芹澤さんの笑顔だった。

 えっ、わざわざ出迎えに?

「引き受けてくれてありがとう。嬉しいよ」
 そう言って、満面に笑みをたたえている。

 その雰囲気や態度は、前回会ったときとまったく同じだ。
 わたしはほっと胸を撫で下ろし、彼のそばまで行き、深々と頭を下げた。

「ご期待に添えるかどうか、まったく自信がないんですが、精一杯努力したいと思ってます」

 芹澤さんはわたしの手からスーツケースを受け取ると、ドアの取っ手に手をかけながら「そんな堅苦しい挨拶は抜きにしよう。さあ、入って。部屋に案内するから」
と、先に立って歩いていった。

 芹澤さん、今日はとてもラフな格好だ。
 ベージュ系のアーガイル・セーターにモスグリーンのチノパン。
 でもラフなのはスタイルだけで、素材が上質なのは一目瞭然。

 服装にあわせてか、髪型も前に会ったときよりも無造作な感じ。
 スーツでびしっと決めているときのカッコよさは無類だけれど、今日みたいなカジュアルな服装もよく似合う。

 うーん、イケメン、服を選ばす。
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