可愛がってあげたい、強がりなきみを。 ～国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます～

第６章 創立記念パーティーにて

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「可愛いよ」と、耳元でささやかれることがこれほどの喜びを与えてくれるなんて、初めて知った。

　それに、彼はわたしをけっして束縛しない。
　わたしのすべてを受け入れ、尊重してくれる。

　彼のような人は、はじめてだった。
　　
　でも……
　両親が人気絶頂でテレビドラマやバラエティに引っ張りだこの榊原宗介がわたしの結婚相手だと知ったら、仰天するだろうな。

　まだ、未来の夫は俳優だとしか伝えていない。

　わたしたちの結婚が他人に知られてはいけないことをきちんと伝えてから話したほうがいいと思った。

　宗介さんは立ちあがり、カバンが置いてあるところまで行った。
そして、そのなかからクリアファイルに入れた婚姻届を手に戻ってきた。

「亮介が役所に届けに行ってくれることになってる」
「亮介さんが？」
「ああ、入籍日はどうする？　郁美の希望はあるか？」

「うーん、せっかくだから１月１日がいいかな」
「俺もそう思ってた。めでたいしな」