56 / 139
第4章 極秘交際
5
しおりを挟む
でも……皮肉だ。
前の彼氏のように、会いたいときにすぐ会えるわけじゃない。
制約があるからこそ、気持ちが余計に高まるのかもしれないけれど。
次に会えるのはいつなんだろう。
ドラマ撮影が佳境の今、休みはまた数カ月先になるんじゃないかな。
連絡は亮介さん経由でしかできないから、「早く会いたいです」なんて、恥ずかしくて送れないし……
と、思っていた矢先、LINE電話がかかってきた。
「郁美……」
「宗介さん! うわ、嬉しい。今、ちょうどあなたのこと、考えてたところ」
まさか電話を貰えるなんて思っていなかったので、素直な言葉が口をついて飛びだした。
画面を通してでも、彼が、わたしの今の言葉を喜んでくれているのが伝わってくる。
そして、ちょっと口をゆがめて笑い、言った。
「俺は頭から離れたことないけど、郁美のこと」
30歳目前の男女が何を言っているんだろう。
とても他人には聞かせられない。
バカップルもいいとこ。
でも、単純に嬉しい。
スピーカーを通して、ざわめきが聞こえてくる。
「今、どこ? 亮介さんと一緒?」
「ああ、亮介の友達の店で飲んでるところ。亮介はあっちで盛り上がってるよ」
「宗介さん」
「ん?」
前の彼氏のように、会いたいときにすぐ会えるわけじゃない。
制約があるからこそ、気持ちが余計に高まるのかもしれないけれど。
次に会えるのはいつなんだろう。
ドラマ撮影が佳境の今、休みはまた数カ月先になるんじゃないかな。
連絡は亮介さん経由でしかできないから、「早く会いたいです」なんて、恥ずかしくて送れないし……
と、思っていた矢先、LINE電話がかかってきた。
「郁美……」
「宗介さん! うわ、嬉しい。今、ちょうどあなたのこと、考えてたところ」
まさか電話を貰えるなんて思っていなかったので、素直な言葉が口をついて飛びだした。
画面を通してでも、彼が、わたしの今の言葉を喜んでくれているのが伝わってくる。
そして、ちょっと口をゆがめて笑い、言った。
「俺は頭から離れたことないけど、郁美のこと」
30歳目前の男女が何を言っているんだろう。
とても他人には聞かせられない。
バカップルもいいとこ。
でも、単純に嬉しい。
スピーカーを通して、ざわめきが聞こえてくる。
「今、どこ? 亮介さんと一緒?」
「ああ、亮介の友達の店で飲んでるところ。亮介はあっちで盛り上がってるよ」
「宗介さん」
「ん?」
1
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。
泉野あおい
恋愛
人の気持ちに重い軽いがあるなんて変だと思ってた。
でも今、確かに思ってる。
―――この愛は、重い。
------------------------------------------
羽柴健人(30)
羽柴法律事務所所長 鳳凰グループ法律顧問
座右の銘『危ない橋ほど渡りたい。』
好き:柊みゆ
嫌い:褒められること
×
柊 みゆ(28)
弱小飲料メーカー→鳳凰グループ・ホウオウ総務部
座右の銘『石橋は叩いて渡りたい。』
好き:走ること
苦手:羽柴健人
------------------------------------------
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる