79 / 92
第9章 心と体を磨くバカンス、そして
3
しおりを挟む
そんなわたしの腕をそっと外し、彼は自分の浴衣を脱ぎ捨て、わたしの脚に手をかけた。
膝を立て、左右に割ろうとする。
まだ、反射的に閉じようとしたけれど、彼は難なく開かせ、同時にわたしの腰を抱え込んでしまった。
そして、吐息とともに、つっと指で狭間に触れてきた。
「あふっ……」
待ち望んでいた刺激に、彼の手の中にあるわたしの腰は、びくっと跳ねあがった。
玲伊さんは耳元で甘く囁く。
「もう我慢できない?」
わたしはこくっと頷いてしまう。
彼はそんなわたしの顔にかかっていた髪をやさしく払いながら言った。
「でもね、今日はたっぷり時間があるし、じっくり可愛がってあげたいんだ」
それから彼は、なめらかな指先や熱い唇で、本当に、あますところなくわたしに触れていった。
体の線や背筋をなぞるように指先で触れながら、唇は腕の内側から鎖骨、みぞおちへとすべってゆく。
でも、なぜか、いつもすぐにわたしを喘がせてしまう胸の尖りは触れずに避けてゆく。
焦ったくて、わたしは思わず声を漏らす。
「あ……ん、れ……いさぁん」
すると今度は、彼の手がわたしの脚にかかる。
そして、右足を少し持ちあげ、そろそろとゆっくり膝の辺りから唇を這い上らせてくる。
今や、もうとっくに玲伊さんが施してくれる快楽の虜になっていたわたしは、そんなふうにされると、早く敏感なところに触れてほしくて、たまらない気持ちになってしまう。
「あん……」
でも、わたしの望みは充分すぎるほど察しているはずなのに、玲伊さんはやっぱり、そこに触れてくれない。
ふたたび当てがはずれたわたしは、つい、恨みがましい目を向けてしまう。
「優紀……そんな顔して」
その視線に気づいた玲伊さんが、わたしの頬にそっと触れながら、囁いた。
「玲伊さん……ねえ、お願い……」
彼は、少し意地の悪い笑みを浮かべて、わたしを見つめる。
「どうして欲しいか、言ってごらん」
そんなこと、とても言えない。
わたしはただ、首を振る。
「でも言ってくれないと、してあげられないけど」
もお……
「だから、いつもみたいに……して欲しい」
「ん?」
ちょっと頑張ったのに、彼はまだ首をかしげて、わたしを見ている。
「も……玲伊さぁん」
耐えがたいほど焦らされて、わたしは彼の名を呼びながら、はしたなく、ねだるように腰を揺らしてしまった。
そんなわたしを見て、彼は欲情にかすれた声でつぶやく。
「ああ、もう、優紀はどうしてそんなに可愛いんだよ。本当にたまらないよ」
そう言いながら、わたしの頭を撫でて、額に口づける。
そして……
ふいにわたしの中心に顔を埋めると、敏感な部分を舌先で嬲りはじめた。
同時に指先で胸の頂を責めながら。
「い……っ」
散々焦らされていたわたしは、すぐに高みに昇りつめてしまった。
はあはあと荒い息をこぼすわたしの唇を喰みながら、彼がゆっくり入ってきた。
「あ、あん、あっ、や」
「ああ、ゆ……うき、悦んでるのが伝わってくるよ」
「う……ん、気持ち……いい……から」
彼はこれまでになかったほどの激しさでわたしを貪り尽くした。
それから夜が更けるまで、わたしたちは愛し合い続けた。
そして……何度目かの交合の果て……
まるでスイッチが切れたように、わたしはいつのまにか意識を手放していた。
膝を立て、左右に割ろうとする。
まだ、反射的に閉じようとしたけれど、彼は難なく開かせ、同時にわたしの腰を抱え込んでしまった。
そして、吐息とともに、つっと指で狭間に触れてきた。
「あふっ……」
待ち望んでいた刺激に、彼の手の中にあるわたしの腰は、びくっと跳ねあがった。
玲伊さんは耳元で甘く囁く。
「もう我慢できない?」
わたしはこくっと頷いてしまう。
彼はそんなわたしの顔にかかっていた髪をやさしく払いながら言った。
「でもね、今日はたっぷり時間があるし、じっくり可愛がってあげたいんだ」
それから彼は、なめらかな指先や熱い唇で、本当に、あますところなくわたしに触れていった。
体の線や背筋をなぞるように指先で触れながら、唇は腕の内側から鎖骨、みぞおちへとすべってゆく。
でも、なぜか、いつもすぐにわたしを喘がせてしまう胸の尖りは触れずに避けてゆく。
焦ったくて、わたしは思わず声を漏らす。
「あ……ん、れ……いさぁん」
すると今度は、彼の手がわたしの脚にかかる。
そして、右足を少し持ちあげ、そろそろとゆっくり膝の辺りから唇を這い上らせてくる。
今や、もうとっくに玲伊さんが施してくれる快楽の虜になっていたわたしは、そんなふうにされると、早く敏感なところに触れてほしくて、たまらない気持ちになってしまう。
「あん……」
でも、わたしの望みは充分すぎるほど察しているはずなのに、玲伊さんはやっぱり、そこに触れてくれない。
ふたたび当てがはずれたわたしは、つい、恨みがましい目を向けてしまう。
「優紀……そんな顔して」
その視線に気づいた玲伊さんが、わたしの頬にそっと触れながら、囁いた。
「玲伊さん……ねえ、お願い……」
彼は、少し意地の悪い笑みを浮かべて、わたしを見つめる。
「どうして欲しいか、言ってごらん」
そんなこと、とても言えない。
わたしはただ、首を振る。
「でも言ってくれないと、してあげられないけど」
もお……
「だから、いつもみたいに……して欲しい」
「ん?」
ちょっと頑張ったのに、彼はまだ首をかしげて、わたしを見ている。
「も……玲伊さぁん」
耐えがたいほど焦らされて、わたしは彼の名を呼びながら、はしたなく、ねだるように腰を揺らしてしまった。
そんなわたしを見て、彼は欲情にかすれた声でつぶやく。
「ああ、もう、優紀はどうしてそんなに可愛いんだよ。本当にたまらないよ」
そう言いながら、わたしの頭を撫でて、額に口づける。
そして……
ふいにわたしの中心に顔を埋めると、敏感な部分を舌先で嬲りはじめた。
同時に指先で胸の頂を責めながら。
「い……っ」
散々焦らされていたわたしは、すぐに高みに昇りつめてしまった。
はあはあと荒い息をこぼすわたしの唇を喰みながら、彼がゆっくり入ってきた。
「あ、あん、あっ、や」
「ああ、ゆ……うき、悦んでるのが伝わってくるよ」
「う……ん、気持ち……いい……から」
彼はこれまでになかったほどの激しさでわたしを貪り尽くした。
それから夜が更けるまで、わたしたちは愛し合い続けた。
そして……何度目かの交合の果て……
まるでスイッチが切れたように、わたしはいつのまにか意識を手放していた。
2
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~
けいこ
恋愛
人生に疲れ、自暴自棄になり、私はいろんなことから逃げていた。
してはいけないことをしてしまった自分を恥ながらも、この関係を断ち切れないままでいた。
そんな私に、ひょんなことから同居生活を始めた個性的なイケメン男子達が、それぞれに甘く優しく、大人の女の恋心をくすぐるような言葉をかけてくる…
ピアノが得意で大企業の御曹司、山崎祥太君、24歳。
有名大学に通い医師を目指してる、神田文都君、23歳。
美大生で画家志望の、望月颯君、21歳。
真っ直ぐで素直なみんなとの関わりの中で、ひどく冷め切った心が、ゆっくり溶けていくのがわかった。
家族、同居の女子達ともいろいろあって、大きく揺れ動く気持ちに戸惑いを隠せない。
こんな私でもやり直せるの?
幸せを願っても…いいの?
動き出す私の未来には、いったい何が待ち受けているの?

手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】
まぁ
恋愛
ワイン、ホテルの企画業務など大人の仕事、そして大人に切り離せない恋愛と…
「Ninagawa Queen's Hotel」
若きホテル王 蜷川朱鷺
妹 蜷川美鳥
人気美容家 佐井友理奈
「オークワイナリー」
国内ワイナリー最大手創業者一族 柏木龍之介
血縁関係のない兄妹と、その周辺の何角関係…?
華やかな人々が繰り広げる、フィクションです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
月城副社長うっかり結婚する 〜仮面夫婦は背中で泣く〜
白亜凛
恋愛
佐藤弥衣 25歳
yayoi
×
月城尊 29歳
takeru
母が亡くなり、失意の中現れた謎の御曹司
彼は、母が持っていた指輪を探しているという。
指輪を巡る秘密を探し、
私、弥衣は、愛のない結婚をしようと思います。

溺婚
明日葉
恋愛
香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。
以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。
イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。
「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。
何がどうしてこうなった?
平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?
契約結婚のはずなのに、冷徹なはずのエリート上司が甘く迫ってくるんですが!? ~結婚願望ゼロの私が、なぜか愛されすぎて逃げられません~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「俺と結婚しろ」
突然のプロポーズ――いや、契約結婚の提案だった。
冷静沈着で完璧主義、社内でも一目置かれるエリート課長・九条玲司。そんな彼と私は、ただの上司と部下。恋愛感情なんて一切ない……はずだった。
仕事一筋で恋愛に興味なし。過去の傷から、結婚なんて煩わしいものだと決めつけていた私。なのに、九条課長が提示した「条件」に耳を傾けるうちに、その提案が単なる取引とは思えなくなっていく。
「お前を、誰にも渡すつもりはない」
冷たい声で言われたその言葉が、胸をざわつかせる。
これは合理的な選択? それとも、避けられない運命の始まり?
割り切ったはずの契約は、次第に二人の境界線を曖昧にし、心を絡め取っていく――。
不器用なエリート上司と、恋を信じられない女。
これは、"ありえないはずの結婚"から始まる、予測不能なラブストーリー。

再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです
星空永遠
恋愛
6年前、ホームレスだった藤堂樹と出会い、一緒に暮らしていた。しかし、ある日突然、藤堂は桜井千夏の前から姿を消した。それから6年ぶりに再会した藤堂は藤堂ブランド化粧品の社長になっていた!?結婚を前提に交際した二人は45階建てのタマワン最上階で再び同棲を始める。千夏が知らない世界を藤堂は教え、藤堂のスパダリ加減に沼っていく千夏。藤堂は千夏が好きすぎる故に溺愛を超える執着愛で毎日のように愛を囁き続けた。
2024年4月21日 公開
2024年4月21日 完結
☆ベリーズカフェ、魔法のiらんどにて同作品掲載中。
ケダモノ、148円ナリ
菱沼あゆ
恋愛
ケダモノを148円で買いました――。
「結婚するんだ」
大好きな従兄の顕人の結婚に衝撃を受けた明日実は、たまたま、そこに居たイケメンを捕まえ、
「私っ、この方と結婚するんですっ!」
と言ってしまう。
ところが、そのイケメン、貴継は、かつて道で出会ったケダモノだった。
貴継は、顕人にすべてをバラすと明日実を脅し、ちゃっかり、明日実の家に居座ってしまうのだが――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる