79 / 91
第9章 心と体を磨くバカンス、そして
3
しおりを挟む
そんなわたしの腕をそっと外し、彼は自分の浴衣を脱ぎ捨て、わたしの脚に手をかけた。
膝を立て、左右に割ろうとする。
まだ、反射的に閉じようとしたけれど、彼は難なく開かせ、同時にわたしの腰を抱え込んでしまった。
そして、吐息とともに、つっと指で狭間に触れてきた。
「あふっ……」
待ち望んでいた刺激に、彼の手の中にあるわたしの腰は、びくっと跳ねあがった。
玲伊さんは耳元で甘く囁く。
「もう我慢できない?」
わたしはこくっと頷いてしまう。
彼はそんなわたしの顔にかかっていた髪をやさしく払いながら言った。
「でもね、今日はたっぷり時間があるし、じっくり可愛がってあげたいんだ」
それから彼は、なめらかな指先や熱い唇で、本当に、あますところなくわたしに触れていった。
体の線や背筋をなぞるように指先で触れながら、唇は腕の内側から鎖骨、みぞおちへとすべってゆく。
でも、なぜか、いつもすぐにわたしを喘がせてしまう胸の尖りは触れずに避けてゆく。
焦ったくて、わたしは思わず声を漏らす。
「あ……ん、れ……いさぁん」
すると今度は、彼の手がわたしの脚にかかる。
そして、右足を少し持ちあげ、そろそろとゆっくり膝の辺りから唇を這い上らせてくる。
今や、もうとっくに玲伊さんが施してくれる快楽の虜になっていたわたしは、そんなふうにされると、早く敏感なところに触れてほしくて、たまらない気持ちになってしまう。
「あん……」
でも、わたしの望みは充分すぎるほど察しているはずなのに、玲伊さんはやっぱり、そこに触れてくれない。
ふたたび当てがはずれたわたしは、つい、恨みがましい目を向けてしまう。
「優紀……そんな顔して」
その視線に気づいた玲伊さんが、わたしの頬にそっと触れながら、囁いた。
「玲伊さん……ねえ、お願い……」
彼は、少し意地の悪い笑みを浮かべて、わたしを見つめる。
「どうして欲しいか、言ってごらん」
そんなこと、とても言えない。
わたしはただ、首を振る。
「でも言ってくれないと、してあげられないけど」
もお……
「だから、いつもみたいに……して欲しい」
「ん?」
ちょっと頑張ったのに、彼はまだ首をかしげて、わたしを見ている。
「も……玲伊さぁん」
耐えがたいほど焦らされて、わたしは彼の名を呼びながら、はしたなく、ねだるように腰を揺らしてしまった。
そんなわたしを見て、彼は欲情にかすれた声でつぶやく。
「ああ、もう、優紀はどうしてそんなに可愛いんだよ。本当にたまらないよ」
そう言いながら、わたしの頭を撫でて、額に口づける。
そして……
ふいにわたしの中心に顔を埋めると、敏感な部分を舌先で嬲りはじめた。
同時に指先で胸の頂を責めながら。
「い……っ」
散々焦らされていたわたしは、すぐに高みに昇りつめてしまった。
はあはあと荒い息をこぼすわたしの唇を喰みながら、彼がゆっくり入ってきた。
「あ、あん、あっ、や」
「ああ、ゆ……うき、悦んでるのが伝わってくるよ」
「う……ん、気持ち……いい……から」
彼はこれまでになかったほどの激しさでわたしを貪り尽くした。
それから夜が更けるまで、わたしたちは愛し合い続けた。
そして……何度目かの交合の果て……
まるでスイッチが切れたように、わたしはいつのまにか意識を手放していた。
膝を立て、左右に割ろうとする。
まだ、反射的に閉じようとしたけれど、彼は難なく開かせ、同時にわたしの腰を抱え込んでしまった。
そして、吐息とともに、つっと指で狭間に触れてきた。
「あふっ……」
待ち望んでいた刺激に、彼の手の中にあるわたしの腰は、びくっと跳ねあがった。
玲伊さんは耳元で甘く囁く。
「もう我慢できない?」
わたしはこくっと頷いてしまう。
彼はそんなわたしの顔にかかっていた髪をやさしく払いながら言った。
「でもね、今日はたっぷり時間があるし、じっくり可愛がってあげたいんだ」
それから彼は、なめらかな指先や熱い唇で、本当に、あますところなくわたしに触れていった。
体の線や背筋をなぞるように指先で触れながら、唇は腕の内側から鎖骨、みぞおちへとすべってゆく。
でも、なぜか、いつもすぐにわたしを喘がせてしまう胸の尖りは触れずに避けてゆく。
焦ったくて、わたしは思わず声を漏らす。
「あ……ん、れ……いさぁん」
すると今度は、彼の手がわたしの脚にかかる。
そして、右足を少し持ちあげ、そろそろとゆっくり膝の辺りから唇を這い上らせてくる。
今や、もうとっくに玲伊さんが施してくれる快楽の虜になっていたわたしは、そんなふうにされると、早く敏感なところに触れてほしくて、たまらない気持ちになってしまう。
「あん……」
でも、わたしの望みは充分すぎるほど察しているはずなのに、玲伊さんはやっぱり、そこに触れてくれない。
ふたたび当てがはずれたわたしは、つい、恨みがましい目を向けてしまう。
「優紀……そんな顔して」
その視線に気づいた玲伊さんが、わたしの頬にそっと触れながら、囁いた。
「玲伊さん……ねえ、お願い……」
彼は、少し意地の悪い笑みを浮かべて、わたしを見つめる。
「どうして欲しいか、言ってごらん」
そんなこと、とても言えない。
わたしはただ、首を振る。
「でも言ってくれないと、してあげられないけど」
もお……
「だから、いつもみたいに……して欲しい」
「ん?」
ちょっと頑張ったのに、彼はまだ首をかしげて、わたしを見ている。
「も……玲伊さぁん」
耐えがたいほど焦らされて、わたしは彼の名を呼びながら、はしたなく、ねだるように腰を揺らしてしまった。
そんなわたしを見て、彼は欲情にかすれた声でつぶやく。
「ああ、もう、優紀はどうしてそんなに可愛いんだよ。本当にたまらないよ」
そう言いながら、わたしの頭を撫でて、額に口づける。
そして……
ふいにわたしの中心に顔を埋めると、敏感な部分を舌先で嬲りはじめた。
同時に指先で胸の頂を責めながら。
「い……っ」
散々焦らされていたわたしは、すぐに高みに昇りつめてしまった。
はあはあと荒い息をこぼすわたしの唇を喰みながら、彼がゆっくり入ってきた。
「あ、あん、あっ、や」
「ああ、ゆ……うき、悦んでるのが伝わってくるよ」
「う……ん、気持ち……いい……から」
彼はこれまでになかったほどの激しさでわたしを貪り尽くした。
それから夜が更けるまで、わたしたちは愛し合い続けた。
そして……何度目かの交合の果て……
まるでスイッチが切れたように、わたしはいつのまにか意識を手放していた。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
88
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる