甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜

泉南佳那

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第七章

合宿と新居 10

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 橋本さんと話したときも、いつかはそうなりたいと思っていたけれど。
 同棲初日のこのタイミングでプロポーズされるとは思っていなくて、すぐに反応できなかった。
 
 答えないわたしを見て、亮介さんは少し不安そうな顔をした。
「だめ?」

 わたしは大きく首を振った。
「だめじゃない。急でびっくりして」

「俺にとってはぜんぜん急じゃない。奈月と出会った日から思い続けてきたんだから」


「亮介さん。嬉しすぎて……なんて答えればいいかわからない」
「奈月……」
 彼はわたしをそっとベッドに横たえた。

 自分もベッドに上がり、顔の両脇に手をついて上から見つめてくる。
 
「出会った日から思ってた。俺には奈月しかいないって」

 そうして、唇が降りてきて、身体が蕩けてしまいそうなキスをされて……

 パジャマのボタンを器用に外され、首筋から鎖骨、胸へと絶え間なく口づけしながら、亮介さんは囁き続ける。

「愛してるよ、俺の大切な奈月」と。

 彼はいつでも過剰なほど、好きだという気持ちを言葉にしてくれる。

 それはつまり、わたしを不安にさせないように気遣ってくれているということ。

「亮介さん、わたしも一生あなたを大切にします」
「奈月……」

 わたしは、彼の重みを全身で受け止めながら、唯一無二の人に出会えた幸せを噛み締めていた。
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