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第六章
本心を聞かせて 14
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15分ほどして、今度は部屋のチャイムが鳴った。
そのまま無視しようと思ったけれど、2度、3度と鳴らされ、仕方なく立ち上がって応答した。
「孝之……」
「開けてくれる? さっきの電話の様子がおかしかったから気になって」
さすがに心配して駆けつけてくれた弟を追い返すわけにもいかず、解錠した。
でも、ドアを開けると、そこにいたのは、孝之ではなかった。
島内さんだった。
「ごめん。騙しうちみたいなことをして。俺が孝之に頼んだ。俺だと言っても会ってくれないと思ったから」
「帰ってください」
急いで閉めようとしたけれど、タッチの差で彼はドアノブに手をかけ、強い力で引いた。
「頼む。話を聞かせてほしい」
「話すことなんてないです」
「いや、あるはずだよ。なんで急に合宿に行けなくなったか教えてくれ」
「理由は別にないです。行きたくなくなっただけ。ねえ、お願いだから帰って。他に行くところがあるでしょう?」
押し問答をしていたら隣のドアが開く音がした。
わたしたちの声を聞きつけたらしい。
「どうかしました?」
お隣の奥さんが不審げにこっちを見る。
わたしは表に出て、謝った。
「すみません、うるさくして」
「トラブルなら110番するけど?」
「いえ、大丈夫です」
まだ納得していない顔をしながらも、奥さんはドアを閉めた。
そのまま無視しようと思ったけれど、2度、3度と鳴らされ、仕方なく立ち上がって応答した。
「孝之……」
「開けてくれる? さっきの電話の様子がおかしかったから気になって」
さすがに心配して駆けつけてくれた弟を追い返すわけにもいかず、解錠した。
でも、ドアを開けると、そこにいたのは、孝之ではなかった。
島内さんだった。
「ごめん。騙しうちみたいなことをして。俺が孝之に頼んだ。俺だと言っても会ってくれないと思ったから」
「帰ってください」
急いで閉めようとしたけれど、タッチの差で彼はドアノブに手をかけ、強い力で引いた。
「頼む。話を聞かせてほしい」
「話すことなんてないです」
「いや、あるはずだよ。なんで急に合宿に行けなくなったか教えてくれ」
「理由は別にないです。行きたくなくなっただけ。ねえ、お願いだから帰って。他に行くところがあるでしょう?」
押し問答をしていたら隣のドアが開く音がした。
わたしたちの声を聞きつけたらしい。
「どうかしました?」
お隣の奥さんが不審げにこっちを見る。
わたしは表に出て、謝った。
「すみません、うるさくして」
「トラブルなら110番するけど?」
「いえ、大丈夫です」
まだ納得していない顔をしながらも、奥さんはドアを閉めた。
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