甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜

泉南佳那

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第五章

急接近の夏 8

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 うわ、なんというか、あまりにも煌びやかなメンバーで、やっぱり場違い感が……

 橋本さんは島内さんの姿を認めると、すっとそばに寄っていった。

「今日からよろしく。まさか、同じ部署で働くことになるとはねえ」
「ほんとっすね」

 聞き耳を立てていたわけじゃないけれど、狭い部屋なのでふたりの会話が自然と耳に入ってくる。 
 
 知り合いなんだ。
 営業と企画だから、何かの仕事で接点があったのかな?
 
 やだ。何を気にしているんだろう、わたし。
 
 自分のなかにふっと現れた感情をごまかすように、コーヒーの準備に向かった。
 
「わたしも一緒にやるよ。植田さん、よね。よろしく」と橋本さん。
「よろしくお願いします」
「これから仲良くやっていこうね」とにっこり。
「はい」
 気さくで話しやすそうな人。
 よかった。
 
 島内さんとはどういうお知り合いなんですか、という言葉が喉まで出かかったけれど、言わずに飲みこんだ。
 なんで気になるのって、逆につっこまれたら答えに困るなと思って。
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