甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜

泉南佳那

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第三章

諦められない、とても 7

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 なんだか意表をつかれた。

 島内さんがそんなふうに考えているなんて、ぜんぜん思っていなかった。

 不安げな面持ちでわたしを見る彼。
 そんな顔、しなくていいのに。

「軽蔑なんて……してないです。お互い、いい大人ですし。あの夜のことでしたら、別に気にしてません」

「ほんと?」
 わたしは頷いて、そして続けた。

「いえ、むしろ……お礼を言わなきゃいけないなと思っていました。少しだけ立ち直るきっかけになったようなので。自分でもどうしてか、よくわからないんですけど」

「じゃあ、少しは役に立てたのか。あー、良かった」
 島内さんはほっとした様子で、椅子の背に身体を預けた。

「もちろん、あんなことが自分の身に起こるなんて、考えたこともなかったですけど」

「俺だって。初めて飲んだ相手とそのまま……なんて、きみがはじめてだよ」
「えっ? まさか」

「また信用してくれない……植田さん、俺をどんな男だって思ってんの」
「でも……すごく慣れてる感じでした、島内さん」

「内心めちゃくちゃ舞い上がってたんだけど」
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