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2章 同盟

愛しい部下

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 洒落た風景画が掛けられている赤いレンガの壁、光沢のある木の床、贅沢なサイズのダブルベッド。裸の女性二人がそこでまどろんでいる。
 煙草を口に運ぶ女性、名前はレベッカ・ブローニング。西火帝国陸軍第三師団所属、階級は准将。ウェーブのかかったロング金髪。軍人らしい冷徹な目、スレンダーな体には大小の傷があり、左胸はえぐられたように無くなっている。
 その傍らで、充実した表情を浮かべ枕に顔を沈めている女性の名はシャルロット・パラベラム。レベッカ直属の部下で階級は大佐。ショートの赤髪、少年のような瞳、そばかす顔、格闘家みたいに大柄で腹筋の割れた逞しい体躯。
 
「ラヴォワ公国、知ってるな」

 右手の人差し指からライターのように火を出現させ煙草に着火させた――火の民、そいつらは大なり小なり火を自在に出すことが出来る。ロビンソン・クルーソーもビックリだ――
 レベッカが、シャルロットに訊く。

 「先月、ルーグ公国を実質支配下に置いた国ですね」
 「そこの新しい公主、しかも女公だ。そいつが面白い。公主になるや弓を主体にした軍に編成した。今やその数五百弓だ」

 シャルロットが起き上がる。

 「五百って、帝国の持つ弓は千……あの小国で帝国の半数を持ってるのですか?」
 「数の上ではな、どんな種類の弓かは知らないぞ」

 煙草の先が赤くなり、煙を吐きだすレベッカ。

 「それより面白いのが情報収集力が明らかに変わったことだ」

 両手を前に揃えたシャルロットが真剣な眼差しでレベッカを見る。

 「今回のルーグ支配も、帝国の大臣数人を利用して成功させたもの。前の公、戦闘は中々だったが情報収集は無頓着な田舎者だったからな」

 半分残したままレベッカが煙草を灰皿に押し付ける。

 「切れ者の人材を大抜擢したか。新しい公主、つまり前公の娘がやり手なのか……。シャルロット、お前の目でそれを確かめに行って欲しい」
 「はっ!」

 間髪入れず返答するシャルロット。
 その返答した口にレベッカが口付けする。

 「相変わらず真面目なシャルロット」
 「しょ、将軍……」

 絡み合ってベッドに倒れこむ二人。
 部屋の片隅で見下ろしていた俺は腕を組んで二人の痴態を眺め、呟いた。

 「スゲエ……」



 俺はラヴォワ公国の都、シャテルロウ上空に瞬間移動した。
 西火帝国内で丸二日かけての情報集めを終えての帰還だ。
  ま、実体が無い上、心まで読める俺に探られたら秘密なんて無いようなもんだがな。

 「おーい、帰ったぞ。城の上だ」

 パシアルドーファン城を見下ろして叫ぶ。
 ジャンヌは数百メートル離れてても俺の声を聞くことができる。昼時なら城周辺にいるであろう、そう考えここからジャンヌを呼んだのだ。
 目にチカチカ光りが当たる、俺はその発信源へ体を降下させた。
 城から街へと続く下り坂の途中、自転車に跨りコンパクトミラーをたたむジャンヌが居た。

 「よっ、何だよこれからどこ行くんだよ」

 俺の声に、ジャンヌは嬉しそうな顔で腰まで伸びたポニーテールを揺らす。

 「かわいい部下達と昼酒だ」

 そう言うとジャンヌは街へと自転車を走らせた。

 「おっ、姫! いや……公主様。頑張れよー」
 「公主様ー、ウチの店にも寄ってきなよー、いい頃合いの生ハムありますぜー」
 「林檎ジュース飲まんか」

 道路沿いの店から声が飛ぶ、それに、
 「いままでどおり姫でいいって!」
 「明日行くからとっとけよー」
 「今日は遠慮しとくー、今から酒なんだー」
 と返す。

 「お前って意外と人気あるよな」
 「意外とは何だ、タクミ!」

 俺の素朴な感想にジャンヌはムッとした声で答える。
 自転車が減速し、レストランという看板の前で止まる。
 店の前にいる店員へ自転車を預け、店内に入るジャンヌ。
 顔馴染みなのか、店員達が次々と親しげに彼女へ声を掛けてくる。

 「あー、二階のあの部屋だろ。一人で行くから案内はいいって」

 何度も案内を申し出る店員を尻目にジャンヌは階段を上がっていった。

 「……ところで例の件、どうだった?」

 誰も居ないとはいえ、ジャンヌは用心深い。独り言のように俺へ低く呟いた。

 「ブローニング准将な、お前の言うとおり中々の奴だよ。この国の弓増強と情報力に目をつけていたぞ。そしてお前の親父を、情報軽視の田舎者とか言ってたな」
 「ふん、確かに父は情報収集をバカにしていたからな。やはりブローニングは私と気が合いそうだ。で、准将はどんな男が好みだった? 性癖は?」
 「……お前、同性愛に興味あるか?」

 きょとんとこちらを見るジャンヌ、その顔が見る見る赤く染まる。

 「な、なな、ブ、ブローニングはそんな趣味があったのか?!」
 「ああ、子飼いの部下としっぽりな。しかし女同士の絡みってスゲェな。男にゃ思いつかないエロテクするし。しかも軍人だから体力あるある、終わっても終わってもやり続けるんだぜ」
 「…………」

 真っ赤な顔でそっぽを向くジャンヌ。

 こちらも驚く様な発想をしたり、妙に理知的な考えをしたりするクセに、この程度のエロ話しでこいつは何のリアクションも出来なくなってしまう。つまりアンバランスなウブさを持ち合わせているのだ。
 ま、それがこいつの可愛いとこでもあるのだが。

 二階の廊下を突き当たった部屋の前まで来ると、ジャンヌは小さく息を吸い込んだ。

 「みんな、待たせたな」

 開けた扉の先には二十帖程の部屋、様々な料理が盛り付けられた皿がテーブルに並んでいる。それに沢山のワインも。

 「ジャンヌ様!」
 「ジャンヌ公、お待ちしておりました!」

 テーブルを中心に立っていた軍服姿の六人の男女が一様に声を上げる。
 その顔ぶれに俺は見覚えがあった。確か百貫デブの将軍を射殺したクロスボウ騎馬隊にいた連中だ。
 なる程、こいつらジャンヌ直属の部下なのか。

 「お前ら食ってたかー? あー、腹減った」

 我先にと小皿に料理を取り分ける六人。

 「ど、どうぞ! ジャンヌ様」
 「ジャンヌ様の好きな鴨のブルーベリーソースがけですよ、どうぞ!」
 「おーい、そんないっぺんに食べられるかー!」

 差し出された六つの皿へ満遍なく手をつけるジャンヌ。そして注がれた赤ワインのグラスを飲み干した。

 おいおい、あいつ十六じゃなかったか? この世界じゃ未成年の飲酒はオーケーなのかも知れないが。

 それからは飲めや踊れの大騒ぎ。自分よりも図体のでかい部下の首に腕を回しぶら下がったり、ワインのビンを片手に部下へ注ぎまわったりと大急がしのジャンヌ。
 俺はそれを天井に頭がつきそうな位置から眺めていた。

 “あいつ、あんな顔もするんだな”

 組んだ両手を口に当て、俺の集めてきた情報に耳を傾ける無機質な顔。城の射撃場でボウガンを撃つ、ぶすっとした顔。
 それらとは結びつかない、無邪気にはしゃぐ顔。

 “酔っぱらってるのを抜きにしても、同じ人物の顔とは思えねーな”

 宴もたけなわ、それ以上飲むと本当にぶっ倒れるぞ、と俺がジャンヌに言おうとしたその時、部下の一人が右手を上げこう言った。

 「ジャンヌ様、ここで私達から要望があるのですが。よろしいでしょうか?」

 声の主はバレーボール選手のように背の大きい女、ジュディ・ハープーンからだった。

 「うぎ? 何だ、いいぞ」
 「では私から、度々切れる弦の耐久性を上げて頂きたいと存じます!」
 「ほんじゃワシからも言わせて頂こうかな。弓自体をもっと軽量化して欲しい、そうすりゃもっと敵を倒せる自信がある」

 つるっぱげの頭に、隼のマークがあるバンダナを巻いた初老の男、アレクサンドロ・ファルコン――この世界有数の傭兵だ――も要望を述べた。その後、残りの四人も要望を続けたが大体ファルコンと同じものだった。

 「よし! これで終わりか。おい、みんなの意見憶えたな?」

 バカ笑いしながら一同を見た後、斜め上に浮いている俺を指差すジャンヌ。
 みんな酔ってるせいで笑い流したが、こういうことを人前でやってはいけない。後でキッチリ言っとかないとな。
 それと……。

 俺はバカ笑いしてるジャンヌの隣に移動した。

 「ジュディはますますルーグに調略されてんな」

 ジャンヌのバカ笑いが止まり、目だけが俺に向いた。
 その目は酔いの一片も感じさせない目で、しかも恐ろしく冷徹な光を帯びていた。
 ふらりと六人に向きを変えたジャンヌは、大きく息を吸い込んだ。
 一瞬ジュディに『お前騙されてるぞ!』と言うのでは、と思ったが違った。

 「みんなの要望、確かに聞いた! 他にもあればどんどん聞くぞ! 言い難いことなら私に直接言いに来い、わかったな!」

 真っ赤な顔にワインボトルを手にしてることから、一見酔っ払いの大言みたいに見えたが、連中もジャンヌの真意を感じたのだろう。ちょっとした間を置いた後、
 「イヨッ! さすが我らの親分!!」
 「一生ついていきます、ジャンヌ様!」
 と一斉に拍手が起きた。
 そんな中、ジュディだけは僅かにバツが悪い表情を浮かべ、視線をそらしている。

 “……ぬるいこと言いやがって”

 俺は舌打ちした。
 ルーグの調略は用意周到に進められている。そう、ジュディはもう後戻り出来ないところに来ているんだ。
 ジャンヌはそれがわかってない。今夜にでも夜逃げを実行しようとしている者へ「明日も相談にのるからね」と言ってるようなもんだ。
 この飲み会終わったら、あいつに言わなければならない。きっと聞きたくないといった風にブスっとするだろうが知ったことではない。

 つづく
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