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2章 同盟
初陣
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「そこを左行け、左!! 遅れている奴いるぞバカ!」
クロスボウを両脇に備えた騎馬三十機を引き連れる姫君に、俺は上空から叫んだ。
“まさか、こんな方法を考えるなんてな”
奇岩が作り出す迷路、行き止まりや障害がある個所を上空から確認し、目的地まで通行できる道へ誘導する俺。それに従い、右へ左へ駆け抜けてゆく姫君の騎馬隊。
そこから数十メートル離れた砂漠地帯では、姫君と反対方向へ槍兵部隊がゆうゆうと歩を進めている。並んだ槍の角度がバラバラだ。左右に揺らしながら歩いてる奴もいる。
完全に勝ち戦モードに入り、弛んでいるようだ。
「おい、正面に見える岩に上れ。ほれ、上りやすそうなやつ」
俺の声に、姫君がちらりとこちらを向いて頷く。
姫君率いる騎馬隊が緩やかな傾斜のついた奇岩を上る。その奇岩の向こうには百貫デブの本陣が見下ろせた。
「俺は敵の本陣に行く、そこで敵がお前らに気付いたかどうかチェックする。気付かれたら撤退! とデケー声出すからすぐ逃げろよ」
奇岩の頂きでクロスボウの弦を引き終わった姫君が俺に親指を向ける。
本陣は奇岩の真下から五十メートル程離れた所にあった。
篝火が焚かれ、先程の槍兵同様勝ち戦モードで浮かれており、得体の知れない骨付き肉を焼いたり、赤いワインみたいな液体の入った木のジョッキを片手に兵士達がはしゃいでいた。
「将軍の手にかかれば連戦連勝ですな」
「やつらは根性が足りん! がははは」
兵隊長みたいな奴の言葉にご機嫌の百貫デブ。木のジョッキを傾け、ガブガブとワインみたいな液体を飲み干すと物凄いゲップをした。
臭いなど感じるはずもないのだが、隣に立っている俺は顔を背けてしまった。
かなり日が傾いている。
早くしないと間に合わなくなっちまうぞ、姫君!
「では、今一度、我らの勝利に乾杯!」
「かんぱ……」
空を裂いて飛んできた矢が百貫デブの後頭部に刺さり、目と鼻の間から矢じりが飛び出す。
それから間を置かず飛んできた矢が次々と背中へ突き刺さり、百貫デブはイビキのような鼻息を上げ、前のめりに倒れた。
「敵襲! 敵襲だ!」
兵隊長らしき連中が、四つん這いの格好でその場から逃げ出した。
矢は絶え間なく降り注ぎ、何人かがその矢を浴びて倒れ込み、呻き声や泣き声のような悲鳴を上げた。
しかし、切れ目無く矢を集中させやがる。
あの人数でどうやってんだ?
俺はその場からロケットの様に浮上し、ジャンヌ達を望める所で停止した。
ははん、そんな方法で連射してたのか。
クロスボウの射撃手は四人。
そして他の二十六人がそれぞれ役割分担――撃ち終わったクロスボウを受け取る、弦を張る為のハンドルを回す、それに矢を込める、矢を込めたクロスボウを手渡す――をテキパキ無駄の無い動きでこなしていたのだ。
信長の鉄砲三段撃ちに近い方法だ。この世界じゃ当たり前の方法なのかもしれないが驚きだ。
納得、感嘆した俺は無数の矢が突き刺さる本陣へ降下し、ハリネズミみたいに矢が背中に刺さりまくった百貫デブを見下ろした。
地面に突っ伏した顔面の周りには血だまりが広がっている。
「おい! 敵の大将は死んだ! 撤収だ!!」
ジャンヌに聞こえるよう大きな声で言う。
だが、聞こえてるのか聞こえてないのか、矢の雨は止まず、肉体の無い俺の胸や頭を突き抜けてゆく。
「バカヤロー! 撤収だ!」
今度はちゃんと聞こえたようだ。矢の雨が治まる。
同時に、辺りが騒々しくなってきた。
「あそこだ! あの岩の上に居るぞ!」
馬の嘶きと馬蹄が土を蹴る音が響いてくる。
“やべえ、さっさと姫君のところに戻らなきゃな”
俺は無意識に、姫君がいる岩の頂きの頭に浮かべた。
それは一瞬のことだった。
気付くと俺は、岩の頂きにいる姫君や部下達の姿を見下ろしていた。
“!?……ん、何だこりゃ、瞬間移動した? まさか一度見た場所へは瞬間移動できんのか? いや、今はそれよりも……”
「おい、早くしろ! 敵の騎馬隊がこっちに向かってんぞ!」
白馬にまたがった姫君が俺を見上げニッと笑う。
それは一点の曇りもない鏡のような笑顔であると同時に、背筋がゾッとする残酷な笑顔でもあった。
「作戦は成功だ! これより撤収する、私の後を離れるな!」
凜と切れ味鋭い声で叫んだ姫君は勢いよく白馬で駆け出した。
俺は一列に並ぶその騎馬隊を眼下に、ぐんぐん上昇した。
“後は俺のコントローラさばきにかかっている、ジャーン!”
迷路のような奇岩郡、俺の指示に従って走る姫君の騎馬隊はほとんど速度も落とさず駆け抜けた。
それに対し、敵の騎馬隊は足跡に沿って追撃するもスピードの違いは歴然、暗くなりかけると同時に引き返して行った。
つづく
クロスボウを両脇に備えた騎馬三十機を引き連れる姫君に、俺は上空から叫んだ。
“まさか、こんな方法を考えるなんてな”
奇岩が作り出す迷路、行き止まりや障害がある個所を上空から確認し、目的地まで通行できる道へ誘導する俺。それに従い、右へ左へ駆け抜けてゆく姫君の騎馬隊。
そこから数十メートル離れた砂漠地帯では、姫君と反対方向へ槍兵部隊がゆうゆうと歩を進めている。並んだ槍の角度がバラバラだ。左右に揺らしながら歩いてる奴もいる。
完全に勝ち戦モードに入り、弛んでいるようだ。
「おい、正面に見える岩に上れ。ほれ、上りやすそうなやつ」
俺の声に、姫君がちらりとこちらを向いて頷く。
姫君率いる騎馬隊が緩やかな傾斜のついた奇岩を上る。その奇岩の向こうには百貫デブの本陣が見下ろせた。
「俺は敵の本陣に行く、そこで敵がお前らに気付いたかどうかチェックする。気付かれたら撤退! とデケー声出すからすぐ逃げろよ」
奇岩の頂きでクロスボウの弦を引き終わった姫君が俺に親指を向ける。
本陣は奇岩の真下から五十メートル程離れた所にあった。
篝火が焚かれ、先程の槍兵同様勝ち戦モードで浮かれており、得体の知れない骨付き肉を焼いたり、赤いワインみたいな液体の入った木のジョッキを片手に兵士達がはしゃいでいた。
「将軍の手にかかれば連戦連勝ですな」
「やつらは根性が足りん! がははは」
兵隊長みたいな奴の言葉にご機嫌の百貫デブ。木のジョッキを傾け、ガブガブとワインみたいな液体を飲み干すと物凄いゲップをした。
臭いなど感じるはずもないのだが、隣に立っている俺は顔を背けてしまった。
かなり日が傾いている。
早くしないと間に合わなくなっちまうぞ、姫君!
「では、今一度、我らの勝利に乾杯!」
「かんぱ……」
空を裂いて飛んできた矢が百貫デブの後頭部に刺さり、目と鼻の間から矢じりが飛び出す。
それから間を置かず飛んできた矢が次々と背中へ突き刺さり、百貫デブはイビキのような鼻息を上げ、前のめりに倒れた。
「敵襲! 敵襲だ!」
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矢は絶え間なく降り注ぎ、何人かがその矢を浴びて倒れ込み、呻き声や泣き声のような悲鳴を上げた。
しかし、切れ目無く矢を集中させやがる。
あの人数でどうやってんだ?
俺はその場からロケットの様に浮上し、ジャンヌ達を望める所で停止した。
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クロスボウの射撃手は四人。
そして他の二十六人がそれぞれ役割分担――撃ち終わったクロスボウを受け取る、弦を張る為のハンドルを回す、それに矢を込める、矢を込めたクロスボウを手渡す――をテキパキ無駄の無い動きでこなしていたのだ。
信長の鉄砲三段撃ちに近い方法だ。この世界じゃ当たり前の方法なのかもしれないが驚きだ。
納得、感嘆した俺は無数の矢が突き刺さる本陣へ降下し、ハリネズミみたいに矢が背中に刺さりまくった百貫デブを見下ろした。
地面に突っ伏した顔面の周りには血だまりが広がっている。
「おい! 敵の大将は死んだ! 撤収だ!!」
ジャンヌに聞こえるよう大きな声で言う。
だが、聞こえてるのか聞こえてないのか、矢の雨は止まず、肉体の無い俺の胸や頭を突き抜けてゆく。
「バカヤロー! 撤収だ!」
今度はちゃんと聞こえたようだ。矢の雨が治まる。
同時に、辺りが騒々しくなってきた。
「あそこだ! あの岩の上に居るぞ!」
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“やべえ、さっさと姫君のところに戻らなきゃな”
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それは一瞬のことだった。
気付くと俺は、岩の頂きにいる姫君や部下達の姿を見下ろしていた。
“!?……ん、何だこりゃ、瞬間移動した? まさか一度見た場所へは瞬間移動できんのか? いや、今はそれよりも……”
「おい、早くしろ! 敵の騎馬隊がこっちに向かってんぞ!」
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それは一点の曇りもない鏡のような笑顔であると同時に、背筋がゾッとする残酷な笑顔でもあった。
「作戦は成功だ! これより撤収する、私の後を離れるな!」
凜と切れ味鋭い声で叫んだ姫君は勢いよく白馬で駆け出した。
俺は一列に並ぶその騎馬隊を眼下に、ぐんぐん上昇した。
“後は俺のコントローラさばきにかかっている、ジャーン!”
迷路のような奇岩郡、俺の指示に従って走る姫君の騎馬隊はほとんど速度も落とさず駆け抜けた。
それに対し、敵の騎馬隊は足跡に沿って追撃するもスピードの違いは歴然、暗くなりかけると同時に引き返して行った。
つづく
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