ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

はな

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お見送り

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そして、年が明け。





ひな「五条先生、そろそろですね」


五条「あぁ、そうだな」





空港内にあるカフェの中。

ひと足先にアメリカへ行く五条先生のお見送りに、





藤堂「いい時間だね。混んでるといけないし、ぼちぼち行こうか?悠仁」





藤堂先生と。










カフェを出て、少し歩いて移動して、





五条「いいか?何かあったら、藤堂先生や先生方にちゃんと頼るんだぞ。夏樹でも傑でもいいから、わかったか?」


ひな「はい。わかってます」


五条「時差があるけど、連絡は毎日するからな」


ひな「わたしも毎日します」


五条「実習、頑張るんだぞ。神崎先生や医局長からたくさん学びなさい」


ひな「はい」


五条「それと……ちゃんと飯食ってちゃんと寝て、薬もちゃんと飲んで、少しでも調子が悪いと思ったらすぐに藤堂先生か誰でもいいから……」


五条「もう、五条先生。それは何度も聞きました(笑)」





カフェでお茶をしている間は、他愛のない話をしてたのに。

いよいよ保安検査場の前まで来て、医者か保護者かになる五条先生。





五条「何度も言わないと、ひなはすぐ我慢するだろ。隠すのも好きだし」


ひな「なっ……。最近はそんなことないじゃないですか。藤堂先生に相談するし、自己管理も上手にしてるし」


五条「何が上手だ。言われないとしないくせに」


ひな「言われなくてもしてますよ!」


藤堂「はいはい、2人とも(笑)」





お見送りといいながら、半分、わたしの送迎のために来てくれた、もはや保護者な主治医の藤堂先生は苦笑い。





藤堂「悠仁は心配なんだよね、ひなちゃんのこと」


ひな「わたしなら本当に大丈夫ですよ。もう子どもじゃないですし」


五条「中身はまだ子どもっぽいだろ」


ひな「子どもっぽいって、なんでそんな子ども扱いっ……。エッチしてるんだから大人です……!」


五条「ちょっ、バカ、おまっ、ひな……!」


藤堂「ふふ。ひなちゃん、すこーし声が大きかったかな?」





ハッ……!





ひな「五条先生がああいえばこういうから……!!」


五条「んぁ?」





なんて、言い合っていたのも束の間。





藤堂「ほら、悠仁。そろそろ本当に並ばないと」





藤堂先生が言うと、





五条「……さみしくないか?」





急に真剣な顔になって、五条先生はわたしの頬に手を添える。





……っ。





そんなの、さみしいに決まってる。

でも、安心して行ってほしいから、





ひな「大丈夫です」





さみしいとは言えなかった。

それなのに、





五条「俺はさみしい」


ひな「え?」


五条「ひなと離れるのは、思ってた以上にさみしい。けど、頑張ってくるな。向こうで待ってる」





そう言って、五条先生はわたしを





ぎゅっ……





と抱きしめて、おでこに





ちゅっ……





とキスをして、





五条「んじゃ」





アメリカへと旅立った。










***



藤堂「ひなちゃん、平気?」


ひな「え?」





五条先生を見送った帰りの藤堂先生の車の中。





藤堂「さみしいって、悠仁に言ってよかったのに。ひなちゃんもさみしいでしょ、本当は。泣いてもいいよ~?」





と、藤堂先生が言う。





ひな「さみしいけど、ちょっとだけです。泣かないです」





そう言いながら、頬の上を水が滑り落ちるので、顔を窓の外に向けた。

すると、





藤堂「悠仁も言ってたけどね、身体のことでも生活のことでも、何かあれば言っておいで。まぁ、悠仁がいるいない関係ないんだけどさ。いつでも力になるから」





藤堂先生の優しい声がわたしを包み込んでくれた。










そして、空港を出てから1時間半ほど。





ひな「ありがとうございました」





マンションのロータリーまで送ってもらい、





藤堂「あ、待って、ひなちゃん」





シートベルトを外し、運転席を降りた藤堂先生に、





ガチャッ——





藤堂「頭ぶつけないようにね」


ひな「すみませんっ、ありがとうございます」





助手席のドアを開けてもらい。





藤堂「またね、ひなちゃん」





わたしがマンションに入るまで、きっちり見送られて。

初めての一人暮らしがスタートした。



そして……


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