226 / 233
クリクラ
しおりを挟む*ひなのside
——1ヶ月後
夏樹「ひなの、クリクラどこにするか決めた?」
ひな「う~ん……」
七海「見たらわかるでしょ」
夏樹「まだ悩んでたか」
ポリクリも残すところあとわずか。
ポリクリが終われば、次はクリクラと呼ばれる病院実習が始まる。
希望する科で数ヶ月間、実際に患者さんへ問診したり、診察したり、ポリクリとは違い見学型から参加型になる。
そんなクリクラに向けて希望する科を選ばないといけないのに、わたしはまだ決められていない。
ひな「小児は五条先生がいるから絶対ないでしょ?内科は藤堂先生だし、外科も工藤先生がいるし……」
夏樹「なら産婦人科は?ひなのポリクリで興味持ってたし」
ひな「それも考えたんだけど、宇髄先生と出くわすのはなって……」
夏樹「いや、宇髄先生は外科じゃん」
ひな「外科だけど、婦人科の担当医だもん。なぜそうなってるのかわからないけど……」
夏樹「つか、宇髄先生のこと考えたらダメだろ。どこにでも現れるんだから、選択肢無くなんぞ?」
ひな「そうだけど、やっぱり担当医がいるというのは……」
夏樹「もう、先生なんか気にせず決めればいいのに」
ひな「わたしだってそうしたいけど……そういう夏樹は決めたの?」
夏樹「おう。俺は内科」
七海「え、悟のとこじゃん」
夏樹「なんだよ。傑はどこにしたんだよ」
七海「俺は外科だよ」
夏樹「うわ、兄貴いるじゃん」
って……
ひな「2人も同じじゃん!」
夏樹「そりゃまあ、やっぱ身内と一緒は避けるだろ~。無駄に厳しくされそうだし」
七海「そうそう」
ひな「わたしに言っといて……。でも本当、指導医になる先生が知ってる人ってなんとなく嫌だよね。はぁ、2人ともすぐ決まってずるい。どうしよう……」
七海「そうだねー……。じゃあ、先生のことは抜きにしてさ、ひなのが1番行きたいと思うのはどこなの?」
ひな「それが……小児科なんだよね」
七海「よりによって小児なのか。それはきついね」
ひな「でしょ?はぁ、もうどうしよう……」
夏樹「……ん?あれ、ちょっと待って。ひなの、小児行けんじゃね??」
ひな「え?いやだから、五条先生いるのに絶対嫌だよ」
夏樹「違うよ、いないじゃん。ほら、クリクラ来年からだろ?五条先生アメリカ行くじゃん」
ひな「あっ……。そうだった……!」
クリクラがスタートするのは年明けから。
わたしが事故に遭って延期となっていた五条先生の渡米の件。
クリクラでは選択実習の他に、実は海外実習もある。
希望する科での実習を終えたあと、次の数ヶ月間はアメリカに行き、2年前、五条先生が行くはずだった提携病院で実習を行う。
五条先生とは期間が異なるけど、せっかくなら少しでも一緒にと、わたしのクリクラに合わせて五条先生はアメリカに行くことになっていた。
夏樹「まぁ、神崎先生はいるけどな」
ひな「神崎先生は5人の中じゃ絡むこと少なかったし、怒られたことないし、優しいし……よし、決めた。わたし、小児科にする!」
七海「小児科か。ひなのに合ってそうだね」
夏樹「クリクラは俺らバラバラになるな。お互い頑張ろうな」
ひな「うん、頑張る!」
ということで、わたしの実習先も無事に決定。
16
お気に入りに追加
140
あなたにおすすめの小説
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪
好きだった幼馴染に出会ったらイケメンドクターだった!?
すず。
恋愛
体調を崩してしまった私
社会人 26歳 佐藤鈴音(すずね)
診察室にいた医師は2つ年上の
幼馴染だった!?
診察室に居た医師(鈴音と幼馴染)
内科医 28歳 桐生慶太(けいた)
※お話に出てくるものは全て空想です
現実世界とは何も関係ないです
※治療法、病気知識ほぼなく書かせて頂きます
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
My Doctor
west forest
恋愛
#病気#医者#喘息#心臓病#高校生
病気系ですので、苦手な方は引き返してください。
初めて書くので読みにくい部分、誤字脱字等あると思いますが、ささやかな目で見ていただけると嬉しいです!
主人公:篠崎 奈々 (しのざき なな)
妹:篠崎 夏愛(しのざき なつめ)
医者:斎藤 拓海 (さいとう たくみ)
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる