ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

はな

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4年に一度のBirthday…②

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ひな「えっ……」


五条「俺はずっとひなに会いたかったんだ。ひなと離れてから、どうしてるのかずっと気になってた。ひなが運ばれてきた時はあまりにもボロボロでショックだったけど、また会えて本当に嬉しかった。だから、傷ついた心も身体も俺が治す、ひなのこと一生守りたい。って思った」





2人だけの空間に、五条先生の落ち着いた声が響き渡る。

さっきから胸がドキドキしてパニックなはずなのに、今すごく大事なところだって不思議と冷静な自分もいて、わたしは五条先生の瞳を真っ直ぐに見つめたまま、五条先生の言葉をひとつひとつ受け取った。





五条「一生守るって言っても、ひなが大人になって好きな人でもできれば、俺は陰で見守ることになると思ってた。でもひなと一緒にいるうちに、ひながかわいくて愛おしくて、誰にも渡したくない、俺がずっとそばにいたいって、そう思うようになったんだ」


ひな「五条先生……」


五条「俺と付き合ってくれないか。もちろん、将来的には結婚も考えてる。恋人として、これからもずっと、俺のそばにいて欲しい。ひなのこと、守らせて欲しい」





返事は決まってる。

というより、最初からひとつ。

その返事をしたいのに、うれしくて夢みたいで信じられなくて、込み上げる涙のせいで声が出ない。





ひな「わたしも……五条先生とずっと一緒にいたいです……そばにいて欲しいです。よろしくお願いします……グスン」





涙でぼやけちゃうけど、五条先生はとっても嬉しそうに、少しホッとしたように、優しく微笑んでくれてる。





五条「よかった。ひなにフラれたらどうしようかと(笑)」





そう言いながら、再び席を立ってわたしの隣に来て、





五条「ほら。かわいい顔、もう汚すなよ」





って、ハンカチで優しく涙を拭いてくれた。





ひな「五条先生……わたし、五条先生が好きです。大好きです……」


五条「俺も。ひなが大好きだぞ」





好きという言葉をどうしても伝えたくて、恥ずかしいけど伝えてみた。

わたしをぎゅっと抱きしめながら、五条先生も好きって、はっきりと確かに『ひなが大好き』って言ってくれた。





こんなに幸せなことが……わたし、こんなに幸せで、こんなに幸せになっていいのかな……。

ほんの数年前まで地獄の中だったのに、たった数年後にこんな幸せが待ってたなんて……



生きててよかった。

トムの……五条先生の言葉を大事にしてきてよかった。



そして、



わたしを産んでくれてありがとう。
空から見守ってくれてありがとう。

たくさんの人に支えられながら、16歳になれたよ。



と、天国にいるマミーとダディーにも、心の中で感謝の気持ちを伝えた。










五条「さぁ、デザート食べようか」


ひな「はい!」





こんなにデザートを食べられることなんて、特別な日にしかない。

涙も上がって、胸は幸せでいっぱい。

最後にお腹も幸せでいっぱいにするべく、ひとつひとつ、よ~く味わって食べ進めた。





ひな「ん~!美味しい~!」





取り皿ももらってたけど、最後のこのデザートは五条先生とフォークをつつき合う。





五条「これでしばらくは甘いもの禁止だな(笑)」


ひな「えぇっ!? でも、今日で一生分の幸せもらった気持ちだからそれでもいいかも(笑)」


五条「一生分って。これからまだまだ幸せになるんだぞ。俺が幸せにするから、覚悟しとけ」


ひな「幸せになるのに覚悟しとけってなんですか(笑)でも、わたしのことだから幸せすぎて熱出すかもしれないし、覚悟しときます(笑)」





なんて言いながら、仲良くデザートも食べ終えて、バースデーディナーの終了。










そして、家に着くと、





五条「ひな、ちょっと座って」





と、なぜかソファーに座らされ、



もしかして……今から聴診でもされるのかな……?



と思ったら、





五条「これ、誕生日プレゼント」





と、リボンのついた小さな紙袋を渡された。





ひな「えっ……?なんで、もうワンピースもらったのに」


五条「ワンピースもプレゼントだけど、誕生日に渡してないだろ。せっかく4年に一度の閏日だし、やっぱり当日に何かプレゼントしたかったから。本当はデザートの時に渡そうと思ってんだけどな。ちょっと俺も緊張しててタイミング逃した」





五条先生も緊張してたんだ。

なんでもできるのに、緊張することあるんだな。

って、今日は五条先生に好きって言ってもらったことが1番のプレゼントなのに。





ひな「ありがとうございます。こんなにプレゼントもらって、本当にいいんですか?」


五条「もちろん。気にいると思うぞ。開けてごらん」





と言われ、紙袋をよく見ると憧れだったデパコスのブランド名が。

そして中には、ハンドクリームとキラキラパッケージがかわいいピンクのリップが入ってた。





ひな「これ、わたし欲しかったの……!!なんで知ってるの……!?」


五条「ん~?まぁ、寝言で言ってたから」


ひな「えぇ!!嘘、恥ずかしい。でも、本当に本当にありがとうございます。今までの誕生日で1番幸せです」


五条「ひな、これからもよろしくな。素敵な16にしよう」





と、また五条先生にハグされて……





五条「さて、ひな早く薬飲まないと。飲んだら風呂な」





って、お誕生日の魔法は解けちゃったけど。

恋の魔法は、次の日もその次の日になっても、ずっとずっと解けないままだった。


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