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胸の"トクン"は恋の病③
しおりを挟む*ひなのside
どうしてわたしは、五条先生に恋なんて……
一緒に住んでるから?
って、そんなの関係ないか。
かっこいいから?
そんなこと言ったら黒柱みんなかっこいいし、夏樹くんだってそれなりにイケメンではある。
じゃあどうして五条先生……?
ひな「……」
五条、先生……
"トクン"
ひな「……っ!!」
また、トクンって、なった……よね?
ひな「もぉ~……」
と、布団をすっぽり被ってみる。
はぁ……五条先生いま何してるのかな?
そういえば、この前五条先生に会ったのすごく久しぶりだった。なんで会いにきてくれないんだろう
忙しいから?
いや、屋上行って怒られてから会ってなかったから、もしかしてまだ怒ってる……?
それとも、嫌われた……?
わたし、五条先生に会いたいのにな……。
……ん?なんで会いたいんだろう。
会いたいと思うってことはやっぱり好きってこと……?
ひな「……」
あぁ!もう!
ダメダメ。五条先生のこと考えるのやめよう!
と、気分転換がてらトイレに行くことに。
***
フゥ~、スッキリ!
おしっこしたら余計な考え事も全部一緒に流れてくれたみたいで、ちょっとリフレッシュできた。
よし、部屋戻って勉強頑張ろう!
と気合を入れて部屋の扉を開けると、
ひな「……えっ?」
五条「おかえり。トイレか?」
ゴジョウ、センセイ……
五条「ひな?」
五条先生が目の前にいる。
ホンモノ?
本物の、生(なま)五条悠仁……?
五条「おいひな。熱でもあんのか?」
ドキッ……!!
目の前に五条先生が現れたパニックで直立不動になってたら、おでこに五条先生の手が。
ひな「……っ// な、な、ないですけど!熱なんて、ありませんけどっ!!トイレでした!!」
五条「あぁ、そうみたいだな」
と、五条先生の手が離れて、しばらく息を止めてたのか、久しぶりに息した気がした。
ひな「あ、あのっ。ど、どうしたんですかっ。なんでここに……っ//」
さっきまで会いたいなと思ってたくせに、五条先生を目の前にして恥ずかしすぎて顔が見れない。
五条「吸入」
はっ……!!
きゅ、吸入か……忘れてた。そんな時間だったか。
って、
ひな「と、藤堂先生は……?//」
五条「今忙しいみたいだ」
ひな「か、神崎先生は……?//」
五条「神崎先生も忙しい。ってなんだよ、俺じゃ嫌なのか?さっきからずっと下向いてるし」
ひな「いやっ……//」
五条「そうか、嫌か。それは悪かったな」
ひな「いやっ//……あ、だからいやっ!あ……違っ、だから、今のいやは嫌ってことじゃなくて!その、五条先生に会いたかったから……ん?あぁっ!ち、違う!あ、ち、違うくないけど、その、び、びっくりして……ごめんなさい……」
あぁ、どうしよう。
めっちゃ変なこと言ってる。
もう、五条先生に嫌われちゃう……。
五条「ひな」
"トクン"
ひな「っ……//」
ひなって……名前呼ばれただけなのに、なんでこんなにドキドキするの?
五条「とりあえず、顔見せてくれないか?」
ひな「……っ!!!?」
ご、五条先生……っ//
五条先生は俯いて突っ立ってるわたしの前にサッとしゃがみ込んで、わたしの顔を覗いてきた。
そして、がっつり目が合っちゃった。
きっと、わたしが顔上げないのわかってて、わざと逆をついたんだ。
五条「俺に会いたかったのか」
ひな「えっ……//」
五条先生、なんでそんな優しい笑顔で会いたかったのかなんて。
ずるいよ……ドキドキしちゃうんだから。
五条「なに?会いたくなかった?さっき会いたかったって言ってたのに。俺は会いたかったぞ」
五条先生も会いたいって思っててくれたの……?
ひな「会いたかったです、ずっと。屋上行ってごめんなさい。あれから会えなかったから、もう嫌われたのかと……」
五条「あのなぁ、そんな2、3週間も前のこといつまで引きずってたんだよ。それに、いつまでも怒るほど俺は暇じゃない。最近ちょっと忙しかったんだ。夜はたまに様子見に来てたんだけどな。調子良くないのに寂しい思いさせてごめんな」
そっか、そうだよね。
やっぱり忙しかったんだね。
ひな「大丈夫です。藤堂先生や宇髄先生がいてくれるし、早く元気になるように頑張ります」
五条「ん。えらいな。よし、じゃあ吸入しないとな。行くぞ」
ひな「げっ……」
五条「げっじゃない。ほら、さっさと行くぞ」
と、手を引かれて処置室に連れて行かれました。
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